金 日 成

三大革命を力強く展開して社会主義建設をいっそう促進しよう
工業部門活動者会議でおこなった演説
−1975年3月3日−


 同志のみなさん!

 全国工業大会が開かれてから1年がすぎました。そして、党中央委員会が人民経済の各部門に三大革命グループを派遣したときから数えても2年になります。さきごろ開かれた党中央委員会第5期第10回総会では、三大革命グループの活動状況を総括し、新たな課題をうちだしました。このたびの工業部門活動者会議は、党中央委員会第5期第10回総会の決定にもとづいて、社会主義建設で一大高揚を起こす対策を討議する会議です。

 社会主義建設の各部門に派遣された三大革命グループは、この2年間に大きな成果をおさめました。三大革命グループと各級党組織は、勤労者の革命精神を高度に発揮させ、社会主義建設を力強く促進することにより、我が国のチョンリマ(千里馬)運動をさらに輝かせました。特に、昨年の「70日間戦闘」では非常に高いテンポを記録し、輝かしい成果をおさめました。

工業部門活動者会議で演説する金日成主席
1975年3月3日

 私はこの会議に参加して、英雄的な労働者階級と三大革命グループのおさめた成果にかんするみなさんの発言を感銘深く聞きました。みなさんの発言は私を強く感動させました。

 私は、党中央委員会と共和国政府の名で、高度の党性、労働者階級性、革命性を発揮して、社会主義建設で大きな業績をつみあげた我が国のすべての労働者、技術者、事務員と、この会議に参加した工業部門の活動者、そして三大革命グループと各級党組織の活動家に深い謝意をあらわします。


 1 三大革命の歴史的必然性

 我が党は以前から三大革命遂行の方針をうちだし、思想革命、技術革命、文化革命を力強くくりひろげてきました。思想、技術、文化の三大革命を遂行するという我が党の方針は極めて正しいものであります。

 労働者階級は、帝国主義、資本主義の搾取制度をくつがえし、社会主義制度を樹立したのちにも革命をつづけなければなりません。帝国主義、資本主義制度をくつがえしたからといって、社会主義・共産主義がおのずと建設されるものではありません。社会主義・共産主義は、長期にわたる経済建設と階級闘争をへることなしには建設することができません。

 特に、産業革命と資本主義の段階をへていない国、植民地・半植民地であった国での社会主義建設はさらに長期間を要します。それは、これらの国が思想、技術、文化の面で立ち後れているからです。

 産業革命をおこなっていない国や植民地・半植民地であった国は、経済、技術の面で非常に立ち後れています。

 資本主義諸国は、既に数百年前に産業革命をおこない、近代的工業を建設しました。イギリスなどは産業革命をおこなって200年以上になり、日本もブルジョア革命をおこなって100年をこえます。

 しかし、産業革命をおこなえず植民地・半植民地であった国は、長年にわたり帝国主義の原料源泉地、商品市場として帝国主義者の搾取と略奪をうけました。したがって、これらの国は、新しい社会建設の道にはいってからも工業の基礎がなく、経済的土台が極めて貧弱なのです。

 解放直後の我が国には工業の基礎がありませんでした。当時我々は、鉛筆やマッチのようなものさえ自力でつくれませんでした。日本帝国主義者は、我が国から黒鉛や木材を日本に運んで鉛筆をつくり、それをまた我が国にもちこんで売りつけました。かれらのこうした植民地略奪政策によって、我が国では民族経済が発展しませんでした。解放後、我々は、北朝鮮臨時人民委員会の最初の議案として鉛筆問題を討議し、鉛筆の生産から新しい祖国の経済建設をはじめました。

 解放直後我が国には、紡織工業もほとんどありませんでした。日本帝国主義支配当時、小さな紡織工場がいくつかありましたが、紡錘はみな合わせて1万5千錘にすぎませんでした。日本帝国主義者は、我が国で近代的民族工業の発展を妨げたばかりでなく、手工業さえ破壊しました。

 長年にわたる帝国主義者の植民地支配から解放されたアジア、アフリカ、ラテンアメリカの多くの国は、我が国の解放直後のような状態にあると思います。これらの国は、なんらの経済的基礎もないゼロの状態から新しい社会の建設をはじめなければなりません。それゆえ、立ち後れている国が資本主義諸国を経済的、技術的に追いこし、社会主義・共産主義を建設するためには、長期にわたって困難な闘争をしなければなりません。

 共産主義社会は、すべての人が能力に応じて働き、必要に応じて分配をうける非常に発達した社会です。産業革命をおこなっていない国、植民地・半植民地であった国が、すべての人が能力に応じて働き、必要に応じて分配をうけるほどの高い水準の経済的土台をきずきあげるには長い期間を要します。

 資本主義の段階をへていない国と植民地・半植民地であった国は、文化の面でも立ち後れています。

 なによりも、住民の一般知識水準が極めて低い状態にあります。長期の帝国主義植民地支配から解放をかちとったアフリカのある国などは、住民の80〜90%が文盲だといわれています。これは、住民のほとんどが文盲であることを意味します。解放直後には、我が国にも文盲がそれくらいいました。

 また、立ち後れた国には民族技術幹部がいません。解放直後我が国には、技術系の大学を出た人が数十人しかいませんでした。それも我が国で勉強した人ではなく、外国に行って日本人の名前で勉強した人たちでした。日本帝国主義支配当時、我が国に大学を出た人がいたとすれば、弁護士、医師、教員、代書人などが少々いたにすぎません。日本帝国主義者の法律を学んだ弁護士などは、解放後新しい祖国の建設になんの役にも立ちませんでした。解放直後、民族技術幹部がいなかったので、大学を一つ建設するのも非常に困難でした。

 勤労者の文化水準が低く、民族技術幹部がいなければ、革命と建設を力強くおし進めることも、新しい社会を成功裏に建設することもできません。

 立ち後れた国で文化的後進性をなくすというのは、けっして容易なことではありません。旧社会から受けついだ文化的後進性をなくし、新しい民族文化を建設するには長い期間を要します。

 資本主義の段階をへていない国と植民地・半植民地であった国は、思想の面でも立ち後れています。

 発達した資本主義国には、多くの労働者階級がいます。労働者階級は、資本家の搾取と抑圧に反対する強力な闘争力と、高い階級的自覚と革命精神をもっています。

 資本主義の段階をへていない国と植民地半封建社会であった国には、労働者階級が少なく農民と手工業者が住民の絶対多数をしめています。植民地半封建社会であった国のなかには、農民が住民の80〜90%をしめる国もあります。

 農民と手工業者は、地主や資本家の抑圧と搾取を憎みはしても、労働者階級の指導をうけなければ階級敵と断固とたたかうことができず、また帝国主義に反対する闘争精神も弱いものです。農民と手工業者は、分散して個別的に生活するので、集団主義精神も足りず組織性も弱いのです。農民と手工業者は、革命精神がとぼしい反面、利己主義や迷信のような古い思想を多分にもっています。

 農民と手工業者の古い思想をなくし、かれらを気高い共産主義思想と高い革命精神で武装させるには長い期間を要します。

 産業革命をおこなっていない国と植民地・半植民地であった国は、思想、技術、文化の面で立ち後れているため、これらの国における共産主義建設の期間は、発達した資本主義国で革命を遂行し共産主義を建設する期間よりも長くかかります。それゆえ、共産主義を建設するためには、社会主義制度の樹立後も革命をつづけなければなりません。

 社会主義制度の樹立後にも革命をつづける必要性はまた、世界に資本主義と帝国主義が存在している事情と関連しています。

 社会主義制度が樹立されれば、国内的には搾取階級がなくなりますが、国際的には依然として資本主義と帝国主義が残っています。このような状況のもとで、社会主義制度にたいする帝国主義者の破壊策動は依然としてつづけられます。したがって、社会主義制度の樹立後も革命をつづけないかぎり、既にかちとった革命の獲得物を守り、社会主義・共産主義を成功裏に建設することができません。

 共和国北半部で地主、資本家の制度が一掃されたのは久しい前のことですが、我が国の周辺には帝国主義と資本主義国が依然として残っています。特に、我が国の南半部には地主、資本家の制度がそのまま残っており、アメリカ帝国主義者とさまざまな反動分子が巣くっています。こうした状況のもとで、我が国では帝国主義者と反動層の破壊策動がいっそう激しくなっています。

 アメリカ帝国主義者と南朝鮮の反動層は、共和国北半部の社会主義制度を転覆し、資本主義制度を復活させようという妄想をすてさっておらず、我々の社会主義建設をあらゆる面から妨害しています。アメリカ帝国主義者と南朝鮮の反動層は、共和国北半部にブルジョア思想を浸透させようと狂奔しており、我が国の基幹工業の発展を妨げ、我が国を経済的に封じこめようと悪らつに策動しています。

 アメリカ帝国主義者と南朝鮮反動層のあらゆる破壊策動をはねのけ、社会主義・共産主義を成功裏に建設するためには、思想・技術・文化分野で革命をつづけなければなりません。こうしてすべての勤労者を思想的に鍛え、経済と文化を急速に発展させ、他人が一歩を進めば十歩、百歩を進まなければなりません。

 我が党は、創立当初から我が国の歴史的条件と時の情勢を科学的に分析したうえで、思想・技術・文化分野で革命を徹底的に遂行する方針をうちだし力強くたたかってきました。もちろん、我が党は解放直後から三大革命のスローガンをかかげたのではありません。しかし、我々は解放直後から勤労者の古い思想を一掃し、かれらを先進思想で武装させる思想活動を地道におこない、経済・文化分野ですべての後進性をなくし社会主義的な経済と文化を建設するためにたたかいました。特に、我が党は、社会主義制度の樹立後、思想、技術、文化の三大革命遂行のたたかいをさらに力強く展開しました。

 我が党は、思想革命、技術革命、文化革命の三つの赤旗を高くかかげ、すべての勤労者の知恵と創意を積極的に引きだし、自力更生の革命精神を高度に発揮させて、社会主義建設で大きな成果をおさめました。

 朝鮮人民は三大革命の旗をかかげ、力強い闘争を展開して3か年計画を成功裏に遂行し、5か年計画を工業総生産額において2年半もくりあげて遂行しました。朝鮮人民は、7か年計画を完遂する闘争においても大きな成果をおさめました。新たな情勢と関連して7か年計画を3年間延長して遂行したのですが、7か年計画を遂行する10年間に工業生産を毎年平均12.8%成長させました。

 朝鮮人民が7か年計画を遂行する期間、情勢は複雑を極めていました。アメリカ帝国主義者はカリブ海の危機をつくりだし、ベトナム戦争をエスカレートさせながら情勢を極度に緊張させ、我が国にたいする侵略策動をいちだんと強化しました。我々は新たな情勢に対処して、国防力の強化に大きな追加的力をふりむけざるをえませんでした。我が党は、経済建設と国防建設を並進させる革命的な方針をうちだし、それを徹底的に貫徹して社会主義経済建設で大きな成果をおさめたばかりでなく、国防力もしっかりとうちかためました。

 思想革命、技術革命、文化革命を徹底的に遂行するという我が党の方針の正しさは、我が国の革命実践をとおしてはっきりと立証されました。


 2 三大革命グループ運動の発端

 我が国における思想、技術、文化の三大革命は、我が党が三大革命グループを組織して工場、企業所、協同農場に派遣したときからさらに力強くおし進められました。

 我が党が人民経済の各部門に三大革命グループを派遣したのは、三大革命を力強くおし進めるうえで極めて重要な措置でした。もちろん、我が国のすべての部門、すべての単位にもれなく党組織があるので、これをつうじて三大革命を進めることもできます。しかし、我々はこの事業を下部の党組織にだけまかせるのではなく、党中央が直接三大革命グループを派遣し、党組織と三大革命グループが協力して三大革命を推進することにしました。

 我が党が人民経済の各部門に三大革命グループを派遣した主な目的は、幹部をよく助けてかれらの保守主義、経験主義などの古い思想をなくし、党の要求どおり正しく仕事をおこなうようにして、我が国の経済をいっそうすみやかに、さらに円滑に発展させることにあります。

 現在、人民経済の各部門で活動している古くからの幹部は、すべて我が党の貴重な人材です。解放後、かれらは我が党と共和国の創建事業に積極的に参加し、また党の方針を支持して土地改革、産業国有化をはじめ、民主改革を実施する闘争でも先頭に立ちました。かれらは祖国解放戦争の困難な時期に、前線と後方で共和国政権を守るために、祖国統一の偉業を達成するためにすべてをささげてたたかい、血も多く流しました。我々の幹部は戦後、社会主義革命と社会主義建設にも積極的に参加して英雄的偉勲を立てました。かれらの積極的な闘争によって、農業協同化をはじめ、経営形態の社会主義的改造が順調に完遂され、戦後の3か年計画と5か年計画、そして7か年計画が成功裏に遂行され、水利化をはじめ、農村技術革命の困難な課題が立派に遂行されました。

 このように我々の幹部は、これまで多くの仕事をなし遂げ、重要な役割を果たしましたが、解放後30年という歳月がすぎたので、いまでは年をとり、その水準も急速に発展する現実に追いつけなくなっています。我が党は、かれらが発展する現実に立ち後れないよう、土曜学習、水曜講演会をはじめ、集団的学習体系を立て、毎年1か月ずつ正規の学校で専門的に学習させる体系も設けました。しかし、経済の規模が非常に大きくなり、経済建設のすべての部門が現代科学技術を必要としている現状のもとで、かれらの知識と経験だけでは、社会主義建設を成功裏におし進めることも、党の要求する速度戦を力強く展開することもできません。

 だからといって、古くからの幹部をすべて仕事から除外したり、やめさせたりするわけにはいきません。我々はかれらを大切にしなければなりません。一部の古くからの幹部のあいだに保守主義、経験主義、機関本位主義、官僚主義があらわれ、甚だしい場合、幹部になったのだからこれからは遊んでもかまわないと安易な考えにとらわれていますが、これは、学習を怠り、よくわからないところに主な原因があります。それゆえ、我々は古くからの幹部を解職するのではなく助力して、かれらがこれまで仕事を立派にしてきたように、今後も仕事を立派におこない、ひきつづき花を咲かせるようにすべきです。

 我が党はこうした目的から、党中央委員会の活動家をはじめ、党活動家、国家・経済機関の活動家、勤労者団体の活動家、そして科学者、技術者、青年インテリからなる三大革命グループを組織し工場、企業所、協同農場に派遣したのです。

 三大革命グループを派遣するとき、私はその目的と現地で果たすべき任務について明確に話しました。私は三大革命グループに、みなさんは現地へ行って幹部を教え助けなければならない、みなさんの闘争対象は幹部の保守主義、経験主義、官僚主義など古い思想であってけっして幹部そのものではない、それゆえ、幹部の古い思想とは妥協せずにたたかうべきであるが、かれらを尊敬し重んずるべきだと話しました。私はまた三大革命グループに、幹部は水準が低いうえに実務のとりこになって学習を十分におこなっていないから、みなさんが幹部たちに現代科学技術を教え、実践をつうじて現代科学技術の威力を示すようにといいました。

 我が党が発起した三大革命グループ運動は、革命的大衆路線をふまえたものであり、チョンサンリ(青山里)精神とチョンサンリ方法、テアン(大安)の事業体系の要求を徹底的に具現したものです。我々は、党および国家・経済機関の活動家、勤労者団体の活動家、科学者、技術者、青年インテリからなる大規模の三大革命グループを工場、企業所、協同農場に派遣することによって、チョンサンリ精神とチョンサンリ方法、テアンの事業体系の要求どおり、上部が下部をいっそうよく助けられるようにしました。

 以前は、党中央委員会や政務院が工場、企業所に指導員を一人か二人派遣する方法で指導をおこないました。指導員は工場、企業所に行って、活動全般を深く掘りさげるのではなく、欠点のみを多く書きこんで帰ったものでした。そのような指導員たちの文書では、問題を解決することも、下部の実情を正しく理解することもできませんでした。

 私がいつも言っていることですが、どんな問題も一面だけを見るべきではなく、前面からも、裏面からも、また側面からも見るといったふうに、いろいろな角度から見るべきです。すべての事物現象には、必ず肯定的な側面もあり否定的な側面もあるものです。それゆえ、問題を正しく理解するためには、肯定と否定を両側面から正しく結びつけて見る必要があります。

 中央から一人や二人の指導員が工場、企業所に行ったのでは、活動全般を深く掘りさげることができず、工場、企業所にさほどの助けにもなりません。それで、我々は党中央委員会政治委員会と書記局会議で数回にわたって討議し、工場、企業所に派遣される三大革命グループを20〜30名、特に、大きな工場、企業所には50名ほどで組織しました。このように大勢の人が一度に工場に行けば、各職場、作業班にまではいって、生産現場の状況を直接把握し指導することができます。こうすれば、活動上の欠陥の本質をはっきり把握することができ、工場、企業所の幹部と労働者が創意を発揮して仕事を立派におこなうよう実質的な援助を与えることができます。これは、以前指導員を一人か二人派遣してあらさがしをしたような活動方法とは比較にならないほどすぐれた活動方法です。以前の指導方法が手工業的な活動方法だとすれば、三大革命グループをつうじての現在の指導方法は現代的で革命的な活動方法だといえます。


 3 三大革命でおさめた成果

 我が党の指導のもとに、近年、三大革命では大きな成果が達成されました。私は数日前に三大革命展示館を参観し、また、このたびの会議でおこなわれた立派な発言を聞いて、このことをいっそう強く感じました。

 三大革命を成功裏に遂行するうえで、三大革命グループは大きな役割を果たしました。党中央委員会第5期第10回総会は、三大革命グループ運動が党および国家機関の強化と社会主義建設における大きな成果の要因となったことを高く評価し、今後も三大革命グループ運動をひきつづき強力におし進めることによって、社会主義建設をいっそう速いテンポで前進させうるという確信を表明しました。

 三大革命の成果を短時間ですべて話すことはできないので、部門別に要約して話しましょう。

 三大革命グループが人民経済の各部門におもむき、三大革命の旗を高くかかげて力強くたたかった結果、なによりも思想革命の遂行で大きな成果がおさめられました。

 では、思想革命の遂行でおさめた重要な成果はなんでしょうか。

 第1に、三大革命グループは、我が党の基礎組織をいっそう強化し、党組織生活を強めるのに大いに寄与しました。

 三大革命グループの積極的な活動によって、党員が党規約上の要求にそって党生活に積極的に参加し、党政策の学習にはげみ、党の政策を尺度にしてすべての活動を進めていく気風が確立しました。言いかえれば、すべての党組織が生きた組織となり、勤労者団体の組織もすべて生きた組織となりました。以前は居眠りしていたか、十分に活動していなかった組織が、三大革命グループが派遣されてからは活発に活動しはじめました。こうして党政策の学習でも、党組織の規律を守るうえでも、党生活のすべての面で大きな発展が遂げられました。

 特に、三大革命グループが派遣されてから、幹部や党員があらゆる活動で前衛的な役割をいっそう立派に果たすようになったことは、黄金にもかえられない貴重な成果です。

 こんにち党活動家や管理幹部、行政幹部のあいだでは、党のスローガンどおり抗日遊撃隊式に活動し生活する気風が確立されつつあります。

 かねがね話していることですが、抗日遊撃隊の指揮官は、常に隊員の先頭に立って困難を突破しました。かれらは行軍の途中宿営地に着けば、自分が先にのこぎりを手にして、テントを張り、薪にする木を切り、食糧が手にはいれば自分は食べずにまず隊員に与えました。指揮官がそうしたので、抗日遊撃隊員はかたく団結して、15年もの長いあいだ日本帝国主義と戦って勝利することができたのです。

 我が党の基礎組織と、工場、企業所、農村などで支配人、職場長、管理委員長、作業班長など初級指揮員たちが困難な仕事の先頭に立つ率先垂範の気風をうち立てたことは、思想革命でおさめた最も重要な成果であると思います。

 第2に、三大革命グループは党員や勤労者を革命化するのに大きく寄与しました。

 我が国だからといって落伍分子が一人もおらず、すべての人が積極分子であるわけではありません。社会には先進分子もいれば、落伍分子もいるものです。

 三大革命グループは、工場、企業所、協同農場に出むいて多くの立ち後れた青年を改造しました。ある農村に行ったとき、そこに派遣された三大革命グループから立ち後れた青年を教育改造したという報告をうけたことがあります。その村には、軍隊にはいることばかり考え、不平を並べては労働にまじめに参加しない二人の青年がいましたが、三大革命グループがかれらの教育に積極的に取り組み、かれらを最も模範的な人間に変えたというのです。三大革命グループは立ち後れた青年だけを改造したのではなく、そういう過程をつうじてほかの人たちにもよい影響を与えました。二人の青年が改造されたので大勢の人がそれに影響されて革命化がさらに促進され、幹部の活動作風も大いに改められました。

 三大革命グループは、希望を失って熱心に働こうとしない複雑な階層の青年を改造するうえでも少なからぬ成果をおさめました。

 立ち後れた青年や複雑な階層の青年を改造し、かれらがすべて熱心に働くようにしたのは、全人民を我が党のまわりにかたく結集し、全社会を革命化するうえで大きな貢献をなすものであります。私はこれを高く評価します。

 第3に、三大革命グループは、勤労者が労働を愛し国家の財産を愛護するようにさせるうえでも成果をあげました。

 人びとが労働を愛し国家財産を愛護するようにさせるのは、共産主義教育で重要な問題の一つです。勤労者のつくりだすものは、すべて人民の財産です。社会主義社会の勤労者は、みな人民の財産を自分のもののように愛護しなければなりません。

 しかし、国家と社会の財産を大切にしない人が少なくありません。数年前、ある農村に出かけて農場員と話しあったことがありますが、そのとき一人の老人が、国がトラクターや、その他、立派な農業機械や貴重な物資をたくさん送ってくれるのに、若い人たちがそれを大切にせず、乱暴に扱って使えなくしてしまうのがなによりも胸の痛むことだというのでした。三大革命グループが派遣されてからは、国家と社会の財産を乱暴に扱う行為が著しく減りました。

 第4に、三大革命グループは党員と勤労者のあいだで技術神秘主義、保守主義、経験主義、修正主義、ブルジョア思想、封建的儒教思想などあらゆる古い思想の残りかすをなくす思想戦を強力にくりひろげて、かれらに自力更生の革命精神を高度に発揮させ、すべての仕事に主人らしく参加させるうえで大きな成果をおさめました。私は、これにたいしても非常に高く評価します。

 もちろん、2年間の思想戦で技術神秘主義、保守主義、経験主義、修正主義、ブルジョア思想、封建思想の残りかすが、すっかりなくなったとはいえません。思想戦でおさめた成果は、農作業に例えれば、いまやっと一番草取りをすませたばかりだといえます。一番草取りをすませたので見かけはきれいですが、まだ古い思想の残りかすの根が残っています。したがって、思想戦をひきつづき強力にくりひろげないと、それがまた芽を出すおそれがあります。

 しかし、三大革命グループが勤労者のあいだで思想戦を強力にくりひろげた結果、古い思想の残りかすが著しく減ったことは事実です。こんにち、革命闘争と建設事業で勤労者の革命的熱意は非常に高まりました。昨年の「70日間戦闘」でおさめた偉大な成果は、けっして偶然なものではなく、思想闘争を強力にくりひろげた結果得られたものです。きのうの発言で、ある労働者が本人が主人らしく働いたのはもちろん、家庭教育を立派におこない、家族全員をふるいたたせて計画課題を超過遂行したという感動的な事実が述べられましたが、そういう実例は無数にあります。

 我が勤労者のあいだでは、労働者、農民、勤労インテリの利益を守る社会主義制度を強化発展させるために、革命と建設に自発的に参加する主人としての態度が強まり、抗日闘士のように党と革命に忠誠をつくそうという覚悟が著しく高まりました。これは非常に立派なことです。

 代をついで我が党と共和国政府を守り、党と革命に忠誠をつくそうとする人民大衆の高い革命的熱意は、我々に朝鮮革命の最終的勝利にたいする信念をさらに強くさせ、朝鮮革命の明るい未来をいっそうはっきりと見通せるようにしてくれます。

 第5に、三大革命グループは国家・経済機関の活動家のあいだで官僚主義、主観主義、要領主義、形式主義の活動作風に反対する強力な思想闘争をくりひろげました。

 三大革命グループが派遣されるまでは、法を重んじ守るべき国家・経済機関の活動家のなかに、法秩序を乱すようなことがかなりあらわれました。例えば、行政・経済幹部のなかには、資材を乱用し、計画外の工事を起こし、労働力を勝手に流用し、党や政務院の決定に背くといったこともありました。しかし、三大革命グループが出むいてたたかった結果、こういったことはほとんどなくなりました。

 以前は、幹部が下部にたいして官僚主義的に押しつけることもできましたが、いまでは幹部の官僚主義的活動作風が下部にほとんど通用しなくなりました。いわば、官僚主義者は「パスポート」を取りあげられたわけです。しかし、三大革命グループの活動がまだ弱いところでは、官僚主義が残っています。既に、農業大会で批判された問題ですが、咸興(ハムギョン)北道の幹部たちが、農繁期に農作業をそっちのけにして、わら屋根を瓦でふきかえる運動を起こせと押しつけたとき、それに応じなかった郡もありますが、それに従った郡もあります。三大革命グループの活動を強化し、いまなお一部の幹部のなかに残っている官僚主義の「パスポート」を完全に取りあげなければなりません。

 幹部が官僚主義的活動方法をすてて、抗日遊撃隊式に背のうをかついで大衆のなかにはいって活動するようになったのは、思想革命が強力にくりひろげられた結果起こった、いま一つの大きな変化です。最近、党中央がうちだした「生産も学習も生活も抗日遊撃隊式に!」というスローガンはたいへん立派なスローガンです。現在、幹部は党のうちだしたスローガンに従って、大衆のなかにはいってかれらと呼吸をともにし、勤労者を党の政策で武装させ、かれらが自発的な熱意と創意を発揮して革命活動に積極的に寄与するようにさせています。

 私は、三大革命グループが思想教育と思想闘争を強力にくりひろげて、幹部がチョンサンリ精神、チョンサンリ方法、抗日遊撃隊式活動方法の要求にそって、大衆のなかにはいって活動するようにさせるうえで大きな成果をおさめたことを高く評価します。

 思想革命でおさめたいま一つの重要な成果は、三大革命グループの運動をつうじて、青年インテリ自身が革命化、労働者階級化したことであります。

 三大革命グループに加わった数万の青年インテリが、実践闘争をつうじて革命化、労働者階級化され、革命的インテリに鍛えられたことは千金をもってもかえられない貴重な成果であり、我が党の大きな誇りです。

 青年インテリは、工場、企業所に派遣されて労働者とともに働き生活しながら、労働者階級の組織性と不屈さ、集団主義精神を学び、労働者階級の無限の創意性と力の源を知るようになりました。青年インテリは、労働者階級と力を合わせて古い思想との闘争を展開し、労働者階級と老幹部、青年インテリが心を合わせれば不可能なことはないという極めて貴重な経験を得ました。私は、三大革命グループが現在のようにみずからを革命化、労働者階級化する闘争をひきつづき力強くおし進めるならば、将来立派な社会主義・共産主義建設者になるものと確信します。

 技術革命の遂行においても大きな成果をおさめました。

 三大革命グループには、現代科学知識を所有した科学者や青年インテリが多くいます。かれらは工場、企業所に出むいて、実地の生産闘争をしている労働者や経験の多い老幹部と心を合わせて創意考案を多く出しました。こうして、我が党第5回大会がうちだした技術革命課題の遂行に大きく寄与しました。

 なによりも採取工業部門で、技術革命が成功裏におこなわれました。

 我々は、第5回党大会で採取工業部門から先に技術革命をおこなうよう強調しました。それは石炭工業、鉱業、林業など採取工業部門の労働が他の部門よりも骨がおれるからです。

 第5回党大会後、党中央委員会政治委員会では採掘設備を大型化、高速度化し、運搬作業を多様化することを決定し、その実現のために奮闘するよう各級党組織に呼びかけました。

 党の方針を支持して、三大革命グループと労働者階級が心を合わせて積極的にたたかった結果、採取工業部門の技術革命遂行では大きな成果が達成されました。

 楽元(ラクウォン)機械工場では、回転打撃式掘削機をつくって穿孔速度を5倍も高められるようにしました。これを露天掘りに導入すれば、剥土作業の能率をほぼ2倍に高めることができます。

 前川(チョンチョン)削岩機工場では新しい高速削岩機をつくりましたが、それは現在使用している削岩機よりも重さが40%も軽く、しかも穿孔速度は26倍も速いのです。新義州(シンイジュ)鉱山機械工場で新しくつくった回転打撃式削岩機は穿孔速度が毎分100〜120センチで、それを取り入れれば一交替当たり落鉱量をいまよりも8〜10倍に増やすことができます。

 剣徳(コムドク)鉱山と龍源(リョンウォン)鉱山でも穿孔速度が毎分100〜120センチで、切羽当たり掘進速度を月間150メートルまで上げられる自走式油圧削岩台車を製作しました。

 車輦館(チャリョンゴワン)鉱山機械工場では、現在使っているものの2.5〜3倍の積載能力をもつ、高性能の積込み機も新しく生産しはじめました。

 石炭工業部門では、円筒型採炭機とチェーンコンベヤーなどの採炭機械設備に油圧式総合鉄柱を取り入れて、採炭の総合的機械化を実現できるようになりました。油圧式総合鉄柱を導入すれば、採炭場の労働力を半分近く減らしても、採炭工一人当たり一日の生産量を3.7倍に引き上げることができます。

 採掘工業部門の労働者と三大革命グループは、技術革命を力強くくりひろげて、炭鉱労働者と鉱山労働者を骨のおれる労働から解放するうえに大いに貢献しました。私はこれを満足に思い、みなさんに感謝します。

 冶金工業部門でも技術革命が積極的に進められました。

 党中央が炉まわり工を高熱労働から解放するための技術革命を直接掌握しておし進めた結果、大きな成果を達成しました。

 黄海(ホワンヘ)製鉄連合企業所、降仙(カンソン)製鋼連合企業所をはじめ、多くの製鉄所や製鋼所では、ふるい分け場、粒鉄回転炉、還元団鉱炉、溶鉱炉、平炉、電気炉の工業テレビ化とリモコンによる生産工程のオートメ化を実現して、多くの労働力を節約しながらも労働者の骨のおれる労働を軽減しました。

 製錬所では溶鉱炉を密閉式に改造して有害労働をなくし、労働力を節約しながらも溶鉱炉面積当たり一日の生産量をはるかに増やし、精錬実収率を95%にまで高めました。また鉛の溶解、鋳造、銅棒差込み作業で総合的機械化を実現し、一人当たりの生産額を2.5倍に引き上げました。

 セメント工場でも生産工程をリモコン化し、高熱とほこりによる有害労働をなくしています。

 この数年間に人民経済の主な部門の生産工程がオートメ化されたばかりでなく、自動化機具・要素生産基地もしっかりととのえられました。

 青年電気工場、チョンリキル電気工場、沸流江(ピリュガン)電気工場をはじめ、70余の電子機具・要素工場が建設され、数百種の自動化要素を自力でつくれるようになりました。これは、今後我が国で生産のオートメ化、リモコン化を全面的に実現する基礎をきずいたことになります。我々はこれを非常にうれしく思っています。

 機械工業部門でも技術革命が成功裏に進められました。

 機械工業部門では特に、党の要求に応じて機械設備を大型化、現代化するうえで大きな成果がおさめられました。機械工業部門では、既に25トン積みトラックを生産し、いま100トン積みトラックも製作しています。これはたいへん立派なことです。

 我が国の労働者、技術者は、300馬力ブルドーザー、10立方メートル大型掘削機、1時間当たり50トンの鉱石を処理できる大型ポールミル、450トンばら荷下ろし機、10トン門形クレーン、15メートル大型旋盤、20メートル大型旋盤を製作しました。

 大安(テアン)電機工場では10万KVA変圧器と20万KVA大型変圧器を製作しましたが、これは非常に喜ばしく誇るに足ることです。20万KVA大型変圧器を製作した大安電機工場の労働者、技術者を祝って柏手を送りましょう。

 我が国の労働者階級が、大型シリコン半導体整流器を自力で製作したことも誇るべき成果だと思います。この成果にたいしても祝賀を送りましょう。

 我が国の労働者階級はいま、1万5000トン級と2万トン級の大型船舶を建造しており、1500馬力の高速エンジンと2500馬力の中速エンジン、3000馬力の高速エンジンもつくっています。これは大きな成果です。我々はこれにたいしても当然祝賀を送るべきです。

 化学工業部門でも技術革命が積極的に進められました。

 昨年、興南(フンナム)肥料連合企業所ではアンモニア合成塔を改造して合成塔の能力を1.5倍に引き上げ、順川(スンチョン)石灰窒素肥料工場では回転窒化炉の構造を改造し新しい技術工程を取り入れて一基当たりの能力を2倍に高めました。

 清津(チョンジン)化学繊維工場では、手工業的におこなっていたパルプ浸漬工程を改め、浸漬機一台当たり一日の生産能力を8倍以上に引き上げて一交替の運転労働力を4分の1に減らし、アルカリ繊維素の老成工程を連続工程に改造してその生産能力を2.5倍に高めました。また手工業的な板枠形圧力ろ過機を完全密閉充填式ろ過機に改造して、ろ過能力を10倍に高めました。特に、この工場では有害な工程をすべて近代化して有害労働をなくしました。私は清津化学繊維工場で達成したこれらの成果をたいへんうれしく思い、この工場の労働者に祝賀のあいさつを送ります。

 2.8ビナロン連合企業所ではビナロン生産能力を5万トンに拡張する工事を進めながらもすべての生産工程をオートメ化した結果、多くの労働力を節約し、ビナロンの品質も著しく向上させました。

 電力工業部門でも技術革命が成功裏に進められました。

 水豊(スプン)発電所では、水車を改造してその効率を高め、発電機の冷却条件と絶縁性を改善して発電能力を10万KWもさらに高めました。禿魯江(トンロガン)発電所、江界(カンゲ)青年発電所、長津江(チャンジンガン)発電所などの水力発電所にこのような技術革新を導入すれば、20余万KWの発電能力がさらに得られます。

 平壌(ピョンヤン)火力発電所では、先進的なスラグタップ式処理法を導入して燃焼効率を2〜3%高めていますが、これを全面的に導入すれば、平壌火力発電所だけでも年間2万トンの重油と1万5000トンの石炭を節約することができます。

 建設建材工業部門では、以前よりも能率が10倍も高いスクリュー式連続ミキサーを製作し、また連続式多孔板成型機をつくって部材の生産性を高め、セメントを節約できるようになりました。

 林業部門でも、能率の高い道路開設機械や油圧式原木積込み機を考案して導入しましたが、新しい道路開設機械は道路づくり作業で労働生産性を50〜70倍に高めることができます。

 軽工業部門では、精紡機スピンドル回転数を毎分1万2000〜1万5000回転に高めることによって、約10万錘の紡績能力をさらに獲得しました。また、織機を高速度化して織物をより多く織れるようにしました。いま紡織工場で無杼織機を導入していますが、これを広く一般化すれば、現在の織機だけでも1億メートル以上の織物を増産することができます。無杼織機を導入したことは紡織工業での大きな革新です。

 交通運輸部門でも多くの技術革新が起こりました。

 昨年「70日間戦闘」期間に、全国的に取り組んで、各港に港湾用クレーンを多く設置し、倉庫や野積場を建設して、港の貨物通過能力と貨物保管能力をそれぞれ2倍に高めました。

 昨年、機関車の牽引力を高める重要な科学技術上の問題を解決して、一日に6万トン、年間2000万トンの貨物を余分に輸送できる潜在力を探しだしました。

 鉄道駅で振動式荷下ろし機や自動荷下ろし貨車を導入し、貨物の積み下ろし作業の機械化を積極的におし進めて、貨車の回帰日数を三昼夜から二昼夜に短縮しました。

 三大革命グループの科学者と青年インテリは、党と人民のために、じつに多くの仕事をしました。三大革命グループが起こした大胆な技術革新運動によって、我が国の経済発展の前途はいちだんと明るくなり、一部の活動家のあいだに残っていた技術神秘主義や先進諸国にたいする崇拝思想が一掃されました。

 三大革命グループは、これまで党から与えられた任務を果たすため、多くの難関をのりこえ緊張したたたかいをくりひろげたことと思います。

 私は、みなさんが高度の党性、労働者階級性、人民性を発揮し、党と国家と人民に大いに貢献して、党の信頼にこたえたことを高く評価し、党中央委員会と共和国政府の名ですべての科学者と青年インテリに改めて謝意をあらわします。

 文化革命の遂行においても大きな成果がおさめられました。

 三大革命グループは工場、企業所へ行って思想革命と技術革命の遂行を大いに助けたばかりでなく、文化革命を遂行するうえでも大きな役割を果たしました。

 三大革命グループは、勤労者のなかに深くはいって、かれらを我が党の革命思想で武装させる活動とともに、先進科学と文化・技術知識の普及活動を力強くくりひろげて、すべての勤労者を高度の文化と技術をそなえた積極分子につくりあげました。

 工場、企業所で生産文化と生活文化を確立するうえでも大きな成果がもたらされました。三大革命グループは、すべての工場、企業所で工場の内部は宮殿のように、工場の構内と周辺は公園のようにつくるようにという党の呼びかけにこたえて、機械設備をよく補修整備して手入れをし、工場の建物や生産施設を文化的に管理するようにさせました。生産文化を確立する闘争の過程をつうじて、勤労者のあいだに、人民の財産を大切にし、国の経済管理を綿密におこなう社会主義的愛国主義精神が高度に発揮されました。こうしていま、我が国のすべての工場、企業所は以前とは比較できないほど美しく清潔になりました。

 文化革命の遂行でおさめた重要な成果の一つは、11年制義務教育を今年中に完全に実施できる物質的条件をととのえたことです。いたるところに立派な託児所や幼稚園が設けられ、主婦がなんの心配もなく職場で働ける条件がととのったことも大きな成果です。

 保健衛生事業の発展でも少なからぬ成果がおさめられました。勤労者にたいする医療予防活動がさらに改善され、特に、農村の里診療所を病院化する事業を力強くおし進めた結果、農村住民にたいする医療奉仕活動が大いに発展しました。

 思想・技術・文化革命でおさめたすべての成果は、我が党の三大革命方針の正しさを証明しており、これは、三大革命グループとすべての労働者階級が党の方針に従って積極的にたたかった結果であります。私は、三大革命グループと労働者階級がおさめた闘争の成果を非常に満足に思い、その功績を高く評価します。

 三大革命を成功裏に進めた結果、我が社会主義制度はいちだんと強化発展し、我が国の経済的土台がさらに強化され、勤労者を骨のおれる労働から解放する経済的基礎もより強固にきずかれました。三大革命が力強くくりひろげられた結果、我が国の経済は極めて速いテンポで発展し、速度戦をひきつづき力強く展開できる思想的および物質的基礎がきずかれました。

 昨年、党中央の直接の指導のもとに「70日間戦闘」をくりひろげた結果、社会主義大建設ではじつに驚異的な成果がおさめられました。「70日間戦闘」期間に新しいチョンリマ速度−「70日間戦闘速度」がつくりだされ、戦闘以前にくらべて平均1.7倍の生産成長を示しました。こうして、昨年の工業生産は1973年にくらべて17.2%増え、1970年のほぼ1.9倍に達しました。これは、6か年計画期間に毎年平均14%の工業生産成長を見こんだ第5回党大会の目標をはるかに上まわる水準に達したことを示すものです。昨年11月1か月間の工業総生産額は前年同月にくらべて148%に伸び、昨年12月1か月間の工業総生産額は前年同月にくらべて152%に増大しました。これは、我が国の工業発展の歴史にかつてなかった最高記録です。昨年「70日間戦闘」期間の工業生産水準は、6か年計画に予定された1976年の生産水準を突破しました。今後「70日間戦闘速度」を堅持し、「70日間戦闘」期間の生産水準を維持していけば、6か年計画を党創立30周年前にくりあげて完遂することができます。

 我々は自立的かつ主体的で強力な経済的土台をもっているために、経済をたえず速いテンポで発展させ、国の経済的威力をいっそう強めることができます。

 いまアメリカ帝国主義者と南朝鮮のかいらい一味は、あたかも我が国の経済が世界資本主義経済危機の影響をうけているかのようにデマを飛ばしていますが、それは、社会主義経済建設で我々が達成した輝かしい成果をこきおろそうとする卑劣な策動です。

 我が国の経済は、自主的で主体的な経済です。我々は工業原料の70%以上を国内の原料でまかなっており、残りを社会主義諸国と有無相通ずる原則で解決しています。したがって、我が国の経済は世界資本主義経済危機の影響をうけず、原料のために生産が上下するような現象はありえません。

 生産が上下するのは、資本主義経済に固有な体質です。資本主義経済は計画経済ではなく利潤追求を目的とする経済なので、利潤が多く生まれる場合には生産が伸び、利潤が少ないか、生産の無政府性が甚だしくなって商品が滞貨する場合には経済が停滞状態に陥ります。こうして、資本主義経済は生産が上下し、数年に一度ずつ周期的に経済危機をへるようになります。これは資本主義経済の法則的現象であり、資本主義経済の本質的な欠点です。

 我々は資本主義経済のこのような本質的欠点をよく知っているので、工業原料を絶対に資本主義市場に依存しません。我々は自立的民族経済を建設しはじめたときから、工業原料を基本的に国内原料で保障する方針をうちだし、一貫してその方針を堅持しています。こんにち我が国の経済は国内原料にしっかりと依拠しており、世界経済危機の影響をいささかもうけず、自立的に自信満々と前進できる大きな力をもっています。

 昨年、資本主義諸国が経済危機に見舞われ、世界的に物価がひどくはねあがったとき、我々は税金制度を完全に廃止する歴史的な措置をとり、工業商品の価格を大幅に引き下げました。これは、我が国の経済的威力がいかに大きく、我が党の自立的民族経済建設路線がいかに賢明で正当なものであるかをはっきりと証明しています。

 また、我が国の経済は工業部門構造が完備しており、多面的に発展しています。我々は機械工業をはじめ、基幹的重工業部門と軽工業部門をしっかりきずきあげ、工業製品にたいする多様な需要を自力でみたしています。

 我が国の機械工業は、トラクター、自動車、掘削機、ブルドーザーをはじめ、我が国に大量に必要な機械と設備を円滑に生産供給しており、需要の多くない設備だけを外国から購入しています。

 織物をはじめ、軽工業製品も国内生産で人民の需要をまかなっています。生産能力5万トンの2.8ビナロン工場と生産能力3万トンの清津化学繊維工場をしっかり整備し、新義州化学繊維工場の生産能力を2万トンに高めています。現在建設中の青年化学総合工場では、今後1万トンの化学繊維を生産するようになります。綿花は国内生産がかぎられているので、社会主義諸国から多少輸入しています。

 もちろん、我が国の軽工業発展の歴史が浅く技術水準が高くないので、軽工業製品の品質はまだそれほど高いものではありません。しかし、時がたち技術水準が上がれば、製品の品質も向上することでしょう。

 我々はさる7か年計画期間に、アメリカ帝国主義者とその手先の戦争挑発策動に対処して国防建設に大きな力をふりむけなければならなかったので、軽工業建設には大きな力をそそぐことができませんでした。

 実際のところ軽工業を発展させることは、それほどむずかしいことではありませんが、全軍の現代化と全人民の武装化に必要な兵器を自力でつくるのは容易なことではありません。また、一般消費物資が少し足りないのは我慢できますが、銃や大砲をつくらなければ社会主義祖国を守ることはできません。したがって我々は、7か年計画期間に経済建設に多少支障をうけながらも、国防建設に大きな力をそそぎました。

 我々は7か年計画期間に十分に軽工業建設ができなかったのをおぎなうために、6か年計画の初年度から軽工業の発展に大きな力をふりむけました。こうして、ここ数年のあいだにメリヤス工場、靴下工場、製靴工場、紡織工場など各種の軽工業部門工場を多くつくり、しっかりした軽工業の土台をきずきあげました。

 紡織工業部門の労働者は、軽工業を発展させるという党の方針を高くかかげて、生産闘争を力強くくりひろげ、今年の2月末に6か年計画の織物生産目標を達成する誇らしい勝利を達成しました。

 我が国では、既に以前から食糧を自給自足しており、特に、ここ数年間大豊作をかちとって多くの食糧を備蓄できるようになりました。

 我々は多くの鋼材とセメントを自力で生産しているので、建物もたくさん建てています。

 このように我々は強力な民族経済をもっているので、人間生活で最も重要な衣食住問題を自力で円滑に解決しており、いかなる敵が襲いかかってきても打ち破ることのできるゆるぎない防衛力をもっています。

 我が国の経済は、どの面から見ても発達した国の水準に劣るものではありません。現在、我が国の人口一人当たりの国民所得をドルに換算すれば1000ドルをこえます。これは、我が国が、国民所得のうえで発達した国の列にはいっていることを示すものです。

 我々は、今後技術革命をいっそう力強くくりひろげ、経済建設をより立派におこなって、従業員一人当たりの生産額をすみやかに高めなければなりません。さる「70日間戦闘」期間に、従業員一人当たりの生産額が9844ウォンの水準に上がりましたが、これは6か年計画に予定されている水準を突破したことになります。人民経済の各部門で今後この水準をひきつづき保ちながら、従業員一人当たりの生産額を1万ウォン以上に引き上げる闘争を力強くくりひろげるべきです。

 我々は現在、自立的民族経済の威力にもとづいて、勤労者を骨のおれる労働から解放するためのたたかいをくりひろげています。我々のこのたたかいは、搾取と抑圧から解放された勤労者を、骨のおれる労働からも完全に解放することによって、かれらにより自主的で創造的な生活を保障するための誇らしく聖なるたたかいです。すべての党員と勤労者は、我が国のすぐれた自立的民族経済をいっそう発展させるため力強くたたかうことによって、我が国が一日も早く経済的に最も発展した国々に追いつき追いこすようにすべきであります。


 4 社会主義建設を促進するためのいくつかの課題

 社会主義・共産主義を成功裏に建設するためには思想、技術、文化の三大革命をひきつづき力強くおし進めなければなりません。三大革命の課題については党中央委員会第5期第10回総会で具体的に述べているので、きょうはいくつかの問題にかぎって強調したいと思います。

 なによりもまず、思想革命を力強くおし進めて社会の全構成員を革命化しなければなりません。

 思想革命を推進して社会の全構成員を革命化するためには、まず、かれらの組織生活を強化しなければなりません。

 党員と勤労者にとって組織生活は政治的生命です。人びとは、家では家庭生活をし、社会に出ては社会生活をします。社会生活はとりもなおさず組織生活であり政治生活であります。党員と勤労者は、組織生活をしてこそ、政治的生命を保つことができます。したがって、少年団員、社労青員、職業同盟員、農業勤労者同盟員、女性同盟員は、それぞれの組織生活を、そして、党員は党生活を立派におこなわなければなりません。

 党員と勤労者は、組織生活に参加し集団主義的生活をしてこそ、活動と生活過程であらわれる欠点を適時に正し、思想的に鍛え、思想的統一と団結をなし遂げることができます。組織生活は、党員と勤労者の党性、労働者階級性、革命性を強めるうえで大きな作用をします。特に、組織生活は、人びとの革命的世界観の確立で極めて重要な働きをします。

 人びとの革命的世界観は、組織生活をつうじてのみ形成されるものです。一部の人は、多くの書物を読めば革命的世界観が確立するかのように考えていますが、けっしてそういうものではありません。組織生活を離れては、いかに多くの書物を読んでも革命的世界観を確立することはできません。人びとは組織生活をつうじてのみ、政治的に成長し革命家として鍛えられるものです。

 現在、我が国にある組織はすべて革命的な組織です。我々の組織は、ある種の遊興組織でもなければ、かつての契(頼母子講)や義兄弟のような集団でもありません。我が国にあるすべての組織は、革命のために、社会主義・共産主義のためにたたかう革命的な集団であり、政治組織であります。したがって、人びとが組織生活に積極的に参加すれば革命的世界観が確立され、革命化も促進されるのです。

 党員と勤労者の組織生活を強化するには、組織が生きた組織にならなければなりません。組織では適時に会議も開き、組織の構成員に任務を与えて、その実行状況を総括し、過ちは正し、よい点は評価すべきです。組織では、人びとにたえず新たな革命任務を与えて、かれらの革命的世界観を確立させ、革命闘争にたいする熱意を高めさせなければなりません。

 組織生活にまじめに参加しない人は、革命任務を立派に遂行することができません。各人の革命任務は組織が与えます。したがって、党員と勤労者は組織生活にまじめに参加し、組織から与えられた革命任務を徹底的に遂行するため積極的に努力すべきです。

 各級党組織と勤労者団体組織は、組織生活をさらに強化して、すべての党員と勤労者を徹底的に革命化しなければなりません。

 次に、学習を強化しなければなりません。

 革命家の最も重要なスローガンの一つは学習です。たゆまず学習し熱心に学ばないことには、革命をおこなうことができず、発展も望めません。だからこそ、我々は、抗日武装闘争のときから「革命家にとって、学習は第一の義務である」というスローガンをうちだして遊撃隊員の学習を強化し、こんにちは「全党、全人民、全軍が学習しよう!」というスローガンをかかげて、全党と全社会に革命的学習気風をうち立てるためにたたかっているのです。革命家は死ぬまぎわまで革命をおこなわなければならず、したがって、革命家は死ぬまぎわまで学習をつづけなければなりません。

 我々の革命はたえず深化発展し、革命闘争の方法も時期ごとに変わります。党は革命の深化発展と情勢の変化にともなって、これに合致した路線と政策をうちだします。つまり、党は各時期ごとに、革命の的はなにか、闘争の力をどこに集中するか、当面なにをどうするかといったような路線と政策を示します。党員と勤労者は、各時期ごとの党の路線と政策を知らずには、革命任務を立派に遂行することができません。したがって、党員と勤労者はたゆまず学習しなければならないのです。

 学習において基本をなすのは、マルクス・レーニン主義と我が党の革命思想、チュチェ思想の学習を強化することです。

 党員と勤労者は、党中央委員会が通達する学習要綱に従って日常的に学習すべきであります。そして、幹部は土曜学習と講演会、一か月講習にもれなく参加して、我が党のチュチェ思想の学習をまじめにおこなわなければなりません。

 次に、共産主義教育を強化しなければなりません。

 共産主義教育で重要なのは、社会の全構成員を労働を愛する精神で教育することです。

 我々の社会において労働は、公民の神聖な義務であります。社会主義社会では、誰もが働かなければなりません。人びとが働くことをきらい遊んで暮らすことを好むようでは、共産主義社会を成功裏に建設することはできません。

 共産主義社会になっても、すべての人が労働にまじめに参加しなければなりません。共産主義社会は、すべての人が働き、誰もがみなひとしく豊かに暮らす社会です。もちろん、共産主義社会になれば生産力が高度に発展するので、いまより仕事をらくにしながらもより多くの物質的富を生産することができるでしょう。我々がいま技術革命をおこなう目的も、まさに勤労者の仕事をらくなものにし、より多くの物質的富を生産できるようにすることにあります。

 現在、我が国では、すべての勤労者が労働に誠実に参加しています。だからといって、労働を愛する精神で勤労者を教育することを少しもおろそかにしてはなりません。

 こんにち我が国では、すべての勤労者が衣食の心配、職業の心配もなく幸せに暮らしています。我が国で食糧問題は、事実上共産主義と変わりありません。国家が労働者、事務員に米を1キログラム8チョンで供給しているので、かれらは一日働いて一か月分の米を買うことができます。こうした条件のもとで、労働を愛する精神で勤労者をたえず教育しなければ、かれらのあいだで労働をいやがり、遊んで暮らそうとし、労働規律を守らないといったようなことが起こりかねません。

 したがって、我々は、労働を愛する精神で勤労者をたえず教育するとともに、労働規律を徹底的に確立し、誰もがそれを自発的に守るようにしなければなりません。これとともに労働をきらい、遊んで暮らすことを好み、労働規律を自発的に守らず、480分の労働時間を有効に利用しない行為とは強い思想闘争を展開すべきです。

 共産主義教育でまた重要なのは、国家と社会の共同財産を愛護する精神で勤労者を教育することです。

 国家と社会の共同財産は、勤労者の労働の結果であり、全人民のための貴重な財貨です。1条の糸、1台の機械設備も勤労者が汗水流してつくったものであり、それはすべて人民のためのものです。

 すべての勤労者が、国家と社会の共同財産を自分のもののように大事にせず、乱暴に扱い無駄にするならば、いかに多く建設し生産しても、それは底のぬけたかめに水をそそぐようなものです。このようにしては、共産主義社会を建設することも、国の財貨を増やすことも、全人民に豊かな暮らしをさせることもできません。

 国家と社会の共同財産を愛護させるためには、すべての勤労者に、社会の富のなかには自分の分も含まれており、社会の富が増えれば増えるほど自分の生活も豊かになるということをはっきり認識させなければなりません。勤労者は「一人はみんなのために、みんなは一人のために」というスローガンを唱えてはいるものの、このスローガンの真意をよく知っていません。それゆえ、このスローガンの共産主義的本質をはっきり認識させなければなりません。

 思想革命の遂行で次に重要なのは、人民政権機関の役割を高め、法的統制を強化することです。

 思想教育だけでは、古い思想の残りかすを成功裏に克服することができません。党組織は教育活動を強め、政権機関は法的統制を強化しなければなりません。思想教育と法的統制を正しく結合すれば、古い思想の残りかすを克服する活動で成果をおさめることができます。

 将来、共産主義社会が実現すれば、法律は不要になるでしょう。しかし、まだ共産主義社会を建設していない状況のもとでは法的統制をゆるめてはなりません。我々は法的統制をさらに強化すべきであり、社会の全構成員が法の要求を自発的に守るようにしなければなりません。

 法の要求を自発的に守らせるためには、我が国の社会主義憲法の学習を強めなければなりません。我が国の社会主義憲法は革命的な憲法です。党および国家・経済機関の活動家をはじめ、すべての党員と勤労者は、それに精通し自発的に守るべきです。

 社会主義憲法にもとづいて、法規と規定をつくりかえなければなりません。

 軍隊には内務規定、衛兵規定、戦闘規定など、いろいろな規定があります。人民軍は、こうしたいろいろな規定をもって軍人を統一的に動かし、軍隊の規律と秩序を保っています。

 社会にも各種の法規と規定があってこそ、各階層の人民を統一的に動かし、行動の統一を保つことができます。それゆえ、社会主義憲法にもとづいて各種の法規と規定をつくり、社会の全構成員がそれを徹底的に守るよう教育と統制を強める必要があります。特に、幹部が法規と規定を尊重し、その要求を模範的に守るべきです。

 次に、技術革命を強力にくりひろげて、社会主義経済建設をいっそう促進しなければなりません。

 社会主義経済建設では、なによりもまず採取工業に大きな力をふりむけるべきです。

 現在、膨大な規模ですみやかに発展している加工工業に採取工業が優先していません。加工工場に少なくとも3か月分の原料予備が蓄えられていてこそ、採取工業が加工工業に確固と優先したといえるのですが、いまのところそうなっていません。採取工業を優先させ原料を円滑に供給してこそ、加工工業部門の工場、企業所で、テアンの事業体系も徹底的にうち立てることができます。

 国家は、鉄鉱石をはじめ鉱石、石炭、石灰石、木材をより多く生産できるよう採取工業部門にたいする投資を増やし、三大革命グループと党および政権機関の活動家は採取工業部門の仕事を積極的に助けなければなりません。

 採取工業部門では、設備を大型化、高速度化するため、ひきつづき力強くたたかわなければなりません。採取工業部門の働き手は、自己の機械生産基地をさらにしっかりととのえ、採掘設備の大型化、高速度化に必要な各種の機械設備をより多く生産し、技術革命の遂行でおさめた成果を生産に全面的に取り入れるべきです。

 採取工業部門では設備を大型化、高速度化するとともに、運搬に空中ケーブル化、コンペヤー化、パイプライン化を広く取り入れるべきです。こうして、生産した原料と燃料を工場、企業所と鉄道貨物駅に適時に運搬しなければなりません。

 次に、輸送の緊張をほぐすため積極的にたたかうことです。

 最近、我が国経済の急速な発展にともない、輸送が緊張しています。こんにち輸送の緊張をほぐすことは、社会主義経済建設を力強くおし進めるうえで非常に重要な問題となっています。

 輸送の緊張をほぐすためにはなによりもまず、鉄道の電化をひきつづきおし進めることです。鉄道の電化を促進するためには、人民経済の各部門で鉄道運輸部門を積極的に支援しなければなりません。

 鉄道を電化するには多くの鋼が必要です。銅鉱山では、計画以外に毎日一人当たり1キログラム以上の鋼を増産する運動を展開して、鉄道の電化に必要な鋼を円滑に供給すべきです。年末まで銅鉱山で鋼を一人当たり毎日1キログラムずつ増産して送れば、さらに数千キロメートルの鉄道を電化することができ、電気機関車もより多く生産することができます。

 鉄道の電化にともなって、60トン積みの重貨車を多く生産し、レールを重レールに取りかえ、鉄橋を補強すべきです。金属工業部門では60トン積みの重貨車を大量に生産できるよう、車両工場に鋼板を優先的に供給しなければなりません。

 鉄道運輸部門ではまた、集中輸送システムを広く導入しなければなりません。

 そして、集中貨物駅をはじめ鉄道貨物駅をよくととのえ、貨物の積み下ろし作業を機械化する運動を積極的にくりひろげなければなりません。

 自動車運送を積極的に発展させ、自動車で近距離運送を保障すべきです。

 こんにち運輸部門には、海上運輸をすみやかに発展させることが、極めて重要な課題として提起されています。

 我が国は、これまで主として社会主義諸国との貿易をおこなってきましたが、これからは新興独立諸国や資本主義諸国との貿易も活発におこなうべきです。経済が急テンポで発展し、新しい経済部門が次々と生まれる状況のもとで、社会主義市場のみに頼っては、我々に必要なものを円滑に解決することができません。それゆえ我々は、社会主義市場にひきつづき依拠しながら、資本主義市場にも積極的に進出し、そこから我々に必要な資材や機械設備を買い入れるべきです。社会主義諸国のみでなく、資本主義諸国、新興独立諸国とも貿易をするためには、海上運輸をすみやかに発展させなければなりません。

 海上運輸を急速に発展させるためには、なによりも大型貨物船をたくさん建造しなければなりません。

 大型貨物船を多く建造して海上運輸を発展させれば、鉄道運輸の緊張もほぐすことができます。大型貨物船が多ければ、現在、中国やソ連からはいってくる鉄道貨物を船で運ぶことができ、我が国の東海岸でも多くの貨物を船で運送することができるでしょう。

 全党、全国、全人民が支援して大型船舶をたくさん建造すべきであります。

 東海岸と西海岸に多くの造船所がありますが、現存の造船所で大型船舶のロット生産ができるように、よく整備するだけでも多くの船を建造することができます。今年、金策(キムチェク)製鉄連合企業所熱間圧延職場の建設が完成すれば、そこから良質の鋼板が大量に生産されます。したがって、船舶の建造に必要な鋼板の供給は問題ありません。すべての部門で造船業部門を積極的に支援し、造船所の生産能力をすみやかに高める必要があります。

 造船業の物質的・技術的土台をさらにしっかりとかため、毎年少なくとも2万トン級、1万5000トン級、5000トン級、3000トン級の貨物船を30隻以上建造しなければなりません。こうして我が国は、ここ数年のあいだに100隻以上の大型船舶を所有するようにならなければなりません。

 海上運輸を発展させるためにはまた、港湾建設に力を入れなければなりません。

 港湾建設においては、現存の港の補修事業を強化することが重要です。我が国には、東西両海岸に清津港や南浦(ナムポ)港をはじめ、大型貨物船の停泊できる港がたくさんあります。現存の港を近代化すれば、新しく港湾を建設しなくても、港の通過能力をはるかに高めることができます。

 大同(テドン)江沿岸に新しい港を建設すべきです。大同江沿岸には1万トン級の大型船が出入りし停泊できるところが多いので、そこに港をつくることができます。海岸に防波堤を築いて港を建設するのは容易なことでなく費用も多くかかりますが、大同江沿岸に港を建設するのは簡単です。船が出入りし停泊できるところに埠頭を設け、荷積み場をつくり、倉庫を建て、積み下ろし用のクレーンをすえつければすむでしょう。

 人民経済各部門の潜在力を最大限に動員利用して、生産を決定的に増大させなければなりません。

 潜在力を動員利用するうえで最も重要なのは、現存の工場がその能力を十分発揮できるようにすることです。工場、企業所がその能力を十分発揮するためには、すべての部門、すべての単位で、計画に組みこまれている連帯生産品を優先的に生産して適時に供給しなければなりません。人民経済のすべての部門、すべての単位で連帯生産の規律を厳格に守り、連帯生産品を適時に生産供給して、既存の生産設備がその能力を十分発揮できるようにしなければなりません。まさしく、ここに生産成長の大きな余力と潜在力があるのです。

 人民経済の各部門で、資材節約運動を強化しなければなりません。技術革命をいっそう力強くくりひろげて、薄手で軽い製品をつくるように努めるべきです。こうして、製品の品質をいちだんと高めながらも、資材消費量を減らすことが大切です。そして、自分の工場に不必要な資材は死蔵させずに、必要な部門にまわすべきです。

 工場、企業所では、機械設備の稼働率を最大限に高め、加工速度を速める運動を力強くくりひろげなければなりません。自分の工場に必要な製品をすべて生産し、ほかに加工するものがなければ、ほかの工場から注文をうけてでも、機械設備を遊ばせることなくフルに稼働させるべきです。

 機械設備をフルに稼働させるとともに、加工速度を速めなければなりません。ここにも生産成長の多くの潜在力があります。

 人民経済のすべての部門で、国家計画を必ず遂行する厳格な規律を確立すべきであります。国家計画は、すなわち国家の法であります。したがって、国家計画は日別、月別、四半期別に必ず遂行しなければなりません。すべての工場と職場、作業班が日別、月別、四半期別の計画を必ず遂行する規律を徹底的にうち立てなければなりません。

 次に、対外貿易をいっそう発展させることです。

 対外貿易を手ぎわよくおこなえば、我が国の対外的権威と威信をさらに高めることができ、他国との関係も好ましく発展させることができます。また、対外貿易を手ぎわよくおこなってこそ、人民の生活をよりうるおいのあるものにすることができます。

 対外貿易で実績をあげるためには、輸出品の品質を決定的に高めなければなりません。もともと商品は、自分が消費するためではなく、他人に売るためにつくる品物であるから、品質がよくなければなりません。我々が生産して国内で使う製品も見栄えがし実用的なものでなければなりませんが、輸出品はなおさら品質のよいものでなくてはなりません。

 輸出品を生産する工場、企業所では、さらに品質のよい製品をつくり、包装もきれいにしなければなりません。こうして我が国の商品が、国際市場で非常に立派だと評価され、信用を得るようにすべきであります。

 対外貿易で実績をあげるためには、信用が第一です。

 対外貿易では信用第一をモットーとすべきです。工場、企業所では、対外貿易にたいする正しい観点をもち、輸出品の品質を高めるためにたたかうと同時に、輸出計画を月はじめにくりあげて遂行する秩序を確立しなければなりません。

 対外貿易を手ぎわよくおこなうためにはまた、政務院貿易省でチャーターした船舶を有効に利用しなければなりません。

 同志のみなさん!

 こんにち全般的国際情勢は、朝鮮革命に有利に進展しています。

 深刻な経済危機にあえぐ帝国主義者は、危機からの活路を新たな侵略戦争に求めようとしています。帝国主義諸国での経済危機が深刻になるにつれ、人民の革命的な気勢が高まっており、第三世界諸国の反帝闘争の熱意もさらに高まっています。全般的国際情勢は、近い将来に革命的大事変の到来を予想させます。

 迫りくる革命的大事変を成功裏に迎えるために、我々は、共和国北半部で社会主義建設を力強く進め、南朝鮮人民の民主主義運動を積極的に支援し、国際革命勢力との団結を強めるという我が党の基本路線を徹底的に貫かなければなりません。

 我々はなによりもまず、共和国北半部における社会主義建設を力強く促進し、北半部を政治的、経済的、文化的、軍事的に強化しなければなりません。また、南朝鮮人民の民主化闘争を積極的に支持声援しなければなりません。そして、国際革命勢力との団結を強めるためにたえず努力すべきであります。特に、第三世界諸国との団結を強め、たたかう国々との反帝戦線をいっそう強化しなければなりません。

 我々はこのようにして、将来戦争が起ころうと、また南朝鮮で革命が起ころうと、いずれも朝鮮革命に有利に利用して祖国を統一し、革命の全国的な勝利をかちとらなければなりません。

 私は、迫りくる革命的大事変を成功裏に迎えるために、こぞって力強くたたかうよう訴えます。

出典:「金日成著作集」30巻


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