金 日 成

レバノン新聞『アルアンワル』の
記者アリ・バルートの質問にたいする回答
−1969年11月22日−


  首相閣下! あなたは、英雄的な朝鮮人民のために大きな奇跡的成果を達成されました。この成果は永久不滅であり、自力更生する人民の灯台となるでしょう。それはまた、最も立派な社会を建設しようとする各国人民の指針となるでしょう。

 首相閣下! レバノン新聞『アルアンワル』をつうじてアラブ人民に、あなたの賢明な指導のもとに政治、経済・社会、文化のすべての分野で、今後、近い年間に達成される新たな成果について、お話していただけないでしょうか?


  私はまず、朝鮮人民のおさめたこれまでの成果を高く評価してくれたことにたいして感謝の意を表します。

 朝鮮人民は朝鮮労働党の指導のもとに、新しい社会を建設するためのたたかいで自分自身のおさめたすべての成果を大切にし、それについて堂々たる自負と大きな誇りをもっています。しかし我々は、我々の勝利がいかに大きくても、けっしてそれに自己満足してはいません。革命闘争と建設事業で我々がこれまでおさめた成果は、革命をいっそう前進させ、新たな勝利をかちとるための土台にすぎません。我々はまだ革命の途上にあります。我々には、なし遂げたことよりも、これからしなければならないことのほうがもっと多いのです。

 朝鮮人民は、共和国北半部で社会主義の完全な勝利を達成するためにたたかわなければならないだけでなく、南朝鮮からアメリカ帝国主義者を追い出して民族解放革命を完遂し、国の統一を実現しなければなりません。そのためには、共和国北半部で社会主義建設を力強くおし進め、朝鮮革命の基地である共和国北半部の革命力量を政治、経済、軍事、文化のあらゆる面で不敗のものにうちかためなければなりません。

 これは、極めて重大かつ困難な革命の任務です。我々に課せられた革命の任務は重大で困難なものではありますが、それをなし遂げようとする朝鮮人民の革命的熱意と闘志も極めて高く、勝利の信念もまた確固たるものです。朝鮮人民は、遠い未来の理想にたいしてだけでなく、ここ数年内に実現すべき輝かしい展望にたいしても確信をもっています。

 これまでと同じく今後も、朝鮮人民のすべての勝利は、朝鮮労働党のチュチェ思想を国家活動のすべての分野に具現した、自主・自立・自衛の路線を貫徹することによって達成されるでしょう。

 我々は、今後とも朝鮮労働党のチュチェ思想にもとづいて、我が国の革命と建設において提起されるすべての問題を自主的に解決していく原則を堅持するでしょう。我々は特に、すべての勤労者を朝鮮労働党のチュチェ思想でしっかり武装させ、かれらをさらに革命化、労働者階級化して、党と政府のまわりに一枚岩のように団結させることに深い関心を払うでしょう。こうして我々は、朝鮮革命の政治的力量を、いかなる力をもってしても打ち破ることのできない不敗のものにうちかためるでしょう。

 社会主義経済建設において、我々がここ数年内に到達する目標は極めて大きく、鼓舞的なものです。朝鮮人民がこれまで悪戦苦闘してきずきあげた強固な自立的民族経済の土台をよりどころにして、今後、我が国の経済は非常に速いテンポで発展するでしょう。

 我々は、人民経済の各部門で技術革命をひきつづき力強くおし進めるでしょう。工業部門では、ここ数年内に機械化を完成し、半オートメ化、オートメ化を実現するためのたたかいを積極的にくりひろげて、労働者の労働をよりらくで能率的なものにし、生産をいちだんと大きな規模に拡大するようになるでしょう。

 特に、機械工業をはじめ、金属工業、化学工業、採取工業など重工業部門の発展に大きな飛躍がもたらされるであろうし、紡織工業と食品および日用品工業などの軽工業部門でも根本的な転換がもたらされるでしょう。

 いま朝鮮人民は、社会主義建設の雄大な綱領である7か年人民経済計画の目標を達成するために最後の突撃戦をくりひろげています。7か年人民経済計画が遂行されれば、我が国は、工業・農業国から強力な社会主義工業国に変わり、世界の先進諸国の隊列で堂々たる地位をしめるようになるでしょう。

 我が国の社会主義農業も非常な早さで発展するでしょう。我々は、『我が国における社会主義農村問題にかんするテーゼ』でうちだした方針どおり農村の技術革命を力強くおし進めて、今後、数年のうちに水利化と電化を完了し、機械化、化学化を全面的に実現し、先進的な営農法を広く取り入れることを計画しています。この計画が実現するにつれて、我が国の農民は、数千年来苦しんできた骨のおれる労働からますます解放され、近代的な農業機械や各種の化学肥料、除草剤、植物生育促進剤などの農薬を用いて、らくで楽しく、しかも能率的に農業を営むようになるでしょう。そればかりでなく、穀物をはじめ、各種の農産物、畜産物の生産が急速に増大し、我が国は食糧のより豊かな国となるであろうし、勤労者に食肉、卵、野菜その他の副食物を十分供給できるようになるでしょう。

 国の政治的・経済的威力が強化されるにつれて、我々の科学、文化もいっそう早く発展するようになるでしょう。科学者、技術者のあいだで、より主体的な工業と、より発展した社会主義農業の建設で提起されるいろいろな科学技術上の問題を解決するための研究活動が活発におこなわれるであろうし、現在、実施されている9年制技術義務教育の成果をかためながら、いまよりずっと多くの青年や勤労者が高等教育をうけられるよう、国家的な対策が立てられるでしょう。これとともに、腐りきった帝国主義反動文化の浸透を徹底的に排撃し、我々の社会主義的民族文化をいっそう輝かしく開花させるためのたたかいが大衆的に力強くくりひろげられるでしょう。

 政治、経済、文化の各分野でこのような目標が達成されれば、我が国の政治的・経済的威力は比べようもなく強化され、科学と技術、文学と芸術は新たな高い境地へと発展し、朝鮮人民はより豊かで文化的な生活を営むようになるでしょう。

 もちろん、我々が達成しようとする目標は極めて高い目標であり、我々の前には多くの難関が横たわっています。我々は、国土が南北に分断されており、アメリカ帝国主義者とその手先の新たな戦争挑発策動が日増しに露骨になっている困難な環境のもとで社会主義を建設しています。このような状況のもとで、我々は国の経済・文化建設においてある程度の支障をうけないわけにはいかないし、いろいろの難関にぶつからざるをえません。

 しかし、革命闘争の試練のなかで鍛えられ、朝鮮労働党の賢明な指導をうける朝鮮人民は、これらの難関を勇敢にのりこえて前進しつづけるであろうし、片手には銃を、片手には鎌とバンマーを握りしめて、自己のすべての革命課題を立派になし遂げずにはおかないでしょう。


  あなたの鼓舞的指導をうける友好的な朝鮮人民は、アメリカの暴力徒党が朝鮮人民の民族的自主権を奪うことはできないし、また、近い将来に植民地主義者を追い出して国の統一を実現しようとする朝鮮人民の念願を阻むことはできないということを、証明してくれました。

 首相閣下! あなたは、アメリカ帝国主義者が英雄的な朝鮮人民にたいする新たな侵略を企てているとお考えでしょうか?


  朝鮮におけるアメリカ帝国主義者の侵略策動は、既に広く世に知られています。アメリカ帝国主義者は、南朝鮮に足を踏みいれたその日から、こんにちにいたる20余年のあいだ、全朝鮮を占領し、これを足がかりにしてアジアと社会主義諸国を侵略しようとする強盗さながらの野望から、南朝鮮をかれらの完全な植民地に、軍事侵略基地に変え、朝鮮民主主義人民共和国にたいする侵略と戦争挑発の策動を毎日のようにつづけてきました。

 特に、ここ数年来、朝鮮におけるアメリカ帝国主義者の新たな戦争挑発の策動は、いっそう激しくなりました。

 アメリカ帝国主義者は、早くから南朝鮮に膨大な侵略的軍事潜在力をもっていたし、最近では、それをいっそう増強するのに拍車をかけています。かれらは、停戦協定に乱暴に違反して、不法にも南朝鮮に戦術核兵器や誘導兵器をはじめ、各種の大量殺人兵器を大量にもちこみ、最近にはまたもや、南朝鮮の軍事基地に数多くの戦闘爆撃機を増強し、原子力航空母艦と大型戦艦をはじめとする数10隻の艦船で第71機動艦隊なるものまで新たに編成して、朝鮮民主主義人民共和国の近海に配置しました。

 アメリカ帝国主義者は、南朝鮮かいらい軍の兵力を大々的に増強し、その軍事技術装備をいっそう強化しています。特に、アメリカ帝国主義者は、南朝鮮の現地雇い兵をさらに増強する目的で、「郷土予備軍」なるものをつくりあげ、これに多くの南朝鮮青壮年を強制的にひきいれ、その完全武装化を急いでいます。

 南朝鮮の各種の軍事基地や軍事施設も大々的に増えています。

 一方、アメリカ帝国主義者は、共和国北半部地域にたいして、ますます狂気じみた軍事的挑発をおこなっています。このため、軍事境界線一帯では一日として銃声のとだえる日はありません。

 昨年1月のアメリカ帝国主義者の武装情報収集艦プエブロ号事件と、今年4月の大型スパイ機EC121撃墜事件をとおしてあますところなく暴露されたように、アメリカ帝国主義者は我が国にたいするスパイ行為をますます露骨におこなっています。

 現在、アメリカ帝国主義者は、南朝鮮全域にわたって「戦時体制」を確立し、南朝鮮占領アメリカ軍と南朝鮮かいらい軍に非常動員令をくだしており、前線地帯に武力を増強して「特別待機態勢」にはいっています。

 これらの事実は、アメリカ帝国主義者が朝鮮で新たな侵略戦争を引き起こそうといかに狂奔しているかを如実に示しています。

 アメリカ帝国主義者の露骨な侵略策動によって、朝鮮の情勢は極度に緊張しており、我が国ではいつ戦争が起こるかわからない危険な事態が生じています。

 しかしながらアメリカ帝国主義者は、どのような軍事的威嚇をもってしても、朝鮮人民を驚かすことはできません。もし、アメリカ帝国主義者とその手先が、戦争を阻止し平和を維持しようとする朝鮮人民の忍耐づよい努力と、世界平和愛好人民の一致した糾弾にもかかわらず、あくまで朝鮮民主主義人民共和国に反対する新たな戦争を引き起こすならば、朝鮮人民は愛する祖国と革命の獲得物を守るための聖なる戦いにこぞって立ち上がり、侵略者を完全にせん滅するでしょう。


  帝国主義、植民地主義の出版物や通信は、創建後日の浅い貴国が、2つの大きな社会主義国の間に起きている紛争のなかでどちらかの一方に傾いていると騒ぎたてながら、朝鮮民主主義人民共和国とソ連、中国との間に存在する良好な関係を傷つけようと企んでいます。

 あなたは、この紛争の継続が、世界帝国主義に反対する闘争における社会主義諸国間の団結に、どのような影響を及ぼすものとお考えでしょうか?


  あなたが正しく指摘したように、我が国が社会主義諸国間に存在する意見の相違にたいして、あの国に味方している、この国に味方しているなどと、帝国主義者やその御用出版物が騒ぎたてているのは、我が国と他の社会主義諸国の間に反目を引き起こし、くさびを打ちこもうとする愚かな術策にすぎません。

 社会主義諸国間の意見の相違が大きくなることを望み、社会主義諸国の統一と団結を弱め破壊するためにあらゆる陰険な策動をこらしている帝国主義者と世界のすべての反動が、そのような卑劣な策動にきゅうきゅうとしているのは、少しも不思議なことではありません。

 もともとマルクス・レーニン主義党は、自主的であり、独自性をもっています。共産主義者は、マルクス・レーニン主義にたいする自己の信念に根ざして、自国の労働者階級と勤労者の解放のために、全世界人民の自由と解放のためにたたかう闘士であるがゆえに、いかに困難な環境のもとでも自分の独自の信念を守り、そのために屈することなくたたかってゆくのです。もしも、共産主義者が自主性と独自性を失い、他人がするとおりに追従するならば、路線と政策における原則性と一貫性を保つことができなくなり、そうなれば結局、自国の革命と建設を台無しにするばかりでなく、国際共産主義運動と世界革命の発展にも大きな損失をまねくことになるでしょう。

 チュチェ思想を自己の活動の指導指針としている我が党は、ただマルクス・レーニン主義の原則にしっかりと立ち、そのすべての路線と政策を我が国の実情に即して自主的に規定する革命的な党であります。

 我が党は、反帝闘争やさまざまな日和見主義に反対するたたかいも、誰かの命令や指示に従って盲目的におこなうのではなく、あくまでも自分自身の信念にもとづいておこなっています。我々は、このように自己の活動において自主性を堅持するとともに、マルクス・レーニン主義とプロレタリア国際主義の原則にもとづいて、同じ目的のためにたたかう友人と団結し、かれらの経験から、マルクス・レーニン主義の原則に合致し我が国の実情にあう、学ぶに足るものがあればそれを学ぶために努力しています。我が党のこのような立場については、兄弟党も十分理解しており、またそれを正しいものと認めています。

 帝国主義者や反動のいかなる狡猾な策動も、我が党と政府の自主的で原則的な立場を傷つけることはできないし、我が国と他の社会主義諸国との団結を弱めることもできません。

 社会主義諸国間に存在する意見の相違についていうならば、それはあくまでも同じ政治的および経済的基礎をもち、帝国主義と植民地主義に反対し、社会主義・共産主義建設の共同の目的を達成するためにたたかう階級的兄弟の間に存在する思想、理論上の意見の相違です。この意見の相違は、帝国主義諸国間や社会制度を異にする国々の間に存在するような敵対的矛盾を反映するものではなく、個々の社会主義国がおかれている歴史的・地理的条件や民族的任務が互いに異なり、マルクス・レーニン主義を認識するうえでの差異によって現代にたいする評価、帝国主義との闘争の方途、人民の解放闘争にたいする支持の問題などで相異なる見解をもつところから生じた一時的なものです。

 社会主義諸国の人民は、帝国主義に反対する共同闘争の過程をつうじて、結局は意見の相違を克服し、社会主義・共産主義建設の共同の偉業の勝利のために手をとりあってたたかうようになるでありましょう。


  首相閣下! あなたは、アラブ人民が侵略国であるイスラエルとその保護者であるアメリカの相つぐ侵略をうけており、200余万のアラブ人民が自分の故郷から追い出されたことをよくご存知だと思います。

 中東の危機についての、あなたの見解を述べていただけないでしょうか?


  中東の危機は、シオニストを「突撃隊」にしたて、アラブ人民のあいだで高まっている反帝民族解放闘争を圧殺し、この地域を自己の従属下におこうとするアメリカをかしらとする帝国主義者の侵略策動によってつくりだされました。また、この危機がこんにちにいたるまで解決されず、中近東の情勢がひきつづき緊張しているのも、もっぱらイスラエル侵略者とそれをあやつっているアメリカ帝国主義者の恥知らずな侵略策動に起因します。

 こんにち、アラブ人民がくりひろげている反米反イスラエル闘争は、民族の独立と尊厳を守り、占領されたアラブの領土を取りもどし、パレスチナ人民の解放偉業をなし遂げるための正義のたたかいです。

 朝鮮人民は、中近東におけるアメリカ帝国主義者とシオニストの侵略策動を断固糾弾するとともに、アラブ人民の正義のたたかいを全面的に支持し、それにかたい連帯を表明します。


  首相閣下! あなたは、15星霜ものあいだ日本の占領者に反対する遊撃戦争を勝利のうちに組織指導し、たたかうことによって、ついに朝鮮人民に偉大な勝利をもたらしました。

 こんにち、パレスチナ・アラブ人氏は、あなたが切り開かれた道にそって、被占領地城で解放戦争を開始しました。

 あなたの栄えある闘争経験にもとづき、アラブ遊撃隊員たちにどのような助言をくださることができますか?


  パレスチナ人民が、アメリカ帝国主義者とその忠実な手先であるシオニストに反対して武器を手にとり、遊撃闘争に立ち上がったことは、自由と解放をかちとるための最も正しい道です。

 あなたは、アラブ遊撃隊員への助言を要請しましたが、私は助言というよりも、我々の闘争経験について簡単に話そうと思います。

 あなたもご承知のとおり、朝鮮人民のすぐれた息子や娘たちは、共産主義者の指導のもとに15星霜にわたる苦難にみちた抗日武装闘争をくりひろげ、日本帝国主義侵略者を打ち破って祖国解放の歴史的偉業をなし遂げました。朝鮮人民の抗日武装闘争は、反革命的武力に革命的武力をもって対抗した最も高い形態の民族解放闘争でした。この闘争の過程に、我々は多くの試練もへたし、貴い経験も得ました。

 我々の経験は、被抑圧人民が国の解放と民族の独立をかちとるためには、抑圧者と断固戦わなければならないし、その戦いの最も積極的で最も決定的な形態は、武力闘争であることを示しています。

 歴史は、いまだかつて帝国主義者が植民地の人民に独立を贈物にした例を知らないし、国を奪われた人民がみずから立ち上がって戦わずに、他人から独立を与えてもらった事実も知りません。それゆえ、被抑圧人民が奪われた祖国を取りもどし、民族の真の自由と独立をかちとるためには、帝国主義にたいするいっさいの幻想を徹底的に捨てさることが必要です。被抑圧人民は、ただ帝国主義に反対する積極的な闘争によってのみ革命を前進させ、解放偉業をなし遂げることができるのです。

 帝国主義者は、その植民地支配を維持するためにはいかなる手段や方法をもえらばないし、死に近づくにつれて、ますます必死になってあがきます。帝国主義者は植民地人民の解放闘争を、あらゆる権力機構と暴力手段を動員して流血的に弾圧します。かつて、日本帝国主義者は、朝鮮でまさにそのように行動しました。それゆえ、朝鮮の共産主義者は、祖国の解放のために武器を手にとって戦いに立ち上がらざるをえなかったし、長い間の困難な武力闘争をくりひろげて、我々は勝利をかちとりました。暴力には暴力で立ち向かわなければならず、革命的暴力をもって反革命的武力を撃破しなければなりません。諸国人民の解放闘争の経験は、小規模の闘争から始めてしだいに大規模の闘争へと発展し、ついには勝利をおさめることができることを示しています。我々は、武器を手にとって解放闘争の道に立ったパレスチナ人民が勝利の確信をもち、たたかいの規模の大小を問わず、いたるところで武力闘争を最後まで断固としてくりひろげるならば、必ず勝利をかちとるであろうとかたく信じています。

 革命力量をたえず拡大することは、革命闘争における勝利の根本条件の一つであります。それゆえ、我々は抗日武装闘争の全過程をつうじて、自己の革命力量を強化することを最も重要な課題として提起し、そのために積極的に努力しました。

 我々は革命力量を強化するために、なによりもまず抗日遊撃隊を政治的、思想的に、軍事的に強化することに第一義的な関心を払いました。我々は、抗日遊撃隊隊伍の組織的・思想的純潔と意志の統一を保障し、すべての遊撃隊員を確固たるチュチェ意識と熱烈な愛国主義思想、あつい革命的同志愛と自発的規律の精神で武装させるために力をつくしました。我々はまた、敵とのたえまない戦闘をつうじて敵の武器を奪いとり遊撃隊の軍事的装備を強化するとともに、遊撃隊伍をいっそう拡大し発展させました。

 抗日遊撃隊を強化するとともに、我々は革命の大衆的地盤をしっかりときずきあげ、国と民族を愛するすべての大衆を結集して革命闘争に立ち上がらせるために努力しました。

 武力闘争が遊撃戦の形式で進められる条件のもとで、抗日遊撃隊と広範な人民との結びつきを強化し、人民が遊撃隊をあらゆる面から支持声援するようにし、かれらを反日闘争へ積極的に立ち上がらせることは極めて重要な問題でした。

 抗日遊撃隊は、「魚が水を離れては生きていけないように、遊撃隊は人民を離れては生きていけない」というスローガンのもとに、いつどこにあっても人民との血縁的なつながりを強化するために努め、武力闘争を中心にすべての反帝勢力を結集し、正しい戦略的・戦術的指導のもとに武力闘争といろいろな形態の大衆闘争とを結合するために努力しました。1936年5月5日の、我が国における最初の反日民族統一戦線体である祖国光復会の創立は、革命の大衆的地盤を強化する活動において画期的な出来事となりました。祖国光復会が創立された結果、反日民族統一戦線運動は抗日武装闘争と密接に結びつき、より組織的、系統的に、そして全国的範囲で急速に発展するようになり、すべての反帝勢力を国の解放をめざすたたかいに力強く立ち上がらせることができました。

 抗日遊撃隊の強化と革命の大衆的地盤の強化、抗日武装闘争といろいろな大衆闘争との密接な結合、これらは、我々が反日民族解放闘争で勝利をおさめることのできた重要な要因の一つでした。

 パレスチナ人民が武装遊撃隊を組織的、思想的に、軍事的にいっそう強化し、闘争の大衆的地盤をしっかりきずきあげ、すべての革命組織と大衆団体をかたく結集して革命勢力の統一を強め、さらには全アラブ人民とかたく団結して反米反イスラエル闘争を全民族的に、全アラブ的に力強くくりひろげるならば、勝利をさらに早めることができるでしょう。

 私はこの機会に、国の解放をめざすパレスチナ人民の遊撃闘争において、より大きな勝利が達成されるよう心から願うものです。

出典:「金日成著作集」24巻


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