我々はこのたびの党中央委員会総会で、テアン（大安）の事業体系を立派に貫徹して工場の管理運営をさらに改善する問題について討議しました。これは工場の管理運営にあらわれた欠陥を早急に改め、社会主義経済建設を力強く促進するうえで極めて重要な意義をもちます。
これまで工場、企業所の管理運営においては少なからぬ欠陥があらわれました。
朝鮮人民はこれまで、我が党の正しい指導のもとに、つきあたる障害と難関を勇敢にのりこえ、困難かつ英雄的なたたかいをくりひろげて、近代的な工場、企業所を数多く建設し、各地に美しい都市をきずきあげました。そのため我が国は、世界人民の前に「チョンリマ朝鮮」の栄誉をとどろかすことができたのです。
我々が困苦欠乏にたえ、汗水流して建設したこれらのものはすべて、全人民の幸せな生活のためのしっかりした元手であり、子々孫々に譲り渡すべき国家の貴い財産です。しかし、これまで工場、企業所の機械設備と生産施設の管理がおざなりだったので、それがおのおのの能力をフルに発揮しておらず、国の経済発展と人民の生活向上により効果的に利用されていません。
報告には、一部の工場、企業所が、設備管理をおろそかにして大切な機械設備を使えなくしてしまった重大な事実が指摘されています。こうした欠陥は、報告に指摘された工場、企業所にかぎらず、他の工場、企業所にも見られることです。
機械工場では設備の点検と修理をそのつどおこなわず、機械を酷使した結果、その精密度が低下しただけでなく、一部の機械設備は使用不能という事態にまでなりました。製鉄所と製錬所をはじめ、重工業部門の他の工場、企業所にしても事情は同じです。軽工業部門でも設備管理をおざなりにして、大事な機械設備を使い物にならなくしています。
輸送部門では、車両やトラック、貨物船をそのつど修理整備しないので長持ちせず、すぐ使えなくなっています。また水産部門では、大型工船をはじめ漁船をよく管理せず、船舶修理システムも確立していないので、一部の漁船は漁獲に利用されず、係留されたままになっています。
工場、企業所の機械設備だけでなく、建物や各種生産施設も管理がおろそかにされています。
先日、安州（アンジュ）郡の９月２８日工場を視察しましたが、構内が乱雑を極めていました。通りすがりに窓の窓から見たところでは、安州の街も清潔とはいえません。安州は平壌市と各道の支援のもとに建設された新興都市であり、そこには、住宅と病院、劇場、食堂、旅館など勤労者の生活に必要なものがすべてととのっています。だというのに、都市をきれいに管理しないため、すでに薄汚れた感じがします。
報告された資料によると、塩州（ヨムジュ）郡にある養魚場では管理がゆきとどいていないため、魚がいくらも生産されていないとのことです。この養魚場は干潟地をせき止めてつくったもので、面積は900ヘクタール余りに及ぶものです。私は新義州（シンイジュ）地方の住民に魚を供給するためこの養魚場をつくらせたのち、平安北道の責任幹部を現地に連れていき、ウナギ、鯉、ボラなどの魚をたくさん養殖する課題を与え、その具体的な方法まで教えました。ところが、その後、誰もこれに関心を払わず、管理をまともにしないので、いま養魚場の面積は３分の１くらいしか利用されておらず、それさえもヘクタール当たりの魚の生産量はわずかにすぎないそうです。養魚場をそういうふうに管理するくらいなら、むしろ水田をつくって穀物を生産するほうがずっとましでしょう。900ヘクタールの養魚場を水田にして稲作をすれば、１ヘクタール当たり５トンとしても計4500トンの穀物を得ることができます。
工場、企業所の設備管理をよくしないのは、すでに前々から生じた悪癖なのですが、それがいままで持続しているのです。以前私が内閣首相として経済活動を直接指導していたときは、工場、企業所に設備登録台帳があり、設備経歴書もあり、設備を定期的に点検し修理するシステムも確立されていました。当時、工場、企業所では、設備部品倉庫を別個に設け、そこに設備補修用の部品スペアを用意しておきました。しかし、その後、こうした秩序と規律はいつの間にかなくなってしまいました。
工場、企業所の設備管理をおろそかにする傾向が適時に是正されずこんにちまで持続しているのは、なによりも政務院の責任幹部をはじめ、経済幹部がこれに関心を払わなかったためです。
これまで、政務院の責任幹部と各委員長、相は、工場、企業所に出向いては生産計画を何％遂行したかという数字を問題にし、さしあたり生産における難題がなんであるかをたしかめるくらいで、工場の設備状態がどうで、工場の従業員が設備管理をどのようにしているのか、といったことにたいしては知ろうともしませんでした。これはたいへんな誤りです。
私はかつて抗日武装闘争のときも、また、いまでも人民軍部隊を視察すると、まず武器の管理状態から調べます。私は部隊の武器管理状態を正確に調べるため、軍人が手にしている銃を検査し、弾薬倉庫にも行ってみたり、軍人に射撃訓練をさせてみたりします。軍隊では、すべての軍人が常時、武器を丹念に整備しておかなくては敵と戦って勝利することができません。
経済建設では、設備がすなわち武器に値します。軍隊の戦闘力は武器の管理状態によって評価され、工場、企業所の生産能力は設備の管理状態によって評価されます。ところが経済幹部は、工場、企業所に出向いて生産数字ばかり問題にし、設備状態については知ろうとさえしないのですから、設備管理がスムーズにいくはずはなく、生産が早くのびるはずもありません。
これまで、党組織と３大革命グループも、工場、企業所の設備管理に関心を払いませんでした。
道・市・郡党委員会の責任幹部にしても、工場、企業所にたびたび出向いてはいますが、かれらもやはり当面の生産に関心を払うだけで、設備状態とその管理状況については知ろうとしませんでした。工場党委員会は、テアンの事業体系によって工場の管理運営全般に責任を負っているにもかかわらず、工場の管理運営において最も重要な問題の一つである設備管理の問題については党委員会で討議さえしていません。
人民政権機関と司法・検察機関でも、工場、企業所の設備管理にたいする監督、統制を怠っています。
中央と地方ごとに各級人民委員会と行政機関があり、司法・検察機関があるにもかかわらず、工場、企業所で国の大事な設備をいい加減に管理して使用不能にしていることにたいして正しく監督せず、そうした現象をなくす対策を立てませんでした。人民政権機関に検査と法的統制をしっかりさせるために国家検閲委員会を設け、各級人民委員会に遵法生活指導委員会も組織したのですが、人民政権機関は、検査、統制の機能を満足に果たしていません。
これらの事実は、経済指導機関と政権機関がそれぞれの役割を満足に果たしておらず、司法・検察機関もその役割をまともに果たしていないことを示しています。
いま幹部は、経済活動において主人としての役目を果たしていません。
社会主義を建設する国でいちばん重要な問題は、経済建設を立派におこなうことです。経済建設を立派におこなわないことには、共産主義社会を建設することも、人民の生活を保障することもできません。
社会主義経済建設を立派におこなうためには、経済建設にたいする指導を正しくおこなわなければなりません。問題は、仕事の手配と指揮にあります。経済建設にたいする指導を正しくおこなうために提起される最も重要な問題は、幹部がその役割を立派に遂行することです。幹部が革命の主人としての態度を堅持して各自に負わされた任務を忠実に遂行するなら、いかなる問題でも解決することができます。
我が党は経済活動にたいする指導を強化するため、人民経済の各部門と各級党組織に老練な幹部と党中央委員会の委員、そして、我々の手で育成した中核分子を派遣しました。しかし、かれらは、これまで各自の役割を十分に果たせず、党の期待にこたえることができませんでした。
人民経済各部門で設備管理が正しくおこなわれていないことや、生産計画が予定どおり遂行されないといったことは、いずれもその部門と単位に責任をもつ幹部が、その役割を正しく果たしていないところに起因しています。
私はすでに昨年の夏、政務院の責任幹部をはじめ経済幹部を集めて、「100日間戦闘」をおこなうのは結構なことだが、まかり間違えばその戦闘を終えたあとで石炭と電力の不足をきたして困難に直面し生産が低下するおそれがあるので、あらかじめ先を見通して仕事の手配を綿密にするよう強調しました。にもかかわらず、かれらはこれを深く肝に銘じませんでした。その結果、「100日間戦闘」が終わってから石炭が不足し、電力事情が急迫して困難に直面するようになりました。
また一部の経済幹部は、電力不足を逃げ口上にして仕事に主人らしく取り組まなかったので、電力事情が緩和されたあとでも、あれこれの原因で生産を順調に進められない結果をまねきました。
金属工業省の責任幹部の手違いにより、先ごろ金策（キムチェク）製鉄所で電力不足をきたし生産が順調にいかないというので、電力を十分に供給したところ、今度は重油が足りないといい、それを供給すると今度はまたモーターが焼けたのなんのといって、依然として圧延鋼材をまともに生産していないありさまです。
化学工業省の責任幹部にしても同じです。党は２．８ビナロン連合企業所がビナロンを大量に生産するよう要求したのですが、化学工業省の責任幹部は電力不足でどうしようもないといいました。それで電力を供給したところ、今度はボイラーが故障だのなんのといって、依然としてビナロンをまともに生産していません。
南浦（ナムポ）製錬所と順川（スンチョン）セメント工場でも電力がどうのこうのといっていましたが、電力を円滑に送っても、高炉が破損したの、どの設備が故障したのといって生産を満足におこなっていません。鉱業省と建材工業省の責任幹部が主人としての態度で責任をもって仕事にあたり、電力事情のため工場の順調な操業が不可能なときに設備の点検・補修をする対策を立てていたなら、こうした結果をまねきはしなかったでしょう。
幹部が党の信頼と期待に反したことをする傾向は、党活動家のあいだにも見られます。
ある道党委員会の責任幹部などは、革命家の遺児で、我々の手で育てた人ですが、党と領袖のために誠実に働こうとせず、思い上がったふるまいをしました。私は、かれが在任中の道を現地指導したさい、小規模発電所をいくつか建設する課題を与え、その敷地まで定めてやりました。そして、資材が問題だというので、国家予備物資を出庫して資材を供給するようはからいました。ところがかれは、そういう措置まで講じて供給した資材を他に転用してしまいました。
我々は、抗日革命闘争の途上で倒れた同志たちにたいする革命的道義を守り、解放直後、中国の東北地方にまで人をやって、放浪していた遺児を全部捜しだして連れてきました。そして、当時の極めて困難な経済状態のなかにあっても、農民が国家に献納した愛国米を元手に万景台（マンギョンデ）革命学院を創立し、かれらを勉強させて幹部に育てあげました。こうして育った人たちがいま、党と人民軍、政権機関と人民経済各部門で重要な幹部として活動しています。かれらにとって、私は、党の見地からすれば総書記であり、国家の見地からすれば主席ですが、人間的には父とかわりありません。ですから、かれらは誰にもまして自分を育て勉強させ、幹部に育てあげた党と領袖にもっと忠実で、私から与えられた任務を責任をもって誠実に実行しなければならないはずです。
すべての幹部は、これまで党のあつい信頼を忘れ、党の期待に反したふるまいをしたことにたいし呵責を感じるべきであり、特に経済指導と工場の管理運営をおざなりにして、国家の経済発展に支障をきたしたことにたいし相応の責任を負わなければなりません。
これから各級党組織とすべての幹部は、今回の総会で批判された欠陥を改めるため積極的に努力すべきです。
会議の過程で批判されたように、経済指導と工場の管理運営にあらわれた欠陥はもちろん重大なものです。しかし、党組織と幹部が決心して取り組むなら、欠陥を早急に改め、力強く前進することができます。
我々は戦後、廃墟のなかから素手の状態でもしっかり取り組んで努力した結果、こんにちのような社会主義の楽園をきずきあげることができました。いま我々には、これまできずきあげてきた強力な経済土台があり、我が党が養成した100万以上の技術者、専門家の大集団があります。第６回党大会の報告でも指摘したように、我々が育てあげた技術者、専門家はいま40代、50代の元気旺盛な働き手で、精いっぱい力を出せる働き盛りの年です。党組織と幹部がかれらを奮起させ、組織指導活動を綿密におこなうならば、工場の管理運営と国の経済建設全般に新たな転換をもたらすことができます。
工場の管理運営に新たな転換をもたらすためには、テアンの事業体系を立派に貫徹しなければなりません。
テアンの事業体系は、我が党がうちだした最もすぐれた企業管理方法です。テアンの事業体系は、資本主義的企業管理方法と根本的に異なるだけでなく、他の社会主義諸国で適用している企業管理方法とも異なります。テアンの事業体系は、社会主義制度本来の要求に即応して、我々が独創的に創出した朝鮮式の共産主義的企業管理方法です。
今年は、我が党がテアンの事業体系をうちだしてから20周年にあたる意義深い年です。党と国家経済機関のすべての活動家は、テアンの事業体系についての学習を強め、その本質と優位性を明確に認識し、それを立派に貫徹するため積極的に努力すべきです。こうして、人民経済の各部門で工場の管理運営を改善し、生産と建設でより大きな高揚を起こさなければなりません。
テアンの事業体系を貫徹して工場の管理運営に改善をもたらすためには、なによりもまず工場党委員会の役割を強めなければなりません。
工場党委員会の集団指導を実現することは、テアンの事業体系の最も重要な要求です。工場党委員会の集団指導、まさにこれがテアンの事業体系の核心といえます。
党の指導をぬきにしては、社会主義・共産主義建設について考えることはできません。各階級と階層によって構成されている人民大衆を共産主義社会まで導いていくことは、けっしてある一人の命令や指示によって実現するものではありません。それは、もっぱら革命的党がその組織をつうじて１人が10人、10人が100人、100人が1000人、1000人が１万人を動かす方法で大衆を奮起させ、動かしていくときにのみ可能です。党の指導は共産主義建設の過程にかならず必要であるばかりか、将来、共産主義社会にいっても必要だと考えます。共産主義社会だからといって、各人が自分勝手に暮らすことはできないのです。共産主義社会にいっても、人々は集団的な生活、組織生活をしなければならず、そのためには社会的集団を動かし、人々を統一的に指揮する集団の中核、言いかえれば、党のような政治組織がなくてはなりません。
工場党委員会は、集団的指導機関です。工場党委員会は党の路線と政策を貫徹するため、工場の管理運営上のすべての問題を集団的に討議し決定すべきであり、工場の党書記と支配人は党委員会の決定に従ってそれぞれの任務を果たすべきです。
工場の党書記は、党委員会の各部署と勤労者団体組織をつうじて、党員と勤労者を工場の経済課題の遂行に立ち上がらせる組織・政治活動をおこなうべきです。支配人は、技師長と副支配人、工場の各部署をつうじて経済組織活動をおこなうべきです。言いかえれば、設備管理と技術指導、労働の組織と資材供給などの活動をおこない、財政管理もおこなうべきです。
工場の管理運営において党委員会の指導を保障するということは、けっして支配人の指揮能力を抑制することでもなく、党書記の行政代行を許すことでもありません。工場の党書記は、支配人と同様に工場党委員会の決定と分掌に従って活動し、党委員会を開くときには議長として会議の進行を受け持つだけです。
工場党委員会の集団指導は、党員と勤労者にたいする政治活動を先行させて経済活動を党的にバックアップし、支配人と技師長をはじめ、工場の管理幹部の責任感と役割を強めて工場の管理運営を円滑におこなうようにすることです。
工場党委員会は、すべての工場の管理幹部が各自の分担と責任を円滑に果たすよう日常的に援助し、かれらに欠陥があらわれたときはそのつど是正させるべきです。
工場党委員会は、党政策の実行にたいする監督を強めるべきです。
工場党委員会は、工場の管理運営で提起されるいっさいの問題を党の政策を物差しにしてはかるべきです。工場の生産品が合格品か不合格品かを測定器具で判定するように、工場党委員会は政務院をはじめ、行政・経済機関の決定やある幹部の指示がおりてくれば、それが党の政策にかなったものであるかどうかを判定すべきです。そして、その決定と指示が党の政策にすこしでも違反しているときには、そのつど問題視し、上級党組織に報告すべきです。これまで一部の工場党委員会は、こうした役割をまともに果たしませんでした。
一部の工場党委員会は、工場で設備登録台帳と設備経歴書をなくしてしまい、設備点検制度と予備部品確保制度を実施していない事実を知りながらも、それをそのつど問題視せず、対策を講じませんでした。ですから、工場の管理運営に欠陥があらわれたのは、けっして経済幹部にのみ責任があるとはいえません。工場党委員会は工場の最高指導機関なのですから、工場の管理運営に欠陥があらわれれば、誰よりもまず党委員会が責任を負うべきです。
これから、工場党委員会の役割を決定的に強めなければなりません。
党中央委員会の当該部署と道党委員会は、これまで工場党委員会の活動を正しく指導できなかったことにたいし強く責任を感じ、今後すべての工場党委員会が各自の役割を円滑に果たすよう正しい指導対策を立てる必要があります。
次に、経済幹部の責任感と役割を強めるべきです。
いま、経済幹部には革命の主人としての態度が欠けており、党政策にたいする絶対性、無条件性の精神も強くありません。経済幹部は、口先では主人としての態度で党の政策を無条件貫徹すべきだといっていますが、実際の行動では党の決定と指示を無条件に、確実に実行しておらず、あれこれと口実をもうけて党の政策を駆け引きの具にしようとしています。これは非常に間違っています。
もちろん党員は、誰でも党組織に自分の意見を述べることができます。ですから、経済幹部は、党会議に参加して社会主義経済建設で提起される諸問題について意見を提出することができるし、また建設的で創意的な意見は大いに出すべきです。しかし、党組織で民主的な討議をへていったん決定したのちは、誰もそれをもって駆け引きをすることは許されません。党員は党組織の決定にたいしては、ただ実行する義務があるのみです。少数は多数に服従し、個人は組織に服従し、すべての党員は党の路線と政策を無条件擁護し貫徹するのが労働者階級の党の組織原則であり、党員の守るべき党規約上の義務です。
各級党組織は、経済幹部にたいする党としての教育を強化し、かれらがみな主人としての態度で責任をもって仕事にあたり、党の路線と政策を絶対性、無条件性の原則で立派に貫徹するようにしなければなりません。
経済幹部のあいだで革命的鍛練を強め、組織観念を強めるための闘争を力強くくりひろげるべきです。少なからぬ経済幹部は、よくやったと評価されれば喜び、仕事の不手際を批判されればよしとせず、少々批判されても機嫌が悪くなって顔色をかえます。これは、かれらにまだ革命的世界観が確立されておらず、古い思想が残っていることを示しています。
共産主義者は組織からよくやったと評価されれば、自分が当然なすべきことをしたものと思って仕事にたいする誇りをいだくべきであり、仕事に不手際があって批判されれば、それを当然のこととし、自分の誤りを是正するよい教育の機会だと考えるべきです。
最近『労働新聞』に掲載された金周鉉（キムジュヒョン）同志についての記事がこのことを教えています。
金周鉉同志は、和竜遊撃隊の組織者の一人で政治理論水準も高く、私に非常に忠実な人でした。かれは、我々といっしょに戦う過程で過ちをおかして何回も批判をうけ、処罰もうけましたが、そのたびに自分の過ちを是正するため誠実に努力しました。
私は、悪い連中が持ち歩いていた「民生団」の文書の束を焼却したのち、「民生団」の被疑者の一人であった女性隊員を司令部の炊事隊員として配属したのですが、当時、給養担当責任者であった金周鉉同志は、「民生団」の被疑者を司令部の炊事隊におくのはもってのほかだといって、私のいないあいだに彼女を他に移してしまいました。かれは主観的には私を思ってそうしたのですが、それは私のためにはならず、私の意図に反する措置でした。私は数日後、帰ってきてそのことを報告され、金周鉉同志を強く批判しました。
また一度は、端川（タンチョン）、城津（ソンジン）をはじめ、国内各地で地下活動をしていた同志たちと連係を結び、革命組織を拡大するため、金周鉉同志を責任者とする小部隊を組織して国内に送りこみました。ところが、金周鉉同志は小部隊を引率して目的地に向かう途中、日本軍が金塊を運びだしているという情報を入手し、それを襲撃しました。そのため、小部隊は敵に発見され、結局私の与えた任務を遂行できずに部隊にもどってきました。我々は、金周鉉同志が革命規律に違反して任務を遂行しなかったので、かれを強く批判し、給養担当責任者の役を免職し、６か月間釜を背負って歩かせ、炊事隊の仕事をさせることにしました。かれは革命的世界観の確立した人であったので、処罰をうけたのち共産主義者らしく熱心に働き、生活も模範的にしました。かれは、組織の処分を自分を救う教育の機会とみなし、過ちを是正するため懸命に努力しました。それで我々は、６か月になる前に処罰を解除し、かれをもとの地位にもどしました。
革命家は仕事の過程で過ちをおかすことがあります。革命的世界観が完成した人間というのはありえません。共産主義者は、死にいたるまで革命的世界観の確立に努めるべきであり、自分自身を革命的にたえず鍛えなければなりません。そして、過ちをおかしたときは当然、責任を負うべきであり、過ちを是正するため積極的に努力すべきです。
共産主義者は、けっして党組織を恐れてはいけません。我が党はおおらかであり、党のふところは寛大であります。我が党は、党員が過ちをおかしたときは批判し処罰も加えますが、その処理は常に寛大であり、過ちを是正すれば、またおおらかなふところに抱きとめます。ところが一部の経済幹部はまだ、我が党がいかにおおらかで、党のふところがどれほど寛大であるかをよくわかっていません。党組織は、政治・思想教育を強化して、すべての経済幹部がこのことを明確に認識し、自分の運命を党にすっかり託すようにしなければなりません。
経済幹部は『労働新聞』をあまり見ないようですが、そういうことではいけません。我が党は、『労働新聞』をつうじて各時期の党の路線と政策を党員に伝えています。『労働新聞』は、幹部と党員を教育する非常に重要な手段です。
すべての機関と工場、企業所では毎朝、仕事に着手する前に30分程度、義務的に『労働新聞』の社説、論説を会読することにすべきです。
経済幹部が各自の任務と役割を円滑に果たすためには、決定的に水準を高めなければなりません。
労働者階級が政権を掌握したのち、それを維持、強化し、経済建設を進めるうえで提起される最も重要な問題の一つは、幹部の水準を高めることです。労働者階級出身の幹部は系統的な教育をうけていないので、一般的に水準が高くありません。したがって、労働者階級出身の幹部は大いに学習して水準を高めなくては、経済を科学的に、経済法則の要求どおり管理し発展させることができません。ましてこんにち、人民経済の技術装備水準が全般的に非常に高まり、電子工学をはじめ、最新科学技術の成果が生産に広く適用されている状況のもとで、経済幹部の水準を早急に高めることなしには、近代化された工場を正しく管理運営することができません。
我々はすでに抗日革命闘争の時期に、「革命家にとって学習は第一の義務である」というスローガンをかかげ、誰もが学習するようにしました。それ以来数十年がすぎましたが、このスローガンの重要さは依然としてかわりありません。科学と経済が急速な発展を遂げ、すべてのものが不断に発展するこんにちの現実に後れをとらないようにするためには、誰もが学習をしなければなりません。かつて、系統的な教育をうけられなかった労働者、農民出身の幹部と革命闘争に参加した人はいうまでもなく、大学を出た人も学習はつづけなければなりません。以前、大学を出た人は、数十年前に自分が学んだ科学技術はすでに古いものとなり、現実より後れているものであることを知るべきです。
全国に革命的学習気風を確立し、すべての人が精力的に学習して、水準を速やかに高めるべきです。
経済幹部、特にオートメ化された近代的な工場の幹部は、いっそう学習に励み、自動化設備をたくみに扱い、オートメ化された工場を立派に管理運営できるよう、高い科学技術知識を身につけ、専攻部門の科学技術に精通しなければなりません。
現代科学技術を身につけることを神秘なことのように考える必要はありません。かつて、専門の科学技術教育をうけていない人でも、熱心に学習すれば、現代科学技術を身につけることは十分可能です。
我々が抗日武装闘争の初期に日本軍を奇襲して機関銃や迫撃砲を奪い取ったとき、遊撃隊員のなかにはそれを使用できる人がいませんでした。それで、最初は満州かいらい軍に服務していた人たちから砲撃術を習い、その次には敵の手から機関銃や迫撃砲など各種兵器の使用法が書かれている本を奪い、それを翻訳して隊員に教えました。抗日遊撃隊員は軍事大学を出ていませんが、こうした方法で学習していろいろな武器に精通し、高い射撃術を修得しました。
経済幹部の水準を高めるためには、人民経済大学でかれらを再教育する事業を強化しなければなりません。ひところ、人民経済大学では、経済幹部を受け入れて講義をしたり、経験交流会や思想生活総括会議などをおこなってかれらを再教育する事業を活発にしたものですが、いまではまともにおこなっていないようです。人民経済大学で経済幹部を再教育するシステムを復活させ、授業の質をいっそう高めるようにすべきです。
当該部門では経済幹部が学習できるよう、必要な条件を十分にととのえてやるべきです。
次に、設備管理と資材管理、労働力管理、財政管理を正しくおこなうべきです。
工場の管理運営では、設備管理と資材管理、労働力管理、財政管理を正しくおこなうことが極めて重要です。設備を技術的によく管理してフル稼働させ、資材と労働力を節約して合理的に利用し、財政を正しく管理してこそ、工場、企業所の経営活動を正常化し、生産の急速な増大をはかることができます。
設備管理に力を入れるべきです。
生産において設備は軍隊の武器に相当します。武器がよくてこそ軍隊が敵とよく戦えるように、工場、企業所では、設備が常によく整備されていてこそ、生産を高い水準で正常化することができます。
設備管理を正しくおこなうためには、なによりもまず設備経歴書をきちんとつくり、それを正しく利用しなければなりません。
設備経歴書は、設備管理を正しくおこなうための基礎文書です。設備経歴書をきちんとつくり、系統的に整理し、それを正しく利用するなら、設備の状態を手にとるように知りつくし、それに即応して設備を管理することができ、設備にたいする点検補修を計画的におこなうことができます。
すべての工場、企業所と政務院の各委員会、省は、設備経歴書をつくり、それにもとづいて設備を管理する制度を復活させるべきです。
設備管理を正しくおこなうためにはまた、工場、企業所が、設備点検の日を定め、設備を定期的に点検し、計画的に補修するようにしなければなりません。
設備管理を改善するためには、部品生産を先行させなければなりません。
工場、企業所に工作・動力職場をしっかりととのえ、フルに操業させ、政務院の各委員会、省と地方党組織が、工場、企業所の工作・動力職場に他の生産課題をおしつけて部品生産に支障を与えることのないようにすべきです。特に、外国から輸入した設備の部品を自力で生産、供給するため積極的に努力すべきです。
設備管理を改善するためには、さしあたり不備の状態にある設備を早急に補修整備しなければなりません。
金属工業、化学工業、機械工業など人民経済の各部門で工場別に現在の設備状態を具体的に掌握し、計画を綿密に立て、不備な設備を一つひとつ補修整備しなければなりません。
政務院は、各委員会、省が自力で補修できない対象にたいしては、他の委員会、省が援助するよう手配すべきです。
今年、不備な設備の補修整備をするにとどまらず、これから毎年、設備の補修整備を定期的におこなう必要があります。
設備管理を正しくおこなうことは、工業部門の工場、企業所にかぎらず、人民経済の他の部門と人民軍でも実行すべき重要な課題です。
交通運輸部門と農業部門をはじめ、人民経済の他の部門でも、機械設備を日ごろからまめに管理し、そのつど点検補修すべきです。人民軍では、武器と軍事装備の保管管理と点検補修をまめにしなければなりません。
設備管理に力を入れると同時に、工場の建物と住宅の管理、都市経営事業にも力を入れるべきです。
資材管理、労働力管理、財政管理を正しくおこなわなければなりません。
資材管理を正しくするためには、資材商社の役割を強めなければなりません。
現在、資材供給事業は、資材商社をつうじてではなく、政務院と政務院の各委員会、省の責任幹部の指令にもとづいておこなわれています。そのため資材供給システムに混乱をきたし、政務院と政務院の各委員会、省の責任幹部は雑多な業務に追われてきりきり舞いをしています。これはテアンの事業体系に甚だしく背く現象です。
これからはこうした傾向をなくし、資材商社の役割を強めて、生産に要するいっさいの資材を必ず資材供給契約にもとづいて、資材商社が責任をもって供給するようにしなければなりません。
これと同時に、資材消費基準を正しく定め、それを厳格に守り、資材をやたらに転用したり、必要量以上のものをうけて死蔵する傾向をいっさいなくすべきです。
労働の組織を合理的におこない、財政を正しく管理することは、工場の管理運営で提起される重要な課題です。
すべての工場、企業所は、労働規律を厳格に立て、480分の勤務時間を完全に利用し、労働基準量の更新作業を改善して、従業員一人当たりの生産高の向上のために大いに努力すべきです。そして、生産労働力をむやみに割いて他の仕事に動員することのないようにすべきです。
また工場、企業所は、独立採算制を正しく実施し、財政規律を強め、財政総括制度を厳格にうち立てるべきです。
我々は今年を、設備と工場の建物、住宅をすべてきちんと補修整備し、工場の管理運営をはじめ、すべての部門の管理運営を新たに改善する年にすべきです。そうして、党中央委員会第６期第３回総会がテアンの事業体系の確立と工場の管理運営の改善で重要な契機となるようにすべきです。
次に、企業管理を正規化、規範化するため積極的に努力しなければなりません。
企業管理を正規化、規範化するのは、我が党が一貫して堅持している経済管理方針です。企業管理を正規化、規範化してこそ、テアンの事業体系を正しく具現し、社会主義制度の本性に即して工場の管理運営を改善することができます。
我々は、企業管理を正規化、規範化するため大いに努力し、ここ数年のうちに企業管理の正規化、規範化を実現しなければなりません。
私は、企業管理を正規化、規範化するため、すでに久しい前に人民経済大学に指示して「工業企業所管理規範」をつくらせ、工場、企業所の幹部がそのとおり働くようにしました。しかし現在、「工業企業所管理規範」をのみこんで、そのとおり仕事をしている人はそれほどいません。
企業管理を正規化、規範化するためには、経済の指導と管理にあたるすべての幹部が管理規範をよく知らなければなりません。管理規範は、工場、企業所の作業班長と職場長、支配人はもちろん、工場党委員会の書記、政権機関と経済機関の幹部、そして政務院の総理と副総理も知らなければなりません。いま企業管理が正規化されていない主な原因の一つは、ほかでもなく、幹部が管理規範をよく知らないところにあります。
経済の指導と管理にあたるすべての幹部に、それぞれの任務と工場管理運営上のいろいろな問題を十分に認識させるために、今後、工場、企業所の作業班長は、市・郡党学校で、職場長は共産大学で、そして工場、企業所の支配人と政務院の責任幹部、委員長、相は、人民経済大学で系統的に再教育する措置を講じるべきです。講習などもたびたびおこなって、幹部に工場の管理運営に必要な知識を与える必要があります。
人民軍が末端指揮要員と将校を系統的に教育して登用しているように、人民経済部門でも作業班長と職場長、支配人などは、市・郡党学校や共産大学、人民経済大学の正規教育をうけた人でかためるべきです。
企業管理を正規化、規範化するためには、人民経済の部門別にモデル工場を立派にととのえる必要があります。そうして、人民経済各部門がモデル工場を標準にして徐々にすべての工場、企業所を正規化、規範化していくべきです。
次に、３大革命グループの役割を強めなければなりません。
テアンの事業体系を立派に貫徹し、工場の管理運営を改善するためには、党組織の指導を強化すると同時に、３大革命グループの役割を強めなければなりません。
いま３大革命グループは、３大革命グループ運動をはじめた当初にくらべて、その役割を十分に果たしていません。最近、工場、企業所の管理運営に少なからぬ欠陥があらわれましたが、３大革命グループはそうした傾向と積極的にたたかいませんでした。３大革命グループが技術革新運動と重要な建設に参加して成果をあげているのは、もちろんよいことです。しかし３大革命グループのより重要な任務は、それぞれの単位で党の路線と政策が立派に貫徹されるように指導、統制することです。
こんにち３大革命グループに提起されている当面の任務は、テアンの事業体系を立派に貫徹することです。すべての３大革命グループは、このことをしっかり認識し、各自が受け持っている単位でテアンの事業体系が立派に貫徹されるよう、正しく指導、統制しなければなりません。そうして、テアンの事業体系を貫徹し、工場の管理運営を改善するうえで３大革命グループが重要な役割を果たすべきです。
３大革命グループの役割を強めるためには、３大革命グループの隊伍をしっかりかためなければなりません。
いま、党組織は３大革命グループに優秀な活動家をあまり送りだそうとしないそうですが、そういうことでは３大革命グループの役割を強めることができません。党組織は、３大革命グループに優秀な活動家と青年インテリを多数派遣して、３大革命グループ運動の真価を発揮させるべきです。
党組織は、３大革命グループのための講習や３大革命グループ責任者の会議もおこなったりして、かれらの責任感と水準を高めなければなりません。
最後に、経済活動で注意を払うべきいくつかの問題についてふれておきます。
今年の営農で成果をあげなければなりません。
私はすでに久しい前に、肥料はすなわち米であり、米はすなわち社会主義であるというスローガンを示しましたが、このスローガンの正しさと生命力は日ましにいっそう明白にあらわれています。
私は先ごろ、我が国を訪問した外国の大統領に、このスローガンにもう一つ水をプラスして、肥料と水はすなわち米であり、米はすなわち社会主義であるといったところ、かれはこの方針は極めて正しい、このたび朝鮮に来てみて、社会主義を建設するためにはまず農業の速やかな発展をはかる必要があることを切実に感じた、といっていました。
その国は土地が広く湖沼の多い国なので、揚水機を設置して水を汲みあげ、潅漑をほどこせば農業を立派に営むことができ、二毛作も可能です。ところが、その国では農業がふるわず、毎年食糧難に見舞われているとのことです。
いま食糧問題は、世界で最も重要な問題となっています。特に第三世界諸国、非同盟諸国は食糧を買い入れる財政的余裕がなく、また資金はあっても食糧が買えなくて大きな困難に見舞われています。
朝鮮人民はここ数年のあいだ、ひきつづき営農実績を上げて食糧を自給自足し、幸せに暮らしています。我が国の若い世代は戦時にも飢えたことがなく、戦後にも腹をすかしたことがなく、毎日３度おなかいっぱい食べているので、飢えというものがどういうものかを知らずにいます。我々はなんとしても今年も農業を立派に営んで、食糧を大量に生産しなければなりません。
この２月にニューデリーで開催された非同盟諸国外相会議の決定によって、今年の８月に平壌で食糧および農業増産にかんする非同盟諸国と発展途上諸国の討論会が開かれることになっていますが、この会議に参加する世界各国の人たちに立派な模範を示すためにも、今年の農作で好成績をあげなければなりません。
寒冷前線の影響がつづいている状況下にあって、今年の営農実績を上げるためには、冷害を克服する対策をしっかり立てる必要があります。
なによりも、田植えを適期に終えるため、農村にたいする支援を綿密に手配しなければなりません。
我が国の農村の機械化水準は高いほうですが、まだ機械による作業が不可能な小区画の水田が多く、機械化された田畑でも人手を要するところが少なくありません。ですから、田植えを適期に早く終えるためには、労働者、事務員、軍人を動員して田植えを支援しなければなりません。
我々は今年も、都市が農村を支援し、労働者階級が農民を援助するという党の方針どおり、全党、全軍、全人民が総がかりで農村にたいする労働支援をするようにしなければなりません。
人民経済各部門の工場、企業所では、労働者が田植えのシーズンに農村支援に動員されることを予見して、人民経済計画を一か月くりあげて遂行するために奮闘すべきです。そして農村支援がすんだあと、生産をいっきょに高められるよう、必要な準備をいまから十分にととのえておくべきです。特に、地方産業工場では、田植えどきの多くの人手の動員を予見して、生産の手配を綿密にしておくべきです。
燐酸肥料の生産を大幅に増やすべきです。
冷害を克服するうえで燐酸肥料は非常に重要な働きをします。我々の経験によると、冷害の甚だしい東海岸一帯でも、燐酸肥料を多くほどこしたところでは高い収穫を得ています。最近、外国の科学者も冷害を克服するには、燐酸肥料の効果が大きいという例証をあげています。
いま、燐酸肥料を生産する工場で燐酸肥料生産計画をまともに遂行していませんが、その生産増大をはかる積極的な対策を立てる必要があります。
農作物の品種配置を適切におこなうべきです。
各協同農場で、今年は必ず冷害を克服できる品種を栽培すべきです。特に、東海岸地帯の道では、昨年の営農で得た教訓を生かして、冷害によくたえ、成熟の早い品種を選択して栽培することです。
我々は今年、すべての力を動員して農業を立派に営み、950万トンの穀物生産目標を達成しようという党のスローガンを立派に実現しなければなりません。
漁獲とアブラガヤツリの栽培に力を入れて、人民の副食物問題をより円滑に解決すべきです。
我が国には魚族資源が豊富なので、仕事の手配を上手にすれば魚をたくさん捕ることができます。メンタイだけでも年間の漁獲高は150万トン以上であり、これに夏季の漁獲高と遠洋漁場での漁獲高まで合わせれば200万トンの魚が捕れる計算になります。年に200万トンの魚が捕れれば、人民は毎日３食の食事ごとに魚汁を食べることができるし、そうなれば食糧を少なからず節約することができます。魚汁をたっぷりとれば、ご飯の量を減らすことができます。
漁獲高を増やすとともに、アブラガヤツリの栽培に力を入れるべきです。アブラガヤツリの収穫を増やして食用油をたくさん生産すれば、人民はいろいろな野菜料理をつくっておいしく食べることができます。魚と野菜と食用油があれば、人民の食生活をより豊かなものにすることができます。ですから、みんなで取り組んで、今年のアブラガヤツリ栽培に力を入れるべきです。
私は、テアンの事業体系を立派に貫徹する問題を討議する今回の総会を契機に、今年、穀物生産を増やし、漁獲とアブラガヤツリ栽培に力を入れて、人民の生活をいちだんと高めることをいま一度強調するものです。
電力を節約し、電力生産を増やすためにひきつづき大いに努力すべきです。
最近、電力事情が少々緩和されたからといって、一部の工場、企業所では電力をやたらに消費していますが、それではいけません。水力発電所の貯水池に雪解けの水が流れこんだので、最近、電力事情がやや緩和されましたが、これは長つづきしません。人民経済の各部門で電力を極力節約しなければなりません。
工場党委員会と道党委員会をはじめ、各級党委員会と経済幹部は、時差交替生産を合理的におこない、電力の浪費行為と強くたたかわなければなりません。電力消費の多い工業を電力消費の少ない工業に切りかえる事業も積極的におし進めるべきです。この事業では科学者が先頭に立つべきです。
電力工業部門では、水力発電所の水車効率を高め、水を節約しながらより多くの電力を生産することに努めるべきです。
電力生産を大いに増やして人民経済の電力需要を円滑にみたすためには、発電所の建設を大々的に進めなければなりません。我々は今年、発電所の建設を積極的におし進め、特に中小水力発電所の建設に大きな力をそそぐべきです。そうして、電力問題のより円滑な解決をはかるべきです。
我々はこのたびの総会で、我が党に提起されている極めて重要な問題を討議しました。
今年は、全党、全国、全人民が取り組んで、今回の総会の決定を立派に貫徹するたたかいを力強くくりひろげなければなりません。
各級党組織と国家・経済機関は、党中央委員会第６期第３回総会の決定を立派に貫徹するための具体的な計画を立て、それを一つひとつ実行していくべきです。
我々は、今回の総会の決定を貫徹する事業を全党的な一大政治闘争によって、強い思想闘争によってくりひろげるべきです。党組織は、思想闘争によってこれまでの工場管理運営上の欠陥を改め、党員と勤労者を総会決定の貫徹をめざすたたかいに力強く立ち上がらせるべきです。
私は、各級党組織と政務院の各委員会、省をはじめ、国家・経済機関が今回の総会の決定を高くかかげ、テアンの事業体系を立派に貫徹して、工場の管理運営に一大転換をもたらすよう期待します。
