金 日 成

3 反帝反米闘争を強化し、アメリカ帝国主義を打倒して祖国を統一し、
世界の平和を守るために


 同志のみなさん!

 共和国北半部における社会主義建設は、朝鮮革命の一部分であり、朝鮮革命は世界革命の一環であります。朝鮮人民は、共和国北半部で社会主義建設を最大限におし進めると同時に、南朝鮮からアメリカ帝国主義者を追い出し、祖国を統一するためにたたかっており、平和と民主主義、民族独立と社会主義をめざす全世界人民の共同闘争を発展させるために全力をつくしています。

 アメリカをはじめとする帝国主義の侵略と戦争政策に反対し、世界の平和と人類の進歩のためにたたかうのは、我が共和国が対外活動の分野で堅持している一貫した方針であります。

 アメリカ帝国主義は現代の最も野蛮な、最も恥知らずな侵略者であり、世界帝国主義の頭目であります。アメリカ帝国主義は、滅びゆくその境遇からの活路を、国際緊張の激化と軍備競争の強化、そして新たな侵略戦争に求めようと必死にあがいています。地球上のいたるところにアメリカ帝国主義の侵略の触手がのびており、すべての国がその侵略の脅威にさらされています。アメリカ帝国主義は、アジアとヨーロッパ、アフリカとラテンアメリカ、そして大きい国と小さい国とを問わず、世界のすべての地域、すべての国に侵略の触手をのばしています。

 特に、社会主義諸国にたいするアメリカ帝国主義者の侵略と破壊策動は、ここ数年来さらに激しくなりました。アメリカ帝国主義者は、南ベトナムで野蛮な殺りく戦争を強化する一方、ベトナム民主共和国にたいする強盗さながらの侵略行為をつづけており、キューバの領土であるグァンタナモを占領し、キューバ共和国にたいする侵略と挑発策動をたえまなく強行しています。朝鮮におけるアメリカ帝国主義者の新たな戦争挑発策動は、既に重大な段階にいたっています。かれらは、南朝鮮において新たな戦争を積極的に準備しており、朝鮮民主主義人民共和国にたいする軍事的挑発をいっそう露骨に強行しています。

 アメリカ帝国主義者は、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国人民の民族解放運動を過酷に弾圧しており、民族独立の凶悪な圧殺者として登場しています。アメリカ帝国主義者は、ラオスにたいする武力干渉を強めており、カンボジアの領土をおかし、カンボジア人民にたいする挑発策動をつづけています。アメリカ帝国主義者は、イスラエル膨張主義者をそそのかしてアラブ人民にたいする侵略戦争を強行しており、民族独立と新しい生活をめざすかれらのたたかいを圧殺しようと悪らつに策動しています。

 ここ数年来、新たに独立した民族国家にたいするアメリカ帝国主義者の破壊活動と転覆陰謀はさらに露骨になりました。アメリカ帝国主義者は、「援助」を呼び水にしてアジア、アフリカ、ラテンアメリカの新興独立諸国に浸透し、これらの国々の内政に干渉する一方、反動層を買収し糾合して、一部の新興独立国で反動的な軍事クーデターをいっそう頻繁に引き起こしています。こうして、これらの国々を右傾化させ、反帝戦線から一つ一つ切り離そうと企んでいます。

 アメリカ帝国主義者は、日本軍国主義と西ドイツ軍国主義を積極的に復活させて、アジアとヨーロッパで、再び新たな戦争の策源地をつくっており、世界のいたるところで平和と人民の安全に脅威を与えています。

 これらの事実は、アメリカ帝国主義が侵略と戦争の主要勢力であり、人類の最も凶悪な共通の敵であることを示しています。アメリカ帝国主義は、全世界人民の第一の闘争対象であります。

 帝国主義が存在するかぎり、世界は決して平穏ではありえず、侵略と戦争はなくなりません。帝国主義、特にアメリカ帝国主義とのたたかいをぬきにしては、世界の平和を守ることはできず、民族の解放と独立も、民主主義と社会主義の勝利もかちとることができません。帝国主義にたいしてはいかなる幻想もいだいてはならず、それを最終的に打ち破るまでは革命の旗を高くかかげて、反帝反米闘争をひきつづき強化しなければなりません。

 朝鮮人民は、戦争を望みはしないが決して戦争を恐れはしません。もし、敵が我々に新たな戦争を強いるならば、全人民は共和国北半部の偉大な社会主義の獲得物を守り、祖国の完全な解放と統一をなし遂げるために、アジアと世界の平和を守るために英雄的なたたかいにこぞって立ち上がり、敵に壊滅的な打撃を与えるでありましょう。

 アメリカ帝国主義に反対し、世界平和を守るためには、アメリカ帝国主義の手先とその同盟者に反対してたたかわなければなりません。

 社会主義と民族解放運動に反対するためにすべての反動勢力を引き入れるのは、アメリカ帝国主義の戦略において重要な位置をしめています。アメリカ帝国主義者は、侵略と戦争政策を遂行するうえで各国の反動勢力に依拠しており、これらはアメリカ帝国主義の侵略の道案内となっています。

 こうした代表的な実例として、日本軍国主義と西ドイツ軍国主義をあげることができます。アメリカ帝国主義の積極的な庇護のもとに、日本と西ドイツでは、人類にあれほども多くの不幸と苦痛をもたらした軍国主義勢力が急速に復活しており、日本軍国主義と西ドイツ軍国主義は、アジアとヨーロッパで危険な侵略勢力に成長しています。これは、アジアとヨーロッパ、そして世界の平和を心から貴重に思っている人ならば、誰でも手をこまぬいて見すごせない重大な事態であります。

 こんにちアメリカ帝国主義者は、とりわけアジアに侵略のほこ先を向けており、日本軍国主義はアメリカ帝国主義のアジア侵略の「突撃隊」として忠実につかえています。日本軍国主義は愚かにも、アメリカ帝国主義を後ろ盾にして、またもかつてのアジア侵略の夢を実現しようと企み、朝鮮と他のアジア社会主義諸国にたいする戦争計画まで立てており、その他の地域に公然と侵略の触手をのばしはじめました。日本軍国主義者は、アメリカ帝国主義者の指図にしたがって、新たな戦争を積極的に準備しており、日本はアジア諸国を侵略するためのアメリカ帝国主義の補給基地として、また攻撃基地としてつかえています。こうした状況のもとで、日本軍国主義にたいする闘争を決してゆるがせにすることはできません。

 日本軍国主義に反対するたたかいは、アメリカ帝国主義に反対するたたかいの一環であり、アジアと世界の平和を守るためのたたかいであります。日本軍国主義の危険性を過小評価し、これに反対して断固たたかわないならば、それは、とりもなおさず日本の反動支配層の侵略的野望を助長することになり、アジアでアメリカ帝国主義の地位を強めることになります。社会主義諸国が日本と経済関係をもったり、米日間の矛盾が今後激化する場合、それを反帝闘争の利益にかなうように利用することはできるが、決して、日本軍国主義に反対するたたかいをこれに解消させたり、そのために日本軍国主義に反対するたたかいを弱めたりしてはなりません。すべての社会主義国は、アメリカ帝国主義に反対してたたかうとともに、アジアで日本軍国主義に反対して共同でたたかい、一致した行動をもってその侵略的野望を阻止破綻させなければなりません。

 アメリカ帝国主義を打ち倒すためには、世界のいたるところで反米闘争を強力にくりひろげなければなりません。アジアとヨーロッパ、アフリカとラテンアメリカ、大きい国と小さい国とを問わずアメリカ帝国主義が侵略の触手をのばしているすべての地域、すべての国で、広範な反帝勢力が共同でアメリカ帝国主義に打撃を与え圧力を加えなければなりません。こうすることによってのみ、アメリカ帝国主義の力を最大限に分散させ弱めることができ、社会主義諸国や小さい国を一つ一つ征服しようとするアメリカ帝国主義者の戦略を成功裏に打ち破ることができます。

 特に、革命的な小さい国の人民が勝利の確信をもち、力を合わせてアメリカ帝国主義に致命的な打撃を加えることが重要であります。経験は、いかに小さい国であろうとも、自国人民の力を信じ、それに依拠して主体性を確立し、断固立ち上がってたたかうならば、いかなる帝国主義侵略勢力も十分打ち破ることができることを示しています。たとえ、小さい国であっても、帝国主義に反対してさらに多くの国が力を合わせて断固たたかうならば、それぞれの戦線で人民は決定的に優勢な力をもってアメリカ帝国主義を打ち負かすことができます。すべての革命的な国の人民が、世界のいたるところでアメリカ帝国主義者の手足をもぎとり、首を切りとらなければなりません。アメリカ帝国主義者が強そうにみえても、このように多くの国の人民が四方八方から攻撃をかけ、みんなで取り組んで五体をもぎとるならば、かれらは力つき、ついには滅びさるでありましょう。

 我々はアメリカ帝国主義の力を過小評価してもいけないが、決して過大評価してもなりません。地球上の帝国主義がすべてそうであるように、アメリカ帝国主義も下り坂を転げおちており、日を追って死滅しつつあります。アメリカ帝国主義者の激化する侵略策動は、かれらの強大さを示すものではなく、かえってかれらの脆弱さを実証するものであります。アメリカ帝国主義者が横暴にふるまえばふるまうほど、かれらの境遇はますます困難になっています。他方、帝国主義に反対する諸国人民の闘争はひきつづき高まっており、その戦列はますます拡大しています。

 アメリカをかしらとする世界帝国主義とあらゆる反動層の完全な滅亡と、平和と民主主義、民族独立と社会主義をめざす全世界人民の共同闘争の最終的勝利は必然的であります。これは、いかなる力をもっても阻むことのできない現代の基本的な趨勢であります。

 国際関係の分野で朝鮮民主主義人民共和国が堅持している一貫した政策は、社会主義陣営の統一と団結を強化し、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの新興独立諸国との友好・協力関係を発展させ、帝国主義に反対するこの地域の人民の解放闘争と各国人民の革命闘争を積極的に支持声援することであります。我々は、これを国際主義的な義務と認めており、そのためにすべての力を惜しんでいません。

 朝鮮民主主義人民共和国政府と朝鮮人民は、ベトナムにおけるアメリカ帝国主義者の犯罪的な侵略戦争に断固反対し、英雄的ベトナム人民の正義のたたかいを断固支持します。朝鮮人民は、ベトナム人民の闘争を自分自身の闘争とみなしており、ベトナム民主共和国政府が要請するときには、いつでもベトナム人民とともに戦う万端の準備をととのえています。

 朝鮮人民は、キューバ共和国にたいするアメリカ帝国主義者のたえまない侵略策動を断固として糾弾し、祖国と革命の獲得物を守り、社会主義を成功裏に建設している兄弟的キューバ人民の英雄的なたたかいを断固支持します。

 朝鮮人民は、アメリカをかしらとする帝国主義の侵略と戦争政策に反対し、社会主義・共産主義の共同偉業の勝利のためにたたかっている社会主義諸国の人民に熱烈な兄弟のあいさつを送ります。

 朝鮮人民は、ラオスにたいするアメリカ帝国主義者の武力干渉を断固として糾弾し、民族独立をめざすラオス人民の正義のたたかいを積極的に支持します。

 朝鮮人民は、アメリカ帝国主義者とその手先の干渉に反対し、領土保全と民族の自主権を守るためのカンボジア人民の正義の闘争を全面的に支持します。

 朝鮮人民は、アメリカ帝国主義と国内独占資本に反対し、国の完全独立と民主主義と平和をかちとるための日本人民のたたかいを支持し、かれらに戦闘的連帯を送ります。

 朝鮮人民は、アメリカ帝国主義とその手先イスラエル膨張主義者の武力侵略に反対し、民族の独立を守り、新しい生活を創造するためのアラブ連合共和国とシリアをはじめ、アラブ人民のたたかいを断固支持します。

 朝鮮人民は帝国主義、植民地主義に反対し、民族の独立を強固にし、国の繁栄をめざすアルジェリア、ギニア、マリ、コンゴ、タンザニア、モーリタニア、南イエメン、イエメン・アラブ共和国、ブルンジ、ソマリア、ザンビア人民のたたかいを積極的に支持します。

 朝鮮人民は、自由と解放をめざすアンゴラ、モザンビーク、ポルトガル領ギニアをはじめとするアフリカ諸国人民のたたかいを支持するとともに、アメリカをかしらとする帝国主義者とイスラエル膨張主義者に反対し、祖国の解放と独立をめざすパレスチナ人民の闘争を支持し、スミス一味の不法で一方的な南ローデシア「独立」の策動に反対するジンバブエ人民と、人種差別に反対する南アフリカ人民のたたかいを支持します。

 我々は、アメリカ帝国主義と親米反動独裁政権に反対して勇敢な武装闘争をくりひろげているラテンアメリカ人民の革命闘争を支持します。

 朝鮮人民は、資本の搾取と抑圧に反対し、民主主義的権利と社会主義のためにたたかっている資本主義諸国の労働者階級と勤労者にかたい連帯を示すとともに、かれらのたたかいに熱烈な声援を送ります。

 朝鮮人民は、常に平和と民主主義、民族独立と社会主義のためにたたかっている諸国人民の側にしっかりと立ち、かれらとの連帯を強めるために努力するでありましょう。

 同志のみなさん!

 南朝鮮からアメリカ帝国主義侵略者を追い出し、祖国を統一するための朝鮮人民の闘争は、全世界的規模で力強くくりひろげられている反帝反米闘争との密接な連関のなかで発展しています。

 南朝鮮はアメリカ帝国主義者の完全な植民地であるばかりでなく、全朝鮮とアジアを侵略するためのかれらの軍事基地であり、我が国は世界帝国主義の元凶と直接対峙している反帝闘争の最も激烈な戦線の一つであります。我々は、南朝鮮からアメリカ帝国主義侵略者を追い出し、祖国の統一を達成することによって、自己に課された民族的・国際的義務を果たさなければなりません。

 アメリカ帝国主義は、シャーマン号の侵入にはじまり、こんにちにいたるまでの100余年のあいだ、我が国を侵略してきた朝鮮人民の不倶戴天の敵であります。アメリカ帝国主義者は、最初の侵略企図から恥ずべき惨敗を喫したにもかかわらず、たえず我が国にたいする侵略と略奪の蛮行をはたらき、朝鮮人民にたいして永久にぬぐうことのできない数多くの罪悪を犯しました。アメリカ帝国主義者は、解放前には日本帝国主義の朝鮮占領とその植民地支配をあとおしし、解放後には日本帝国主義者にかわって南朝鮮を直接占領して、新たな植民地支配者として君臨しました。

 アメリカ帝国主義者は、既に20年以上も南朝鮮で最も反動的な植民地軍事ファッショ支配をおこなっています。かれらは南朝鮮を完全な植民地に、侵略的軍事基地に変え、南朝鮮人民を飢えと貧困、テロと虐殺の支配する生き地獄につきおとしました。解放後こんにちにいたるまで、アメリカ帝国主義者が我が祖国の南半部ではたらいたあらゆる蛮行は、現代帝国主義の侵略歴史に最も恥ずべき1ページを残しました。

 アメリカ帝国主義者は、南朝鮮にたいする植民地支配者としての醜い正体をおおいかくすために、南朝鮮があたかも「独立国」であり、そこになにか独自の「政府」が存在するかのように宣伝しています。しかし、これはこんにちにいたっては、なにびともだましえない見えすいた芝居にすぎません。

 朝鮮人民は、単一民族として一つの国家、一つの政府をもっているだけです。朝鮮民族の唯一の国家は朝鮮民主主義人民共和国であり、朝鮮民主主義人民共和国政府だけが南北全朝鮮人民の真の民族的利益と意思を代表しています。南朝鮮の「大韓民国政府」は決して南朝鮮人民を代表することはできず、いかなる自主権も行使できないかいらい政権であります。

 我が共和国政権が愛国的で反帝的な政権であるのに反し、南朝鮮の「政権」は売国的な「政権」であります。共和国政権は、久しい前から祖国の解放と独立のために外国帝国主義侵略者と勇敢に戦った愛国的な革命闘士によって指導されているが、南朝鮮かいらい政権の歴代の支配者は、例外なく米日帝国主義者の育てあげた手先であり、その主人に国と民族を売り渡した売国奴であります。南朝鮮のかいらい政権に居座っている現為政者について言えば、かれらもそのすべての先任者と同じく、かつて祖国と人民を裏切った民族反逆者であります。南朝鮮の現支配者は、我々共産主義者が祖国の自由と独立のために手に武器をとって15年間も日本帝国主義と血みどろの闘争をしているときに、日本の「天皇」に忠誠を誓い、反日闘争に立ち上がった革命家と愛国的人民を無惨に弾圧し虐殺する蛮行をはたらきました。かれらは、日本帝国主義が敗北してからは主人をかえて、アメリカ帝国主義者の忠実な手先となり、ほかならぬアメリカ帝国主義者のあとおしによって、強盗さながらの手口で「政権」を横取りした軍事ゴロであります。

 また、共和国政権が独立的で自主的な政権であるのに反し、南朝鮮の「政権」は徹頭徹尾、植民地的で従属的な「政権」であります。

 共和国政権は、我々のかかげた綱領にもとづいて、我々自身の手で樹立した政権であり、朝鮮人民の自発的な努力と闘争によって強化発展しています。共和国政府のすべての対内対外政策は、全面的に朝鮮人民の民族的利益と意思にもとづいて立てられ、徹底した自主・自立・自衛の原則を具現しています。これとは逆に南朝鮮のかいらい政権は、最初から朝鮮人民の意思にそむいてアメリカ帝国主義者が銃剣をふりかざしてつくりあげた「政権」であります。アメリカ帝国主義占領者は、解放後、南朝鮮で人民の創意によって樹立された人民委員会を強制的に解散して「軍政」を宣布し、南朝鮮にたいする公然たる植民地的軍事ファッショ支配をうち立てました。アメリカ帝国主義者は「軍政」が南朝鮮人民の強力な反抗にぶつかるや、その植民地支配をおおい隠そうとする陰険な目的のもとに、「米軍政庁」の看板を「大韓民国政府」にかけかえたのであります。南朝鮮かいらい政権は、まさに、このようにして世にあらわれたのであり、したがって、この「政権」は、一から十までことごとくアメリカ占領者の指令にしたがって動き、かれらの戦争政策のために南朝鮮のすべてをそっくりゆだねています。南朝鮮のかいらい政権は、その主人の指図に従って、数多くの罪なき南朝鮮の同胞を汚らわしいベトナム侵略戦争に駆りだし、アメリカ帝国主義者の弾よけとして犬死にさせています。この一事をもっても、南朝鮮の「政権」なるものが、いかにアメリカ帝国主義者の忠実な手先であるかを明確に知ることができます。

 さらに、共和国政権が労働者、農民をはじめ、勤労人民の利益を代表し、擁護する真の人民の政権であるのに反し、南朝鮮かいらい政権は地主、買弁資本家と反動的官僚の利益を代弁する反人民的な反動「政権」であるという事実も、もはや隠しとおすことはできません。この「政権」の「政策」なるものは、ことごとくアメリカ帝国主義者とその手先の安逸と享楽を保障するために、人民を略奪し搾取することに向けられています。こうして南朝鮮社会は、アメリカ帝国主義者とその手先には望みどおりの社会となっているが、人民大衆にとっては生き地獄となっています。

 これらの事実は、南朝鮮の実権を握っている実際の支配者がほかならぬアメリカ帝国主義者であることを示しています。南朝鮮の「大韓民国政府」は、事実上かれらの軍事的占領を「合法化」し、その植民地支配をおおい隠すかくれみのとして存在してきたし、アメリカ帝国主義の侵略政策を忠実に実行する道具として奉仕してきただけであります。

 アメリカ帝国主義者の南朝鮮占領とその侵略政策は、南半部の同胞がなめているすべての不幸と苦痛の根源であります。南朝鮮人民は、アメリカ帝国主義者の南朝鮮占領に反対し、その植民地支配をくつがえすために、その手先である地主、買弁資本家、反動的官僚を打倒するためにさらに力強くたたかわなければなりません。南朝鮮人民は、みずからの決定的な闘争によってのみ、抑圧者をくつがえし真の自由と解放をかちとることができます。南朝鮮人民はアメリカ帝国主義者を南朝鮮から追い出し、その植民地支配をくつがえすための闘争を、権力をかちとるための闘争と密接に結びつけて進めるべきであり、これにあらゆる形態の闘争を服従させるべきであります。

 人民の自由と解放は闘争なしにひとりでにもたらされるものではなく、人民は革命的方法によってのみ権力をかちとることができます。もちろん、革命勢力を育てるためには、その時どきの主体的・客観的情勢に合うように政治闘争と経済闘争、合法闘争と非合法闘争、暴力闘争と非暴力闘争、小規模の闘争と大規模の闘争など、さまざまの闘争形態を正しく組み合わせて革命闘争を発展させていくことができます。革命が困難だからといって有利な情勢の到来を待つのみで、積極的な闘争を展開しないならば、それは大きな誤りであります。しかし、その闘争形態がどうであれ、それらはすべて権力をかちとるための決定的な闘争の準備とならなければならず、その決定的な闘争は暴力的方法によってのみ勝利することができます。

 暴力闘争なしになんらかの平和的な方法で南朝鮮人民が権力をかちとることができると考えるならば、それは患かな幻想にすぎません。歴史は、いまだかつていかなる植民地支配者や反動支配層も、革命的暴力によって打倒されることなしに、みずから進んで人民大衆にたいする自己の支配を放棄し、政権をゆずり渡した先例がないことを教えています。まして、南朝鮮には世界帝国主義の元凶であるアメリカ帝国主義者が居座っており、かれらは共和国北半部とアジアにたいする侵略的野望から、いかなる手段や方法にうったえてでも南朝鮮にたいする植民地支配を維持しようとしています。南朝鮮でアメリカ帝国主義者は、人民の英雄的闘争によって幾度も深刻な危機に見舞われました。しかし、アメリカ帝国主義者は、そのたびに武力を動員して必死になって抵抗し、人民にたいする血なまぐさい弾圧騒ぎを引き起こしました。南朝鮮人民の英雄的な4.19蜂起によって李承晩かいらい政権が打倒されたのは、事実上、南朝鮮におけるアメリカ帝国主義の植民地支配の一大崩壊を意味しましたが、このときにもアメリカ帝国主義者は南朝鮮から出ていこうとしなかったばかりか、自由と解放にたいする人民の要求に最も悪らつな軍事的ファッショ支配をうち立てることでこたえました。

 南朝鮮人民はこの20余年間の苦い体験をとおして、アメリカ帝国主義者にたいしては、いかなる幻想もいだいてはならず、全人民的な抗争によってアメリカ帝国主義者とその手先を徹底的に粉砕するときにのみ、はじめて自由と解放をかちとり、奪われた人民政権を取り戻すことができることをますます深くさとるようになりました。

 こんにち、南朝鮮人民の革命闘争は拡大しており、それは武装闘争をはじめ、いろいろな形態の積極的な反米救国闘争に発展しています。闘争はしだいに組織化され、革命の主力部隊である労働者、農民のなかに深く根をおろし、各階層のより広範な大衆のなかで力強くくりひろげられています。南朝鮮の革命家と愛国的人民は、革命組織をさらに拡大しながら、都市と農村で、地下と山中で、ひいては監獄と「法廷」においてさえ敵にたいして不屈の闘争をくりひろげています。南朝鮮のいたるところで活動している革命的武装グループの活動と、労働者、農民、漁民、軍人、青年学生、言論人、教育者、そして良心的な民族資本家を含む広範な人民の革命的進出は、アメリカ帝国主義者とその手先を恐怖におののかせており、かれらを一大混乱につきおとしています。

 人民の自由と解放、祖国の統一独立をめざす正義のたたかいで南朝鮮の革命家と愛国的人民がきずきあげた貴重な闘争業績は、栄光にみちた我が国の革命史に永遠に光り輝くでありましょう。

 アメリカ帝国主義者とその手先は、南朝鮮のいたるところで起こっている愛国的な人民の革命闘争を「北朝鮮の侵入」であるかのように言い、南朝鮮の現在の危機の原因が「北からの脅威」にあるかのように言いふらしながら、「反共」騒ぎを大々的にまきおこしています。最近、南朝鮮かいらいが北朝鮮のしわざであると騒ぎたてている「統一革命党事件」はこの明白な実例の一つであります。周知のように、この事件に関連した100余名にのぼる革命闘士は、すべて南朝鮮の大学教授と言論界の人士、軍人、公務員であります。事態がこうであるにもかかわらず、この事件をはたして北朝鮮の人たちのしわざであると言えるでしょうか。これは、虚偽と欺瞞を常としている南朝鮮かいらい支配集団の恥知らずで愚かな策動であり、人々の耳目を他にそらそうとするかれらの常套的な欺瞞策にすぎません。搾取と抑圧のあるところには人民の反抗が起こるものです。南朝鮮人民が、みずからの自由と解放のために抑圧者に反対してたたかうのは避けられないことです。南朝鮮人民は、アメリカ帝国主義者とその手先の過酷なファッショ・テロ支配のもとで、これ以上たえきれなくなり、座して死ぬよりは決起して戦うことを決意し、アメリカ帝国主義の植民地支配体制をくつがえすために、手に武器をとって勇敢に戦っているのであります。アメリカ帝国主義者とその手先は、南朝鮮の現在の危機が誰のせいでもなく、ほかならぬアメリカ帝国主義の植民地支配そのものの所産であるという、この厳然たる事実を決して隠しとおすことはできません。

 アメリカ帝国主義者とそのかいらい一味のファッショ的暴圧とあらゆる欺瞞策にもかかわらず、南朝鮮人民は闘争をつうじてますますめざめ、鍛えられ、ついにはアメリカ帝国主義の植民地支配をくつがえさずにはおかない不敗の革命勢力に成長するでありましょう。こうして時期が到来すれば、必ずアメリカ帝国主義侵略者を追い出し、その手先を打倒して、革命の勝利をかちとるでありましょう。

 南朝鮮革命は、爪先まで武装した強大な敵を相手にしているだけに、極めて困難な条件のもとで進められ、その前途は依然として厳しいものがあります。しかし、南朝鮮人民の革命闘争がどんなに苦難にみちているとしても、かれらは決して孤立無援ではなく、かつて朝鮮共産主義者が日本帝国主義と戦ったときよりはるかに有利な条件のもとで戦っています。かつて、我々共産主義者は、国家的後方もなく、正規軍の支援も全くなく、国際的革命勢力の支援もこんにちほど強力でなかった条件のもとでも、「無敵」を誇っていた日本帝国主義と15年ものあいだ戦って勝利しました。こんにち、南朝鮮人民はこれとは異なり、国の北半部に威力ある革命基地をもっており、北半部人民の積極的な支援を受けています。我が党の指導のもとに、共和国北半部の全人民は、全力をつくして南朝鮮人民の革命闘争を支援するでありましょう。

 我々は必要なときにはいつでも南朝鮮人民と力を合わせて民族解放革命をなし遂げ、祖国統一の偉業を達成する決定的な闘争に動員できるよう万端の準備をととのえています。

 アメリカ帝国主義者が追い出され、南朝鮮で人民民主主義革命が勝利し、人民が政権を握るようになれば、北半部の社会主義勢力と南朝鮮の民主主義勢力との団結した力によって、祖国の統一偉業は達成されるでありましょう。

 祖国統一は、南北全朝鮮人民の一致した念願であり、一刻も遅らせることのできない民族最大の課題であります。朝鮮人民はこれまで20余年間の体験をつうじて、南北が分断されていては絶対に生きていけないことを痛感するようになりました。

 朝鮮民主主義人民共和国は、創建当初から全朝鮮人民の一致した意思と念願を反映して、祖国統一の最も合理的で具体的な方案を示し、その実現のため可能なあらゆる努力を払ってきました。我が共和国政府が一貫して主張している祖国統一の基本方針は、南朝鮮からすべての外国軍を撤退させたのちに、いかなる外部勢力の干渉も受けることなく、朝鮮人民自身の手で自主的に、民主主義的原則にもとづいて南北の統一を実現しようというものであります。我々のこの平和的統一の方案は、誰にも受け入れられる最も公明正大で現実的な方案であります。

 アメリカ帝国主義者と南朝鮮の歴代の為政者は、共和国政府のこの正当な祖国統一の方案に必死になって反対しながら、我々の誠意ある努力にたいし、そのつど侵略的挑発行動をもってこたえました。アメリカ帝国主義者とその歴代の手先が叫んでいる「共産化の危険」だの、なんだのというスローガンは、すべて祖国の分断を永久化するための口実にすぎず、かれらの主張する「国連監視下の選挙」なるものは、事実上、全朝鮮をアメリカ帝国主義者の手にゆだねようという術策以外のなにものでもありません。

 いま、アメリカ帝国主義者の忠実な手先である南朝鮮の売国奴一味は、国の平和的統一に必死になって反対し、平和統一ということを口にしただけでも、人民を手あたりしだいに逮捕、拘禁し、厳罰に処しています。南朝鮮にアメリカ帝国主義者とその手先をそのままにしておいては、国の平和的統一など考えられません。祖国の平和的統一は、南朝鮮で現かいらい政権をくつがえして進歩的な勢力が政権をとったのちにはじめて実現することができます。

 祖国の平和的統一にかんする我々の主張は、決してアメリカ帝国主義者との闘争を排除するものではなく、これは民族の敵とのある種の「妥協」や社会制度のいわゆる「平和的移行」にかんする「理論」とはなんの共通性もありません。我が国の統一問題は、あくまでも一国の悲劇的な分断を終わらせ、外国帝国主義侵略者から奪われた自国の領土と人民を取り戻し、国の完全な独立を達成しようとする、朝鮮民族の死活の要求にかかわる問題であります。その具体的な方途がどのようなものであれ、祖国の統一はアメリカ帝国主義侵略者を我が国土から追い出し、南朝鮮かいらい政権を粉砕したのちにはじめて達成することができます。

 南朝鮮の革命が勝利し祖国が統一されれば、その日から我々は三千里の国土に、南北全朝鮮人民の力と知恵を合わせ、国の豊かな資源を統一的に開発し利用して、なんの不足もない住みよく富強な祖国、いっそう繁栄する新しい朝鮮を建設するでありましょう。

 勝利と栄光の日を早めるために、南朝鮮人民は革命勢力をさらに早くととのえ、大衆的な反米救国闘争をさらに力強く展開しなければなりません。そして、北半部の人民は、我が国の革命基地を政治的、経済的、軍事的にさらに強化し、南朝鮮人民の革命闘争をひきつづき力強く支援し、国際革命勢力との戦闘的連帯をたえず強化しなければなりません。

 同志のみなさん!

 朝鮮民主主義人民共和国は、20年間の闘争過程をつうじて、その不抜の生命力と威力を実証し、共和国の旗のもとに朝鮮人民は革命と建設で偉大な勝利をおさめました。

 こんにち、我が共和国は空前の繁栄期におかれています。朝鮮人民は、共和国のふところで自己の偉業の正しさと勝利の信念をいだいて、非常に楽しく希望にみちて働き、学び、生活し、さらに力強く前進しています。

 朝鮮人民のすべての勝利と成果は、朝鮮労働党の正しい路線と賢明な指導によって達成されました。我が党は、マルクス・レーニン主義を我が国の現実に創造的に適用し、人民を常に勝利と栄光へ導きました。

 洗練されたマルクス・レーニン主義党によって導かれ、権力を手中にしっかり握っており、全世界人民の積極的な支持声援を受けている朝鮮人民は、正義の革命偉業の遂行で常に勝利するでありましょう。

 こぞって共和国の旗を高くかかげ、労働党のまわりにかたく団結し、朝鮮革命の最終的勝利をめざして、社会主義・共産主義の輝かしい未来をめざしてさらに力強く前進しましょう。

 朝鮮人民の栄えある祖国、朝鮮民主主義人民共和国創建20周年万歳!

出典:「金日成著作集」22巻


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