金 日 成

 非同盟運動は現代の強大な反帝革命勢力である
アルゼンチンで発行される雑誌『第三世界便覧』創刊号に発表した論文
1975年12月16日 

 最近、ペルーの首都リマで非同盟諸国外相会談が成功裏におこなわれた。会議は「団結して解放をかちとろう!」というスローガンのもとに、非同盟運動に提起される焦眉の問題を討議し、歴史的意義をもつ重要な文献と決定を採択した。会議では、朝鮮民主主義人民共和国を非同盟運動の正式メンバーとして加入させることを全会一致で決定した。これは、朝鮮民主主義人民共和国政府の自主的な内外政策が非同盟運動の目的と理念にかない、わが国が非同盟諸国の積極的な支持をうけていることを示している。朝鮮人民は、わが国を非同盟運動の正式メンバーとして加入させることを全会一致で決定したことを非常にうれしく思い、これを熱烈に歓迎している。

 非同盟運動は、現代の基本的趨勢を反映している強大な反帝革命勢力である。

 現代は、自主性の時代であり、反帝革命闘争の時代である。世界の多くの国が自主性を求めており、ますます多くの人民が反帝革命闘争に立ち上がっている。これは、いかなる力をもってしてもおしとどめることのできない現代の基本的趨勢である。非同盟運動は、こんにちのこのような時代の趨勢を反映しており、反帝・自主の崇高な理念を具現している。

 非同盟運動は、帝国主義、植民地主義の侵略と略奪に反対する強大な運動であり、非同盟諸国は帝国主義反動勢力と対峙している強力な新興勢力である。

 世界革命の発展と国際活動における非同盟運動の意義とその役割は極めて大きい。非同盟運動が独自の政治勢力として歴史の舞台に登場した結果、世界の力関係は根本的に変わった。非同盟運動の出現によって世界の革命勢力は決定的に強化され、帝国主義反動勢力は著しく弱体化した。

 非同盟運動は、こんにち世界で起きている偉大な変革に深刻な影響を及ぼしている。非同盟運動は、帝国主義者の侵略と略奪の政策に大きな打撃を与え、彼らを衰退と没落へ追いこんでおり、被抑圧人民と新興勢力人民の革命闘争を力強く励ましている。

 非同盟運動の拡大発展は、諸人民の解放偉業の勝利を早めるであろう。非同盟運動の激流のなかで帝国主義の没落は促進され、被抑圧人民の革命闘争はさらに強化発展するであろう。

 非同盟諸国は、帝国主義、植民地主義との闘争をさらに強化すべきである。

 帝国主義、植民地主義は、侵略と戦争の根源であり、新興諸国の自主的発展と社会進歩を妨げる基本的障害である。帝国主義者は、かつて非同盟諸国、新興諸国を過酷に抑圧し搾取したばかりでなく、これらの国が民族独立をかちとったのちにも侵略と干渉をつづけており、新植民地主義の手口をもちいて略奪し搾取しようと悪辣に策動している。帝国主義者は、平和的な方法で侵略的目的が達成できないときには、武力侵攻もためらわない。

 非同盟諸国は、帝国主義との闘争をぬきにしては、民族の独立を守ることも、繁栄する新しい社会を建設することもできない。反帝闘争を強化してこそ、民族の独立を強固にし、国の自主的発展をなし遂げ、非同盟運動の目的を成功裏に実現することができる。

 こんにち、非同盟諸国が、帝国主義者と植民地主義者のあらゆる侵略と略奪に反対して共同闘争を力強く展開しているのは非常に立派なことである。非同盟諸国は、さらにかたく団結し広範な反帝統一戦線を結成して、団結した力で帝国主義者、植民地主義者に打撃を与えるべきである。

 非同盟運動は、すべての国が自主性を堅持することを要求する。自主性は、国と民族の生命である。自主性を堅持してこそ、民族の尊厳と栄誉を守り、国の独立と繁栄を遂げ、平等かつ堅固を基礎のうえで諸国間の団結と協力を発展させることができる。非同盟諸国は、自主性を堅持することによって民族の自主的発展をはかり、非同盟運動の理念に忠実であるべきである。

 経済的自立は、自主性の物質的基礎である。経済的に他国に依存する国は、政治的にも他国に追随するようになる。経済的に従属した民族は、植民地奴隷の運命を免れず、したいこともできず、言いたいことも言えない。非同盟諸国が自主性を堅持するためには、必ず自立的民族経済を建設し、経済的自立を達成しなければならない。

 非同盟運動の崇高な理念と目的を実現するためには、非同盟諸国間の団結と協力を強化することが重要である。非同盟諸国の団結と協力の強化は、非同盟運動の不敗の力の源であり、反帝共同偉業の勝利の決定的な裏付けである。

 非同盟諸国がかたく団結して闘うならば、いかなる帝国主義をも打ち破って勝利することができる。非同盟諸国は、団結して、帝国主義者によってつくられた旧国際秩序をうちこわし、世界人民の利益にかなった新国際秩序をうち立てるべきである。旧国際秩序は、植民地主義制度の産物であり、帝国主義の支配と統制、搾取と略奪の主要な道具である。帝国主義者は、この旧国際秩序に依拠して他国の自主権を踏みにじり、発展途上諸国の資源を略奪している。旧国際秩序を一掃し、公正な新国際秩序をうち立て、帝国主義者がこれ以上国際舞台で専横をほしいままにし、他国の自主権を蹂躙し、資源を意のままに略奪できないようにしなければならない。

 非同盟諸国は、政治的にかたく団結するだけでなく、経済的にも緊密に協力すべきである。非同盟諸国の緊密な経済協力は、新しい社会の建設における困難で複雑な諸問題を解決する重要な方途となる。非同盟諸国が、有無相通ずる原則に立って多面的な経済・技術協力を発展させるならば、強大国の力をかりなくても十分自立的民族経済を建設し、国の繁栄を遂げることができる。

 非同盟諸国は、政治的にかたく団結し、経済的、技術的に緊密に協力して国の自主的発展を促し、反帝共同偉業の勝利を促進すべきである。

 朝鮮民主主義人民共和国は、非同盟運動の尊厳あるメンバーとして、団結の旗、反帝・自主の旗を高くかかげ、平和と民主主義、民族独立と社会進歩をめざす共同偉業の遂行で常に非同盟諸国とかたく団結し、緊密に協力するとともに、非同盟運動の強化発展のために積極的に努力するであろう。

 こんにち朝鮮人民は、民族最大の悲願である祖国統一の歴史的偉業を実現するために闘っている。アメリカ帝国主義者に奪われた領土と民族を取りもどし、引き裂かれた祖国を統一しようとする朝鮮人民の闘争は、世界的範囲でくりひろげられている反帝民族解放闘争の重要な一環である。正義と平和を愛する非同盟諸国は、南朝鮮からアメリカ帝国主義侵略軍を追い出し、祖国を自主的に、平和的に統一しようとする朝鮮人民の闘争を積極的に支持声援している。これは、朝鮮人民を大いに励ましている。朝鮮人民は、非同盟諸国人民をはじめ、世界の進捗的人民の積極的な支持声援のもとに、南朝鮮からアメリカ帝国主義侵略軍を追い出し、必ずや祖国統一の歴史的偉業をなし遂げるであろう。

 現代の偉大な反帝革命勢力である非同盟運動は、日増しにいっそう拡大強化されており、勝利のうちに前進している。非同盟諸国は、反帝・自主の旗のもとに反帝共同闘争を力強く展開して、非同盟運動の崇高な理念と目的を実現し、世界平和と人類解放の偉業に大きく寄与するとともに、帝国主義と植民地主義がなく、あらゆる形の侵略と略奪のない世界、平和な繁栄する新しい世界を建設するであろう。
                                                
出典:『金日成著作集』30


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