金 日 成

日本社会党中央執行委員会委員長との談話
 −1981年3月14日−


 きょうの日本社会党代表団との会談は重大な問題を討議する会談なので、私が直接参加しました。

 私は、我が国を訪問した飛鳥田委員長を団長とする日本社会党代表団をいま一度熱烈に歓迎します。我が党が、日本社会党代表団を熱烈に歓迎するのは当然なことです。

 昨日の宴会でも述べましたが、飛鳥田委員長と日本社会党の幹部のみなさんは、朝鮮人民のたたかいを積極的に支持声援してくれています。我々は、これにたいし感謝の念をいだいています。

 飛鳥田委員長と日本社会党の幹部は、朝鮮人民のあいだに広く知られています。

 飛鳥田委員長が、アジアの平和を維持するため各方面にわたって努力しており、特に、朝鮮の平和統一を支持して大いに活動されていることにたいし謝意を表します。

 飛鳥田先生と日本社会党のみなさんが金大中(キムテジュン)救出運動を積極的にくりひろげた結果、幸いにもかれの生命は救われました。我々は、あなたがたが、現在も金大中救出運動を展開しているということを聞いて深く感動させられました。

 飛鳥田委員長先生の情勢分析は、的確であると思います。

 我々は、日本社会党が現情勢にもとづいて実施している政策を支持、賛同します。

 現情勢にたいするあなたがたの見解は、我々の見解と一致し、現情勢に対処して日本社会党のとっている方針は我が党の闘争方針と大同小異です。

 あなたがたと同じように、我々もいま、日米「韓」の軍事一体化が積極的に進められていることを憂慮しています。日米「韓」の軍事一体化を実現しようとする企図は、「北からの南侵の脅威」の口実のもとに、日米「韓」軍事同盟を結び、南朝鮮を永久に占領するためのアメリカ帝国主義者の陰謀であると思います。アメリカはレーガンが大統領の座についてから、この反動的な陰謀をさらに露骨におし進めています。レーガンがいかに反動的であるかは、かれが大統領就任後、南朝鮮人民があれほどまで憎悪している軍事ファッショ独裁者である全斗煥を、いちばん先にアメリカに招いたことにも明白にあらわれています。

 アメリカ帝国主義者が日米「韓」の軍事的結託をさらに強化しようとする目的は、「北からの南侵の脅威」を口実に、南朝鮮をかれらの軍事基地として掌握しつづけ、日本の軍事力を増強してソ連の「南下政策」を阻もうとするところにあると思います。飛鳥田委員長先生の前回の我が国訪問のときにも話したことがありますが、日米「韓」の軍事一体化を急ごうとするアメリカ帝国主義者の基本的目的は、日本の対馬と南朝鮮の鎮海(チンヘ)湾のあいだのソ連軍艦の通過を阻もうとするところにあります。

 アメリカ帝国主義者は、ソ連に反対しようというスローガンを前面にかかげることができないので、「北からの南侵の脅威」という口実をもうけて南朝鮮を占領しつづけており、ソ連が日本を侵略するおそれがあるという口実のもとに、日本の軍事力を増強するよう要求しています。アメリカのこのような策動は、アジアの平和を脅かし、朝鮮人民と日本人民の平和な生活を脅かすものです。我々は、この問題についてあなたがたと完全に見解をともにしています。

 いまアメリカ帝国主義者は、南朝鮮でチーム・スピリット81という軍事演習をくりひろげています。かれらは毎年、春になると、このような軍事演習をくりひろげています。ところが、かれらが毎年くりひろげる軍事演習は、その規模がしだいに拡大しています。今年は昨年にくらべ、さらに多くの兵力を南朝鮮に引き入れました。昨年より飛行機もさらに多く配備し、軍人もさらに多く引き入れました。

 アメリカは、毎年くりひろげる軍事演習を口実に、南朝鮮に爆弾、砲弾、弾薬、燃料油やその他の軍事装備を大量に搬入し蓄えています。かれらは、実際に軍事演習に必要なものよりさらに多くの軍事装備を南朝鮮に搬入して蓄えています。これは、アメリカが今後、朝鮮で戦争を引き起こす準備を進めていることを示すものです。

 アメリカが南朝鮮で戦争準備を完了したあとは、かれらのかいらい、戦争狂をそそのかして戦争の火口に火をつけるおそれがあります。特に、全斗煥のような戦争狂は、非常に危険な人物です。

 我々は、このような事態にたいして警戒心を高めなければならないというあなたがたの意見に全く賛成であり、我々もやはり警戒心を高めています。

 こんにちの情勢は、我が国で戦争が起こる危険が恒常的に存在していることを示しています。

 もちろん、我々は、「南侵」する考えをもっておらず、先に戦争をしかけることもないでしょう。もし、我が国で戦争が起これば、それは世界大戦になりかねません。我々は、朝鮮で起きた戦争のために世界大戦が起こるのを望みません。

 朝鮮において戦争の危険が大きくなっていることにたいし両党が警戒心を高め、日本人民と朝鮮人民、アジア諸国人民を立ち上がらせ、朝鮮で戦争が起こらないようにするための運動を展開するのは極めて重要なことです。

 いま世界各国の人たちは、朝鮮の緊張した情勢からして戦争が起こりうるということと、そしてそれが、直ちに世界大戦に燃えひろがるということをまだよく理解していません。特に、ヨーロッパ諸国の人たちが、これをよく認識していません。

 ただいま飛鳥田委員長先生もお話しになりましたが、日本社会党のみなさんがヨーロッパの各社会党、社会民主党をつうじてその地域の人々に、朝鮮で戦争が起こる危険が恒常的にただよっていることを正しく認識させるため、積極的な活動をくりひろげる必要があると考えます。

 日本の軍事力増強にたいしても憂慮せざるをえません。日本の軍事力増強に反対して展開している日本社会党のたたかいは正当であり、我々はそれを全面的に支持します。

 私は、日本の自由民主党代表団が我が国を訪問したさい、日本が軍国主義の道に進んではならないということを幾度も話しました。日本が軍国主義の道に進めば、第三世界諸国、発展途上諸国から孤立するでしょう。

 人民をふるいたたせ、日本の軍事力増強に反対する日本社会党の闘争は、第三世界諸国の人民だけでなく、全世界の平和愛好人民の支持をうけるものと思います。

 現在、東南アジア諸国の人民をはじめ世界のすべての平和愛好人民は、非核地帯・平和地帯の設置を支持しています。

 私は、両党が現在おし進めている東北アジアの非核地帯・平和地帯設置の問題が、世界の大多数の国の人民の共鳴をうけるものと思います。朝鮮人民と日本人民だけでなく、アジア諸国の人民と全世界の平和愛好人民もそれを積極的に支持するものと思います。

 現在、第三世界諸国と発展途上諸国は、みな世界大戦が再発するのではないかと憂慮しています。

 最近、インドのニューデリーで開かれた非同盟諸国外相会議で採択された宣言がそれを証明しています。

 ニューデリー外相会議の宣言には、ブロックに加担しない問題、外国の軍事基地の撤廃と外国軍隊撤収の問題、世界各地域に非核地帯を設置する問題など一連の重要な問題が指摘されています。この会議ではいろいろな意見がありましたが、絶対多数の国が宣言の内容を支持する立場をとりました。

 現在、世界のほとんどの国が新たな世界大戦の勃発を望んでいない状況のもとで、我々両党が非核地帯・平和地帯設置の問題をかかげていくことは非常に好ましいことです。もちろん、そうするからといって、アメリカをはじめ、核保有国がいま直ちに核兵器を撤収したり、破壊してしまうということはないでしょう。しかし、非核地帯・平和地帯を設置して平和を維持しようという両党の主張は、世界の広範な人民の願いを尊重するものとして、かれらの支持をうけるでしょう。

 いまこそ、両党が久しい前から討議してきた東北アジアの非核地帯・平和地帯の設置と関連した宣言を発表すべき極めて適切な時期であるとみなします。

 現在、インド洋地域でも非核地帯・平和地帯の設置をめざす運動がくりひろげられています。インド洋沿岸の多くの国で非核地帯・平和地帯の設置をめざす運動がしだいに強化されています。最近、マダガスカルのラチラカ大統領もこの問題を提起したことがあります。

 両党が、東北アジアの非核地帯・平和地帯設置の構想を実現するのは結構なことです。もちろん、一部の国の人々は、我々の主張が非現実的であるというかもしれません。しかし、我々がこの主張をかかげていくのは、広範な人民大衆を平和愛好運動へ奮起させるうえでも大きな意義があるでしょう。

 飛鳥田委員長先生は、このたびの日本社会党代表団の我が国訪問の重要な目的の一つがまさに、東北アジアの非核地帯・平和地帯の設置と関連した宣言に合意し、それを発表することであるといわれました。

 私は、この機会に両党が、東北アジアの非核地帯・平和地帯の設置と関連した共同宣言について合意をみ、それを発表するのがよいと考えます。

 日本社会党は、社会の民主化をめざす南朝鮮人民の闘争を積極的に支持しており、金大中をはじめ、南朝鮮の民主人士を救うための対内対外運動を力強くくりひろげ、多くの成果をあげています。私は、これにたいして改めて謝意を表します。

 現在、南朝鮮での民主化運動は厳しい試練に直面しています。

 光州(コワンジュ)人民蜂起以後、南朝鮮の軍事ファシスト一味は、すべての民主人士の政治活動を禁じ、ひいては民主化運動とはなんの関係もない人たち、かつて朴正煕の配下にあった人たちまでみな除去してしまいました。

 全斗煥「政権」にたいする南朝鮮人民の不満はますます高まっています。

 光州虐殺事件の背後には、アメリカがありました。アメリカが、光州虐殺事件を背後で直接指揮したことは南朝鮮人民も知っています。したがって、南朝鮮人民の反米感情は、光州虐殺事件を契機にさらに高まりました。これは非常によいことです。

 光州虐殺事件は、我々が南朝鮮人民に、アメリカに反対して立ち上がれと宣伝するよりもさらによい結果をもたらしました。南朝鮮人民は実際の体験をつうじて、アメリカがほんとうに凶悪であるということを認識するようになりました。いま、南朝鮮における民主化運動は試練に直面しているとはいえ、今後はひきつづき発展するものと思います。

 南朝鮮の軍部内でも全斗煥「政権」にたいする不満が高まっています。したがって、南朝鮮の軍内部も強固であるとはいえません。南朝鮮の軍部は、アメリカの統制のもとにかろうじてまとめられているにすぎません。

 南朝鮮人民の民主化闘争は今後さらに発展するであろうし、南朝鮮の民主化運動に助けとなるあなたがたの立派な活動は、世界各国人民からひきつづき支持をうけるでしょう。

 我が国の統一問題について話そうと思います。

 我々は、第6回党大会で、自主、平和統一、民族大団結の3大原則にもとづいて国の統一を実現する方針を提示し、その方途として高麗(コリョ)民主連邦共和国創立の方案を示しました。

 我々は今回、高麗民主連邦共和国が、自主、中立、非同盟、平和愛好の国となるであろうことを明らかにしましたが、これは世界各国人民の共感を呼んでいます。世界各国の人民は、我々の新たな祖国統一方案にたいし、これこそは、誰にも受け入れられる、最も公明正大な方案であるといっています。

 南朝鮮の民主人士も、我々の新たな祖国統一方案を受け入れています。また、アメリカ、カナダ、西ドイツ・フランスをはじめ、海外の多くの朝鮮同胞も我々の祖国統一方案を支持しています。日本にいる朝鮮同胞はいうまでもありません。

 我々の提案した国の平和的統一のための新しい方案が広範な支持をうけているのは、非常によいことだと思います。

 全斗煥は、アメリカの差し金のもとに「南北韓当局最高責任者の相互訪問」を「提議」しましたが、我々はそれを拒否しました。なぜなら、全斗煥は殺人魔であり、南朝鮮の民主人士と政治家を逮捕、投獄し、かれらの活動を妨げている犯罪者であるからです。全斗煥は南朝鮮人民だけでなく、世界の人民からも憎悪されています。我々が、そういう人物と会談できないことは自明のことではありませんか。

 我々は、北と南の平和会談の扉を閉ざしたのではありません。我々は、いつでも南朝鮮側と会談する用意ができており、会談の扉を開いています。しかし、全斗煥は、我々との会談の対象から除外しています。南朝鮮で全斗煥のようなファッショ分子でない他の人が「政権」の座につくなら、我々はかれと会談をおこなうでしょう。

 我々の主張は、南北当局者間の会談は直ちにおこなえないとしても、北と南の各階層人士の参加する大民族会議を速やかに開こうということです。しかし、南朝鮮側は、この要求にすぐさま応じる気配がありません。したがって、もうすこし様子を見ながら条件をととのえるべきではないかと思います。

 いま南朝鮮は、政治的、経済的に極めて困難な状態にあります。南朝鮮の経済状況は非常に険悪です。南朝鮮の経済は、日本とアメリカの経済に従属しています。

 日本社会党が、日本当局をして南朝鮮に経済的支援を与えないように圧力を加えることは非常に重要だと思います。もし、あなたがたが、日本政府をして南朝鮮に経済的支援を与えないようにするなり、経済的支援を与える場合でもそれを消極的なものにとどめさせ、日本の労働者階級をして南朝鮮にたいする経済的支援に反対するサボタージュをさせるならば、それは南朝鮮人民の民主化運動を大きく励ますことになるでしょう。

 先にも話したように、我が党は、日本の中立、非同盟、平和をめざす日本社会党の政策を全面的に支持します。

 我々はまた、あなたがたが朝鮮の統一を支持する運動を各方面にわたってくりひろげていることを満足に思っており、みなさんに謝意を表します。

 現在の全般的な国際情勢を分析してみると、戦争が起きる危険があるとみなすことができます。だからといって、直ちに戦争が起きると断言することもできません。アメリカではレーガンが大統領の座につきましたが、世界の人民はみな戦争に反対しており、また、アメリカ自身にしても深刻な政治的・経済的困難に直面しているので、直ちに戦争を起こすことはできないでしょう。アメリカ当局者は、いまいろいろと好戦的な言辞を弄していますが、かつて朝鮮戦争とベトナム戦争で苦い教訓を得ているので、むやみに、きなくさい火遊びをすることはむずかしいのではないかと思います。

 直ちに戦争が起こらないとしても、我々は、戦争が起きる危険があるということを前提にし、それを防止するための闘争をくりひろげるべきです。戦争が起きてからそれに反対してたたかうより、戦争が起きる前に戦争を防ぐためにたたかうのがより重要です。したがって、両党が戦争に反対し、平和をかちとるための運動をたえまなくくりひろげる必要があると考えます。

 私は、日本社会党が、今年の憲法記念日を契機に平和運動をいっそう力強くくりひろげようとしているのは、非常によいことであると思い、それを積極的に支持します。

 我々は今回の非同盟諸国外相会議で、新たな世界大戦の勃発を防ぎ、非同盟運動の統一と団結をかちとろうという念願から出発して、会議に朝鮮問題を上程せず、非同盟運動の原則を固守する問題、外国軍事基地の撤廃と他国に駐留している外国軍隊を撤収させる問題、世界の各地域に非核地帯を設置する問題などを主動的に提起し、非同盟諸国の関心がここに集中されるようにしました。

 非同盟諸国外相会議で我が国がこのような主動的な発起をしたため、我々はアジアとアフリカ、ラテンアメリカの多くの国の代表から熱烈な支持をうけました。こうして、我が国の外相は、今回の会議でアジア地域を代表して祝賀演説をし、基調演説もしました。

 我が国の代表団が今回の会議でこのような主動的な発起をしたので、非同盟運動の分裂を防ぎ、この運動の原則を守りとおすことができ、世界戦争の防止問題をはじめ、一連の基本問題を成功裏に討議することができました。

 今回の非同盟諸国外相会議の進行状況を見ても、第三世界諸国が戦争を好まず、ブロックに反対し、自国内の外国軍事基地の設置に反対し、他国にあるすべての外国軍隊の撤収を要求し、外国軍事基地の撤廃を要求しているということがよくわかります。

 現在、すでにかちとった国の独立を固守するという第三世界諸国の立場は確固たるものです。しかし、それらの国が、独立を固守するうえにはいろいろな問題があります。

 第三世界諸国がかちとった独立を固守するためには、自立的民族経済を建設しなければなりませんが、それらの国は、まだ自立的民族経済を建設していません。

 第三世界諸国の人たちは、自立的民族経済の建設において大国の援助を望んでいます。そうしながらもかれらは、大国の援助をうけると、その代価として政治的自主権を失うのではないかと心配しています。

 したがって、私は、日本政府をして、自立、平等、互恵の原則で第三世界諸国に経済・技術協力をおこなわせようとする日本社会党の立場は正しいと思います。

 日本は、軍国化の方向に進むのではなく、軍国化に費やす資金を非同盟諸国に提供し、それらの国が自立的民族経済を建設できるように援助すべきです。そうすれば、日本が非同盟諸国との連帯を強め、日本がなめている経済的難関を打開する有利な条件がつくられるでしょう。

 最近、多くの非同盟国の元首が日本を訪問しています。昨年はザンビア大統領が訪日し、近日中にタンザニア大統領の訪日が予定されています。タンザニア大統領は、日本訪問後我が国も訪問します。かれが我が国を訪問するのは2度目です。

 非同盟諸国、発展途上諸国、困難な状態にある国々は、皆日本の経済援助を求めています。これは、日本社会党が日本軍国主義に反対するうえで極めて有利な条件となると思います。あなたがたが、日本政府をして国の軍国化に資金を使うのでなく、発展途上諸国に経済援助を与えて日本の経済難を打開し、それらの国との友好関係も維持するようにすれば、よい結果をもたらすことができるでしょう。日本が第三世界のより多くの国と友好関係を結べばよいでしょう。

 あなたがたは、日本政府をして発展途上諸国に与える援助を他の列強の援助と異なった条件でおこなうようにするためたたかうべきです。言いかえれば、日本は、列強が発展途上諸国に援助を与えて要求する条件よりゆるやかな条件をだし、それらの国を友好的に援助するようにすべきです。

 今年、我が国では食糧および農業増産にかんする非同盟諸国と発展途上諸国の討論会が開かれます。5〜6月には食糧および農業部門調整国第2回会議をおこない、8月末には国際討論会を開きます。

 我が国で開かれる食糧および農業増産にかんする非同盟諸国と発展途上諸国の討論会には、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの多くの国の代表が参加することになります。だいたい90余か国の代表の参加が予定されています。

 我々は、非同盟諸国、第三世界諸国が、まず食糧問題を解決できるようにする方向で、それらの国を援助する事業をおこなっています。いうまでもなく、我が国は大きな国でもなければ経済が高度に発達した国でもありません。しかし我々は、非同盟諸国と発展途上諸国が、農業生産の増大をはかり、食糧問題を自力で解決できるように援助を与えるという意味で、我が国で食糧および農業増産にかんする非同盟諸国と発展途上諸国の討論会を開催することを提起し、ニューデリー外相会議でそれを決定しました。我々は、すべての非同盟国が、自力更生し、自力で農業を発展させて食糧問題を解決することを願っています。

 我が国で開かれる食糧および農業増産にかんする非同盟諸国と発展途上諸国の国際討論会は、我が国と非同盟諸国、第三世界諸国との友好関係をいっそう強化することにも大きく寄与するでしょう。

 我が国の社会主義建設の状況について簡単にふれておきましょう。

 現在、我が国では社会主義建設がスムーズに進められています。もちろん、社会主義建設の過程には難関も少々ありますが、それは十分克服できる難関であり、発展途上に生じる難関です。もし、我々が速く前進せず腕をこまぬいているならば、困難な問題は生じないでしょう。我々が速く発展しようとするので、その過程で一部困難な問題も生じるのです。人民の高い革命的熱意と積極的なたたかいによって、今後、我が国の社会主義建設は、さらに速く発展するでしょう。

 私はこの機会に、日本社会党が我が党第6回大会に高位級代表団を派遣して、我々の党大会にいっそうの光をそえ、党大会の成果を祝ってくれたことにたいし、飛鳥田委員長をはじめ、みなさんに感謝します。

 私がきょう、あなたがたにお話ししようと思った問題は、だいたい以上のとおりです。

 飛鳥田委員長先生をはじめ、みなさんが、私の話を注意深く聞いてくださったことにたいし謝意を表します。

出典:『金日成著作集』36巻


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