金 日 成

人民軍を強化し、社会主義祖国をゆるぎなく守ろう
 ―朝鮮人民軍社労青活動家大会でおこなった演説―
1979年10月28日 
 
 
朝鮮人民軍社労青活動家大会で演説する金日成主席
1979年10月28日

 同志の皆さん!

 私はまず、わが党中央委員会と党中央委員会軍事委員会、そして私自身の名で、この大会に参加した人民軍内の社労青活動家と社労青員の皆さんに熱烈な祝賀を送ります。

 わが党の信頼すべき後続隊である朝鮮社会主義労働青年同盟員は、党政策の実行において重要な役割を果たしており、特に、人民軍内の社労青員は、党の軍事路線を貫徹し、人民軍の戦闘力を強化するため積極的に努力しています。私はこのことに対し、人民軍内の社労青組織とすべての社労青員にあつい感謝を送ります。

 私はきょう、人民軍内の社労青活動家が一堂に会した機会に、人民軍に提起されているいくつかの課題について述べようと思います。

 何よりもまず、人民軍は、わが国の社会主義の楽園をゆるぎなく守り、分断された祖国を統一するために全力を尽くさなければなりません。

 我々の社会主義祖国は、世界中の人びとからたたえられている最もすぐれた社会主義の楽園です。

 わが国では、すべての人が安定した職業をもっています。

 わが国には、失業者が一人もいません。ある国では失業者が多くて、人びとを労働力として外国に売り渡していますが、わが国ではかえって労働力が不足しているありさまです。わが国には、誰もが自分の才能に応じて職業をもち、能力のかぎり働ける条件が整っています。

 わが国では、すべての人が無料教育をうけています。

 わが国では、すでに久しい前から全般的11年制義務教育が実施されて、育ちゆくすべての新しい世代が無料義務教育をうけています。我々は、350万名の子どもを託児所と幼稚園で国家と社会の負担で養育しており、500万名以上の学生・生徒を人民学校から大学にいたる各級学校で、一銭もとらず勉強させています。

 いま、わが国の勤労者は、高等中学卒業程度以上の知識を身につけるため、すべて働きながら学ぶ教育体系に加わって学んでおり、ひいては全社会のインテリ化を実現するために闘っています。

 まことにわが国は、すべての人が勉強する「学びの国」になりました。国家の負担ですべての人を勉強させている国は、世界のどこにもありません。ひとり栄えある労働党時代に、朝鮮民主主義人民共和国のみがこうした人民的施策をほどこしているのです。いま世界の人民は、わが党が人民を愛し、人民のためにすべてを尽くす政策を実施していることに感嘆しています。

 わが国では、すべての人が無料で治療をうけています。

 かつては、病気にかかっても薬一服飲むことのできなかった朝鮮人民が、こんにちでは誰を問わず一銭の金もかけずに病気の治療をうけています。それゆえ朝鮮人民の寿命は、日本帝国主義支配当時にくらべて数十年ものびています。現在、朝鮮人民の平均寿命は、世界で最も高い水準に達しています。

 わが国では、久しい前に税金が完全に廃止されました。世界で税金のない国はひとりわが国だけです。

 わが国の経済は、不断に高いテンポで発展しています。世界の多くの国では、燃料危機、原料危機のため経済の破綻をきたした結果、物価が天井知らずに騰貴し、人民の生活は極めて困難な状態に陥っています。出版物の伝えるところによれば、いま世界中で毎日数万名の人が飢死しており、10億以上の人が飢えにさいなまれているとのことです。そういう国では、生存の権利のための人民のデモとストライキがあいついで起こっています。

 しかし、わが国では主体的な工業を建設したため、いかなる世界的な経済変動にもびくともせず、生産がひきつづき成長しています。物価が安定しているばかりか、人民により多くの国家的恩恵がほどこされています。我々は今年も、全国のすべての学生・生徒に無料で制服を供給しました。

 今年、わが国では、史上いまだかつてなかった大豊作をおさめました。昔の人の呼び方でいえば、今年は己未年です。60年前の己未年には、わが国がひどい凶作に見舞われて、数十万の人びとが飢え死にしました。ところが、労働党時代の己未年には、わが国の歴史上類例のない大豊作をおさめました。我々は、先祖が凶作で迎えた己未年を、大豊作で迎えました。党中央委員会は、今年大豊作をおさめた農民に、表彰として綿入れを与えることに決定しました。

 こんにち、わが国の人民は、食の心配、衣料の心配、治療の心配、教育の心配を知らず、幸せな生活を思う存分享受しています。わが国を訪問する外国人は、朝鮮では税金もとらず、教育も治療も無料なので、お金が要らないだろうといって非常にうらやましがっています。昔の人は「天国」に行くことを願い、「極楽浄土」を夢みたものですが、いまわが国のような「天国」がどこにあり、「極楽浄土」がまたどこにあるというのでしょうか。わが国こそは、社会主義の楽園です。

 人民が思う存分幸せを享受している社会主義の楽園は、ひとりでにできあがったのではありません。我々の社会主義楽園、わが国の社会主義制度は、朝鮮の共産主義者と抗日革命闘士、朝鮮人民が血を流してかちとった革命の貴い獲得物です。

 朝鮮人民は、苦難にみちた抗日革命闘争を繰り広げて祖国の解放をなし遂げたのち、民主主義革命を遂行し、アメリカ帝国主義侵略者をしりぞけ、社会主義革命と社会主義建設を力強く繰り広げ、廃墟と化した祖国の大地にこんにちのような花咲く社会主義の楽園を築きあげました。

 人民軍の軍人のなかには、朝鮮人民が戦後いかにして廃墟のうえにこんにちのような社会主義の楽園を築きあげたのかをよく知らない人もいるでしょう。戦後に生まれた軍人は、人民がまともなレンガ1枚なかった状況のもとで、廃墟をかきわけて戦後の復興建設を進めたありさまを見たことがなく、映画の画面や書物をとおして知っているだけでしょう。

 戦後のわが国の状況は、困難を極めていました。アメリカ帝国主義侵略者によって都市と農村がひどく破壊され、残ったものは廃墟だけでした。平壌市をはじめ、道・市・郡所在地と工場、企業所は、すべて破壊されて廃墟と化しました。停戦直後、平壌市内には、破壊されたいくつかの建物が残ったにすぎませんでした。アメリカ帝国主義者は、100年かかっても朝鮮はふたたび立ち直れないだろうといいました。しかし我々は、100年はおろか20年もたたない短期間内に、こんにちのような花咲く社会主義の楽園を築きあげました。

 戦後、わが党は、重工業を優先的に発展させながら、同時に軽工業と農業を発展させるという独創的な経済建設路線をうちだしました。人民は党の路線と方針を高くかかげ、党中央委員会のまわりにかたく団結して、困苦欠乏にたえ刻苦奮闘することによって、短期間内に世紀の変革をなし遂げることができました。

 戦後、廃墟のなかから復興建設をはじめるときは、動揺分子もあらわれ、途方に暮れてため息をつく人もいました。しかし党中央委員会は、アメリカ帝国主義者を打ち負かした人民軍と人民がおり、領土と人民政権があり、党と領袖がおり、立派な路線がある以上、必ず勝利するという確信をもって勇ましく前進しました。わが党は人民を信じ、人民はわが党を信頼し、このように党と人民が一心同体となって、我々の前進をはばもうとする内外のあらゆる反動分子と事大主義者、分派分子の策動を断固しりぞけて勇敢に闘い、輝かしい勝利をかちとりました。

 人民が血と汗で築きあげた社会主義の楽園を防衛すべき重大な任務が、ほかならぬ銃を手にしている人民軍軍人に負わされているのです。人民軍軍人は、すべて党中央委員会のまわりにかたく団結し、人民が刻苦奮闘して建設した社会主義祖国を寸分の譲歩もなくしっかりと防衛しなければなりません。

 人民軍軍人は、全力を尽くしてあらゆる面から戦闘力を強化し、部隊の戦闘準備をさらに完成すべきです。すべての軍人が、各自の任務を立派に遂行し、祖国の持ち場を警戒心をもって守らなければなりません。

 人民軍軍人には、社会主義の楽園を防衛するだけでなく、アメリカ帝国主義とその手先の圧政のもとで苦しむ南朝鮮人民を救い、祖国を統一すべき栄えある任務が課されています。人民軍は、常に万端の戦闘準備を整え、党の呼びかけがあればひとしく立ち上がって侵略者を一撃のもとに撃退し、祖国統一の歴史的偉業を立派に完遂しなければなりません。

 次に、人民軍軍人は、チュチェ思想でしっかりと武装すべきです。

 チュチェ思想は、人民の進むべき前途をさし示し、革命の勝利を保障するわが党の指導思想です。人民軍将兵と全人民がチュチェ思想でしっかり武装し、それを実践活動に具現して自主性と創意性を高く発揮して、はじめて我々の望むとおり国の完全な自主独立を達成し、幸福な社会を建設することもできます。

 わが国は、地理的に大国のあいだに位置しています。そのため、わが国は長いあいだ大国の影響を強くうけ、いっときは大国の生けにえになりました。かつて、事大主義の病にとりつかれていた封建支配層は、朝鮮を手に入れようと相争う大国をそれぞれ後ろ盾に、各派に分裂して党派争いをこととしました。そのため、結局は日本帝国主義者に国を奪われ、朝鮮人民は36年ものあいだ植民地奴隷の生活を強要されました。

 現在も南朝鮮には事大主義が多分に残っており、南朝鮮反動層は、アメリカ帝国主義と日本軍国主義への崇拝思想を鼓吹しつづけています。そればかりでなく、こんにち朝鮮周辺の情勢は、複雑を極め資本主義、修正主義、支配主義などさまざまな悪い思想の影響も甚だしいものがあります。

 わが国の地理的環境と歴史的背景、こんにちの情勢は、朝鮮人民がチュチェ思想でいっそうしっかりと武装することを切実に求めています。

 朝鮮は大きな国ではありませんが、全人民がチュチェ思想でしっかり武装し、政治における自主、経済における自立、国防における自衛の原則をしっかりと具現していくならば、我々は十分自力で国の完全な自主独立を達成し、この地に5000万の朝鮮人民がひとしく幸福に暮らす地上の楽園を建設することができます。

 チュチェ思想は、朝鮮人民ばかりでなく、すべての被抑圧人民と植民地的・半植民地的従属から解放されて新社会を建設している国の人民に闘争の前途を示しており、勝利の信念を植えつけています。そのためいま、第三世界諸国の人民をはじめ、世界の多くの国の人民がチュチェ思想を熱烈に支持し、積極的に学んでいます。いま世界の多くの国に、チュチェ思想を研究するグループが組織されており、数多くの人がそれに参加しています。チュチェ思想の真理に目覚めた世界の革命的人民と進歩的人士は、勤労人民大衆をあらゆるものの主人、すべてを決定する要因とし、勤労人民大衆の自主性と創意性を発揮させて自然と社会を変革することを求めるチュチェ思想こそは、現代の偉大な指導思想であると高くたたえています。彼らはまた、チュチェ思想が立派に具現されつつあるわが国の現実から、チュチェ思想の大きな生命力を見極め、チュチェ思想を学ぶため積極的に努力しています。

 我々は、かたい信念と高い自負をいだいてチュチェ思想の革命の旗をひきつづき高くかかげ、全人民をチュチェ思想でしっかり武装させなければなりません。特に、人民軍軍人は、誰よりもしっかりとチュチェ思想で武装しなければなりません。

 人民軍内の社労青活動家と政治組織は、すべての軍人をわが党のチュチェ思想でしっかり武装させる教育活動を活発に繰り広げなければなりません。こうして、すべての軍人が高い革命的自覚と火のような情熱をもって、党と革命をしっかり守り、祖国を自主的に統一するため積極的に闘うようにしなくてはなりません。これとともに、すべての軍人が、チュチェ思想に反する資本主義、封建主義、修正主義、支配主義などあらゆる悪い思想に断固反対し、いついかなるところでも「我々の方式で生きよう!」という党のスローガンどおり闘い、生活するようにさせるべきです。

 次に、人民軍軍人に対する階級的教育と社会主義的愛国主義教育を強化すべきです。

 人民軍軍人は、かつて朝鮮人民が抑圧され搾取された奴隷の境遇を絶対に忘れてはいけません。かつて朝鮮人民は、日本帝国主義者の植民地支配のもとで、日本帝国主義者と地主、資本家からひどく抑圧され搾取されてきました。

 人民軍軍人はまた、南朝鮮を一時も忘れてはなりません。朝鮮の領土の半分である南朝鮮は、いまアメリカ帝国主義者の占領下にあり、そこには、反動派と地主、資本家が居座っています。

 アメリカ帝国主義侵略者は、南朝鮮で主人のようにふるまい、朝鮮民族を略奪し侮辱しています。また南朝鮮の反動官僚層と地主、資本家は、南朝鮮人民を野獣のように弾圧し虐殺し、過酷に搾取しています。

 人民軍軍人のあいだでひきつづき階級的教育を強化しなければ、彼らは朝鮮人民の過去を忘れ、現在の南朝鮮を忘れ、果ては革命をつづけることができません。世代は、すでに変わっています。現在の人民軍軍人は大部分が、わらじやつぎはぎの衣服も知らず、ひもじさも知らず幸せに育った新しい世代です。ですから、彼らが階級的に正しく目覚めるよう、教育活動を活発におこなうことが極めて重要です。

 人民軍内の政治組織と社労青活動家は、軍人のあいだで階級的教育をたえず強化し、すべての軍人が帝国主義者と階級の敵をあくまで憎悪し、彼らと断固闘うようにすべきです。

 人民軍軍人は、社会主義祖国と革命の未来を熱烈に愛さなければなりません。人民が数十年間、困難な闘争を繰り広げて建設した社会主義祖国は、朝鮮人民の幸せのわが家です。わが祖国の明日と朝鮮革命の前途はますます洋々としています。しかしいま、祖国の南半部には、帝国主義者と反動一味がとぐろをまいており、彼らはわが社会主義祖国を席巻しようと機会をうかがっています。

 我々は、人民軍軍人のあいだで社会主義的愛国主義教育を強化して、すべての軍人が社会主義祖国を熱烈に愛し、革命の獲得物を敵の侵害からしっかりと守るためためらうことなく身を挺して闘うようにしなければなりません。また、すべての軍人が勝利の確信をいだき、より幸せな未来をめざして強く闘っていくようにすべきです。

 次に、人民軍は、抗日革命闘争の輝かしい革命伝統をしっかりと継承すべきです。

 人民軍は、20年ものあいだ日本帝国主義と闘って勝利した、栄えある抗日革命闘争の輝かしい革命伝統をもっています。

 人民軍はまた、世界最強と称するアメリカ帝国主義侵略軍を打ち破り、アメリカ帝国主義を下り坂に転げ落とした偉大な祖国解放戦争の闘争伝統をもっています。こうした栄光に輝く革命伝統をもっていることは人民軍の大きな誇りであり、人民軍は当然この伝統をしっかりと継承しなければなりません。

 人民軍は何よりもまず、抗日遊撃隊の革命思想と不撓不屈の闘争精神に学ぶべきです。

 革命の道は、平坦なものではなく、遠く険しいものです。我々は1932年に朝鮮人民革命軍を組織するとき、3年くらい戦えば日本帝国主義を打ち破って祖国の解放を達成できるものと思いました。ところが、日本帝国主義を打ち破る戦いは3年間でなくほぼ15年間もかかり、その過程で我々は筆舌に尽くしがたい幾多の難関を克服しなければなりませんでした。解放後、アメリカ帝国主義者が李承晩かいらい一味を唆して侵略戦争を引き起こしたときにも、はじめは数カ月で南朝鮮かいらい一味を撃破し、祖国を統一することができるものと思いましたが、アメリカ帝国主義侵略軍と数多くの帝国主義傭兵が、南朝鮮かいらいを助けて大々的な武力干渉をおこなったため、3年もの困難な戦いをへて勝利することができました。

 人民軍軍人は、抗日遊撃隊の革命思想と不撓不屈の闘争精神に大いに学んで、革命闘争はただ困難な闘争をつうじてはじめて勝利できるという真理を明確に悟り、抗日武装闘争の時期に抗日遊撃隊員が日本帝国主義を打ち破ったように、祖国解放戦争の時期に人民軍軍人がアメリカ帝国主義侵略者を打ち負かしたように、高度の革命精神と強靭な意志をもって勇敢に戦うならば、いかに強大な敵であっても自分の力で十分粉砕することができ、祖国を統一することができるという確固たる信念をもたなければなりません。

 人民軍はまた、抗日遊撃隊の上下一致、軍民一致の伝統的美風に学ばなければなりません。

 人民軍は革命の軍隊であるため、部隊管理と上下関係において官僚主義が許されてはなりません。官僚主義は、人民軍を強化するうえで最も有害なものです。

 数日前、朝鮮人民軍特務長講習の終了式でも話したことですが、官僚主義は、殴打と罵倒、強圧的方法で兵士を統率する資本主義国の軍隊に存在するものであり、一つの思想で団結して闘う革命軍隊にはありえないものです。

 人民軍内では、さ細な官僚主義的傾向とも強い思想闘争を繰り広げるべきです。こうして、人民軍内のすべての党員と社労青員、すべての将校と下士官、兵士が、一つの思想と熱い同志愛によって一致団結しなければなりません。

 抗日遊撃隊員は、 魚が水を離れては生きていけないように、「遊撃隊は、人民を離れては生きていけない」というスローガンをかかげ、人民との団結を強化しました。人民軍軍人は、抗日遊撃隊の軍民一致の精神を継承して人民を愛し、人民のために献身的に闘わなければなりません。

 次に、人民軍の戦闘・政治訓練を強化しなければなりません。

 人民軍軍人は、いますぐ敵が攻め込んでくる気配はなく、戦争が起こらないといって、一時たりとも安逸をむさぼってはいけません。人民軍は、平和的環境の一瞬一瞬を大切にし、戦闘・政治訓練をいっそう強化しなければなりません。こうして、すべての軍人が、政治的、思想的にしっかりと武装し、すぐれた戦術と百発百中の射撃術、壮健な体力の持ち主にならなければなりません。

 戦闘訓練で最も重要なのは、戦術と射撃術を練磨し、身体を鍛えることです。すべての軍人が、政治的、思想的にしっかり武装したうえで、巧みな戦術と立派な射撃術、壮健な体力を兼ね備えてこそ、いかなる敵とも戦って勝利することができます。そのため、私はすでに解放直後、平壌学院の開院式のさい、すべての軍人が、戦術、射撃術、体力の3つを兼備するというスローガンを示しました。

 軍人は、何よりもまず戦術訓練を強化して、敵を巧みに打ち破るすぐれた戦術を習得すべきです。これとともに、自分の武器をよく管理し、上手に扱い、敵兵を一発で撃ち倒す立派な射撃術を身につけなければなりません。いかにすぐれた戦術を習得したとしても、敵を撃ち倒せないようでは何の役にも立ちません。歩兵と砲兵、空軍と海軍とを問わず、人民軍のすべての軍人が射撃訓練を強化して、百発百中の名射手になるべきです。

 軍人はまた、しっかりと身体を鍛えなければなりません。体の頑丈でない軍人は、いかにすぐれた戦術と立派な射撃術を身につけていても、それを効果的に使いこなすことができず、敵を打ち負かすことができません。

 戦闘訓練は、わが国の実情に即応しておこなうべきです。こうして、すべての軍人がわが国の地形条件にかなった戦術と射撃術を学び、深い川と広い海、険しい山も一息にのりこえ、酷寒にも耐えられる頑丈な体力の持ち主にならなければなりません。

 人民軍軍人は、戦闘規定と内務規定、規律規定、衛兵規定などすべての軍事規定に精通しなければなりません。

 社労青活動家は、戦闘訓練で模範を示し、青年軍人が訓練にまじめに参加して軍事的にしっかり準備するよう正しく導くべきです。

 人民軍の各部隊は、最高司令官の命令として示達された戦闘・政治訓練課題を必ず実行しなければなりません。戦闘・政治訓練課題を実行しないのは、勤労者が人民経済計画を遂行しないのと同じです。

 軍人は、戦闘・政治訓練課題を実行できなかったときは、それを恥ずべきこととし、戦闘・政治訓練課題をあくまで実行するため積極的に努力すべきです。

 次に、人民軍内の社労青組織の役割をいっそう高めなければなりません。

 人民軍内の社労青組織は、抗日遊撃隊の共青組織を継承しているわが党の信頼すべき補佐役であり、後続隊であります。人民軍内の現在の下士官と兵士はほとんどが社労青員です。したがって、人民軍内の社労青組織の役割を高めることが極めて重要です。

 人民軍内の社労青組織は、人民軍の強化のために全力量を組織動員しなければなりません。

 人民軍内の社労青組織は、何よりも、まずすべての社労青員がわが党に対する忠実性に徹するよう正しく教育すべきです。

 社労青員は、わが党にかぎりなく忠実でなければならず、党から与えられた戦闘任務をあくまで徹底的に遂行しなければなりません。社労青員は、わが党の政策と党の軍事路線を貫徹するうえで勇敢でなければならず、前衛的役割を果たさなければなりません。

 抗日武装闘争の時期と祖国解放戦争の時期、青年はいつも困難な仕事の先頭に立ち、突撃戦の先頭に立って英雄的偉勲を立てました。抗日武装闘争の時期に金進同志がそのように戦い、祖国解放戦争の時期には李寿福英雄がやはりそのように戦いました。李寿福英雄は、一つしかない祖国のために、二つとない生命ではあるが、青春をささげて戦うこと以上に大きな幸せはない、といって自分の血潮たぎる胸で敵の銃眼をふさぎ、部隊の戦闘勝利を保障しました。

 人民軍内の社労青組織は、すべての社労青員が英雄の模範に見習い、最高司令官の命令と党の軍事路線を貫くうえで前衛的役割を果たし、祖国と人民のために、党と革命のために、領袖のために一身をささげる立派な英雄に育つようにすべきです。

 社労青組織が自己の使命を果たすためには、対人活動を正しくおこなわなければなりません。

 対人活動を正しくおこなうことは、チュチェ思想の要求として提起され、人間を教育し、奮起させるのは、わが党の基本的活動方法であります。人間がすべてを決定づけます。自然を改造するのも人間であり、社会を変革し歴史を前進させるのも人間です。革命は人間がおこなうのです。ですから、対人活動を正しくおこなわなければ万事がうまくいきません。

 人民軍内の社労青組織が、生気にみちた組織となるためには、社労青活動家が対人活動を正しくおこない、青年を正しくふるいたたせなくてはなりません。

 軍隊内の社労青活動家は、何よりもまず、私が朝鮮人民軍第7回扇動員大会で示した10大順守事項を必ず守るように青年を教育すべきです。

 社労青活動家は、社労青員の性格と品性、体質、思想水準と文化レベルを知り、戦闘・政治訓練で手をやいていることや弱点を把握しなければなりません。そして、それにかなった教育対策を立て、十分に援助すべきです。社労青活動家は、特に革命的同志愛を高く発揮し、すべての社労青員を実の兄弟のように愛し、導かなければなりません。そうしてこそ、青年が互いに信頼し、同志的にかたく団結して勇敢に戦い、戦闘で生死をともにすることができます。

 社労青活動家は、軍人の活動と生活の過程で立派なおこないはたたえ、過ちは諭してみずから改めるようにすべきです。社労青活動家がこういう方法で対人活動を日常的におこなってこそ、すべての軍人が軍務生活で1件の事故も起こさず、軍事規律を自発的に守って、革命任務を円滑に遂行することができます。

 いま、わが国の情勢は、非常に緊張しています。南朝鮮で長いあいだファッショ的支配をつづけて人民を弾圧してきた逆賊朴正熙が、数日前射殺されました。これによって南朝鮮の革命情勢にいかなる変化が生ずるかは、まだなりゆきを見なければわかりません。しかし、いずれにせよ南朝鮮で人民を弾圧していた独裁者がまた一人いなくなったということはたいへん痛快で好ましいことです。

 敵は、この事件を契機に北朝鮮から攻め込んでくるおそれがあるといって騒ぎたて、南朝鮮全域に「非常戒厳令」を発しました。いま南朝鮮では、夜の10時から翌朝の4時まで通行禁止が実施されており、いっさいの集会とデモが禁止され、言論と出版はいっそう厳しい統制下におかれています。

 敵のこうした策動に対処して、人民軍内のすべての軍人は革命的警戒心をいっそう高め、各自の持ち場をしっかりと守らなければなりません。

 人民軍軍人は、こういうときであるほど同志的団結をさらに強め、緊張した動員態勢を堅持しなければなりません。

 我々は長いあいだ敵と対峙してきたため、ともすれば軍人のあいだに倦怠感が生じ、平和的気分に流れるおそれがあります。敵はまさに我々がそうなることを望み、そうした機会をねらっているのです。

 人民軍将兵は、さ細な倦怠感をも徹底的に排撃し、革命的警戒心をいっそう高め、常に万全の戦闘態勢を整えていなければなりません。それでこそ、敵が攻めてきても一撃のもとに粉砕することができます。

 私は、人民軍内のすべての社労青組織と社労青員が、党中央委員会のまわりにかたく団結して、党中央委員会軍事委員会と最高司令官の命令を忠実に実行し、各自に課された革命任務を立派に遂行するため、全力を尽くして闘うよう期待します。
出典:『金日成著作集』34巻 

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