金 日 成

婦人の革命化、労働者階級化について
朝鮮民主女性同盟第4回大会でおこなった演説
−1971年10月7日−


 みなさん!

 私はまず、党中央委員会と私自身の名で、この大会に参加した代表のみなさんと、みなさんをつうじて我が国のすべての女性同盟員と婦人勤労者に熱烈な祝賀のあいさつを送ります。

 大会への党中央委員会の祝賀文と大会の報告のなかで、女性同盟組織と婦人の任務が詳しく示されているので、私はここでいくつかの問題にかぎって簡単に述べたいと思います。

 こんにち、女性同盟に課された最も重要な任務は、すべての婦人を革命化、労働者階級化することであります。

 社会主義・共産主義を成功裏に建設するためには、2つの要塞、すなわち物質的要塞と思想的要塞をともに占領しなければなりません。一部の人は、社会の物質的土台が強化され人民の生活が裕福になれば、もう共産主義が実現されるかのように孝えていますが、それは誤りです。社会の物質的富が豊富になり、人民の生活が裕福になっても、人びとの頭に古い思想が残っているならば、共産主義を成功裏に建設することはできないし、また、古い思想をもっている人は共産主義者とはいえません。

 いま一部の国は、比較的に社会の物質的土台が強固で、人民の生活が高い水準にありますが、思想革命を正しくおこなわないので、共産主義を建設するには、まだほど遠い状態にあります。甚だしいことには、ある国などでは、人民にたいする思想教育をおろそかにしたため、既にかちとった革命の獲得物さえ失いかねない重大な事態が生じたことさえあります。これは、思想革命をおこなわずしては、社会主義・共産主義を成功裏に建設することができず、既にかちとった革命の成果を強固にすることもできないことを物語っています。

 経済建設を立派におこなって社会の物質的土台を強国にきずくとともに、思想革命を強化して全人民を共産主義思想で武装させることは、社会主義・共産主義建設の合法則的要求であり、過渡期における労働者階級の党と国家にとって最も重要な任務であります。したがって、我が党は、経済建設を立派におこなって国の物質的・技術的土台を強固にする一方、人民にたいする思想教育に深い関心を払っています。社会主義経済建設と思想革命をともに掌握しておし進めることは、我が党が終始一貫堅持している革命的原則であります。

朝鮮民主女性同盟第4回大会で演説する金日成主席
1971年10月7日

 我が党は特に、思想革命を強化して全社会を革命化、労働者階級化する問題を重要な課題として提起しています。1966年の党代表者会議で、全社会の革命化、労働者階級化の課題をうちだし、昨年の第5回党大会でこの問題を全面的に提起しました。我々は党の方針どおり、思想革命を強化して人びとの頭に残っているブルジョア思想や封建的儒教思想、個人主義、利己主義、修正主義などいっさいの古い思想を一掃し、すべての勤労者を共産主義思想で武装させ、全社会を革命化、労働者階級化する活動をいっそう強力におし進めなければなりません。

 全社会を革命化、労働者階級化するにあたって、婦人を革命化、労働者階級化することは極めて重要です。

 婦人は、我が国の人口の半数をしめています。したがって、婦人が健全な進歩を遂げるかどうか、革命化されるか否かは、全社会の革命化、労働者階級化に大きな影響を及ぼすようになります。

 社会が順調に動くためには、人口の半数をしめる婦人がその役割を十分に果たさなければならず、全社会を革命化、労働者階級化するためには、婦人を革命化、労働者階級化しなければなりません。片方の車輪が動くだけでは車がまともに進めないように、男性だけが役割を果たしても社会が健全に発達するものではありません。男性とともに婦人が革命化、労働者階級化され、革命と建設に積極的に参加してこそ、全社会の革命化、労働者階級化を実現することができ、社会主義・共産主義を成功裏に建設することができます。

 婦人を革命化、労働者階級化することは、人口の半数を革命化、労働者階級化するという意味で重要であるだけでなく、家庭の革命化にも大きな意義があります。

 婦人は家庭で極めて大事な役割を果たしており、主婦である婦人の思想状態は家族に大きな影響を与えます。子供たちが母親の影響をうけるのはもちろん、男性も家庭で少なからず妻の影響をうけるものです。古い思想をもった婦人が家庭にとじこもって食べ物や衣服の愚痴ばかりこぼし、あれもほしい、これもほしいとせがむならば、男性もおのずとそんなことに頭を使い、しだいに物欲にとらわれるようになるものです。婦人が革命化されずに古い思想をもっていると、我が身をあやまるばかりか、ついには夫や子供まで破滅させることになります。

 婦人が革命化されなかったばかりに、夫が身をあやまった実例も少なくありません。妻の影響で過ちをおかし、降職あるいは免職になった人もいれば、果ては、長年革命にたずさわった人が妻のために堕落し、悪い道に転落した事実もあります。

 婦人が、息子や娘に及ぼす影響はさらに大きなものです。子供が立派な人間に育つかどうかは両親の教育にかかっており、特に母親の教育に大いに左右されます。既に全国母親大会でも話したことですが、息子や娘を共産主義者に育てるには、まず母親自身が共産主義者にならなければなりません。母親が共産主義者にならずしては、息子や娘を共産主義者に育てることも、家庭を革命化することもできません。

 いま非行少年がごく一部にいますが、それは家庭に大きな責任があります。社会安全省でそうした子供を調べたところによれば、概して母親が革命化されていない家の子供だといいます。ことに、封建思想をもっている継母が子供を差別し、いじめるので、家庭に愛着がもてず、放浪しているうちに非行をはたらいたという事例があるとのことです。こういう非行少年も国が引きとって、正しく教育すればすべてよい子になります。これをみても、婦人の子供に与える影響がどんなに大きなものであるかがわかります。

 婦人を革命化、労働者階級化することは、このように家庭を革命化し、全社会の革命化、労働者階級化を実現するうえで重要な意義をもっています。だからこそ我が党は、婦人の革命化、労働者階級化を重要な革命課題としてかかげ、この活動に深い関心を払っているのです。しかし、婦人を革命化、労働者階級化する活動には、まだまだ不十分な点が少なくありません。今回の女性同盟大会を契機に、婦人を革命化、労働者階級化するたたかいをいっそう力強くくりひろげ、全社会の革命化、労働者階級化を実現する活動に新たな転換をもたらさなければなりません。

 婦人を革命化、労働者階級化するためにはまず、婦人の組織生活を強化しなければなりません。

 かつて女性同盟の組織体系は、上部機関があるだけで下部組織が整備されず、したがって、女性同盟員の組織生活も体系化されていませんでした。党は、女性同盟活動におけるこうした欠陥を適時にとらえて、女性同盟中央委員会から基礎組織にいたるまで整然とした組織体系をつくらせ、女性同盟員の組織生活も体系化しました。

 現在、我が国の婦人は、誰もが組織に加わって生活しています。女性同盟組織は今後、同盟の組織生活をさらに強化し、すべての婦人が革命的組織生活をつうじて自分自身を政治的、思想的に鍛えるようにしなければなりません。

 婦人を革命化、労働者階級化するためにはまた、婦人を社会に進出させて社会生活をさせるべきです。

 婦人が社会に進出しないで家にとじこもっていたのでは、自分自身を革命化、労働者階級化することができません。家にとじこもっていると、たんすの整理をしたり、夫や子供の世話をするほかには仕事がありません。このように、家にとじこもって社会とかけはなれた生活をしていると、壮大なたたかいが進められている現実を体験することができず、米がどれほど貴いものであり、織物や靴がどのようにして生産されるのかもわかりません。こうなるとだんだん気がゆるんで安逸に流れ、自分ひとりよい暮らしをしようという利己主義思想が育ち、ついには国と社会をむしばむ、ごくつぶしになりはてるでしょう。

 家庭で夫が妻を教育し革命化するのは、いろいろと制約があります。それに、夫は自分の仕事が忙しいので、妻の教育に時間をさくことができません。

 それゆえ婦人を革命化、労働者階級化するためには、必ず社会に進出させ社会生活をさせるべきであります。社会に進出すれば、組織生活、政治生活により積極的に参加することができ、実際の革命活動をつうじて、たえず自分自身を鍛えることができます。

 我が国で婦人を社会に進出させるのは、けっして人手不足のためではありません。率直にいって、いまはまだ、嫁入が社会に出て働いて国に利益を与えるより、婦人にたいする国の負担のほうがもっと大きいのです。

 婦人が社会に出て働くようにするためには、多くの国家資金をかけて託児所や幼稚園を設けなければなりません。いま、我が国には都市や農村のいたるところに託児所や幼稚園があります。おそらく世界で我が国ほど託児所や幼稚園の多い国はまれだと思います。外国の婦人も我が国に来て、託児所と幼稚園の多いことをたいへんうらやましく思っています。

 我が国ではまた、婦人が社会に出て安心して働きながら息子や娘を勉強させることができるよう、いたるところに多くの学校を建て、服や学用品を廉価で学生・生徒に供給しています。はじめて我が国を訪れる一部の外国人は、我々が商業のしかたを知らないので学生・生徒に服や学用品を廉価で供給しているように思っていますが、けっしてそういうわけではありません。我々は、子供の多い親の負担を軽くし、すべての学生・生徒がよいみなりをして勉強できるよう、計画的に服や学用品を廉価で供給しているのです。

 国ではまた、働く婦人のために産前産後の有給休暇制を実施しており、各種の便益奉仕施設も十分にととのえています。また、婦人に授乳時間も保障しています。

 婦人が社会に進出して働けるようにするには、このように国と社会の負担が大きく、またいろいろと保障すべきこともたくさんあります。にもかかわらず、なぜ婦人を積極的に社会に進出させようとするのでしょうか。それは、社会生活をつうじて婦人を革命化、労働者階級化しようというところに重要な目的があるからです。我が党は、婦人を革命化、労働者階級化するために、国の大きな負担もいとわず、婦人の社会進出を極力奨励しており、さらに多くの婦人が社会に進出して働くことを要求しています。

 女性同盟組織は、婦人のあいだで社会に進出する運動を力強く進め、できればすべての婦人が社会に進出して働くようにすべきです。

 婦人の社会進出にあたっては、必ずしも工場に入って労働しなければ、革命化、労働者階級化できないというのではありません。我が国では、すべての部門が大切な革命の持ち場であり、すべての活動が革命活動であるだけに、どこで働こうと、政治的組織生活をすることができ、革命的に鍛えることができます。

 したがって、婦人は社会に進出して、各自の技能と能力に応じて適切な部門で働くようにすべきです。地方産業工場で働ける婦人は地方産業工場に入って働き、教職にたずさわれる婦人は教鞭をとり、医学知識のある婦人は病院で働くべきであります。農村にいる婦人は協同農場で働けばよいでしょう。どの部門で働くにせよ、社会に進出して働けば、誰でも自分自身を革命化、労働者階級化することができます。

 婦人を大々的に社会に進出させるためには、彼女たちが安心して働ける条件をより十分に保障しなければなりません。なによりも託児所、幼稚園をより多く設け、婦人のための各種の便益奉仕施設もさらに立派にととのえることです。また三大技術革命を促進して、品質のよい加工食品や台所用品を多く生産、供給して、婦人の家事の負担をいちだんと軽減しなければなりません。

 女性同盟組織はこの大会をきっかけに、婦人を革命化、労働者階級化する活動で新たな転換を起こし、女性同盟第4回大会が婦人革命化の大会と呼ばれるようにすべきです。

 次に、婦人幹部の比率をさらに高めるためにたたかうべきであります。

 現在我が国では、社会に進出して働く婦人が多いのに比べて、婦人幹部がたいへん少ないといえます。現在の幹部構成をみると、中央であれ地方であれ男子が圧倒的多数をしめており、婦人幹部はわずかしかいません。そのわずかな婦人幹部でさえ、大部分が二次的な部門で働いています。とりわけ農村などでは、「長」の肩書がついていたり、カバンをかかえて歩いている人は、ほとんどが男子です。

 大勢の婦人が社会に進出し、男子に劣らず働いているのに、どうして男子にしか幹部がつとまらないというのでしょうか。社会に進出して働く婦人が全労力者の半数をしめるとすれば、当然婦人幹部も幹部総数の半分をしめなければならないはずです。

 婦人幹部の養成事業を改善し、我が国の幹部構成で婦人の比率を系統的に高めなければなりません。

 婦人が学校を出たのち、専攻部門で働きながら勉強をつづけられるよう条件を保障しなければなりません。同時に、婦人は卒業するとすぐ家庭にとじこもろうとせず、少々結婚がおくれても、党と革命のためにさらに学び、多く働くようにしなければなりません。こうして知識と理論を身につけ、実践闘争のなかで鍛えられた婦人幹部が大勢育つようにすべきです。

 我々はいま、10年制義務教育を準備しています。今後10年制義務教育が全面的に実施されれば、婦人幹部の養成に極めて有利な条件がつくられるでしょう。

 10年制義務教育では、人民学校から高等学校までの教育綱領を10年間で修了することになっています。10年制義務教育では、子供たちをいまより1年早く学校にあがらせる予定です。現在、モデルケースとしていくつかの学校で6歳児をうけいれていますが、幼稚園教育さえしっかりおこなえば、6歳で入学させても大丈夫です。このほど、6歳児をうけいれて教えている学校の教員と話しあってみましたが、かれらの話では、幼稚園に通わずおばあさんの手で大きくなった子供は、しばらくのあいだ授業についていけなくて手をやかせますが、幼稚園をへて入学した子供は成績がよく、問題がないといいます。今後、幼稚園で高級班をなくし、中級班の後半の6か月間に、子供に人民学校の入学準備を十分にさせれば、6歳児をいくらでも学校に入れて教えることができます。外国の経験をみても、10年制義務教育を実施している国では、ほとんどみな児童を6歳で入学させています。

 もちろん、6歳になるすべての子供をいますぐ学校に入れて勉強させることは不可能です。6歳児をいっぺんに入学させようとすれば、教員も大量に増やし、学校も多く新設しなければならず、いろいろと準備しなければなりませんが、これらすべてを1、2年のあいだにととのえることはできません。そこで、来年から始めて、6歳児の入学率をだんだん高めていく方法で、6か年計画期間内には10年制義務教育を完全に実施する予定です。

 10年制義務教育が全面的に実施されれば、女子が10年制教育を終えて5年制大学に入るとしても、21歳で大学を卒業できるので、結婚するまで5、6年は社会に進出して働くことができます。こうなれば、婦人が家庭をもつ前に、より多く学んだり研究したりして修士や博士、技師や記者にもなれるし、また多くの婦人が有能な社会・政治活動家に、立派を行政・経済幹部に成長することでしょう。

 10年制義務教育を実施すれば、すべての婦人が結婚するまで集団生活をつづけることになるので、革命化、労働者階級化するうえでも、非常によい条件がつくられます。託児所、幼稚園をふりだしに、10年制義務教育の期間にも集団生活をし、大学や生産職場、あるいは女子に適した人民軍の兵種部門に行っても集団生活をするならば、結婚するまで20〜30年間、集団生活をつづけることができます。こうなると婦人は、結婚して所帯をもつまでの集団生活と政治生活をつうじて完全に革命化、労働者階級化されるし、婦人も男子に劣らず進歩し、社会主義建設で重要な役割を果たすようになるでしょう。

 婦人幹部の比率を高めるためには、婦人が社会に出て安心して働けるよう、あらゆる条件をととのえなければなりません。

 いま少なからぬ婦人が息子や娘の養育のため、社会生活で多くの制約をうけています。特に幹部として働く婦人にとって、子供の養育問題が大きな隘路となっています。それで会議や出張の多い婦人幹部や婦人記者、女優たちのためには、週間託児所、月間託児所、週間幼稚園といったものをつくらなければなりません。そうしてこそ、婦人幹部が安心して活動できるし、男子に劣らず革命活動に全力をつくすことができます。

 党組織は、婦人幹部の大々的な養成に努める一方、すべての部門で思いきって婦人幹部を登用すべきであります。一部の幹部は、婦人幹部は仕事がよくできないものと決めこんでいますが、けっしてそういうわけではありません。むしろ、ある婦人幹部などは男子より立派に仕事をしています。婦人管理委員長の場合をみても、男子よりも協同農場を立派に運営している人がたくさんいます。軽工業部門をはじめ、人民経済の各部門に、大々的に婦人幹部を登用しなければなりません。こうして短期間のうちに、我が国の幹部構成で婦人幹部の比率をいちだんと高めるようにしなければなりません。

 次に、女性同盟組織は婦人の能力をすみやかに高めて、婦人が社会主義建設でさらに大きな役割を果たせるようにすべきであります。

 こんにち、我が国の婦人は、社会主義建設のそれぞれの持ち場で極めて大きな役割を果たしています。工業部門だけでも、婦人は労力者総数の45.5%をしめています。特に軽工業部門では、労力者の大多数が婦人であり、したがって、日用品をはじめ、軽工業製品は、ほとんどが婦人の手で生産されています。したがって、我が国で軽工業製品の品質向上は、主として婦人がどのように働くかにかかっているといえます。婦人が製品一つをつくるにしても、精巧で使いよいものをつくろうと心がけるなら、軽工業製品の品質は高まり、逆にいい加減に仕事をするなら、その品質はいつまでも低い水準のままでしょう。

 いま社会に進出して働いている婦人のなかには、立派に仕事をしている人が大勢います。多くの婦人が、工場や企業所、協同農場などで力と知恵をつくして熱心に働いています。しかしなかには、まじめに働かない婦人も少なくありません。

 みなさんは、劇映画『漁港の乙女たち』や『りんごの取り入れどき』を見たことと思います。これらの映画には、現代に育った青年が、古い思想に毒されて主人らしく働かない間違った態度を批判する場面があります。いま婦人たちのなかには、これらの映画で批判されているように主人としての態度に欠け、まじめに仕事をしない人が少なくありません。

 また婦人のなかには、娘時代にはよく働くが結婚するとまじめに仕事をせず、落伍者となってしまう人もいます。婦人がこんなふうになってはなりません。娘時代によく働いたのなら、結婚してからも変わりなくよく働くべきです。私がいつもいうことですが、ひところ革命活動を熱心にするだけではなんにもなりません。花は、咲きつづけなければなりません。鉢植の花が咲きつづけずに一度咲いたきりですぐしおれてしまうなら、なんの役にも立たず、そんなものはどこかにかたづけてしまうほかないでしょう。これと同じことで、婦人たちがひところ熱心に働いて模範労働者や英雄になったとしても、ひきつづき仕事をよくせず、落伍者になってしまうなら、それはなんの価値もありません。我が国の婦人は、社会主義建設者としての高い栄誉と誇りを胸にいだいて、生涯変わることなく立派に働くべきです。

 婦人たちが立派に仕事をするためには、その能力を高めなければなりません。社会に出て働く婦人が、その能力を高めずしては、いくらよく働こうとしても働きようがありません。いま軽工業製品、特に織物の品質が思わしくないのも、この部門で働く婦人の技術熟練度が高くないことと大いに関係があります。もちろん、織物の品質がすぐれていない原因は、ほかにもいろいろあります。しかし、紡織工業部門にたずさわる婦人が、その技術熟練度をいちだんと高めるならば、現在の条件のもとでも織物の品質ははるかによくなるでしょう。

 いま社会主義建設の各分野で働いている婦人のなかには、自分の技術実務水準を引き上げるための努力を怠っている人が少なくありません。一部の人は、自分は革命家の遺児なのだから熱心に働く必要がないし、学習をしなくてもかまわないと孝えて能力を高めるため努力していませんが、これは間違っています。父親が革命に身を投じたのなら、その娘も革命家になるため努力すべきであり、そうしてこそ革命家の遺児としての栄誉を守り、真の革命家になれるのです。父親が革命をおこなったからといって、その娘がひとりでに革命家になれるものではなく、父親が労働者階級だからといって、その娘がおのずから労働者階級になれるものでもありません。また、父親がいかに有名な博士であっても、その息子や娘が博士になろうと努力しなければ、けっして博士にはなれません。問題は、自分自身の努力いかんにかかっています。すべての婦人は、党と革命にたいして負った任務の重要さを肝に銘じて自分の仕事に精通し、その技術実務水準を高めるため積極的に努力すべきであります。

 婦人が能力を高めるためには、たゆみなく学習し、熱心に学ばなければなりません。学ぶのはけっして恥ではありません。謙虚に学ぼうとせずおごりたかぶるならば、能力を高めることはできず、進歩することもできません。婦人はたゆみなく学び、知らないことはひとから教わって早く技術実務水準を高めるべきです。こうしてすべての婦人が、各自の革命の持ち場を頼もしく守っていくようにしなければなりません。

 女性同盟組織は、すみやかに婦人の技術実務水準を高めて、軽労働部門の男子労働力をすべて婦人労働力に切りかえる運動をくりひろげるべきです。

 我が国社会にはまだ、重労働と軽労働の差、農業労働と工業労働の差が少なからず残っています。我々は、労働におけるこのような差をなくそうとたたかっていますが、これは一朝一夕になくなるものではありません。労働におけるいっさいの差は、生産力が高度に発達した共産主義社会にいたってはじめて完全になくなるものです。したがって、今後一定の期間、労働における差が残るのは避けられないことです。こういった条件のもとで、当然、軽労働部門の男子労働力を婦人労働力に切りかえて、婦人にらくな仕事をさせ、男子は骨のおれる部門で働くようにすべきです。

 いま男子のしている仕事のなかには、婦人にできる仕事がたくさんあります。ところが一部の幹部は、婦人に技術がないことを口実に、婦人にいくらでもできる仕事を男子にさせています。例えば、揚水機を運転することぐらいは、少々技術を教えれば婦人にもたやすくできることです。しかし、つい最近までも、これを男子にまかせていたところがかなりありました。私はある農村の揚水場に立ち寄ったことがありますが、そこでは健康そうな男がのんきに揚水機を動かしていました。そこで、そこの協同農場の管理委員長を呼んで、婦人には骨のおれる野良仕事をさせながら、力士のような男になぜこんならくな仕事をさせているのかと聞いたところ、婦人は技術を知らないからそんな仕事はできないのだと答えるのでした。技術を教えないのに、婦人が技術を知るわけがないではありませんか。我々は、その後婦人に技術を教えて、揚水機を動かす仕事は、全部婦人労働力に切りかえさせました。こうして、ここからだけでも多くの男子労働力を引きぬいて骨のおれる部門にまわしました。

 紡織機の修理なども、婦人にいくらでもできます。紡織機の修理は、重い物を扱うわけでもなく、技術的に難しいものでもありません。ただドライバーをもって、だめになった部品を新しいのと取りかえればよいのです。こんな仕事がなぜ男子にだけできて、婦人にはできないというのでしょうか。問題は、幹部が誤った観点にとらわれて、婦人を紡織機修理工に養成しないところにあります。婦人に技術さえ教えれば、紡織機の修理ぐらいはいくらでもできます。このほかにも、婦人にできる仕事はたくさんあります。

 婦人は技術水準を高めるたたかいを力強くくりひろげて、男子がしている仕事のうち自分たちにできるものは、遠慮せずにすべて引き受けるようにすべきです。そして、いま軽労働部門で働いている男子は、婦人にその仕事をまかせて、鉱山や炭鉱、製鉄所、製鋼所、建設場といった骨のおれる部門に進出して働くようにしなければなりません。

 次に、女性同盟組織は婦人のあいだで国の財産を愛護し、節約する運動を力強く展開しなければなりません。

 我が国社会では、国と社会のすべての財産が人民の共同所有であり、それは我々の世代だけでなく、次の世代の幸福な生活のためにも利用される大きな元手であります。したがって、国の財産を愛護し、それを増大させるため積極的にたたかうのは、すべての婦人と勤労者の崇高な義務であります。

 しかし、いまなおいたるところで、国と社会の共同財産を大切にせず、浪費するのを見かけます。

 いくつか例をあげてみましょう。いま建設現場では、かなりの量のセメントが風に吹き飛ばされたり雨にさらされて使いものにならなくなり、また家ができあがりもしないうちにガラス窓から先にとりつけるので、工事中におびただしいガラスが割れてしまうありさまです。果樹園や埠頭に行ってみても、多くの浪費が目につきます。りんご畑では風で落ちたりんごがそのまま腐っており、埠頭には遠洋で捕ってきた魚が方々に散らかって腐っているのが少なくありません。もしも、すべての働き手が主人としての立場で国の経済管理にあたるならば、一個のりんご、一匹の魚も腐らせたりむだにしたりせず、すべて加工して人民に供給することができるはずです。りんご畑に落ちたりんごをすぐ拾い集めて切干しにするか、ジャムをつくって幼稚園や託児所の子供たちに食べさせればどんなによいでしょう。しかし、一部の働き手は、こういう仕事をしようとしないばかりか、果物や魚を少々腐らせることぐらいは気にもとめず、国の貴い財貨がいたるところで損なわれ浪費されているのを見ても、胸を痛めません。こんな調子では、いかに多く建設し生産しても、国を富強にし、人民によい暮らしをさせることはできず、社会主義・共産主義を立派に建設することができません。

 女性同盟組織は、すべての婦人が浪費に反対して積極的にたたかうよう、思想教育を強めなければなりません。

 国と社会の共同財産をぞんざいに扱う現象がまだ残っているのは、我が国の社会主義建設のテンポが速いのに比べて、人びとの意識改造が後れているところに重要な原因があります。我が党は、常に思想革命を強化して人びとを革命化、労働者階級化する活動をすべての活動に優先させてきました。しかし、人びとの頭にある古い思想の残りかすは根深いものであるため、思想改造が発展する現実についていけず、共同財産をぞんざいに扱っていた古い思想と習慣がまだ完全になくなっていないのです。

 女性同盟組織は、婦人のあいだで国の財産を大切にせず、浪費する現象に反対して強い思想闘争をくりひろげ、すべての婦人が国の経済管理に主人としての態度でのぞむよう正しく教育すべきです。こうしてすべての婦人が、一本の糸、一粒の米、一本の釘、一枚の紙でも大事にし節約して、国により多くの利益を与えるようにしなければなりません。

 女性同盟組織は、婦人のあいだで節約運動を力強くおし進めると同時に、その運動が全社会にひろがるようにすべきです。

 いま我が国では、社会主義建設のいずれの部門をとわず婦人のいないところはありません。女性同盟組織は、すべての婦人が国の経済管理で手本となるだけでなく、各自の持ち場で仕事をいい加減にしたり、国の財産を浪費する現象に反対して妥協のないたたかいをくりひろげるようにすべきです。こうすれば、人民経済のすべての部門で節約運動がさらに強まり、製品の品質が向上するとともに、現有の資材と労働力でより多く生産して、子供たちと人民によりよい暮らしをさせることができるでしょう。

 次に女性同盟は、祖国統一の革命的大事変を迎える準備を立派におこなうべきです。

 周知のとおりいま板門店(パンムンジョム)では、南北朝鮮赤十字団体の予備会談が進められています。我々のたび重なる南北協商の提案に必死になって反対してきた南朝鮮のかいらい一味が、おそまきながら南北朝鮮赤十字団体の予備会談に応ずるようになったのにはいくつかの原因があります。

 その最も主な原因は、日に日にもりあがる南朝鮮人民の平和統一の気運を、これ以上おさえられなくなったことにあります。

 今年、南朝鮮人民のあいだでは、祖国の平和統一をめざすねばり強いたたかいがくりひろげられました。南朝鮮の青年学生は、この春以来、軍事教練の強要に反対して毎日のようにたたかってきましたが、この闘争はいまもつづいています。通信や報道によると、きのうもソウル大学をはじめ、南朝鮮の各大学で、青年学生が軍事教練反対の弾劾文を発表し、デモを断行しました。南朝鮮の青年学生が軍事教練に反対しているのは結局、南朝鮮かいらい一味の騒ぎたてている「勝共統一」に反対するということです。

 平和統一をめざす南朝鮮人民のたたかいのもりあがりは、この春の「大統領選挙」のさいにもはっきりあらわれました。現在、南朝鮮には、合法政党として新民党をはじめ、5つの野党があります。先の「選挙」でこれらの野党は連合して朴正煕に対抗しましたが、ソウルだけでも新民党の候補が朴正煕よりはるかに多い、60%以上の支持票を得ました。これは、朴正煕のいるソウルでも朴正煕の支持者が多くないことを示すものです。

 新民党の候補が「選挙」で多数の支持票を得たのは、けっしてかれに人気があったからではなく、いくつかの正しいスローガンをかかげたからです。かれは、自分が政権をとれば平和統一をするといいました。また、南朝鮮かいらい一味が強制的につくりあげた「郷土予備軍」を解散し、情報政治をしないと言いました。これらのスローガンによってかれは、南朝鮮人民のあいだで多くの支持をうけたのです。南朝鮮の人民は、今回の「選挙」をつうじて、平和的方法で一日も早く祖国を統一したいという意思をはっきりと示しました。

 南朝鮮かいらい一味は、平和統一を要求する南朝鮮人民の圧力に押されて、やむなく南北朝鮮赤十字団体の予備会談に応じたわけです。

 南朝鮮かいらい一味が南北朝鮮赤十字団体の予備会談に応じたもう一つ原因は、かれもの主人であるアメリカ帝国主義者が苦境に陥っているところにあります。

 朝鮮戦争で下り坂をたどりはじめたアメリカ帝国主義者は、いまベトナムをはじめ、世界のいたるところで打撃をうけ追い出されています。かつて、アメリカ帝国主義者は、我が国と中華人民共和国を封じこめようと狂奔しましたが、なんの効果もありませんでした。我が国にたいするアメリカ帝国主義者の軍事的挑発策動も、そのつど失敗をまぬがれることができませんでした。アメリカ帝国主義者はプエブロ号事件のとき、我が国の東海岸一帯に大型艦船とおびただしい侵略兵力をくりだして我々を攻撃すると脅かしましたが、朝鮮人民を驚かすことはできませんでした。アメリカ帝国主義者は、国内でも重大な危機にさらされています。いまアメリカ国内では反戦運動が日ましにひろがっており、経済危機も非常に深刻になっています。こうしたすべての事実は、アメリカ帝国主義者が下り坂をたどっているばかりでなく、滅亡に瀕していることを示しています。

 滅亡のふちにあえいでいるアメリカ帝国主義者は、いま、一息いれる時間をかせごうとして「平和」の看板をかつぎだしているのです。これは、けっしてアメリカ帝国主義の本性が変わったことを意味するものではありません。帝国主義者は、苦境に陥ると「平和」の看板をかかげながら他方で戦争の準備をつづける二面戦術を用いるものです。

 南朝鮮のかいらい一味は、このように主人のアメリカ帝国主義者が袋小路に追いつめられて、形ばかりとはいえ「平和」の看板をかつぎだしており、南朝鮮での人民の平和統一の気運がとみに高まっている状況にあって、自分たちも「平和統一」のスローガンをかかげないことには追い出されるほかないので、やむなく我々の南北協商の提案に応ずるようになったのです。

 南朝鮮のかいらい一味は、南北朝鮮赤十字団体の予備会談に応じはしたものの、引きのばし戦術を使っています。この前の会談でも南朝鮮側は、我が方の正しい提案に答えられず道理に合わない空論を弄したあげく、我が方の代表から論駁されるや、ソウルに行って聞いてみないと返答できないから休会にしようと言ったそうです。

 南朝鮮赤十字社代表が我が方の正しい提案に答えられず、たじたじの態になっているのは、かれらが愚かなためというよりも方針がないからです。かれらは会談をまとめるなんの方針ももたずに、故意に問題の討議をずるずる引きのばしては会談を長びかせています。かれらは、次の会談の日時を決めるさいも故意に日どりを遅くしています。敵は引きのばし戦術で会談を破綻させようと企んでいるが、南朝鮮人民がひきつづき圧力を加え、また我が方が会談をすみやかにまとめるため積極的にたたかうならば、けっして会談をぶちこわすことはできないでしょう。

 当面の情勢は、祖国統一の日が、ますます近づいていることを物語っています。

 我々は、祖国の平和統一を早めるために我々の革命勢力をさらに強化し、南朝鮮人民の革命闘争を極力支持声援すべきであります。我々の威力がいっそう強まり、南朝鮮人民の革命闘争が強まれば強まるほど、祖国の統一はより早く実現するでしょう。

 共和国北半部の婦人は、植民地奴隷の不幸な境遇にあえぐ南朝鮮人民を一日も早く救おうという強い革命的覚悟をもって、常に緊張して戦闘的に働き生活すべきです。すべての婦人が、朝鮮革命の強力な基地である共和国北半部を一枚岩のようにかためるために、経済建設と国防建設のすべての持ち場で、その知恵と才能をつくしてたたかわなければなりません。

 これとともに、女性同盟組織は、南朝鮮出身の幹部を育成する仕事を立派におこなわなければなりません。

 現在、共和国北半部には南半部から来た人が大勢います。かれらは南朝鮮革命を遂行するうえで、我が党の貴重な元手であり宝であります。南朝鮮革命は、あくまでも南朝鮮人民自身が遂行しなければなりません。咸鏡(ハムギョン)道の人や平安(ピョンアン)道の人が、南朝鮮の人にかわって南朝鮮革命を遂行することはできません。

 それゆえ、停戦直後から私は、南半部から来た人たちに高い地位を与えるよりも、かれらを南朝鮮革命のための幹部として立派に育成するのが大切であると、常に強調してきました。我が党は、南朝鮮出身の人たちを幹部に育成するために松都(ソンド)政治経済大学を設立し、各道には共産大学を設けました。党のこのような措置と配慮によって、数多くの南朝鮮出身者が大学を卒業し有能な幹部に育成されました。

 しかし、最近調べてみたところによると、南半部から来た人のうちにはまだ、もっと勉強させなければならない人が少なくありません。平安南道价川(ケチョン)郡にしても南朝鮮から来た人がたくさんいますが、大学を卒業していない人もいるとのことです。我々は、南朝鮮出身者にたいする活動にあらわれたこのような欠点を一日も早く改め、南朝鮮出身の幹部をより多く育成しなければなりません。

 女性同盟組織は、南半部から来た婦人のうちから堅実な人を選び、やがて南朝鮮に行って女性同盟活動をおこなえるよう立派に教育しなければなりません。その人たちに、解放直後我々が困難な条件のもとでどのように党を建設し、人民政権を樹立し、大衆団体を組織したか、土地改革をはじめ、民主的諸改革と文盲退治活動をどのようにおこない、社会主義革命をどう遂行したかをよく教え、女性同盟の活動方法なども詳しく教えなければなりません。

 いま南朝鮮の現実は極めて悲惨であります。多くの人が職を失って路頭にさまよい、青年は学ぶ権利を奪われています。南朝鮮から来た人たちの話によれば、いま南朝鮮の農村は文字どおり暗黒の地だということです。そこではいまだに占いをしたり、手相を見てもらっては自分の不運を嘆く人もおり、甚だしくは、子宝に恵まれない婦人が子供ほしさに寺に行って祈るといった、さまざまな立ちおくれた現象が見られるとのことです。また、暮らしが立たないためアメリカ人や金持ちに身を売る女性も少なくないとのことです。そればかりでなく、南朝鮮にはまだ電気の引かれていないところが多いといいます。

 南朝鮮のこうした暗黒の社会を発展した新しい社会に変えるべき重い責任が、ほかならぬ南朝鮮から来た人たちに負わされているのです。したがって、我々は南朝鮮から来た人たちを立派に教育して、今後、南北の往来が実現するか、南朝鮮に人民政権が樹立され祖国が統一されれば、かれらを南朝鮮に送り、新しい社会建設の担い手になるようにしなければなりません。

 次に女性同盟組織は、各階層の大衆にたいする活動を立派におこない、すべての婦人を党のまわりにかたく結集しなければなりません。

 各階層の大衆を党のまわりにかたく結集してこそ、共和国北半部で革命と建設を力強くおし進めることができ、祖国統一の革命的大事変を準備よく迎えることができます。しかし、いま女性同盟組織は、各階層の大衆にたいする活動、特に出身階級の複雑な階層にたいする活動を正しくおこなっていません。女性同盟組織は、当然出身階級の複雑な婦人にたいする活動を立派におこなって彼女らを党のまわりにかたく結集しなければならないのですが、こうした活動を積極的におこなっていません。

 本人の階級的自覚の程度と活動状況とは関係なく、祖父や父の出身階級をみるだけで人びとを評価するのは間違っています。私がいつもいうことですが、各人の階級成分とは思想上の構成成分をいうのであって、それは固定不変のものではありません。各人の階級成分は、どのような教育をうけるかによって変わるものです。父が革命家であっても、その息子が悪い影響をうければ反動になりかねません。それとは反対に父は悪い人であったとしても、その息子が革命的教育をうけ、闘争のなかで鍛えられるならば、党に忠実な革命家になれるのです。したがって、人の階級成分を評価するにあたっては、あくまでも本人の思想を主とすべきであり、父や祖父の出身階級は、その人にたいする思想的影響関係を知るための参考資料とすべきです。言いかえれば、本人がいま革命活動に積極的に参加しているかどうか、我が党と革命のために献身的にたたかっているかどうかによって各人を評価すべきであります。

 いま一部の幹部は、各人の階級成分をみる場合、このように本人の思想上の構成成分を基準にするのでなく、家系を見ていますが、これは正しくありません。我々は、我が党を支持し仕事に熱意をもってのぞむ人にたいしては、祖父や父の出身階級をもって差別したり、のけ者にしたりしては絶対になりません。

 我が国が日本帝国主義の植民地支配から解放されて26年になります。26年のあいだ多くの出身階級の複雑な人が、我々とともに党と人民政権と人民武力を建設し、民主主義革命と社会主義革命を遂行し、偉大な祖国解放戦争を戦いぬき、党の唯一思想体系を確立する闘争に参加しました。このような困難かつ複雑な闘争をつうじて、かれらは革命的に鍛えられ教育改造され、党にたいする忠実さをはっきり示しました。このように、我々とともに20年有余のあいだたたかってきた人たち、特に我が党の思想で教育をうけて育ち、現在党と革命のため忠実に働いている人びとにたいしては、家族関係や出身階級を詮索する必要がありません。もちろん、過去に困難で複雑な闘争を経験していなかったり、はじめて接する人にたいしては、その人の家族関係や出身階級について調べてみる必要があります。しかし、こうした人の家族関係や出身階級を調べるのも、その人がどのような環境でどのような思想的影響をうけ、頭にどんな思想がどれほどあるか、階級闘争でどれほど強くたたかえるかといったことを知り、教育対策を立てるところに目的があるのであって、祖父や父の犯した罪をその人に負わせるのが目的ではありません。

 今後、女性同盟組織は、各階層の大衆にたいする活動、特に出身階級の複雑な婦人にたいする活動を同盟の重要な活動としてとらえていかなければなりません。

 いま一部の人は、出身階級の複雑な階層と接近して活動すればあたかも階級闘争が弱まるかのように考え、かれらにたいする活動に力をそそごうとしませんが、これは非常に間違った考えです。出身階級の複雑な階層にたいする活動に力を入れるのは、階級闘争を弱めるものでなく、かえってそれを強化することになります。出身階級の複雑な階層にたいする活動に力をそそぎ、各階層の大衆を党のまわりにかたく結集すれば、敵対分子は完全に孤立し、敵が足をふみいれるすきがなくなるでしょう。反対に各階層の大衆にたいする活動をおろそかにし、かれらを獲得できなければ、敵はかれらに手を伸ばすであろうし、したがって、我々は多くの人を失うようになるでしょう。

 女性同盟組織と女性同盟の活動家は、出身階級の複雑な階層であるほど親しくつきあい、かれらを立派に教育しなければなりません。このようにして、すべての婦人を我が党のまわりにかたく結集し、祖国統一の革命的大事変を準備よく準えるようにしなければなりません。

 私は、我が党のベルトである女性同盟が今後、その革命任務を忠実に遂行して、党の期待に立派にこたえるものと確信します。

出典:「金日成著作集」26巻


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