金 日 成

インド週刊紙『ブリッツ』責任主筆の質問にたいする回答
−1975年8月6日−


 あなたの質問を書面で拝見しました。

 あなたはいろいろな問題について質問されましたが、便宜上いくつかにまとめてお答えしようと思います。

 まず、チュチェ思想の根本原理と、革命と建設の指導原則についてお話しましょう。

 既に何度も述べていることですが、チュチェ思想とは、革命と建設の主人は人民大衆であり、革命と建設をおし進める力もまた人民大衆にあるという思想です。言いかえれば、自己の運命の主人は自分自身であり、自己の運命を切り開く力も自分自身にあるという思想です。

 チュチェ思想は、人間があらゆるものの主人であり、すべてを決定するという哲学的原理にもとづいています。

 人間は自主性と創造性をもつ社会的存在です。人間は、目的意識的で能動的な活動をとおして自己の意思と要求に即して世界を改造してゆく、最も発達した有力な存在です。自然と社会を改造するのも人間であり、科学と技術を発展させるのも人間です。したがって、人間は世界を支配する主人となり、すべてを決定する要因となるのです。

 我々はチュチェ思想のこのような根本原理にもとづき、勤労者大衆を中心にすえてすべての革命理論を展開しています。

 あなたはチュチェ思想とプロレタリア国際主義との相互関係について質問されましたが、チュチェ思想はプロレタリア国際主義に全く合致する思想です。チュチェ思想は、プロレタリア国際主義に矛盾しないばかりか、かえってプロレタリア国際主義を強化し、世界革命の発展を促進する思想です。

 我々が主体性を確立し、自力更生するのは、社会主義・共産主義をより早く、より立派に建設するためです。それぞれの国で革命と建設を立派におこなうのは、それ自体が国際革命勢力を強化し、世界革命の発展を促進することになります。個々の国の革命は世界革命の一部分であり、その国の人民に課された国際主義的任務です。したがって、我々が主体性を確立し、自力更生して自国の革命を立派におこなうのは、民族的任務を責任をもって遂行することになると同時に、世界革命の一環を強化し、国際革命運動の発展に寄与することになります。自国の革命偉業を立派に遂行すれば、他国の革命をより積極的に、効果的に支援することができます。

 我が党のチュチェ思想はまた、自主性を堅持し擁護することにより、兄弟諸国間の団結と協力の強化を促します。すべての国が自主性を堅持しそれを尊重してこそ、国際的団結と協力を、真に自発的で強固かつ同志的なものにし、各国間の完全な平等と相互尊重をはかることができます。

 自主性にもとづいて団結し、協力し、国際的連帯を強めるのは、我が党が一貫して堅持している原則です。このような原則は、我が国の革命と建設の利益にかなっているばかりでなく、世界革命偉業と国際共産主義運動の利益にも全く合致します。

 革命と建設の指導原則についていえば、我が党は革命と建設の指導において、徹底した主体性の確立を最も重要な原則としています。

 主体性を確立するということは、革命と建設にたいし主人としての態度をとることを意味します。言いかえれば、革命と建設を進めるうえで自主的立場と創造的立場を堅持することであります。

 個々の国の革命の主人は、その国の人民自身です。それぞれの国の人民は、自国の革命にたいし主人としての態度をとり、革命と建設で提起されるすべての問題を自国人民の利益と自国の実情に即して、そして自力で解決してこそ、革命と建設で成果をおさめることができます。革命と建設は、個々の国を単位として進められますが、おかれている環境と条件は国ごとに異なります。これは、革命と建設を徹底的に自主的立場に立って、創造的に進めることを要求します。

 我が党は常に、革命と建設で提起されるあらゆる問題を、自主的立場で解決する原則を堅持しています。我が党は、すべての路線と政策を我が国の実情と朝鮮人民の利益に即して独創的に樹立し、他国への依頼心を排し、自力で朝鮮革命を完遂するためにたたかっています。

 革命と建設にたいする我が党の指導において重要な問題は、革命的大衆路線を徹底的に貫くことです。

 革命的大衆路線を貫くということは、人民大衆の利益を擁護し、人民大衆の力と知恵を信じ、それに依拠して革命と建設を進めることを意味します。

 人民大衆は歴史の創造者であり、革命と建設の決定的な力量です。革命と建設の成果は、勤労人民大衆の創造力をいかに引きだすかにかかっています。

 我が党は常に、革命闘争と建設事業で提起される困難で膨大な課題を、人民大衆の力と知恵を引きだして解決する革命的原則を一貫して堅持しました。

 我が党は、すべての活動で政治活動を確固と優先させ、勤労者にたいする思想教育活動を強化して、かれらの革命的熱意と創意性を高度に発揮させ、大衆の集団的な力と知恵を引きだして問題を解決してきました。

 我が党は、革命と建設のすべての分野で徹底的に主体性を確立し、革命的大衆路線を貫き、勤労者大衆の底知れない力と知恵を最大限に引きだして、革命と建設をはやい速度で前進させ、社会主義建設で偉大な勝利を達成することができました。

 我々は、これまでと同様今後も、革命と建設にたいする指導で、常にゆるぎなく主体性を確立し、革命的大衆路線を徹底的に貫いていくでしょう。

 次に、南朝鮮の現事態にたいする我が共和国政府の立場と、朝鮮で戦争を防ぎ平和を維持し、自主的平和統一を実現するには、どのような問題が解決されるべきかについて述べましょう。

 我が国の南半部を占領しているアメリカ帝国主義者は、南朝鮮にその侵略兵力をさらに増強しており、核兵器をはじめ、大量殺りく兵器や軍事技術装備をひきつづき搬入しています。

 特に、アメリカ帝国主義者は、インドシナで惨敗をこうむって追い出された後、アジアで全面的に破産没落していくその植民地支配体制を収拾する重要な拠点として南朝鮮をひきつづき掌握し、朝鮮とアジアにたいする侵略的野望を実現しようとあらゆる策動をつづけています。

 アメリカ帝国主義の頭目たちは、南朝鮮をアメリカの「前線防衛地域」として宣言し、朝鮮で戦争が起これば「公約」に従って南朝鮮を「即刻支援」し、「核兵器の使用も辞さない」と公言しています。これは、アメリカ帝国主義の強盗的本性と侵略の野望をそのままさらけだしたものです。

 南朝鮮のかいらい一味も、アメリカ帝国主義のテコ入れのもとに共和国北半部にたいする軍事的挑発を強化しています。いま南朝鮮のかいらい一味は、極度の不安と恐怖にかられ、ありもしない「南侵の脅威」について騒ぎたてながら、我が国の情勢をいっそう緊張させており、南朝鮮で民主主義と祖国の統一を求めるさ細な要素をも過酷に弾圧しています。

 アメリカ帝国主義者とその手先一味のこれらの策動は、朝鮮での新たな戦争の防止と平和の維持、自主的平和統一の実現を望む全朝鮮人民と世界の進歩的人民にたいする悪辣な挑戦であります。

 こんにち我が国には、アメリカ帝国主義者とその手先一味の新たな戦争挑発策動によって、いつ戦争が起こるかわからない危険が生じています。

 共和国政府と朝鮮人民は、敵の新たな戦争挑発策動に怒りを燃やしており、高度の警戒心をもって敵の一挙一動を見守っています。

 アメリカ帝国主義者とその手先一味の新たな戦争挑発策動を阻止、破綻させ、祖国の自主的平和統一を実現することは、我が共和国政府のゆるぎない立場です。我々は、我が国で平和を維持するため極力努力しており、分断された祖国をいかなる外部勢力の干渉もうけることなく、自主的に、民主主義的原則に立って平和的に統一するためにたたかっています。

 朝鮮で戦争を防ぎ、平和を維持し、自主的平和統一を達成するためには、何よりもまず「国連軍司令部」を解体し、「国連軍」の看板のもとに南朝鮮に駐留しているいっさいの外国軍隊を撤退させなければなりません。

 周知のように、いま南朝鮮には、「国連軍」の帽子をかぶった数万のアメリカ軍が駐留しています。これは、我が国の平和にたいする恒常的な脅威に、祖国の自主的平和統一を阻む基本的障害になっています。それゆえ、我が共和国政府は、南朝鮮を占領しているアメリカ帝国主義侵略軍から「国連軍」の帽子をはぎとり、かれらをすべて撤退させることを強く主張してきました。我々のこうした正しい主張は、世界人民のあいだで大きな支持と共鳴を呼び起こしました。

 アメリカ帝国主義者は、もはやこれ以上アメリカ軍の南朝鮮占領を正当化することも、「国連軍」の帽子をかぶって南朝鮮に居座りつづけることもできなくなりました。こうなるや、最近アメリカ帝国主義者は、ことしの9月に開かれる第30回国連総会をひかえ、「国連軍司令部」を解体するという「決議案」を提出しました。この「決議案」は一見もっともらしくみえますが、そこには狡猾な術策が秘められています。

 アメリカ帝国主義者は「国連軍司令部」を解体するといいふらすことによって、世界の人々の歓心を買い、国際世論をあざむき、実際には「国連軍」の帽子をほかの帽子にかぶりかえ、南朝鮮に居座りつづけようとしているのです。これは、何ぴとをもごまかすことのできない見えすいたトリックにすぎません。

 「国連軍司令部」解体とアメリカ軍撤退の問題は、絶対に切り離すことのできないことです。南朝鮮に来ている「国連軍」なるものは、とりもなおさずアメリカ軍であり、アメリカ軍はすなわち「国連軍」です。これまでアメリカ帝国主義者は、「国連軍」の帽子をかぶってあらゆる侵略策動をおこない、「国連軍」の看板をかかげてその犯罪行為をおおいかくそうと策動しました。南朝鮮に来ているアメリカ軍が「国連軍」だということは、これまでアメリカ帝国主義者自身が口ぐせのようにいってきたことです。ところが、いまになって「国連軍」の帽子をかぶるのが不利になると、かれらは「国連軍司令部」を解体すると言いながらも、アメリカ軍は撤退させまいとしています。これは、アメリカ帝国主義者がいかに厚顔無恥な連中であり、南朝鮮を永久に占領し朝鮮の統一を妨げるために、いかに悪辣に策動しているかをはっきりと示しています。

 もちろん、アメリカ帝国主義者が、みずから「国連軍司令部」を解体すると言うようになったのは、朝鮮人民と世界の進歩的人民の正義の闘争がもたらした大きな勝利です。これは、アメリカ帝国主義者の立場が非常に苦しくなり、これ以上「国連軍」の看板のもとに侵略の目的を達成することができなくなったことを示すものです。しかし、「国連軍司令部」を解体しながら、アメリカ帝国主義侵略軍を南朝鮮にひきつづきとどめるならば、このような措置は、事実上我が国の統一のためになんの意義もありません。

 アメリカ帝国主義者は愚かな欺瞞策をやめるべきであり、「国連軍司令部」を解体すると同時に、南朝鮮からいっさいの侵略兵力をとりまとめてただちに撤退すべきです。

 我が国で戦争を防ぎ、平和統一を実現するためには、南朝鮮からすべての外国軍隊を撤退させる条件のもとで、停戦協定を平和協定にかえなければなりません。

 停戦協定は戦争の停止を意味するだけで、平和の完全な裏付けとはなりえません。もちろん我々は、戦争を先に起こそうとはしないし、アメリカ帝国主義者とその手先一味が新たな戦争を引き起こさないかぎり武力を行使しないでしょう。我々は既に、絶対に「南侵」しないということを再三再四明らかにしました。しかしアメリカ帝国主義者は、「南侵の脅威」を口実に南朝鮮にたいする占領をつづけようとしており、侵略と挑発策動をたえまなくおこなっています。こうした状況のもとで、朝鮮民主主義人民共和国とアメリカのあいだに平和協定を結び、朝鮮で完全な平和の裏付けをとりつけるべきです。

 アメリカ帝国主義者が、真に我が国にたいする侵略の意思がなく、朝鮮の平和的統一を望むならば、南朝鮮から一日も早くアメリカ軍を撤退させ、我々と平和協定を結ぶべきです。

 南朝鮮からすべての外国軍隊が撤退し、朝鮮民主主義人民共和国とアメリカのあいだに平和協定が結ばれたあとは、我が国で北と南の軍隊を大幅に縮小し、北と南の軍事的対峙状態を解消すべきです。こうなれば、南北共同声明に明示された基本原則に従って、祖国統一の問題を朝鮮民族自身の力で平和的に解決する道が必ず開かれるでしょう。

 我が国の分断が30年間もつづき、また現在南朝鮮に反動的な「政権」が存在している状況下にあって、北と南を一つに統一するには一定の難関がありうるし、多少時間がかかるでしょう。それゆえ、我々は祖国統一を実現する過渡的な措置として、南北連邦制の実施を主張しています。我々が主張する南北連邦制は北と南の現政治体制を当分の間存続させ、北と南の代表からなる最高民族会議を組織して民族の発展に関する重要な問題を共同で調整し、対外的には単一の国号をもつ一つの国家として進出しようというものです。

 南北連邦制が実施されれば、北と南のあいだの理解と信頼をあつくし、相互の連係と合作を全面的に実現し、国の完全な統一を早めることができるでしょう。

 次に、非同盟運動の意義について簡単に述べましょう。

 非同盟運動は、世界の多くの国が平等権を主張し、自主の道に進む現代の趨勢を反映しています。

 非同盟運動は帝国主義、植民地主義の侵略と略奪に反対する威力ある運動であり、非同盟諸国は帝国主義勢力と対峙している反帝反植民地主義の強固な砦であります。

 非同盟諸国は、かつて帝国主義者の植民地支配から民族独立をかちとった国々です。帝国主義者はかってこれらの国を過酷に抑圧し搾取したばかりでなく、これらの国が民族独立をかちとったあとも侵略と干渉をつづけており、新植民地主義的方法で搾取しようと悪辣に策動しています。したがって、非同盟諸国と帝国主義者のあいだには依然として深刻な矛盾があり、はげしい闘争がおこなわれています。

 こんにち非同盟諸国は、帝国主義の侵略と干渉、略奪に反対し、民族の自主権を守り、国際問題の公正な解決をめざして力強くたたかっています。

 非同盟運動の拡大発展は、帝国主義者に大きな打撃を与えており、世界人民の反帝共同偉業の勝利を促すうえに大きく寄与しています。またこの運動は、民族の独立と新しい社会の建設をめざす第三世界人民の闘争を強く励まし、世界各国間の団結と協力を強めています。

 非同盟運動は、日ましに拡大強化されており、国際舞台で重要な役割を果たしています。非同盟諸国は、世界の広大な領土と多くの人口を擁し、原料、燃料という武器をもっているので、かたく団結してたたかえば帝国主義者を窮地に追いこみ、かれらの滅亡を促すことができます。また、これらの国がかたく団結し緊密に支持し協力しあうならば、強大国の手をかりなくても独立、繁栄の新しい社会を成功裏に建設することができます。

 朝鮮人民は非同盟運動を積極的に支持しており、非同盟諸国人民との友好・協力関係を発展させるために努力しています。

 この3月、ハバナで開かれた非同盟諸国調整委員会会議は、朝鮮民主主義人民共和国を非同盟諸国会議に参加させるための賛成勧告案を全会一致で採択しました。これは、我が党と共和国政府の自主的な政策が非同盟運動の原則と一致し、非同盟諸国人民の積極的な支持をうけていることを示すものです。

 朝鮮人民は、我が共和国を非同盟諸国会議に参加させるための調整委員会会議の賛成勧告案を、朝鮮人民にたいする信頼と期待のあらわれとみなし、これを熱烈に歓迎しています。

 朝鮮人民は今後とも、反帝・自主の旗を高くかかげ、非同盟諸国と団結し、帝国主義、植民地主義に反対する共同戦線で肩を並べてたたかい、世界人民の共同偉業の勝利をめざして力強くたたかうでしょう。

 次に、朝鮮人民が戦後、革命と建設で大きな成果をおさめ、税金制度を廃止することができた要因と、6か年計画の遂行状況について話しましょう。

 朝鮮人民は、朝鮮労働党の正しい指導のもとに、戦後、社会主義革命と社会主義建設を成功裏に遂行し、立ちおくれた植民地農業国であった我が国に、搾取と抑圧がなく、すべての勤労者がひとしく豊かに暮らす社会主義制度をうち立て、強固な自立的民族経済と燦然たる民族文化と自衛的国防力をもつ強力な社会主義国家を建設しました。

 我々は昨年、税金制度を完全に廃止し、我が国を世界最初の無税国にしました。これは、朝鮮人民が新しい社会の建設でおさめた大きな成果です。税金制度の完全な廃止は、我が国社会主義制度の優位性と自立的民族経済の威力を示すものです。

 これまで朝鮮人民がおさめたこれらの成果は、チュチェ思想を指導指針とする我が党の正しい指導と、党と人民大衆のゆるぎない統一、そして朝鮮人民の高い革命的熱意と創造的な闘争によるものです。

 我が国ではいま、6か年計画をくりあげて遂行するたたかいが力強くくりひろげられています。

 我々が6か年計画でうちだした重要目標は、三大技術革命を遂行して社会主義の物質的・技術的土台をいっそう強固にし、勤労者を骨のおれる労働から解放することです。三大技術革命の課題は、工業と農業をはじめ、人民経済各部門で技術革新運動を広範にくりひろげ、重労働と軽労働の差、農業労働と工業労働の差を著しく縮め、女性を家事の重い負担から解放することです。

 三大技術革命の課題は、極めて困難かつ膨大な課題です。しかし、労働者、農民、科学者、技術者の創造的な闘争によって、三大技術革命の課題は成功裏に遂行されています。

 骨がおれ手間の多くかかる仕事や有害労働、高熱労働の多い部門で機械化とオートメ化が広くおこなわれ、労働者が骨のおれる労働から少なからず解放されました。人民経済の全般的技術装備が改善され、近代的な大規模の企業所や新しい生産部門が創設され、我が国の経済的土台はいっそう強固になりました。

 技術革命は、農業部門でも成功裏に進められています。

 我が国の農村では、既に水利化と電化を終え、いまではその成果をいっそう拡大発展させるとともに、農業の機械化と化学化の完成をめざしてたたかっています。現在我が国農村のトラクター保有台数は、耕地面積百ヘクタール当たり平坦部では4台、中間部と山間部では3台となっています。また、農村に各種のトラクター用農機具と田植機など数多くの近代的な農業機械が供給され、農民の骨のおれる労働を軽滅しています。

 農村技術革命が力強くおし進められた結果、我が国では穀物生産が年々増大し、昨年は7百万トンの穀物を生産して、6か年計画の穀物生産目標を2年もくりあげて達成しました。いま我が国では食糧を自給自足しています。

 女性を家事の重い負担から解放する技術革命の課題を遂行するうえでも、多くの成果が達成されています。

 女性を家事の負担から解放することは、女性問題を完全に解決するうえで極めて重要な意義をもちます。女性の社会的解放の実現後には、女性を革命化、労働者階級化すると同時に、すべての女性が家事の負担から解放されて社会に進出し、心おきなく働ける物質的条件をととのえなければなりません。そうしてこそ、女性問題を完全に解決することができます。

 現在我が国では、いたるところに託児所と幼稚園を設け、国家と社会の負担で子供を養っており、子供を育てる女性の負担を軽くしています。また農村の水道化が実現され、農村女性は、水がめを頭にのせて運んでいた数千年来の大きな負担から解放されるようになりました。

 我々は、文化革命の遂行でも大きな成果をおさめました。

 党の正しい民族幹部養成方針に従って、我が国では、既に80万以上の技術者、専門家が養成され、また、勤労者の一般知識水準と技術・文化水準をいちだんと高い段階に引き上げる課題も成功裏に遂行されています。

 この9月から全般的11年制義務教育を完全に実施できるようになったのは、文化革命で達成した極めて重要な成果です。全般的11年制義務教育の実施によって、新しい世代はすべて、労働年齢に達するまで国家の恩恵によって学校にかよい、我が党のチュチェ思想で武装し、豊かな一般知識と科学技術の基礎知識を身につけた、全面的に発達した共産主義的な新しい人間に育成されるようになりました。

 朝鮮人民は既に、6か年計画の遂行で決定的な前進をとげました。いま党創立30周年をひかえて力強い生産闘争をくりひろげている人民の意気ごみからすれば、6か年計画は工業総生産額のうえで1年以上くりあげて遂行されるものと予想されます。

 現在我が国の経済状態は極めて良好であり、将来の展望も明るいといえます。

 終わりに、我が国とインドとの関係について話しましょう。

 こんにち、朝鮮民主主義人民共和国とインド共和国との友好関係は、好ましい方向に発展しています。我々は、両国人民の友好関係が好ましく発展していることをうれしく思います。

 朝鮮とインドはともにアジアに位置しており、両国の友好関係の発展は両国人民の利益に合致するばかりでなく、アジアと世界人民の共同偉業のためにも極めて重要な意義があります。

 私は、朝鮮民主主義人民共和国とインド共和国との友好関係が、完全な平等と自主性、相互尊重と内政不干渉の原則にもとづいてこれからも好ましく発展することを望みます。

 私はこの機会をかりて、繁栄する自主独立国家の建設をめざすインド人民の闘争に、より大きな成果があるよう心から願うものです。

出典:金日成著作集 30巻

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