金日成「朝鮮労働党第5回大会でおこなった中央委員会の活動報告」

3 南朝鮮革命と祖国統一のために


 同志のみなさん!

 南朝鮮革命は、全朝鮮革命の構成部分であります。朝鮮革命の全国的勝利を達成するためには、共和国北半部で社会主義建設を強力におし進めるとともに、南朝鮮において革命闘争をさらに発展させなければなりません。

 総括期間、南朝鮮の情勢には大きな変化が起こりました。アメリカ帝国主義者は、南朝鮮をいっそう徹底的に自己の軍事侵略基地に、軍事的付属物にかえ、軍事ファッショ独裁に依拠して侵略と戦争の政策をかつてなく強化しました。一方、南朝鮮における民族的および階級的矛盾はますます先鋭化し、労働者、農民をはじめとする広範な人民大衆の革命的進出が積極化しており、したがって、アメリカ帝国主義の植民地支配には、より深刻な危機がつくりだされました。以上がこれまでの南朝鮮における情勢発展の主な総括であります。

 南朝鮮革命は、アメリカ帝国主義侵略者に反対する民族解放革命であると同時に、アメリカ帝国主義の手先である地主、買弁資本家、反動官僚層とかれらのファッショ的支配に反対する人民民主主義革命であります。この革命の基本的任務は、南朝鮮からアメリカ帝国主義侵略勢力を追い出して、その植民地支配を一掃し、軍事ファッショ独裁をくつがえし先進的な社会制度を樹立して、南朝鮮社会の民主主義的発展を実現することであります。

 アメリカ帝国主義者は、南朝鮮ですべての権力を掌握している事実上の支配者であり、南朝鮮革命の第一の闘争対象であります。アメリカ帝国主義の南朝鮮占領とその植民地支配は、南朝鮮人民がなめているあらゆる不幸と苦痛の根源であります。南朝鮮からアメリカ帝国主義侵略者を追い出し、その植民地支配を粉砕せずには、南朝鮮人民はこんにちの不幸な境遇からぬけだすことはできません。南朝鮮の一握りの地主、買弁資本家、反動官僚層は、アメリカ帝国主義者の侵略政策を忠実に実行しており、かれらの庇護のもとに南朝鮮人民を抑圧し、過酷に搾取しています。

 南朝鮮革命の原動力は、労働者階級とその頼もしい同盟者である農民をはじめ、アメリカ帝国主義者とその手先に反対する進歩的な青年学生、知識人、愛国的軍人、一部の愛国的民族資本家と小ブルジョアジーであります。

 南朝鮮における革命闘争は、アメリカ帝国主義侵略勢力およびそれと結託した地主、買弁資本家、反動官僚層に反対する南朝鮮の労働者、農民、進歩的な青年学生、知識人、愛国的軍人、愛国的民族資本家と小ブルジョアジーをはじめとする各階層人民の正義の闘争であります。

 南朝鮮人民は、解放後こんにちにいたるまで、アメリカ帝国主義者とその手先に反対する革命闘争をひきつづきねばりづよくくりひろげてきました。

 特に南朝鮮人民の革命闘争は、戦後しだいに新たな発展段階に入り、困難な試練のなかでその成果を拡大しながら、自己の前途を切り開いてきました。戦後、南朝鮮人民は、北半部での社会主義革命と社会主義建設の成果に励まされながら、アメリカ帝国主義者とその手先に反対し、政治的自由と民主的権利と国の統一のためにひきつづき力強くたたかってきました。

 南朝鮮の革命家と人民は、このような闘争の過程で多くの血を流し、心痛にたえない失敗もいくたびか経験しました。しかし、かれらのこうした犠牲と失敗はけっして無駄ではありませんでした。それはかれらに、暴虐な敵にたいしてはただ組織的な力をもって立ち向かってこそ勝利することができるという、革命闘争の貴い真理をしだいに悟らせたのであります。

 南朝鮮革命家は、革命勢力を一つにかたく結集し、闘争を統一的に指導すべき党を創立する必要性を痛感し、その実現のため積極的にたたかいました。南朝鮮革命家のたゆみない闘争の結果、そして南朝鮮の革命運動発展の必然的な要求を反映して、1955年12月、南朝鮮革命家の合法的政党として進歩党が創立されました。

 進歩党は、反帝、反ファッショ、平和統一を基本内容とする闘争綱領を提起して、各階層の愛国的民主勢力を結集し、アメリカ帝国主義者とその手先の民族分裂政策とファッショ化政策に反対する積極的な闘争をくりひろげました。南朝鮮の広範な人民のあいだで進歩党の信望が高まり、特に、この党のかかげた平和統一の綱領は、南朝鮮社会で大きな支持を得るようになりました。1956年のかいらい大統領「選挙」のさい、アメリカ帝国主義者とその手先の暴圧と詐欺とペテンにもかかわらず、進歩党の立てた「候補」がアメリカ帝国主義者の忠実な手先李承晩の得票数をやや下回る200万票以上の賛成票を得た事実は、その明白な証拠であります。これは、南朝鮮人民がアメリカ帝国主義の植民地ファッショ支配と民族分裂政策に反対し、祖国の平和的統一と社会の民主主義的発展を切実に願っていることをはっきりと示すものであります。進歩党の影響力が南朝鮮人民のあいだに急速に広まるにつれ、それに恐れをなしたアメリカ帝国主義者とその手先は、血なまぐさい弾圧策動をくりひろげ、数多くの進歩党員を逮捕、投獄し、その党首・゙奉岩(チョポンアム)先生を虐殺するという残忍な蛮行をはたらき、党を強制的に解散させました。こうして1958年1月、進歩党はその存在を終えるにいたりました。進歩党は、たとえ、敵に反対する南朝鮮人民の闘争気勢を大衆的な革命運動に転換させることができず、自己の革命力量を保存する効果的な措置をとりえなかったとはいえ、南朝鮮で祖国統一の気運をいっそうもりあげ、人民の反米反独裁闘争を発展させるうえに少なからぬ影響を与えました。

 進歩党が解散させられた後、南朝鮮の愛国的人民にたいするアメリカ帝国主義者とその手先の弾圧策動は、さらに強化されました。しかし、あらゆる難関と試練のなかでも、南朝鮮における人民の革命闘争はひきつづきねばりづよくくりひろげられ、革命勢力はたえず成長しました。

 1960年4月の人民蜂起は、南朝鮮革命運動の発展において新たな転換点となりました。四月人民蜂起は、アメリカ帝国主義者とその手先の植民地支配のもとで、長いあいだ積もりにつもった南朝鮮人民の恨みと怒りの爆発であり、南朝鮮全域で数百万にのぼる広範な大衆が参加した大衆的な反米救国抗争でありました。南朝鮮の青年学生、知識人をはじめ、人民大衆の英雄的な闘争によって、アメリカ帝国主義の子飼いの手先である李承晩かいらい政府はついにくずれさりました。これは戦後、南朝鮮人民が反米救国闘争でおさめた最初の勝利でした。四月人民蜂起は、南朝鮮人民の英雄的気概をはっきりと示し、人民大衆が力をあわせて抑圧者に反対するたたかいに立ち上がるならば、いかなる敵の牙城といえどもゆうに粉砕することができるということを示しました。4.19蜂起を契機として、南朝鮮におけるアメリカ帝国主義の植民地支配の危機はさらに深まり、情勢は革命の側に有利に進展しました。

 四月人民蜂起についで、南朝鮮の愛国者と人民大衆の革命的進出は日ましに強まり、進歩的な政治勢力が台頭するようになり、その過程で社会大衆党が創立されました。社会大衆党は南朝鮮革命家の指導のもとに、民族自主路線にもとづく民主主義的統一国家の創建を当面の課題としてかかげ、人民の大衆的進出を、祖国の自主的統一をめざす救国運動へ導く活発な組織・政治活動をくりひろげました。この党は、広範な民主勢力の統一戦線的連合体である「民族自主統一中央協議会」を結成して、アメリカ帝国主義者とその手先に反対する人民各階層の共同闘争を組織し指導しました。社会大衆党の指導のもとに闘争は激しい勢いで南朝鮮全域にひろがり、南朝鮮の青年学生と人民は「統一だけが生きる道だ」、「行こう北へ、きたれ南へ、会おう板門店で!」というスローガンをかかげて、南北の障壁をうちこわすための英雄的な闘争をくりひろげました。

 しかし社会大衆党は、青年学生の革命的進出を、アメリカ帝国主義の南朝鮮占領にとどめをさし、その植民地支配機構を粉砕して民主主義的政権を樹立するための闘争に発展させることができず、この闘争へ労働者、農民をはじめ、各階層の広範な大衆を立ち上がらせることができませんでした。社会大衆党は、アメリカ帝国主義者が反動的な軍事無頼漢をそそのかして反革命的「軍事クーデター」を起こし、革命勢力にファッショ的な攻撃をいどんできた時、それに断固たる反撃を加えることができず、結局、青年学生の闘争は弾圧されてしまいました。

 5.16軍事クーデター以後、アメリカ帝国主義者とその手先は、南朝鮮で露骨な軍事ファッショ支配を強行する道にふみいりました。かれらは、南朝鮮人民の初歩的な民主的自由と権利までも踏みにじり、すべての進歩的な政党および大衆団体を強制的に解散させ、言論・出版機関を閉鎖し、数十万の革命家と愛国的な人民を手当たりしだいに検挙、投獄し、虐殺する蛮行をはたらきました。このような敵の野蛮な暴圧によって、社会大衆党は破壊され、南朝鮮の革命勢力は大きな損失をこうむりました。

 しかし、戦後のこのような闘争過程をつうじて、南朝鮮の革命家と愛国的人民はいっそうめざめるようになり、多くの貴重な教訓と価値ある闘争経験を積みました。南朝鮮革命運動の歴史的経験は、政権獲得をめざすたたかいにおいて、平和的な移行などありえず、また、単なる大衆運動だけでは革命を勝利に導くことはできないということをはっきりと示しました。アメリカ帝国主義の庇護のもとに、南朝鮮の歴代の反動的支配層は、人民の支持を受ける進歩的な人士が政権の座につきそうな気配が少しでもあれば、かれらを残忍に虐殺し、またアメリカ帝国主義の植民地支配に反対し、国の統一をめざす人民の大衆運動が起こるたびに、野蛮な弾圧をもってこれにこたえました。進歩党も祖国統一のスローガンのもとに選挙で人気を集めるようになると、ただちに破壊されてしまったし、社会大衆党もやはり、広範な大衆を祖国統一をめざす救国闘争に導き人民のあいだで信望が高まると、強制的に解散させられてしまいました。祖国と民族のために革命的な活動をおこなおうとする人々にたいしてテロを加えるのは、敵の常套手段であります。かれらは解放直後にも、呂運亨(ロウンヒョン)先生を祖国の平和的統一を主張したという、ただそれだけの理由で暗殺し、金九(キムグ)先生もまた南北朝鮮諸政党・大衆団体連席会議に参加したのち、進歩的な活動をおこなうようになると、暗殺してしまいました。南朝鮮の革命家と愛国的人民は、南朝鮮の反動的支配層がその支配権をおとなしく譲ろうとはせず、進歩的勢力を圧殺するため必死になって反革命的暴力にしがみついている状況のもとで、ただ革命的な闘争方法によってのみ政権を獲得することができるということを、いっそう深く悟るようになりました。かれらは、革命で勝利するためには、大衆的な反ファッショ民主化闘争を積極的にくりひろげるとともに、敵の反革命的暴力にたいし革命的暴力で対抗できるよう万端の準備をととのえておかなければならないという、貴重な教訓を得るようになりました。

 特に、4.19人民蜂起とその後の事態は、南朝鮮からアメリカ帝国主義侵略者を追い出し、アメリカ帝国主義の植民地支配をくつがえす決定的な革命闘争をつうじてのみ、人民は民主的自由と権利をかちとることができ、こうしたたたかいは、労働者階級の前衛部隊であるマルクス・レーニン主義党の指導のもとに、労働者、農民、青年学生をはじめ、広範な人民大衆が立ち上がってのみ、勝利できるという深刻な教訓を残しました。

 南朝鮮の革命家は、敵とのたたかいで血を流して得た貴重な経験と教訓を正しく生かして、軍事ファッショ支配層の悪辣な暴圧のなかでも、屈することなく革命闘争を発展させるためにあらゆる努力をつくしてきました。かれらは、これまでの南朝鮮革命運動の本質的な弱点を克服し、革命を成功裏に前進させるカギを、労働者階級のマルクス・レーニン主義党の創立にみいだし、あらゆる艱難辛苦にうちかって統一革命党の建設を促進しました。

 統一的なマルクス・レーニン主義党、労働者階級の党としての統一革命党は、アメリカ帝国主義者とその手先に反対する南朝鮮の革命家と人民の困難な革命闘争のなかで創立されました。労働者階級のマルクス・レーニン主義党の出現によって、南朝鮮の抑圧され、搾取されている広範な人民大衆は、自己の階級的および民族的利益の真の擁護者をもつようになり、自由と解放をめざす南朝鮮人民の革命闘争は、自己の頼もしい政治的参謀部をもつようになりました。

 統一革命党の政治的立場と闘争目標は、昨年8月、ソウルで同党中央委員会の名で発表された宣言と綱領にはっきりと示されています。

 統一革命党の宣言と綱領は、党の指導理念がマルクス・レーニン主義的チュチェ思想であることを強調し、党の最高目的は社会主義・共産主義社会を建設することであり、当面の目的は、南朝鮮でアメリカ帝国主義とファッショ的支配に反対する人民民主主義革命を遂行して、腐りきった植民地半封建的社会制度をくつがえし、その墓場の上に人民民主主義制度をうちたて、ひいては民族の希望と念願である祖国統一の大業を成就することにあることを明らかにしています。

 統一革命党がかかげている闘争目標と闘争綱領は、南朝鮮の社会経済発展の合法則的要求と各階層人民の一致した志向を反映しています。したがってそれは、アメリカ帝国主義侵略者の植民地支配に反対し、社会の民主的発展と祖国の自主的平和統一をめざしてたたかう、南朝鮮のすべての愛国的民主勢力の共同の政治綱領となり、全南朝鮮人民の闘争目標となります。

 統一革命党の各組織は、売国的な「韓日会談」に反対する1964年の6.3蜂起、「韓日協定」を排撃する1965年8月闘争、1967年のかいらい大統領およびかいらい国会議員「選挙」反対闘争など多くの闘争に積極的に参加し、こんにち、南朝鮮人民の革命闘争において指導的な役割を果たしています。闘争の過程で、党はたえず革命的に鍛えられ、南朝鮮人民のあいだでその影響力と信望がいっそう高まっています。

 こんにち、南朝鮮の革命家は統一革命党の各組織をしっかりとかためる一方、そのまわりに愛国的な人民をかたく結集し、地下と山中で、獄中と絞首台で英雄的な反米救国闘争をくりひろげています。

 同志のみなさん! 南朝鮮で反革命を粉砕し、革命の勝利をかちとるためには、革命勢力をひきつづき強化しなければなりません。革命勢力を十分にととのえてはじめて、敵の反革命的攻勢をそのつど打ち破ることができ、ひいては革命的大事変を成功裏に迎えることができます。

 革命勢力をととのえるうえで最も重要なのは、革命の参謀部であるマルクス・レーニン主義党を強化し、そのまわりに労働者、農民をかたく結集して、革命の主力部隊をしっかりとかためることであります。南朝鮮の革命家は、労働者、農民をはじめ、革命的大衆のいるあらゆるところで党勢を拡大強化するためにたたかい、大衆のなかに深く根をはらなければなりません。党の大衆的基盤を拡大強化するためには、勤労者のなかでひきつづきさまざまな形態の大衆団体を組織し、それを強化しなければなりません。

 革命の基本部隊をしっかりきずくと同時に、革命に利害関係をもつすべての階層を一つの政治的勢力に結集しなければなりません。こうしてこそ、反革命勢力を徹底的に孤立させ、革命勢力の圧倒的優勢をたもつことができます。南朝鮮の革命組織は、反帝・反ファッショ民主化の旗のもとにすべての愛国的政党、大衆団体、各階層の大衆と個々の人士を結集する反米救国統一戦線を結成するために全力をつくさなければなりません。特に、青年学生を革命の隊伍にかたく結集し、かれらと革命の主力部隊である労働者、農民との組織的な結びつきを緊密にするため積極的に努力しなければなりません。

 革命勢力は、広範な大衆的闘争がくりひろげられる条件のもとでのみ、たえまなく成長し強化されるものであります。積極的な革命闘争の炎のなかでのみ、人民大衆の政治的自覚が高まり、組織的結束が促進され革命の中核隊列が拡大され、革命組織の戦闘力が強まるのです。南朝鮮で革命勢力を成長させる課題が緊急なものであればあるほど、アメリカ帝国主義侵略者とその手先に反対する大衆的闘争を積極的に展開すべきであり、それにたいする正しい戦略的・戦術的指導を保障しなければなりません。ここで重要なのは、当面する情勢を科学的に分析し判断して、発展する革命の要求と大衆の意識水準を十分考慮にいれ、それにかなった闘争スローガンをかかげ、闘争形態と闘争方法を正しく選択し、敵の内部矛盾や弱点をはじめ、あらゆる可能性をたくみに利用することであります。南朝鮮の革命家と人民は、政治闘争と経済闘争、合法および半合法闘争と非合法闘争、暴力闘争と非暴力闘争、大規模の闘争と小規模の闘争など、各種の闘争形態と闘争方法を正しく結びつけて革命運動を積極的におし進めなければなりません。

 現段階において南朝鮮の革命家と愛国的人民に提起される重要な課題は、アメリカ帝国主義の植民地支配とその手先のファッショ的暴圧に反対し、社会の民主化を実現するための大衆闘争を積極的に発展させることであります。アメリカ帝国主義の植民地支配と軍事ファッショ独裁に反対し、言論、出版、集会、結社、示威の自由をはじめ、民主主義的権利をかちとるための政治闘争と、生存の権利のための勤労者大衆の経済闘争を有機的に結びつけ、政治的自由をめざす青年学生の闘争をさらに目的意識的なたたかいに発展させながら、かれらの民主主義運動を労働者、農民の政治闘争と密接に結びつけることが重要であります。そして、反革命的暴力を革命的暴力で粉砕し、暴力には常に暴力で立ち向かうことができるように、革命勢力を準備しなければなりません。

 南朝鮮の革命家と人民が闘争のなかで強力な政治的部隊を強固にきずき、革命勢力をたえまなくたくわえていくならば、革命の決定的な時期を成功裏に迎えることができるでしょう。こうして、結局は、現反動「政権」をくつがえし、人民民主主義政権をうち立てて、南朝鮮革命の目的を達成するようになるでしょう。

 もちろん、南朝鮮革命の勝利は容易に達成されるものではなく、その前途は依然としてけわしいものがあります。しかし、敵のいかなるあがきも、いかなる艱難辛苦も、自己の偉業の正しさを確信し、自由と解放をめざす聖なるたたかいに立ち上がった南朝鮮の革命家と愛国的人民の前途を阻むことはできず、南朝鮮革命の勝利的な前進をおしとどめることはできません。

 南半部の人民は、その革命闘争において孤立しているのではなく、北半部に威力ある革命の基地をもっています。いうまでもなく南朝鮮革命は、アメリカ帝国主義侵略者とその手先の民族的および階級的抑圧と搾取から脱却するための南朝鮮人民自身のたたかいであります。抑圧され、搾取される人民大衆は、ただ自分自身の革命闘争によってのみ、自由と解放をたたかいとることができます。したがって南朝鮮革命は、あくまでも南朝鮮人民自身が主動的に遂行しなければなりません。しかし北半部人民は、同一民族として、南朝鮮人民の革命闘争を積極的に支援すべき義務と責任を負っています。こんにち、全般的な国際情勢は、反革命には不利に、革命にとっては有利に進展しており、すべての大陸の進歩的な人民が南朝鮮にたいするアメリカ帝国主義の侵略政策を糾弾し、南朝鮮人民の正義の解放闘争を断固として支持声援しています。

 南朝鮮におけるアメリカ帝国主義の植民地支配の崩壊と、人民の革命偉業の勝利は必ず実現するでありましょう。

 同志のみなさん!

 アメリカ帝国主義の南朝鮮占領による国土の分断と民族の分裂は、南朝鮮人民にたえがたい不幸と苦痛をおしつけているばかりでなく、全朝鮮人民に大きな民族的災難をもたらしており、全朝鮮社会の統一的な発展に重大な障害をつくりだしています。

 分断された祖国を統一するのは、現段階における全朝鮮人民の最大の民族的任務であり、一刻もおくらせることのできない最も緊急な課題であります。

 祖国統一のための我が党の方針は、すでに世に広く知られています。我々は、南朝鮮で民族的良心をもつ民主的な人士が政権の座について、アメリカ軍の撤退を主張し、政治犯を釈放し、民主的自由を保障する条件のもとで、かれらといつ、どこででも祖国の平和的統一問題について協商する用意のあることを重ねて表明してきました。南朝鮮の現在の為政者がファッショ的な軍事クーデターを起こして「政権」を奪取した後も、我々は、かれらが売国的反民族行為を中止し真に民族的な立場にたちかえるよう望み、祖国統一の最も公明正大で合理的な方案を示し、その実現のために忍耐づよく努力してきました。我々は、南朝鮮からアメリカ帝国主義侵略軍を撤退させたのち、南北の軍隊をそれぞれ10万ないしそれ以下に縮小し、互いに武力を行使しないという協定を結び、南北間の経済・文化交流と人士の往来など一連の措置をとり、朝鮮人民の自主的な意思にもとづき平和的な方法で祖国の統一を実現しうる基本的条件がととのったとき、自由な南北総選挙を実施して民主主義統一政府を樹立することを、南朝鮮当局にくりかえし提案しました。もし、あれこれの理由で南北朝鮮の総選挙を直ちに実施することができないならば、まず、民族共通の関心事となる緊急な問題を解決し、祖国の統一を早めるための一つの過渡的な対策として、南北朝鮮の連邦制を実施することをも提案しました。

 しかし南朝鮮の為政者は、全民族の一致した志向を反映する我々の正当な提案をそのつど黙殺し、祖国の自主的な平和統一に必死になって反対してきました。

 アメリカ帝国主義者と日本軍国主義者の庇護のもとに、南朝鮮のかいらいは、朝鮮の統一はただ「勝共統一」でなければならず、そのためには力を養わなければならないといい、ありもしない「南侵の脅威」から南朝鮮を「保護」する対策を立てるべきだと騒ぎたてています。これは、南朝鮮の革命を抹殺し、ひいては共和国北半部を武力で侵攻しようとする侵略的野望をおおい隠すための煙幕にすぎません。敵はこうしたでたらめな口実をもうけて、アメリカ帝国主義侵略軍の南朝鮮占領を永久化しようと企む一方、南朝鮮で侵略武力を大々的に増強し、軍事施設を拡張し、戦争準備に狂奔しています。

 南朝鮮の為政者が唱えている「勝共統一」とは、共産主義をなくして「統一」しようということです。これは途方もない妄想であり、愚か者のたわ言にすぎません。共和国北半部の人民は、すでに25年ものあいだ、共産主義思想を指導指針として富強な自主独立国家を建設し、幸せな新しい生活を創造してきました。共産主義思想は、すでに共和国北半部人民の心をしっかりととらえ、切り崩すことのできない偉大な物質的力量にかわっています。朝鮮で共産主義者をさしおいて国を統一しようというのは、事実上統一しないということであり、南朝鮮を永久にアメリカ帝国主義の植民地としてゆだねようということであります。

 最近、南朝鮮かいらいが騒ぎたてている「平和統一構想」についていうならば、それは祖国統一を実現するなんらの方途もない、徹頭徹尾、偽りと欺瞞にみちた政治的謀略宣伝にすぎません。かれらが「平和統一構想」だの、なんだのと言っている目的は、南朝鮮で日ましにもりあがっている自主的な平和統一の気運をなだめ、自己の売国的反民族行為をおおい隠し、我々の祖国統一案を支持する世界の耳目を他にそらそうとするところにあります。

 国の自主的平和統一を阻み、祖国の統一をめざす南朝鮮人民のたたかいを銃剣をもって弾圧し、アメリカ軍の南朝鮮占領をひきつづき哀願し、日本軍国主義の侵略勢力まで南朝鮮に引き入れ、自民族を外国の奴隷として売りわたし、南朝鮮の青壮年をアメリカ帝国主義の弾よけとしてベトナム侵略戦争にかりたてているこの売国の徒と、どうして国の統一問題を語ることができるでしょうか。

 南朝鮮にアメリカ帝国主義侵略軍と現在のかいらいをそのままにしておいては、国の平和的統一など考えることさえできません。

 祖国統一の偉業を実現するためには、祖国の統一を阻んでいる基本的な障害である、アメリカ帝国主義侵略者を南朝鮮から追い出してその植民地支配を一掃し、現在の軍事ファッショ独裁をくつがえして、革命の勝利をかちとらなければなりません。こうして、南朝鮮に真の人民の政権が樹立されれば、共和国北半部の社会主義勢力と南朝鮮の愛国的民主勢力との団結した力によって、祖国の統一は順調に実現されるでありましょう。

 アメリカ帝国主義者とその手先がいかにやっきになって策動しても、祖国の統一をめざす朝鮮人民の頑強な闘志をくじくことはできません。南北朝鮮の全人民はかたく団結して、アメリカ帝国主義者とその手先に反対して力強くたたかい、民族の分裂を永久化しようとする敵の陰険な策動を粉砕し、必ずや祖国を統一するでありましょう。



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