金 日 成

人民経済の計画規律を強化し、社会主義経済建設で
新たな高揚を起こすために
 ―朝鮮労働党中央委員会第5期第19回総会での結語―
1979年12月12日 

 我々はこのたびの党中央委員会総会で、1980年度の人民経済発展計画をはじめ、重要な諸問題を討議しました。

 1980年度の人民経済発展計画は、社会主義経済建設をひきつづき高いテンポでおし進め、第2次7カ年計画を繰りあげて遂行するための来年度の闘争目標を明確に示した立派な計画です。

 このたびの総会では、報告と発言がみな正しくおこなわれ、多くの同志たちが、来年度の人民経済発展計画を成功裏に遂行するための立派な決意を披瀝しました。

 各級党組織と人民経済各部門では、勤労者の高揚した革命的気勢を正しく組織動員して、来年度の人民経済発展計画を期限前に超過遂行する闘争を力強く繰り広げなければなりません。

 人民経済発展計画は、無条件遂行しなければならない国のおきてです。しかしいま、経済幹部のあいだには、人民経済発展計画をそのとおりあくまで遂行する気風が欠けています。政務院の一部の委員会、省の責任幹部は、人民経済発展計画の遂行過程で資材が計画どおり保障されなかったり、困難な問題が提起されるとすぐさま計画の調節を求め、また計画を満足に遂行できなくても、それほど責任を感じていません。これは、非常に間違っています。

 もちろん、人民経済発展計画の遂行過程でやむをえない事情が生じれば、四半期別の計画を100%遂行する条件で、今月の生産計画を多少減らし、来月にその分まで生産する方法で月間計画を一部調節することはできます。しかし、四半期計画や年間計画をやたらに調節してはいけません。特に、経済幹部の不手ぎわのため人民経済発展計画を遂行できずにいて、計画を調節してそれを遂行したという評価をうけるといったことは絶対に許されません。

 人民経済発展計画は国家のおきてであるため、それを遂行できなかったときは、それに対し当然、経済幹部が責任を負い、法的制裁をうけなければなりません。

 経済幹部のあいだで人民経済発展計画に対する誤った観点を一掃し、厳格な計画規律を確立しなければなりません。そうしてこそ、総会における皆さんの決意が空論におわることなく実践にうつされます。

 来年度の人民経済発展計画を成功裏に遂行するためには、政務院の役割を高め、経済活動に対する国家的指揮体系を確立しなければなりません。

 政務院は、党の経済政策を実行するため人民経済の事業全般を指揮する国家の指導機関です。それゆえ、政務院の各委員会、省と人民経済の各部門は、政務院の指揮に服従し、その決定、指示をあくまで実行しなければなりません。いま、政務院の一部の委員会、省の責任幹部と工場、企業所の支配人のなかに、政務院の指揮に従わず、政務院の決定、指示を確実に実行しない傾向があらわれていますが、これは正しくありません。

 経済活動に対する国家的指揮体系を確立するためには、すべての経済幹部が政務院の指揮に服従するとともに、政務院が指揮を正しくしなければなりません。指揮を正しくするということは、必要な命令をそのつど正確に下すことを意味します。

 軍隊は、指揮官の指揮が巧みでなければ戦闘で勝利することができません。指揮官は、いつも戦況を正しく把握し、突撃しなければならないときには突撃命令を下し、休息を要するときには休息命令を下し、後退しなければならないときには後退命令を下さなければなりません。指揮官が必要な命令を適時に正確に下さないなら、戦闘でまけるばかりでなく、部隊が一朝にして全滅しかねません。

 現在、政務院は、経済司令部として経済活動に対する指揮を正しくおこなっていません。政務院が経済司令部としての役割を果たすためには、日常的に国の経済状態をよく知り、現実の要求に即して必要な命令をそのつど正しく下すべきなのですが、そうしていません。これが、政務院の活動における最も大きな欠陥です。

 政務院の総理が、国の経済全般を正しく把握し、適時に必要な命令を下せるようにするためには、各副総理と政務院事務局が総理を十分に助けなければなりません。副総理は、総理を補佐する人です。政務院事務局も総理を補佐する機関です。政務院事務局は、軍隊における作戦局と同じような役割を果たすべきです。総理ひとりで国の経済全般を具体的に把握することはできません。ですから、各副総理と政務院事務局が常に人民経済各部門の実態を具体的に掌握して総理に報告し、対策案をいろいろと提起すべきです。そうしてこそ、総理は正しい決断を下し、適時に必要な命令を下すことができます。

 次に、政務院の各委員長と相は、革命の主人としての態度で仕事を責任をもっておこなうべきです。

 政務院の各委員長と相は、それぞれ人民経済の一部門を担当して党の経済政策を実行する重要な経済幹部です。政務院の各委員長、相は、軍隊でいえば軍団長や兵種司令官と同じです。ですから、その責任は非常に重いといえます。

 政務院の各委員長、相が、党から与えられた重大な任務を全うするためには、すべての力と才能を尽くして誠実に働かなければなりません。しかしいま、政務院の一部の委員長と相は、空論にあけくれて主人らしく仕事をしておらず、党の任務を責任をもって実行していません。

 今年、水産委員会の委員長をはじめ一部の経済幹部は、魚類の冷凍施設を十分に備えて冬期に漁獲するメンタイを腐らせず人民に供給せよという指示をうけながら、それを満足に実行していません。彼らは、さる3月にこの指示をうけたにもかかわらず、積極的な実行対策を立てようともせず、どうなったという報告もせずにいて、メンタイの盛漁期である最近になってはじめて、メンタイが腐ると大騒ぎをしています。これは、党に対する不誠実な態度であり、人民の生活向上を妨げる極めて好ましからぬ行動です。

 政務院の一部の委員長と相は、各委員会、省が連係を保って対策を討議すれば、十分自力で解決できる問題も、そのようにせず、政務院に文書を提出して解決を求めています。また、ある委員長や相は、資材が計画よりやや少なく供給されると計画が遂行できないものと考え、計画を遂行できなかったことが当然であるかのごとくみなして、その責任を国家計画委員会になすりつけています。こうしたことは、いずれも正しくありません。

 1万トン供給される計画だった鋼材が8000トンしか供給されなかったとか、5000トン供給されるはずの燃料油が3000トンしか供給されなかったとすれば、政務院の委員長や相は、資材が計画どおり供給されていないことを不平がましくいおうとばかりせず、いかにすれば8000トンの鋼材と3000トンの燃料油で生産を計画どおり遂行するかということに頭を使わなければなりません。そうして、プレス化の割合を高めるとか、より多くの代用燃料油を使うとかして、鋼材と燃料油の節約対策をたて、計画を間違いなく遂行しなければなりません。ところが、こうするのではなく、計画化に誤りがあるのどうのと不必要な言いがかりをつけて時間をすごすのは、共産主義的革命家の活動態度とは何のゆかりもありません。こうした活動態度では、革命をすることができず、社会主義・共産主義社会を建設することもできません。

 戦後、我々は何もない廃墟のうえに復旧建設をおこない、社会主義を建設しはじめました。当時我々には、家を建てようとしてもレンガ1枚まともなものがなく、トラックやクレーンもありませんでした。トラッククレーンを外国から買い入れようとしましたが、価格が法外に高いものでした。我々には外貨が非常に不足していたので、高い代金を支払ってトラッククレーンまで外国から買い入れることはできませんでした。もし、我々がクレーンだけでも自力でつくるなら、多くの外貨を節約し、それだけトラックを余分に買い入れることができました。そこで私は、自力でクレーンを製作できないかを検討するよう、経済幹部に指示しました。その結果、楽元機械工場でクレーンが製作できそうだとのことでした。私はその報告をうけ、さっそく楽元機械工場に行って労働者たちに国の困難な経済状況について話し、自力更生の革命精神を発揮してクレーンを製作してみるよう課題を与えました。楽元機械工場の労働者は、この課題をうけて大胆に取り組んだ結果、立派にクレーンをつくりました。我々はこうして、戦後、自力でトラッククレーンをつくって復旧建設をおこないました。

 我々は、戦後の復旧建設で難問題の一つであったワイヤロープ問題もそういう方法で解決しました。ワイヤロープなしには何ごともなしえません。クレーンをつくるにしてもワイヤロープが必要であり、炭鉱、鉱山で石炭や鉱石を採掘するにもワイヤロープがなければならず、船舶で貨物を積み出すにもワイヤロープが必要です。ところが我々は、戦後の初期にはワイヤロープが生産できなかったため、復旧建設に手がつけられませんでした。外国にワイヤロープの製造設備を売ってくれるよう求めましたが、彼らは生産されたワイヤロープを買って使えといって、設備を売ってくれませんでした。それで私は、ワイヤロープも自力で生産することに決心し、某幹部に、ワイヤロープの作り方は原理上、農民が縄をなうのと同じだから、むずかしく考える必要はない、直接降仙製鋼所へ行って技術者と討議して、ワイヤロープの生産方途を見出すようにと指示を与えました。その幹部が降仙製鋼所に出向いて技術者と討議した結果、自力でワイヤロープを生産することができるという結論に達しました。当時、わが国の技術者は、ワイヤロープの生産設備を見たこともなく、その製作に参考になるような設計図ももっていませんでした。それで彼らは、教科書の絵を見て、それを参考にワイヤロープの生産設備をつくりました。

 降仙製鋼所の労働者が刻苦奮闘した結果、ワイヤロープの製造に成功しましたが、彼らのつくったワイヤロープは最初のころ丈夫なものとは言えませんでした。それで、降仙製鋼所の支配人を外国に派遣して、ワイヤロープ工場を見学してこさせることにしました。外国のワイヤロープ工場を見学した支配人は、熱処理工程の欠落していることがワイヤロープの弱い原因であることを知りました。支配人は、熱処理工程をスケッチして帰り、熱処理工程を整えました。その後から降仙製鋼所では良質のワイヤロープを量産できるようになり、それが戦後の経済建設を保障するうえで大きな元手となりました。

 これに類した事実は、ほかにもたくさんあります。これは昔話でもなく、戦後の困難な時期に社会主義経済建設の過程にあったことであり、我々の党員と労働者階級が自力更生、刻苦奮闘してたちはだかる難関をのりこえ、勝利の前途を切り開いた実例であります。

 皆さんは、自力更生、刻苦奮闘という言葉をただのスローガンとして唱えるだけでなく、実践行動にうつさなければなりません。

 政務院の各委員長や相が、資材が十分に供給されれば計画を遂行し、資材が少なければ計画を遂行しなくてもいいように考え、計画を遂行できなかった責任を他人になすりつけるようなことをするなら、彼らに何の自力更生、刻苦奮闘の革命精神があると言えましょうか。資材が不足すればそれで計画を遂行する方途を見つけだし、外貨が足りなければわずかな外貨でも節約して与えられた経済課題を遂行する対策を立て、党と革命のために、祖国と人民のためにすこしでもよいことをし、より多くの仕事をするため全力を尽くして努力する人であってこそ、真の共産主義的革命家だといえます。

 我々が最近、隠れた英雄を探しだし、彼らを高く評価しているのは、彼らに自力更生、刻苦奮闘の革命精神が強く、領袖と党に対する忠誠心が高いからです。隠れた英雄のおさめた研究成果ももちろん貴いものですが、領袖と党のために、祖国と人民のためにすべてを尽くして闘った彼らの高い忠誠心と美しい真心はそれ以上に有意義で貴重なものです。

 我々のすべての幹部は、隠れた英雄の発揮した崇高な革命精神と高い忠誠心を身につけなければなりません。

 そうなったとき、我々には不可能というものがなく、いかなる闘争においても必ず勝利するようになるでしょう。

政務院の各委員長、相は、要領主義と形式主義、泣きごとと責任の回避など、あらゆる主人らしくない誤った活動態度をきっぱりと捨てさり、活動を革命的に改善すべきです。

 一部の幹部は、活動を改善せよと言われると、すぐ機構の拡張を求めますが、そういうことではいけません。機構が大きくなくては仕事がうまくいかないというわけではありません。能力のある人で機構をかため、少数の人員で仕事を几帳面にするほうがまさっています。いたずらに機構ばかり拡張しては、複雑で事務室が狭くなるだけで、役に立ちません。問題は機構にあるのではなく、幹部が自力更生、刻苦奮闘の革命精神をもって、創意を発揮して主人らしく責任感をもって働くかどうかにあります。このことがいま、政務院の委員会と省の活動を改善するうえで最も重要な問題です。

 次に、人民経済の各部門で生産を正常化するため積極的に努力しなければなりません。

 社会主義経済建設を立派に進めることは、こんにち、わが党に提起されている最も重要な革命課題であり、したがって、人民経済の計画課題を確実に遂行することは、経済部門のすべての幹部と勤労者に課されている基本的な革命任務です。人民経済各部門のすべての幹部と勤労者が、この基本的革命任務を円滑に遂行するためには、必ず生産を正常化し、日、旬、月、四半期別の計画を間違いなく遂行する習性をつけなければなりません。

 現在、一部の工場、企業所では、生産が正常化されていません。

 生産を正常化するためには、毎月、上旬から月間計画を少なくとも30%は遂行しなければならないのですが、一部では上旬に10%も遂行できず、中旬にも20%そこそこで、下旬になって突撃戦を繰り広げて70%をやり遂げています。そのため、製品の質が改善されず、労働者を疲労させ、設備を酷使して翌月にはいっては設備補修のためまた生産を正常化することができなくなります。こういうやり方で生産をおこなっては、人民経済計画を成功裏に遂行することができません。

 人民経済各部門の生産を正常化するためには、まず資材供給体系から改善しなければなりません。

 テアン(大安)の事業体系では、政務院の各委員会、省と企業所相互間の契約にもとづいて繰り込まれた供給計画にそって、資材が計画的に供給されるようになっています。政務院の各委員会、省と企業所相互間での資材のやりとりは商社をつうじて商業的形態で実現されなければなりません。もし、片方が資材を契約どおり生産供給しなかったときには、違約金を支払わなければならず、甚だしい場合には法的制裁をうけなければなりません。資材供給活動をこういう体系でおこなわなければならないということについては、私がすでに何回も具体的に述べており、文献にもすべて発表されています。しかし、それが正しく実践されていません。

 現在は、多くの場合、資材供給活動をテアンの事業体系どおりにおこなわず、政務院の指令によって資材供給契約に代えており、資材商社をさしおいて多くの経済管理活動家や資材引受係が資材購入のために歩きまわっています。そのため政務院は、党の経済政策を実行するための指揮を正しくおこなえず、資材供給機関の役割を果たしており、国家計画委員会は、政務院の指令に従って資材をやりくりするのに腐心しています。

 資材供給活動がこういう状態では、生産を正常化することができず、社会主義経済法則の要求に即して経済を計画的に、合理的に管理運営することができません。

 党中央委員会の経済部署と政務院の幹部がしっかり取り組んで、資材供給体系を早急に改善しなければなりません。

 テアンの事業体系の要求どおり資材供給活動を改善するためには、何よりもまず計画の一元化、細部化の方針を貫徹しなければなりません。

 我々の示した計画の一元化、細部化の方針は、社会主義経済を最も科学的に、合理的に管理運営できるようにする、すぐれた計画化方針です。しかし現在、計画の一元化、細部化の方針を正しく貫徹せず、需要と供給のつりあいのとれない資材供給計画を立てており、そのため資材供給に混乱が生じています。

 国家計画委員会をはじめとする計画機関では、資材の需要と供給源泉を細部的に正確に見積って計画に繰り込まなければならず、生産能力の制約で一部の資材がやむなく需要にくらべて不足するときには、あわない数字を無理やりにあわせようとするのではなく、資材をいくらかずつ節約して生産計画を保障しなければならないということを計画に明記し、そのとおり実行させるべきです。そして、国家検閲委員会をはじめ点検・統制機関は、政務院の各委員会、省と工場、企業所がそのとおり正しく実行しているかどうかを点検しなければなりません。

 資材供給の計画化でいちばん望ましいのは、少なくとも1カ月分の資材を先行させることです。1カ月分に相当する資材の余裕をもって計画を作成すれば、資材供給がスムーズにいき、安定した生産を保障することができます。

 資材を先行させるためには、何よりもまず採掘工業に力を入れて、鉱山、炭鉱が鉱石や石炭などの原料と燃料を十分に生産供給できるようにしなければなりません。これとあわせて輸送に力を入れて、生産された原料と資材を人民経済の各部門にそのつど運搬しなければなりません。

 資材供給活動を改善するためにはまた、資材商社の役割を決定的に高めなければなりません。

 いま一部の経済幹部は、資材商社の正しい利用対策を立てず、資材供給が円滑になされていないのは資材供給省のせいであるかのように言っていますが、それは間違っています。資材供給省が、人民経済各部門の数千もの工場、企業所を全部相手にして資材を供給することはできません。資材供給省の活動の中心は、国家の予備物資と輸入物資を取り扱い、追加的に増産された余裕資材を適切に配分することです。ですから政務院の各委員長、相は、資材供給活動を資材供給省に頼ろうとすることなく、資材商社を掌握して正しく指導し、すべての資材が資材商社をつうじて円滑に供給されるようにすべきです。

 人民経済各部門の生産を正常化するためには、資材供給活動の改善とともに、連帯生産規律を強化しなければなりません。

 いかに立派な計画を作成しても、人民経済各部門と工場、企業所が、連帯生産規律を厳格に守らなければ、それは正しく実現されず、生産に大きな混乱をまねくようになります。いったん契約が結ばれ、計画に組み入れられたのちは、人民経済各部門と工場、企業所が契約した設備と資材を間違いなく適時に生産供給しなければなりません。

 次に、技術革命を力強く繰り広げなければなりません。

 わが党第5回大会がうちだした最も重要な課題の一つは、ほかならぬ技術革命を力強くおし進めることです。第5回党大会は、人民経済各部門で技術革新運動を広範に繰り広げて、重労働と軽労働の差、農業労働と工業労働の差を著しく縮め、女性を家事の重い負担から解放するという3大技術革命課題をうちだしました。我々は第6回党大会をひかえて、技術革命をいっそう力強く繰り広げるべきです。

 こんにち技術革命の遂行で提起される重要な問題は、従来の労働基準量と消費基準、計算法にこだわることなく、技術を不断に革新して、現有の労働力と設備と資材でより多く生産することです。

 いま一部の人は、技術を革新しようとはせず、ひきつづき従来の労働基準量と消費基準、計算法に固執しています。

 現在適用されている労働基準量と資材消費基準、設備利用基準は古いものであり、そういう基準にもとづいて計算された労働力と資材の所要量にはかなりの余裕があります。ある工場では、数百キログラムもの素材を削って30キログラムそこそこの部分品をつくっているそうです。この工場が技術を革新して新たな加工方法を適用するなら、40キログラム程度の素材でその部分品を十分生産することができるでしょう。そうすれば、資材消費基準を現在にくらべ数十倍も引き下げ、そこからだけでも多くの鋼材が節約されるでしょう。鋼材、セメント、丸木などの資材所要量の見積りをみても、そこには少なからぬ余裕があります。

 従来の基準と計算法に固執している人は、技術を革新し、潜在力を探しだして生産を増やそうとはせず、何か課題が提起されると、労働力と資材、設備の追加供給を求めます。こういう人は、資材や設備が十分に供給されないと、すぐ泣きごとをいって、まかされた任務を遂行するため積極的に努力しようとしません。これは、技術革命をおこなおうとする態度ではなく、革命家の活動スタイルではありません。こうした観点と思考方式では、革命をすることができず、前進することもできません。

 幹部は、かつて抗日遊撃隊員がいかにして素手で敵の武装を奪い取って武装を整え、日本帝国主義を打倒したのか、戦後わが国の人民が、すべてが破壊された廃墟の上にいかにして現在の平壌のような立派な都市を建設し、わが国をゼロからこんにちのような発展した社会主義工業国につくりあげたのかということについて考えてみるべきであり、当時の革命精神に見習って、ないものはつくりだし、不足するものは探しだして難関を克服していかなければなりません。

 思想、技術、文化の3大革命は、わが党の総路線であり、技術革命を力強く繰り広げることはわが党のゆるぎない方針であります。我々は、今後ともこの路線にそって前進しなければならず、第6回党大会でもこの路線をひきつづきかかげるでしょう。したがって、すべての活動家は、技術革命の旗を高くかかげて新しい技術を絶え間なく創造し、現有の労働力と資材と設備でより多く生産するため積極的に努力しなければなりません。

 特に、採掘工業部門で技術革命を力強くおし進めるべきです。採掘工業部門では、設備の大型化、高速化、運搬の機械化、オートメ化のために大いに努力すべきです。炭鉱、鉱山に高速掘進機、大型ウインチ、大型クラッシャー、長距離ベルトコンベヤーを多く製作提供して、採掘工業の現代化を実現しなければなりません。

 農業部門では、農業の総合的機械化と化学化を完全に実現し、鉄道運輸部門では、鉄道の輸送能力を高め、貨物の積み下ろし作業を機械化するため積極的に努力すべきです。

 技術革命を成功裏に遂行するためには、技術神秘主義と保守主義、事大主義、ヨーロッパ崇拝主義を徹底的に排撃しなければなりません。

 すべての活動家は、隠れた英雄の模範に見習い、主体的立場にしっかりと立って、わが国の実情に即した技術革命をおこなわなければなりません。技術革命をするからといって、最初から近代的な高い技術のみを適用しようとしてはいけません。小さなものであっても技術を革新し、現在より一歩でも前進すれば、それはよいことです。我々は、わが国の現実に即して、一歩一歩前進する方法で技術革命を着実におし進めるべきです。

 次に、対外貿易の発展に大きな力を入れるべきです。

 わが国は、それほど大きい国ではありません。わが国は、必要なすべての資源をもっているわけでもなく、また、必要なすべてのものを自力で生産することもできません。それゆえ、わが国の経済を速やかに発展させるためには、わが国になかったり生産できないものは外国から買い入れるべきであり、そのためには対外貿易を発展させなければなりません。

 我々は今年、対外貿易で少なからぬ成果をおさめました。

 今年度の貿易計画の遂行は100%にいたりませんでしたが、商品輸出高はこれまでにくらべて数倍も増えました。そして、今後貿易を大々的に発展させる土台を築き、ある程度の経験もつみました。南浦港、海州港をはじめ、大きな貿易港が立派に整えられ、貨物船も多くなりました。今年度の貿易計画が遂行できなかったのは、経験不足から貨物船を間に合わすことができなかったばかりに、セメントを計画どおり輸出できなかったためです。来年からは、計画どおりセメントを輸出できる十分な条件が整っています。

 来年は、信用第一の方針を貫徹して、輸出計画を必ず遂行しなければなりません。特に、セメントの輸出計画を間違いなく遂行すべきです。

 対外貿易を発展させるためには、厳格な計画規律を立て、すべての部門で輸出品生産を計画どおりくるいなく保障しなければなりません。これから、輸出品を計画どおり生産できなかったときは、人民経済計画を遂行できなかったものとみなす制度をたてるべきです。人民経済各部門とすべての工場、企業所では、1ポンドの外貨、1ルーブルの外貨でも余計に獲得するため積極的に努力すべきです。

 対外貿易を発展させるためにはまた、貿易を多角化、多様化しなければなりません。貿易は、貿易省だけでなく、他の委員会、省と各道でも広範におこない、さまざまな商品をもって世界各国の市場に積極的に進出すべきです。

 次に、人民生活に深い関心を払うべきです。

 いま一部の幹部は、人民生活に関心がないので人民の生活をかえりみず、人民に不便な思いをさせる重大な誤りをおかしています。

 最近、人民奉仕委員会の幹部の無責任さのため、一部の地方では人民への食糧供給が適時になされませんでした。今年、豊作をおさめて食糧を十分に確保しておきながら、それを適時に供給せずに、人民の生活に不便を感じさせているのは極めて重大なことです。

 人民に魚類が満足に供給されていないのも、幹部が人民生活に無関心であるからです。最近、1日に2万トン以上のメンタイを水揚げしていますが、それをそのつど処理できなくて、たくさんのメンタイを腐らせています。魚を冷凍して貯蔵する施設さえ十分に備えておけば、一冬に捕ったメンタイだけでも、全人民に四季にわたって切らさず供給することができます。ところが、幹部が人民生活に無関心で、我々の与えた課題を適時に実行しないため、冷凍施設と冷蔵施設が不足して、漁業労働者が苦労して捕ったメンタイを処理しきれないありさまです。

 今年、冬越しキムチ用の白菜を適期に収穫できず、畑で凍らせてしまったのも、人民生活に対する幹部の関心がないからです。

 幹部が人民生活に関心を払わず、人民の生活を責任をもって見守らないならば、人民は社会主義制度の優位性を深く感じることができません。社会主義制度がよいというのは、この制度のもとですべての勤労者が国の真の主人となって、ひとしく豊かな暮らしができるからです。もし、社会主義社会のもとで人民の生活が向上せず、人民が幸福に暮らせないならば、どうして彼らが社会主義制度をよいというでしょうか。社会主義制度だからといって、むやみやたらによいというものではありません。人民に豊かな暮らしをさせてこそ社会主義制度がよいわけです。

 人民生活に関心のない人は、共産主義者ではなく、朝鮮労働党員の資格がありません。わが党の基本的な闘争目的は、人民に豊かな暮らしをさせることです。ですから、人民生活に関心のない人は朝鮮労働党員としての使命を忘れさった人であり、そういう人はわが党にとって不必要な存在です。

 すべての幹部が、常に人民生活に深い関心を払い、人民の生活向上のため積極的に努力しなければなりません。政務院と政務院の各委員会、省、すべての党組織と勤労者団体組織が人民生活に対する観点を正し、人民生活を責任をもって見守るべきです。

 次に、節約運動を強化しなければなりません。

 何よりも食糧を節約すべきです。

 現在、世界中が食糧事情の緊張をきたしています。資料によると、世界で10億以上の人びとが飢えているといいます。いうまでもなく、わが国では今年、豊作をおさめました。しかし、寒冷前線の影響がつづいている状況のもとで、来年度の農作がどうなるかは予断を許しません。農業は、気候条件の影響を多くうけるため、工場で品物を生産するのとは異なります。

 織物も節約しなければなりません。

 現在わが国で毎年生産される織物は、少ない量ではありません。

 来年には6億メートルの織物が生産され、人口1人当たり38メートルがゆきわたるようになります。38メートルなら、年に6着の衣服がつくれます。ところが、工業用だのなんだのといって、むやみに消費する量が多いため、実際に人民にゆきわたるものは多くありません。

 いまわが国では、鉄道部門、石炭工業部門、国土管理部門など制服を供給する部門が多く、学生服、白衣、作業服、接待服など、国家が支給する衣服はたいへんなものです。そして、不必要にカーテンや椅子のカバーをつくって無駄にする織物も少なくありません。このように織物をむやみに消費したのでは、いくら織物を生産しても、商店に十分に出すことができません。

 すべての部門で、織物を節約する運動を積極的に繰り広げるべきです。織物を節約するためには、政治活動を正しくおこなって勤労者に節約運動を強化させる一方、国家的に国の経済管理を几帳面にするよう仕事の手配を綿密にすべきです。中央人民委員会は、点検・統制を強化して、織物の浪費をなくすようにすべきです。

 鋼材とセメント、電気、水、ガソリンの節約運動も積極的に繰り広げるべきです。

 人民経済の各部門で、資材と物資の消費基準を引き下げる運動を力強く繰り広げ、国家の財産をいたずらに消費する行為に対して強く闘争すべきです。家畜飼料の消費基準を引き下げる運動も積極的に繰り広げるべきです。

 次に、経済幹部の活動方法を改善しなければなりません。

 経済幹部の活動方法の改善で重要なのは、経済活動を政治的方法でおこなうことです。

 党活動はいうまでもなく、経済活動も必ず政治的方法でおこなわなければなりません。言いかえれば、政治活動を優先させて大衆の革命的熱意を呼び起こし、大衆を組織動員する方法で経済活動をおこなわなければなりません。

 いま、少なからぬ経済幹部は、経済活動を政治的方法でおこなっておらず、下部の活動家に大声をはりあげ、しかりつけ、強要する方法で活動しています。行政・経済幹部は、大声をはりあげ強引に仕事をおし進める手腕がなくてはならないとして、そういう人を仕事熱心な人だという人がいますが、それは間違っています。仕事をおし進めるにしても、政治活動を優先させ、綿密な手配をしてこそ成果をおさめることができるのであって、大声をはりあげてがむしゃらにおし進めてはなんにもなりません。経済幹部が大声をはりあげ、下部の人をなじるのは、官僚化のあらわれです。

 すべての経済幹部は、常に党の方針どおり政治活動を優先させ、仕事を綿密に手配して、1人が10人、10人が100人、100人が1000人、1000人が1万人を動かす方法で活動しなければなりません。

 中央級機関の経済幹部が地方に出向いて工場、企業所の活動を指導するときには、地方党組織との連係を緊密にしなければなりません。

 中央級機関の経済幹部は、工場、企業所に出向いて指導にあたるさい、必ず当該地方の党組織に依拠して活動し、活動を終えて帰るときには、その工場にとって懸案はなんであり、どういう課題を与え、また今後いかなる対策をたてようとしているのか、といったことを地方党組織に通報しなければなりません。経済幹部がこういう方法で活動してこそ、地方党組織が中央の経済指導機関と協力して工場の仕事を十分手助けすることができ、地方の主人としての役割を果たすことができます。

 我々は、この総会で全党、全軍、全人民が立ち上がり、河川にダムを築き、水力発電所を大々的に建設して、水害を予防し、電力生産を増やす運動を力強く展開することについて討議しました。

 各級党組織と経済指導機関は、来年から河川にダムを築き、水力発電所を大々的に建設する闘争へとすべての勤労者を力強くふるいたたせなければなりません。

 近年、寒冷前線の影響によってたびたび集中豪雨が襲い、ときにはひどい日照りがつづきます。特に清川江の上流と大同江の上流は、狼林山脈がはしり、寒気と暖気の接点になっているので、集中豪雨がたびたび襲います。そのため、清川江と大同江が大水になる場合が少なくありません。清川江流域には、熙川、南興、球場などの工業地区が多く、今後そこに大規模の工場を増設することを予見していますが、洪水に見舞われるおそれがあります。今年も雨がもう少し降れば、一部の工場は水害をこうむるところでした。大同江流域にしても同じです。1967年に集中豪雨が降って平壌市が水害にあいましたが、今年もまた大水になりました。

 寒冷前線による異常気象現象は、誰も予測することができません。予想しなかったときに集中豪雨が襲うので、いつどこが洪水に見舞われるかわかりません。ですから、寒冷前線の影響による水害を防ぐ対策をまえもって講じるべきです。

 水害を防ぐ最もよい方法は、河川にダムを築くことです。

 河川に堤防を築くのももちろん必要なことです。しかし、河川に堤防を築く方法では、水害を完全に防ぐことができません。

 水害を防ごうとして河川の堤防を高くすれば川床がますます高くなって、いっそう危険になります。そこで党中央委員会は、平壌市を水害から保護できるよう、大同江の上流にいくつかのダムを建設することにし、いま大同江発電所を建設しています。

 大同江発電所のダムが築かれたので、今年大同江上流地域に集中豪雨がありましたが、平壌市は水害をこうむりませんでした。

 黄海南道でも、ダムを築いて銀波湖を建設したので、水害を免れました。

 河川にダムを築くことは、電力生産を増やすためにも切実に必要です。

 電力工業は、鉄道とともに人民経済の先行者です。電力工業を確固と優先させてこそ、人民経済の急速な発展をはかることができます。ですから、発電所を多く建設し、電力生産を絶え間なく増やすことが極めて重要です。河川にダムを築いて水力発電所を大々的に建設すれば、電力生産を速やかに増やすことができます。

 現在のわが国の実情では、火力発電所をこれ以上建設することはできません。火力発電所を多く建設すると、石炭の供給が困難になります。わが国では、まだ石油が産出されないので、原油発電所を建設することもできません。わが国は水力資源に恵まれているのですから、水力発電所を建設せずに火力発電所や原油発電所を建設する必要はありません。

 わが国には、水力発電所の建設できるところがたくさんあります。水力発電所は建設期間が少し長くかかりますが、いったん建設しておけば、その運営費はいくらもかかりません。我々は、国内に豊富な水力資源を最大限に開発して電力生産を増やし、それでもなお電力が不足すれば火力発電所をさらに建設すべきです。

 河川にダムを築けば、河川運輸を発展させることができるだけでなく、用水の問題も完全に解決し、魚もたくさん飼うことができます。河川にダムを築けば、水位が高くなり、湖水が多くなって、自然の景色もさらに美しくなるでしょう。

 河川にダムを築き、水力発電所を大々的に建設することは壮大な大自然改造事業であり、大きな意義をもつ治山治水事業です。

 治山治水事業に力を入れることが極めて重要です。昔から治山治水事業に力を入れる人は、どの時代にも人民に尊敬されました。わが党がいま人民大衆からあつく信頼され愛されているのも、これまで治山治水事業に力を入れて、誰もが十分に食べ、幸福に暮らせるようにしたからです。いま、世界人口の4分の1にあたる人びとが飢えに苦しんでいますが、朝鮮人民はひもじさを知らず、幸せに暮らしています。もし、わが党がこれまで治山治水事業を怠っていたなら、朝鮮人民の現在のような幸せな生活は考えることすらできないでしょう。

 解放後、わが党と人民は、治山治水のため、まことに多くのことをなし遂げました。我々は解放直後すでに、普通江の改修工事をおこなって普通が原の人びとを水害から解放しました。

 解放前は心配の種、禍の種であった普通が原が、いまでは平壌市でもトップをいく近代的な街に、景色がよくて住みよい人民の楽園にかわりました。我々はすぐる数十年のあいだ治山治水事業を大々的におこなって、朝鮮人民が代をついで腹いっぱい食べ、なんの心配もなく幸福に暮らすことのできる、しっかりした土台を築きあげました。

 外国の国家指導者をはじめ、多くの外国人がわが国を訪問しますが、彼らはわが国に潅漑システムが完成し、田畑にあふれるほどの灌漑用水が流れているのを見ては非常にうらやましがっています。彼らは、わが国に1500余の貯水池があるというと驚き、そんなに多くの貯水池をどのように建設したのかとききます。そういう質問をうけるたびに、私は、わが党の呼びかけにこたえて全人民が奮起して建設したと話しています。

 我々が貯水池をはじめて建設するとき、近代的な機械を使ったわけではありません。わが国は、長いあいだの日本帝国主義植民地支配から解放されたばかりだったので、貯水池の建設に必要な機械がありませんでした。我々にあったのは、ただ党と労働者階級と人民に対するかぎりない忠実性と、次の世代に豊かな暮らしをさせ、共産主義の輝かしい未来を早めようとする燃えるような革命的情熱だけでした。まさしくこれがあったからこそ、朝鮮人民は機械がなくてもしょいこで土を運んで川をせきとめ、ダムを築き、世界中の人びとにうらやまれる壮大な大自然改造事業をおこなうことができたのです。

 これまで朝鮮人民が治山治水事業でおさめた成果は極めて大きいものですが、我々はこれに満足してはいけません。

 我々はまだ、なし遂げるべき仕事がたくさんあります。我々は、すでになし遂げたことに絶対に自己満足してはならず、いま一度治山治水革命をおこなわなければなりません。

 我々は来年から河川にダムを築き、水力発電所を大々的に建設することになりますが、これは我々の時代の最後の治山治水事業だといえます。このたびの党中央委員会総会で示した闘争目標が達成されれば、わが国は文字どおりの共産主義楽園にかわることでしょう。

 祖国解放戦争の真っ最中であった1952年4月、私は順川郡柏松里に位置していた総合大学に出向いて、わが国の東西を結ぶ運河を設計するよう課題を与えたことがありますが、その後、総合大学の教員と学生の手でその設計は立派に完成されました。設計図には、大同江にいくつもの閘門を建設し、それを利用して電力を生産することが予見されています。これまではいろいろな他の建設のため大同江に閘門を建設することができませんでしたが、いよいよその建設に取り組むときがきました。

 総合大学の教員と学生が設計したとおり大同江に閘門を建設すれば、大量の電力を生産できるばかりでなく、水害も防ぎ、南浦──徳川間に大きな船をかよわせることもできます。そうなれば、平壌市をはじめ、大同江流域の景色も非常に美しくなるでしょう。清川江にも閘門を建設すれば、熙川まで船がのぼれるようになります。

 我々は、河川にダムを築き、水力発電所を建設する大自然改造事業を必ず我々自身の力でなし遂げなければなりません。我々には、自力で川をせきとめて水力発電所を建設した少なからぬ経験があります。我々はいちばん最初に延豊湖のダムを築き、ついで禿魯江にダムを築いて発電所を建設しました。その次は、江界青年発電所と雲峰発電所、西頭水発電所を建設し、現在は大同江発電所を建設しています。そのほかにも数十の中小型水力発電所を建設した経験をもっています。ですから、我々はダムを築き、発電所を建設する事業を十分自力でなし遂げることができます。

 水力発電所の建設は、人海戦術ではなく大いに機械化すべきです。

 以前、河川にダムを築き、水力発電所を建設するときには人海戦術を用いましたが、いまはそういうやり方をしてはいけません。しょいこで土を運んでダムを築き、発電所を建設した時期はすでに過ぎさりました。現在は、すべての作業を機械でおこなう時代です。特に、我々がこれから建設する対象のなかにはトンネルを掘らなければならないところが多いのですが、機械を導入せずにはトンネル工事を早く進めることができません。技術革命を力強く展開して作業を積極的に機械化しなければ、党の示した大自然改造の目標を繰りあげて達成することができません。

 水力発電所の建設を機械化するには、それに利用する機械設備がたくさん必要です。機械工業部門では、ダムの構築と水力発電所の建設に必要な大型掘削機、大型トラック、クレーン、ベルトコンベヤー、大型ミキサーなど各種の機械設備を大量に生産供給しなければなりません。

 水力発電所の建設は、一度に手をひろげることなく集中的におこなうべきです。そうしてこそ、資材を円滑に供給して、建設を早く終えることができます。

 水力発電所の建設を早く終えるためには、資材を適時に供給しなければなりません。いま、建設工事の手を広げておいて資材を十分に供給しないため、建設が遅れており、そのため従業員一人当たりの建設組立額が高くありません。大同江発電所の建設が遅延しているのも、資材が十分に供給されていないのが主な原因です。これからは、水力発電所の建設現場にセメントなどの資材をそのつど供給すべきです。

 水力発電所の建設に必要な発電設備も良質のものを製作して供給すべきです。大安重機総合工場をはじめ、各機械工場では、発電機と配電盤を生産供給する対策をしっかりと立てるべきです。

 政務院の各委員会、省と各道が、水力発電所の建設をそれぞれ数カ所ずつ担当すべきです。

 このたびの党中央委員会総会では、朝鮮労働党第6回大会の招集問題について討議し、来年の10月に党大会を開くことに決定しました。

 第6回党大会の招集は、わが党をいっそう強力な不敗の党に強化発展させ、わが国の革命と建設を勝利のうちに前進させるうえで重要な意義をもちます。

 歴史的な第6回党大会を迎えるにあたり、各級党組織は、このたびの党中央委員会総会の決定を貫徹する闘争へと、すべての党員と勤労者を力強く奮起させることによって、社会主義建設のすべての分野で革命的な一大高揚を起こさなければなりません。
 出典:サイト「わが民族同士」 参照:『金日成著作集』34巻

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