金 日 成

青少年を知・徳・体を兼備した
社会主義・共産主義建設者に育てあげよう
―朝鮮労働党中央委員会書記局会議での結語― 
1973年2月28日 

 私は、これまで社労青の活動についてたびたび演説もおこない、少なからず文章も書きました。したがって、私はきょう、皆さんに青少年を知・徳・体を兼備した社会主義・共産主義建設者に育てあげるために提起されるいくつかの問題についてのみ簡単に述べようと思います。

 青少年を知・徳・体を兼備した有能な社会主義・共産主義建設者に育てあげるのは、社労青組織の最も重要な課題であります。

 周知のように、我々の革命偉業は完遂されておらず、祖国はまだ統一されていません。したがって我々は、青少年を朝鮮革命の真の継承者、社会主義・共産主義建設の頼もしい担い手に育てあげなければなりません。各級社労青組織は、青少年のあいだで知・徳・体教育を着実におこない、朝鮮革命の代をつぐすべての青少年が豊富な知識と共産主義道徳と壮健な体力を身につけるようにすべきです。

 社労青組織は何よりもまず、青少年が学習に励むようにしなければなりません。

 青少年が学習に励んでこそ、政治知識と科学技術知識、文学・芸術知識など豊富な知識を所有し、革命的世界観を確立することができます。また、青少年が学生時代に好んで勉強する習慣を身につけてこそ、学校を卒業して社会に進出したのちも着実に学習をつづけることができます。

 人間は、1日3度の食事をとるように、1日3時間くらいいつも学習しないことには、すでに学んだ知識まで忘れてしまい、自己に課された革命課題も正しく遂行できなくなります。現在、一部の活動家は、仕事の忙しさにかこつけて1日に1時間も満足に勉強しませんが、こういう人は自己に課された革命課題を円滑に遂行していません。一部の活動家が学習を怠るのは、彼らが学生時代に好んで勉強をするくせをつけられなかったことと少なからず関連しています。このように学生時代に熱心に学び、好んで勉強する習慣をつけるかいなかは人間の発展に重要な影響を及ぼします。

 社労青組織は、青少年のあいだに革命的学習気風を確立し、すべての青少年に多くの本を読ませるべきです。

 人間は、青少年時代、特に中学時代に世界観が確立しはじめ、読書を非常に好むものです。青少年時代には、自然と社会の現象について多くの疑問をいだき、どんな図書でも好気心をもって読もうとします。人間が肉体的に育ち盛りのときに、必要な栄養素を十分摂取するかいなかによって肉体的発育が左右されるのと同じように、青少年が世界観の確立するころによい本を読むか悪い本を読むかによって革命的世界観の確立が左右されます。したがって、青少年時代によい本を多く読まなければなりません。

 青少年の革命的世界観の確立のために何よりもまず、進歩的な社会・政治書籍を多く読むことが大切です。これは、私の経験がよく物語っています。

 私の育った1920年代の前半期は、わが国と中国にマルクス・レーニン主義がさかんに普及されていた時期でした。当時、わが国と中国には、マルクス・レーニン主義の翻訳書がたくさんありました。私は父の影響をうけ、幼いときからマルクス・レーニン主義書籍と進歩的な社会・政治書籍を読みはじめました。私は、14、5歳のときから『社会主義大意』や『レーニン一代記』をはじめマルクス・レーニン主義書籍や進歩的な政治書籍を本格的に読みました。私は、中学時代に金がなくて本を買えませんでしたが、なんとしてでも本を手に入れて読みました。私のかよっていた中学校では生徒が図書館を輪番制で運営したものですが、私の番になると1年間の学校図書費の50〜70%に該当する費用をだしてよい本を購入し、学校図書館に備えつけて読んだものです。

 私は、マルクス・レーニン主義書籍や進歩的な社会・政治書籍を読む過程で、地主、資本家を打倒し、不平等な社会制度を覆さなければならないという決意をかためるようになりました。私の革命的世界観は、その後、革命闘争の過程でさらに強固なものとなりました。

 青少年は、社会・政治書籍とともに革命的な小説も多く読まなければなりません。革命的な小説は、青少年の革命的世界観を確立し、彼らの思想、意志を鍛えるうえで大きな影響を及ぼします。私は、中学時代に多くの革命的な小説を読む過程で強い思想、意志と革命的決意をいだくようになりました。私は、吉林監獄に収監されていたとき、『鉄の流れ』という小説を読んで深い感銘をうけましたが、その後、革命闘争の過程で難関に直面するたびにそれを思いかえしながら力と勇気をふるいおこしました。

 青少年は、自然科学技術書も多く読むべきです。そうしてこそ、豊富な知識を所有することができます。

 社労青組織は、青少年のあいだで本を読む運動を強力に繰り広げ、すべての青少年が社会・政治書籍や革命的な小説、自然科学技術書を多く読むようにすべきです。

 青少年に本を多く読ませるためには、いろいろな本を多く出版しなければなりません。青少年は、本を読もうとしても、それがいくらもないのが現状です。学生 生徒に多くの本を提供して、勉強ができるようにしなければなりません。

 朝鮮労働党出版社では、著作選集をはじめ、党の文献をたくさん出版すべきです。一部の幹部は良質の紙でなくては著作選集の出版を許可しないとのことですが、そういうことでは多くの人に読ませることができません。紙質がそれほどよいものでなくても、文献をたくさん出版して、多くの人に読ませるべきです。

 社会科学図書や革命的な小説もたくさん出版しなければなりません。最近、音楽舞踊叙事詩劇『苦難の行軍』を見ましたが、それを筋にして小説を書けば『鉄の流れ』にまさる立派な小説になると思います。当該部門の活動家は、苦難の行軍を題材にした小説を書いてたくさん出版すべきです。

 『百科全書』の発行部数も増やさなければなりません。『百科全書』の発行部数が少なかったため、すべての高等中学校にゆきわたらなかったそうですが、その部数を増やしてすべての学校に数冊ずつ配布すべきです。外国語会話集なども多く出版すべきです。

 これとともに、自然科学技術書を多く出版しなければなりません。

 現在、自然科学技術書が書店にいくらもなく、学校図書館にもそれほどないので、学生・生徒は、教科書を見るだけで自然科学技術書をそれほど見ることができません。そのため、青少年の科学技術水準が全般的に高くありません。大学卒業生の場合にしても、各種の科学技術図書を多く見られないので豊富な知識を身につけていません。

 科学技術書が少ないのは、社労青中央委員会にも責任がありますが、党中央委員会科学・教育部と勤労者団体事業部にも少なからず責任があります。これまで科学・教育部は、教員を選抜配置し、教材をつくることに関心を払うだけで、自然科学技術書の出版にはさほど関心を払いませんでした。勤労者団体事業部でもこれに関心を払いませんでした。科学院では、科学技術書を出版し、外国のものも翻訳出版すべきであるのに、そういうことをしませんでした。一言でいって現在、科学技術書の出版に関心を払っているところがありません。

 わが国に自然科学技術書が少ないので、党は昨年、関係部門の幹部に科学技術書を多く出版する課題を与えました。しかし、この部門の幹部は、いまだに党の与えた課題を実行するため積極的に努力しようとせず、用紙不足でそれができないといって、用紙のことばかり提起しています。党から与えられた課題を実行せず、空論を繰り返していてよいものでしょうか。幹部の取り組み方しだいで科学技術書の印刷に必要な用紙はいくらでも解決できると思います。

 自然科学技術書を多く出版することなしには、青少年が豊富な知識を所有できないだけでなく、勤労者のあいだに科学知識を広く普及することも、わが国の科学技術を速やかに発展させることもできません。それゆえ、各種の自然科学技術書を多く出版しなければなりません。工業と農業をはじめ、部門別の科学技術書を多く出版すべきです。また、外国の科学技術書も大いに翻訳出版すべきです。科学技術の原理は一般性をもっているので、外国の科学技術書を見て悪いことはありません。

 これからは、自然科学技術書を多く出版して書店でも販売し、学校の図書館や工場、企業所の図書館にも多く備えるようにすべきです。社労青中央委員会が主人となって自然科学技術書を多く出版する運動を繰り広げなければなりません。

 青少年に本を多く読ませるためには、学校や工場、企業所に図書館を設け、それを適切に運営しなければなりません。

 現在、わが国には何百万もの青少年がいますが、彼らに各種の図書を1冊ずつ全部与えることはできません。したがって、各級学校や工場、企業所に図書館を設けて、青少年に本の貸出しができるようにしなければなりません。党中央委員会科学・教育部は、学校図書館にどのような本を備えるべきかを研究し、各級学校の図書館に備えるべき図書目録を作成して示達するのがよいでしょう。高等中学校の図書室には、大学用教材を数冊ずつ備えるのも悪くないでしょう。高等中学校の生徒は、3学年くらいになると大学で何を学ぶのか好奇心をいだくようになるので、学校図書室に大学用教材を備えておけばそれを見るでしょう。

 青少年に豊かな知識を所有させるには、科学討論会を広範に催す必要があります。社労青組織は、青少年のあいだでわが党の政策の正しさを論証する科学討論会を広範に催すだけでなく、課外時間を利用して科学技術上の問題についての討論会もたびたびおこなうべきです。

 青少年が豊富な知識を所有するためには、『労働青年』をはじめ、各種の新聞も大いに見なければなりません。現在、用紙の関係で『労働青年』紙の発行部数を多くできないとのことですが、今後その部数を少々増やすべきです。私の考えでは、道日報を1万部ずつ減らし、そこから得られる用紙で『労働青年』の部数を増やすようにするのがよいでしょう。『労働青年』の部数を増やす一方、新聞の配布を合理的におこなって利用率を高めなければなりません。今後『労働青年』は、社労青員のいるところにだけ配布するようにすべきです。

 図書を多く出版し新聞の発行部数を増やすためには、用紙の問題を決定的に解決しなければなりません。

 我々は、全般的10年制高等中学義務教育を成功裏に実施するため毎年教科書を数千万部ずつ出版し、学生・生徒に各種参考書を提供し、新聞部数もさらに増やさなければなりません。

 それだけでなく、勤労者が家庭を文化的にきちんと整えられるよう壁紙、床紙なども十分に生産供給しなければなりません。

 しかし、用紙不足のために本も大量出版できず、新聞部数も増やせず、壁紙、床紙も大量生産できないありさまです。

 いま、党と国家では、用紙問題の解決に大きな力を入れています。今後、中央直轄の近代的な製紙工場を設けるとともに、地方に中小規模の製紙工場を多く建設すべきです。各道では、地元の原料に依拠する製紙工場を大々的に建設すべきです。幹部の取り組みしだいでは、各道で製紙工場を十分建設できると思います。道ごとにトウモロコシの茎を原料とする製紙工場を建設し、年に数万トンずつ生産できるようにしなければなりません。

 社労青自体としても製紙工場を一つ建設するのがよいでしょう。社労青が製紙工場を一つ建てるのはさほど難しいことでもないと思います。石炭とレンガが量産されるところに敷地を定め、社労青員を動員すれば立派な製紙工場を建設することができるでしょう。

 用紙の生産を増大させる一方、外国からも用紙を多少輸入しなければなりません。

 社労青組織は、青少年の文化的素養を高めることにも深い関心を払うべきです。

 学校や工場に行ってみると楽器があまりありません。行く先ざきで青少年から楽器を送ってほしいといわれます。青少年に立派な楽器をたくさんつくってあげるべきです。

 社労青では、各道に青年野外劇場を一カ所ずつ設け、それを効果的に利用すべきです。青年野外劇場は、青少年を集団的に教育する立派な拠点です。これを立派に整えていろいろの芸術公演や映画上映をすれば、青少年の文化的素養を速やかに高めることができるでしょう。

 次に、社労青組織は、青少年に対する共産主義道徳教育をさらに強化すべきです。

 国家と民族の将来、そして革命の前途は、新しい世代をいかに教育するかにかかっています。もし、我々が次の世代に対する教育をおろそかにするならば、代をついで革命をつづけることはできず、祖国と民族の繁栄をなし遂げることができません。社労青組織は、青少年に対する共産主義道徳教育をさらに強め、わが国のすべての青少年を不屈の共産主義者に、革命の頼もしい継承者に育てあげなければなりません。

 青少年に対する共産主義道徳教育で重要なのは、彼らのあいだで利己主義、特に物欲をなくすことです。

 物欲の強い人は、社会と集団の利益よりも自分の利益を優先させ、ひいては敵に利用されるようにまでなります。したがって、新しい世代にはいささかなりとも物欲があってはなりません。

 社労青組織は、青少年のあいだで利己主義、特に物欲をなくすたたかいを積極的に繰り広げ、彼らに社会と集団、党と革命のために自己のすべてをささげてたたかう気高い品性を身につけさせなければなりません。

 社労青組織が青少年教育にしっかりと取り組めば、彼らの物欲をなくすことができます。物欲というのは、人間が生まれながらにしてもっているものではありません。幼い時からどのような教育をうけるかによって、物欲は生まれることもあり、生まれないこともあります。

 南朝鮮では人びとに幼いときから金がいちばん貴重なものだと教えるため、ほとんどの人が金銭しか眼中にありません。昨年、南北赤十字会談のさい平壌に来た南朝鮮の記者たちに、案内員がチュチェ思想と社会主義制度の優位性について解説したところ、彼らは「価値社会」で暮らしているので金しか知らないといったそうです。

 我々の制度のもとで正しく教育された青少年は、金や品物に欲をだしません。昨年、南北赤十字会談のとき、平壌に来た南朝鮮代表と随員が、子どもたちに万年筆とノートを「贈物」しようとしたところ、子どもたちは彼らに、私たちには学用品が全部そろっている、これはお金がなくて勉強のできない南朝鮮の子どもたちにあげるようにといったそうです。こういうことは昨年だけでなく、解放直後にもありました。解放直後、平壌でソ米共同委員会が開かれましたが、そのときアメリカ側の代表が子どもたちにアメや菓子をばらまいたところ、子どもたちはそれを彼に投げかえしました。子どもたちのこのような品性は、誇るべきものです。社労青組織は、青少年のあいだでこのような品性を積極的に助長させなければなりません。

 また、共産主義道徳教育で重要なのは、青少年を労働者階級の階級意識で武装させることです。

 青少年を労働者階級の階級意識で武装させてこそ、彼らは労働者階級の利益を守り、階級の敵と仮借なくたたかうことができ、共産主義偉業の勝利に対する確信をもつことができます。確固たる信念のない人は、困難に直面して動揺し、革命の勝利をめざして最後までたたかうことができません。社労青組織は、青少年のあいだで階級的教育をさらに強め、すべての青少年を労働者階級の階級意識で武装させなければなりません。

 社労青組織は、青少年を階級意識で武装させる一方、彼らに民族自主意識と民族的自負を植えつけるべきです。世界的範囲で共産主義が勝利し、民族間の境界がなくなれば別のことですが、まだ民族国家を単位として革命と建設がすすめられている状況のもとで、人びとに民族自主意識と民族的自負をもたせることは極めて重要です。人びとに民族自主意識と民族的自負がなければ、他民族に容易に同化し、祖国と民族をうらぎる行為をもはばからなくなります。

 社労青組織は、青少年のあいだで社会主義的愛国主義の教育を強化し、彼らに民族自主意識と民族的自負をもたせなければなりません。こうして、わが国のすべての青少年が民族の尊厳と栄誉を固守するようにしなければなりません。

 共産主義道徳教育でまた重要なのは、青少年に国家と社会の財産を愛護する精神を植えつけることです。

 国家と社会の財産は、人民の幸福と国の繁栄のための貴い元手であります。国家と社会の財産を愛護するよう青少年を教育しなければ、人民の物質・文化生活をたえず向上させることができず、共産主義社会を成功裏に建設することもできません。

 現在、一部の青少年のあいだには国家と社会の財産を愛護する精神がとぼしいため、それを粗雑に扱う現象が少なくありません。学校を卒業して職場に進出した青年のなかには、自分の職場も満足に整頓しない人がいるそうです。これは、これまで社労青組織が青少年のあいだで国家と社会の財産を愛護する教育をおろそかにしたことを物語っています。社労青組織は、青少年のあいだで思想教育を強化し、国家と社会の財産を自分のもののように愛護するようにさせるべきです。

 社労青組織はまた、労働を愛し、革命課題の遂行で主人としての態度をとるよう青少年を教育しなければなりません。

 一部の活動家と青年のあいだには、仕事にふまじめで、党政策を実行するために粘り強く努力しようとしない現象が少なくありません。現在、活動家と青少年のなかには、劇映画『車内販売員』に出てくる商業指導員や作業班長のような人が少なくないと思います。

 この映画を見た人は知っているはずですが、主人公は、商業従事者としての高い栄誉感と責任感をもって党の商業政策を貫くために粘り強く努力するのだが、商業指導員は熱意のあるふりをするだけで、実際の行動では党政策の貫徹のために努力しません。彼は、むし暑い夏に、汽車を利用する旅行者に冷水一杯サービスしないくせに自分は毎晩冷やしたビールを飲んでいます。作業班長は、客の便宜をはかろうとするのではなく、自己の功名のために働いています。この映画を見れば、社会主義制度のもとでチュチェ教育をうけ、チュチェ思想で武装した新しい世代は闘争力が強く、革命任務遂行における責任感も非常に強いということを明白に知ることができます。主人公は、チュチェ教育をうけチュチェ思想で武装したため、主人としての態度で課せられた革命任務を責任をもって遂行しています。しかし、商業指導員と作業班長は、チュチェ教育を十分にうけていないため、古い思想におかされて仕事を要領主義的、功名主義的にしています。この映画の内容は簡単なものですが、幹部と青年の教育に大いに役立つものと思います。

 社労青組織は、青少年のあいだで労働を嫌い、革命課題の遂行で主人らしくない傾向と強い思想闘争を繰り広げる一方、彼らをわが党の唯一思想、チュチェ思想で武装させなければなりません。こうして、わが国のすべての青少年が労働を愛し、革命課題の遂行で強い責任感と主人としての態度をとるようにしなければなりません。

 革命同志を愛し尊ぶのは、共産主義者の最も重要な品性の一つです。こんにち勤労者のあいだでは革命同志を大事にし、同志のためには命でさえも惜しみなくささげる美風が日を追って高く発揚されています。最近、ある人が自分の貴い命を投げうって、水におぼれた2人の子どもを救ったという話を聞いて非常に感動させられました。このような人は当然、社会的に高い評価をうけるべきです。社労青組織は、青少年が革命同志を愛し大事にし、革命同志のためなら何ものをも惜しまぬ気高い共産主義的道徳品性を身につけるように教育すべきです。

 次に、社労青組織は、体育活動を強化して、青少年を労働と国防にさらにしっかりと備えさせなければなりません。

 青少年が虚弱でよく病気になるようでは、いかに学業成績が優秀で立派な技術を所有しているとしても役に立ちません。

 体の弱い人は、祖国と人民のために、党と革命のために忠実に奉仕することができません。体が健康であってこそ勉学に励み、社会主義建設にも積極的に参加でき、祖国防衛の任務も立派に遂行できます。

 国の強弱は、国土の広さや人口数によってではなく、人民の思想状態と肉体的準備程度によって決まるのです。国土が狭く人口が多くなくても、すべての人が思想的にも肉体的にもしっかり準備されている国は強く、したがって、そういう国は侵略者といえどもみだりに手出しすることができません。高句麗時代、我々の先祖はみな馬術や弓術にたけていたため、数量のうえで優勢な外来侵略者が何度も侵入してきましたが、そのつど侵略者を撃退し国を守りとおしました。

 勤労者と青少年の体力を鍛えるのは革命と建設を促進し、国防力を強化するうえで大きな意義をもつ極めて重要なことです。したがって、スポーツはすなわち国防であり労働であるといえます。

 ところが、社労青組織はスポーツ活動を根気よくおし進めておらず、学校でもスポーツの発展をはかる教育をおろそかにしてきました。これまで社労青組織は、スポーツを大衆化することができず、手工業的な方法でおこなってきました。

 その結果、わが国のスポーツは、まだかなりの種目において世界的水準に達しておらず、一部の青少年のなかには勇敢さと敏活さに欠け、難関を前にしてちゅうちょする現象があります。

 人民軍指揮官の話によると、高等中学校を卒業して人民軍に入隊した青年は、最初のうち駆け足や障害物克服の訓練にだいぶ難儀するそうです。

 社労青組織は、スポーツを大衆化する党の方針を貫徹し、すべての青少年がスポーツ活動に興味をいだき、もれなく参加するようにしなければなりません。こうして、青少年の体を丈夫に鍛えあげ、わが国のスポーツをすべての種目にわたって世界的水準に到達させなければなりません。

 昨年、西ドイツでおこなわれたオリンピック競技大会で、わが国の射撃選手がアメリカの選手を圧倒して第1位の栄誉をかちとり、チョンリマ(千里馬)朝鮮の威力を全世界にとどろかせましたが、これは非常に喜ばしいことです。わが国のスポーツをすべての種目にわたってこういう水準に到達させなければなりません。

 社労青組織は、青少年に鉄棒、平行棒、駆け足、綱引きなどの運動を広範にさせるべきです。このような運動は多くの機材が必要なわけでもないので、どこでもすることができるでしょう。

 サッカー、バスケットボール、バレーボール、テニス、卓球などは、動作を機敏にし、闘志を鍛える好適な運動です。青年は、大胆かつ勇敢で動作が機敏でなくてはなりません。社労青組織は、青少年にサッカー、バスケットボール、バレーボール、テニス、卓球などの運動を大いに奨励すべきです。

 青少年は、スケートも上手でなくてはなりません。多少の鋼鉄がかかっても、すべての青少年にスケートをあてがい、彼らが思う存分スケートを楽しめるようにすべきです。

 雪の多い地方では、青少年にスキーをさせるのがよいでしょう。

 スキーは、人びとを勇敢かつ機敏にします。スキーを奨励することは、国防力の強化のためにも切実に必要です。第2次世界大戦当時、ソ連ではスキー部隊を編成してドイツ侵略者にせん滅的な打撃を与えました。慈江道や両江道のように降雪量の多い地方では、青少年に大いにスキーをさせるべきです。雪の多い地方では、特に赤い青年近衛隊員と労農赤衛隊員にスキー訓練の時間を多くし、彼らがいつでも動員できるよう備えさせなければなりません。

 青少年は、水泳も上手でなければなりません。わが国は、3面が海にかこまれ、川や湖が多いため、誰でもみな水泳が上手でなければなりません。泳げない人は海や川をこわがり、そういうところで敵と勇敢に戦うことができません。党はすでに、学校で生徒に泳ぎ方を教えるよう何回も強調しましたが、いまだに少なからぬ学校ではこれを十分に実行しておらず、プール一つ設けていません。学校では、早急にプールをつくって生徒が思う存分泳げるようにすべきです。プールの建設には多くのセメントがかかるわけでもありません。これに必要なセメントを早急に供給しなければなりません。

 学校で「登山隊」「踏査行軍隊」といったものも広範に組織すべきです。

 休暇のとき、学生・生徒を個別的に休ませるよりも、組織的に登山や海水浴、踏査行軍などをおこなって身心鍛練に努めさせるのがよいと思います。このようなことを頻繁に催せば多少国家負担が増えるでしょうが、さほど問題になることはありません。今後、学校では休暇を利用して「登山隊」「踏査行軍隊」などを広範に組織し、青少年の体力をたえず鍛えなければなりません。

 現在、各学校で青少年が「学びの千里の道」の沿道に花を植える運動をしているそうですが、そういうことをするのも必要ですが、平壌から葡坪まで学生・生徒を直接行軍させてみるほうがもっと有益でしょう。そうしてこそ、青少年に党の革命思想をさらに深く体得させ、身体を鍛えることができます。社労青組織は、高等中学校以上の学生・生徒で「登山隊」「踏査行軍隊」などを組織し、彼らが「学びの千里の道」のコースをたどって大きな山を越え、川も渡り、行軍する訓練をおこなうようにしなければなりません。

 特に、青少年のあいだで夜間行軍訓練をたびたびおこなうべきです。これは、青少年の体力鍛練に必要であるばかりでなく、一朝有事のさいに軍事行動を敏活にするためにも切実に必要です。先の祖国解放戦争の時期、夜間行動になれていない一部の軍人は、夜間行軍のさいに居眠りして隊伍から離脱したことがあります。平時に夜間行軍の訓練を怠ると、このように戦闘行動で苦労し、大きな損失をまねくこともあります。いま、一部の人は一晩徹夜しただけでもヘナヘナになってしまいますが、これも鍛練不足のためです。社労青組織は、青少年のあいだでたびたび夜間行軍の訓練をおこない、青少年が何日か眠らなくても強行軍できる体力をもつようにすべきです。

 革命戦跡地の踏査も青少年の思想、意志と体力を鍛える方向でおこなうべきです。現在、革命戦跡地の踏査は夏季に列車や自動車で遊覧式におこなっていますが、これでは思想、意志と体力を鍛えることができません。青少年が冬のさなかに抗日遊撃隊員の闘争路程をたどって行軍しながら学ぶようにしてこそ、精神的、肉体的に鍛えることができます。いまでは、すべての学生・生徒が綿入れに上等な靴をはいているので、いくら寒い日に行軍をしても大丈夫だと思います。今後、白頭山密営地も立派に整え、青少年に踏査させるべきです。恵山を出発点にして三池淵、白頭山、白頭山密営地をへて大紅湍をめぐって恵山にもどるように行軍コースを定めるのがよいと思います。

 このようなコースに従って、行軍しながら革命戦跡地を踏査すれば、精神的、肉体的にいっそう鍛えられるでしょう。

 青少年のあいだでスポーツを大衆化するためには、体育機材を十分に供給しなければなりません。各道に運動器具工場を一つずつ早急に建設し、各種の良質体育機材を大量に生産すべきです。

 社労青組織と学校では、体育設備や体育機材の解決を国家にのみ依存しようとせず、広範な青少年を動員して自力でも解決しなければなりません。また、既存の体育設備と機材を立派に管理運営し、効果的に利用すべきです。

 いま、社労青組織が青少年の運動会を開催しようとしても、資金がなくて競技場を自由に利用できないとのことですが、これは間違っています。政務院では、青少年のスポーツ活動に必要な資金を国家予算に組み入れるようにすべきです。競技場や会館などの管理運営を社労青にまかせれば自由に利用できるでしょうが、そうすれば管理上の問題がいろいろと生じるでしょう。したがって、管理は道行政委員会がおこない、社労青は国家から予算をもらって競技場や会館をいつでも自由に使えるようにすべきです。

 スポーツを大衆化するとともに、高等体育専門学校での体育を強化するようにしなければなりません。

 わが国が、すべてのスポーツ種目で優秀な成績をあげるためには、スポーツを大衆化するだけでなく、専門の体育学校で選手を系統的に育てなければなりません。他の事業と同様、スポーツも「原種圃」なしには発展することができません。

 各道に高等体育専門学校の付属校を早急に設け、高等体育専門学校での体育をさらに改善すべきです。高等体育専門学校では、将来性のある生徒を受け入れて幼いときから系統的に体育を教え、将来彼らが、わが国のスポーツ発展において中核的役割を果たせるようにしなければなりません。

 高等体育専門学校卒業生のうち、一部は人民学校や高等中学校の体育教員として配置し、一部は体育大学に送り、将来性のある学生は国家選手に育てるべきです。現在、人民学校に体育教員がいないため、体育が十分になされていません。スポーツを発展させるためには、人民学校のときから正しい体育をおこなわなければなりません。これからは、人民学校にも体育教員を配置すべきです。

 次に、社労青組織は、青少年のあいだで「よいことをする運動」を広範に繰り広げるべきです。

 これまで社労青組織は、あれこれと仕事に手をつけるだけで、どれ一つとして根気よくおし進めていません。ひところ、社労青組織では「縁化近衛隊」を組織して植樹運動をすると騒いだものですが、最近になってはそのようなこともよくしていません。社労青組織が植樹運動を広範に繰り広げるという党の方針を根気よくすすめていたならば、こんにちわが国の山はすべて緑の山となり、わが国は長者になっていたはずです。青少年のあいだで兎を飼う運動を広範に展開するよう指示したのも久しい前のことですが、社労青幹部は党から与えられた課題の実行に根気よく取り組もうとせず、しばらくのあいだしてみては投げだしてしまいました。このほかにも社労青が仕事をはじめては、中途で投げだしてしまったことが少なくありません。

 これまで一部の社労青幹部は仕事をおざなりにし、党政策を正しく実行しませんでした。党の政策を実行しない人を党に忠実な人とはいえません。党に対する忠実さは、口先ではなく実践行動によってあらわれなければなりません。言いかえれば、党に対する忠実さは党政策を貫き、党から与えられた課題を実行することにあらわれなければなりません。

 社労青組織は、青少年のあいだで「よいことをする運動」を根気よくおし進め、青少年が国家に多くの利益をもたらす大きな事業を引き受けるようにすべきです。そうしてこそ、青少年が働くかいがあり、国の社会主義建設を促進し、民族の繁栄をもたらすことに寄与することができます。

 青少年のあいだで植樹運動を広範に繰り広げるのは、国の万年大計にかかわる極めて重要な事業の一つです。

 社労青は青少年の大部隊を擁しているのですから、社労青幹部が綿密に取り組んで青少年のあいだで植樹運動を広範に展開するならば、多くの木を植えることができます。社労青組織は、青少年のあいだで植樹運動を広く展開し、「少年団林」や「社労青林」を多く造成するようにすべきです。今後、すべての学校で毎年10ヘクタール以上の植樹をする運動を繰り広げるのがよいと思います。

 まず、生育の早い木を多く植えるようにすべきです。

 いかに多くの木を植えても、生育の遅い木ではすぐにはものになりません。平壌ポプラ、プラタナス、メタセコイアなどの生育の早い木を植え、山間地帯ではから松を多く植えるべきです。そうすれば、約10年後には伐採し利用することができます。

 停戦直後に植えたポプラ、プラタナスが、いまではみなひとかかえほどの太さに生長しました。いまからでもすべての学校で生育の早い木を年に10ヘクタールずつ植えれば、10年後には全国的に毎年10万ヘクタールの造成林から木を伐りだして利用できるでしょう。こうなれば、用紙や化学繊維の生産に必要な木材を円滑に供給し、机、椅子、食器棚、洋服ダンスなど各種の良質家具や文化用品を大量につくることができます。

 社労青組織は、各学校で植樹運動を広範に繰り広げ、生育の早い木を多く植えるようにすべきです。各学校で苗木を育てて植えたり、山にある幼い木を移植したりする方法で植樹をすべきです。植樹後にはしばしば草取りをしたり肥料を施したりして、立派に育てなければなりません。

 薪炭林もたくさん造成すべきです。

 以前、協同農場でアカシア林をたくさん造成し、たき木を自力で解決するようたびたび強調しましたが、いまだによく実行されていません。そのため、農家ではたき木がなくて毎年貴重な石炭を数十万トンも消費しています。もし、農家でたき木を燃料にし、そこから浮く石炭を外国に売るならば、多くの外貨が得られるし、その石炭で化学肥料を生産するならば、大量の化学肥料を得ることができます。

 社労青組織は、いたるところにアカシア林を多く造成し、農家のたき木を解決するようにしなければなりません。アカシアは生活力が強く、伐ってもすぐに生えるので、一度植えればひきつづき伐ってたきものに利用することができます。

 アカシア林を多く造成し、蜜蜂まで飼えばさらにすばらしいでしょう。現在、養蜂が思わしくありませんが、学校ごとにアカシア林を造成して養蜂をおこなえば、多くの蜂蜜を生産することができるでしょう。こうして生産された蜂蜜は、学生・生徒に供給してもよく、売ってもかまいません。蜂蜜は、対外市場に出せばいくらでも売れるものであり、その値段も非常に高いのです。したがって、学校などで蜂蜜を生産して輸出すれば多くの外貨が得られます。

 人民の食生活を改善し、軽工業と化学工業に必要な原料を十分に供給するためには、油脂林を多く造成しなければなりません。

 現在我々は、油を多く生産できないため、毎年多額の外貨を費やして外国から油を輸入しており、食用油を石けんや塗料などの生産に使っています。油脂林を造成して油を量産すれば、それで石けんや塗料などをつくり、食用油は勤労者に供給できるでしょう。

 社労青組織は、青少年のあいだで油脂林の造成運動を力強く繰り広げ、油脂問題を解決しなければなりません。各学校で毎年10ヘクタールに植樹をし、そのうち1ヘクタールは油脂林を造成するのがよいでしょう。学校で毎年1ヘクタールずつ油脂林を造成すれば、10年後のわが国は油の豊富な国になれます。

 油脂林の造成では、満州グルミ、チョウセンゴヨウマツ、ヒメグルミを多く植えるのがよいでしょう。わが国にはヒメグルミがよくなります。社労青組織は青少年にヒメグルミの植え方を教え、いたるところにヒメグルミをたくさん植えるようにすべきです。

 各学校でイタチハギも多く植えなければなりません。これを植えて多くの油を生産すれば、それで石けんなどをつくることができます。鉄道沿いにある大木は列車の運行に不便なので、それを伐り払ってイタチハギを植えるのがよいと思います。鉄道沿いにイタチハギを多く植えれば、鉄道の路盤もさらに堅固になるでしょう。

 油脂問題を解決するためには、油脂林の造成とともに大麻を多く植えなければなりません。大麻はわが国のどこでもよく育ちます。大麻の皮では布を織り、綱をなうこともでき、種からは油をとることができます。社労青組織は、各学校で道端に大麻を植える運動を広範に展開させるべきです。当該部門では現有の大麻の種子を外国に売るのではなく、学校に配分して今年度に大麻を多く植えるようにすべきです。

 アブラガヤツリは、収穫の高い立派な油脂作物の一つです。

 しかし、これは取り入れに多くの手間がかかるため、協同農場では多く栽培するのが困難です。学校には生徒が多いので、アブラガヤツリをいくらでも栽培できるでしょう。学校で河川敷や遊休地にこれを栽培する運動を広範に繰り広げるべきです。

 学校では、野生果実も多く取り入れるべきです。

 わが国の山には、満州グルミ、ツバキ、チョウセンゴヨウマツ、クルミ、サンショウなど油脂の実が非常にたくさんあります。学校で生徒1人当たり5キログラムの油脂の実を取り入れる運動を展開するのがよいと思います。これは十分可能なことだと思います。

 ドングリなども多くとるのがよいでしょう。ドングリでは酒をつくり、そのかすはまた豚の飼料にできます。当該部門の働き手の話によれば、ドングリ1トンから酒1トンがとれるとのことです。学校では生徒を動員してドングリを多くとり、国家に売り渡すべきです。

 社労青組織は、青少年のあいだで果樹園を立派に管理する運動を繰り広げるべきです。

 これまで我々は、党中央委員会常務委員会北青拡大会議の方針に従って、20万ヘクタールの果樹園を造成しました。

 しかし、果樹園の管理をなおざりにしたため、果物の収穫高が思わしくありません。我々がすでに植えた果樹を入念に管理するならば、勤労者や子どもたちに果物を十分与えてもなお外国に輸出して多くの外貨を得ることができます。

 社労青組織は、青少年を動員して果樹の剪定をおこない、果樹に良質の堆肥を多く施し、果樹園の手入れをよくしなければなりません。果樹総局や協同農場では、社労青に一部の果樹園を割いてやり、社労青員がそれを直接管理運営し、そこで生産される果物を自分で処分できるようにすべきです。社労青員の管理運営する果樹園は青年果樹園と呼ぶのがよいでしょう。

 栗の木もよく管理すべきです。栗は需要も多く、値段もかなり高いものです。生産される栗のうち半分は国内で消費し、あとの半分を外国に売っても多額の外貨が得られるでしょう。しかし現在、協同農場では人手不足のため栗の木の管理がゆきとどかず、栗を多く取れないありさまです。栗の木の管理をゆきとどかせるために、現在、協同農場が管理している栗の木を全部学校に移管するのがよいでしょう。そうして学校が主人となり、責任をもって栗の木の管理にあたるようにすべきです。

 社労青組織は、桑畑の造成運動を広範に繰り広げなければなりません。桑畑を多く造成することについてはすでに久しい前から強調していますが、これまで党の経済部署でもこの指導を怠り、勤労者団体でも忍耐強くおし進めませんでした。これまで活動家が党の方針どおり桑畑の造成運動を力強くおし進めていたならば、こんにちわが国は裕福になっていたはずです。社労青組織は、青少年のあいだで桑の木を植える運動を大衆的に繰り広げ、短時日のうちに多くの桑畑を造成しなければなりません。特に、慈江道などには穀物のよくできない火田がたくさんありますが、そういうところに桑の木を多く植えるようにすべきです。

 社労青組織は、青少年が動植物を立派に保護、増殖し、土地、道路、鉄道を愛護するようにしなければなりません。

 わが国には、景色のよい山や川が多く、いろいろな動植物や地下資源が非常に豊富です。それでわが国は、昔から三千里錦の山河とたたえられています。

 愛国主義は、自国の動植物や土地、道路、鉄道などを愛護するところにもあらわれなければなりません。しかし現在、一部の人のなかには愛国主義精神が欠けているため、動植物を保護、増殖させようとせず、土地や道路、鉄道を愛護しない現象が少なくありません。

 いま、一部の人は、山の木を乱伐して燃料にしており、水産資源の保護、増殖もおろそかにしています。国家では勤労者の食生活を改善するために、毎年多くの稚魚を清川江や大同江をはじめ、川や湖に放しています。しかし、一部の人は、魚が大きくなる前にやたらに捕獲しています。

 野生動物もよく保護していません。ひところ、イノシシが作物を食い荒らすというので、国家から協同農場に猟銃を提供しましたが、協同農場の活動家はその銃でイノシシを捕るのではなく、ノロやキジを少なからず捕りました。ノロやキジのような野生の鳥獣は、繁殖期には絶対に捕ってはならないものですが、それをおかまいなしにやたらに捕獲する人がいます。そのため現在、山にはノロやキジのような鳥獣がたいへん減ってしまいました。数年前にしても黄海南道にはノロやキジが多かったのですが、最近それを多く捕りすぎたため、いまはいくらもいないそうです。

 土地、道路、鉄道なども十分に保護していません。ある地方では、道路工事のために畑の土を掘っており、またある地方では石炭をたくために畑の土を掘っています。そのため道路沿いの畑は穴だらけで見苦しくなっています。

 このように、国の経済管理をおざなりにしてはなりません。わが国は領土が狭いわりに人口が多い状況のもとで、他の国より経済管理を几帳面におこなわなければなりません。国の経済管理を几帳面におこなわないことには、人民によい暮らしをさせることができません。現在、南朝鮮当局者は、生活が苦しいから人口を減らすのだと、多くの人を外国に奴隷として売り渡しています。外国へ引き立てられていった南朝鮮の人たちは、過酷な奴隷労働を強いられ、あらゆる民族的蔑視と虐待をうけています。我々は、南朝鮮当局者のように、人口が多いからといって外国に人を売り渡すことはできません。我々は、経済管理を几帳面におこない、国の天然資源を保護、増殖して、わが国土で全人民が裕福に暮らせるようにすべきです。

 社労青組織は、思想教育活動をさらに強化し、すべての青少年が一木一草たりとも愛護し、有益な動物を保護、増殖し、土地、道路、鉄道を愛するようにしなければなりません。教科書やカレンダーにも国の天然資源愛護の内容をもりこんで学生・生徒を教育すべきでしょう。

 社労青組織は、青少年のあいだで兎を飼う運動を強力に展開すべきです。

 兎を飼う運動を広範に繰り広げることは、人民生活を向上させ、より多くの外貨を獲得するために必要であるだけでなく、国防力を強化するためにも切実に必要です。戦争が起きれば人民軍や労農赤衛隊、赤い青年近衛隊員にみな毛皮外套を着せなければなりません。そうしてこそ、冬季に敵との戦いで勝利することができます。冬季の戦闘での勝敗は、どちらがよりあたたかい衣服をまとい、寒さに耐えうるかに大きくかかっています。

 もし、わが国で戦争が起こるとすれば、我々はアメリカ帝国主義者と南朝鮮の反動派だけでなく、日本軍国主義者とも戦わなければなりません。彼らは、もともと非常に寒さに弱いので、冬季に戦うことをいちばん恐れています。したがって、我々が冬季に彼らと戦えば容易に掃滅することができます。

 現在、日本軍国主義者は、再びわが国を侵略しようと気候の寒い北海道で耐寒訓練をしているとのことですが、それは無益なことです。かつて、抗日武装闘争の時期にも、日本帝国主義者は遊撃隊を「討伐」するため耐寒訓練をしましたが、遊撃隊との戦いではいつも失敗を免れませんでした。日本帝国主義者は、もともと温暖地方に住みなれているため、いくら耐寒訓練をしても寒さには耐えられません。我々が冬服を十分に準備しておけば、アメリカ帝国主義者であれ、日本軍国主義者であれ、また南朝鮮反動派であれ、いかなる敵が襲いかかってきても恐れることはありません。

 兎の皮は軽くてあたたかいので、オーバーをつくって着ればたいへん着心地よいものです。かつて、抗日武装闘争当時、裁縫隊員が兎の毛皮を裏にあてて仕立てたオーバーを着てみたことがありますが、軽くてあたたかいので行軍にも不便でなく、雪の上に敷いて寝るにも便利でした。

 社労青組織は、兎を飼う運動を大衆的に繰り広げ、一朝有事のさいに人民軍や労農赤衛隊、赤い青年近衛隊のすべての隊員に兎の毛皮オーバーを着せられるようにすべきです。

 私の考えでは、すべての学校で兎を2000羽ずつ飼う運動を繰り広げるのがよいと思います。1校当たり兎2000羽は十分飼えるでしょう。兎は繁殖率が高く、アカシアの葉や愛国草などいろいろな草をよく食べます。冬の飼料が少々問題ですが、冬には種兎だけ残し、春から大々的に繁殖させれば、飼料もさほどかからないでしょう。家禽総局では学校に優良の種兎を供給すべきです。

 社労青組織は、青年を奮起させて新たな鉱山を開発し、現存鉱山の生産を決定的に増大させて多くの外貨を獲得しなければなりません。社労青が外貨獲得のために青年鉱山を開発し独自に運営したいといっているそうですが、そうさせるのがよいでしょう。社労青組織は、青年を新しい鉱山の開発に動員するとともに、現存の鉱山で働く青年が計画以外に外貨を10ポンドずつ余計に獲得する運動を繰り広げるようにすべきです。

 社労青組織は、人民生活を早急に向上させるための運動に青年を積極的に動員しなければなりません。

 人民生活を早急に向上させることは、社会主義制度の優位性を十分に発揮させるだけでなく、戦争に備えるためにも極めて重要です。我々が奮闘してすべての人に綿入れやオーバーを着せ、防寒靴をはかせれば、戦争が起きても何年かはもちこたえることができます。

 これは、かつてのソ連の経験がよく示しています。第2次世界大戦勃発前夜のソ連人民の生活水準は相当なものでした。当時、ソ連の商店には品物が多く出まわり、すべての人が立派なオーバーを着、あたたかい靴をはいていました。1941年に戦争が勃発するや、すべてを前線にふりむけたので、その後からは布地をはじめ消費物資が人民に満足に供給されませんでした。しかし、ソ連人民は戦争前にみな衣服が十分であったので、何年かのあいだ服をつくらなくてももちこたえました。

 我々は今後、1、2年のあいださらに積極的に努力して、わが国のすべての女性に良質のセーターとオーバーを着せ、男子に厚い綿入れを与え、老人にも立派な身なりをさせなければなりません。衣服だけでなく防寒靴や防寒帽、マフラーも大量に生産して勤労者に供給しなければなりません。

 我々が奮闘して人民の生活水準をいちだんと高めるならば、彼らは社会主義制度の優位性をさらに明確に認識し、戦争が起きても社会主義制度を守るために命を賭してたたかうでしょう。各級社労青組織は、人民生活の向上をめざすたたかいに青年や社労青員を積極的に動員し、一日も早く人民の生活をいちだんと向上させるようにすべきです。

 社労青組織に課された当面の重要な課題は、今年度の農作で成果をあげることです。

 農業部門で最高の実績をあげたのは1968年度です。その年に我々は、勤労者の食糧を十分に確保したうえ、家畜用飼料をふんだんに供給し、軽工業に必要な原料も円滑に供給しました。しかし、その後からわが国の農業生産は大きな成長を遂げていません。

 現在、党中央委員会では今年度の農作を立派に営むため大きな力をそそいでいます。社労青組織でも青年や社労青員のあいだで、今年の農作を立派に営むため大いに奮闘し、穀物生産を決定的に高めるようにすべきです。社労青組織では、農村青年のあいだで1968年度よりもヘクタール当たり1トン以上の穀物を増産する運動を展開すべきだと思います。また、農村支援に動員される大学生や高等技術学校の生徒も、農村へ行って1人当たり1トン以上の穀物を生産する運動を繰り広げなければなりません。

 社労青組織は、青少年のあいだで生産文化と生活文化を確立する運動を力強く展開すべきです。

 勤労者のあいだで生産文化と生活文化を確立する運動を力強く繰り広げることは、勤労者団体の重要な課題の一つです。

 社労青組織は、青少年のあいだで生産文化と生活文化を確立する運動を力強くおし進めることによって、彼らが文化的な条件と環境のもとで学び、働き、生活することに習慣づけられるようにしなければなりません。

 現在、工場、企業所と協同農場には、生産文化が十分にうち立てられていません。最近、3月26日工場に出かけてみると、雪かきをしなかったため冬中に降った雪がそのまま庭に積もっており、工場の管理幹部がいつも出入りする事務室の前にもたくさんの雪が積もっていました。このような工場で良質の製品が生産されるはずがありません。社労青組織は、青年と社労青員のあいだで自分の工場、自分の職場、自分の機械を几帳面に管理する運動を力強く展開しなければなりません。

 社労青組織はまた、青少年のあいだで街や集落、住宅などを文化的に整える運動を広範に繰り広げるべきです。党と国家は毎年多額の資金をかけて、勤労者にこざっぱりとした実用的な住宅を提供していますが、それをきれいに管理していません。我々は社会主義社会で暮らす人間なのですから、住宅も社会主義的生活様式にかなうよう、文化的に、清潔にして暮らすべきです。社労青組織は、都市と農村の住宅を文化的に、清潔にする運動に青少年を積極的に動員しなければなりません。

 青少年を動員して、きょうはこの家、明日はあの家といったふうに1軒ずつ整えていくならば、すべての農村文化住宅をきれいにすることができます。

 文化施設や学校もきれいに管理するようにすべきです。これまで教育部門で平安北道昌城郡薬水学校の経験を一般化した結果、すべての学校が立派に整えられました。社労青組織と学校では、これまでの成果にもとづいて学校をさらにきれいに整えなければなりません。

 少年団員のあいだではえ、蚊などの害虫を撲滅する運動も広範に繰り広げなければなりません。以前、少年団員のあいだで広くハエ取りをするよう何回も強調しましたが、まだこの運動は活発におこなわれていません。社労青組織と少年団組織は、少年団員がハエ取り、蚊取りなどを広くおこなって害虫を撲滅するようにしなければなりません。

 社労青組織は、青少年が社会主義的生活様式にふさわしく身なりを端正にするようにさせるべきです。現在、一部の少年団員は身なりを端正にしていません。少年団員が身なりを端正にしないのは、父母が彼らによく気をつかわないところにも原因はありますが、学校と社労青組織が彼らを正しく教育せず、統制しないところに主な原因があります。学校や社労青組織は、学生・生徒に対する教育と統制を強化し、すべての学生・生徒が常に身なりを端正にするようにしむけるべきです。

 青年も身なりを端正にすべきです。一部の青年は、あたかも粗末な服を着るほうが素朴かつ質素であるかのように考え、身なりにかまっていません。粗末な身なりをするのが質素なわけではありません。青年は立派な服にネクタイを結び、常にきちんとした身なりをしなければなりません。

 青少年が各自の衛生も守るようにすべきです。社労青組織は、青少年がたびたび入浴や理髪をし、就寝前には足を洗い、毎朝歯をみがくようにすべきです。

 次に、社労青組織は、社労青員を3大革命の遂行に積極的に参加させなければなりません。

 周知のように、思想革命、技術革命、文化革命は、社会主義制度が樹立されたのち、労働者階級の党と国家が必ず遂行すべき重要な革命課題であります。わが党は、すでに久しい前に思想革命、技術革命、文化革命を遂行する方針をうちだし、最近にいたっては、それをさらに力強くおし進めるために工業部門と農業部門に3大革命グループを派遣しました。

 各級社労青組織は、党の措置にこたえ、新しいものに敏感で情熱に燃える社労青員を思想革命、技術革命、文化革命の遂行へと積極的に奮起させることによって、彼らが3大革命の遂行において近衛隊、先鋒隊となるようにしなければなりません。

 社労青組織は、特に3大革命グループに参加した社労青員をしっかりと教育すべきです。もちろん、党組織が彼らを教育することはしますが、社労青組織としても彼らの教育に深い関心を払わなくてはなりません。社労青中央委員会で3大革命グループに参加した大学生を教育するため、大学生用の雑誌を発行する予定だとのことですが、そうするのがよいでしょう。また、社労青組織では、3大革命の遂行で模範を示した社労青員を表彰し、『労働青年』紙や『青年生活』誌にも紹介し、入党推薦もしなければなりません。

 社労青組織が、自己の課題を円滑に遂行するためには、青年の特性にふさわしく社労青活動をさらに積極化しなければなりません。社労青組織は、勇敢で進取の気性に富む青年の組織であるだけに、革命的気迫がなければならず、青年組織らしいところがなければなりません。数年前にしても、社労青組織は積極性に欠け、あたかも「老人同盟」のような感がありましたが、いまはかなりよくなっているようです。社労青組織と社労青活動家は、青年の特性にふさわしく社労青活動をさらに積極化し、党から与えられた革命課題を成功裏に遂行しなければなりません。

 他の活動と同じように、社労青活動でも成果をおさめるか否かは、社労青活動家の活動作風と活動方法に大きくかかっています。社労青組織は、社労青活動家のあいだで仕事を始めてはけじめをつけず、中途で投げだしてしまう誤った活動態度を一日も早く是正し、課された革命課題を最後まで遂行する革命的活動気風を徹底的にうち立てなければなりません。
出典:サイト「わが民族同士」 参照:『金日成著作集』28巻 

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