金 日 成 | |||||
国家活動のすべての分野で自主、自立、自衛の 革命精神をいっそう徹底的に具現しよう |
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朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議第4期第1回会議で発表した 朝鮮民主主義人民共和国政府の政綱 |
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-1967年12月16日- | |||||
代議員のみなさん!
我が党と共和国政府の正しい経済政策によって、人民経済のすべての部門が飛躍的に発展しました。
1 工 業
電力工業と採掘工業を優先させることは、すべての工業部門で生産を正常化し、人民経済をいっそう発展させる基本条件であります。我々は、電力工業と採掘工業を速やかに発展させて、人民経済における原料、燃料、動力の需要を十分にみたさなければなりません。 電力工業を発展させるにあたって、我々は水力発電所と火力発電所の建設を正しく組み合わせ、大規模発電所と中小規模発電所の建設を並進させる政策を堅持するでありましょう。我が国の豊富な水力資源と石炭に依拠して大規模水力発電所と大規模火力発電所の建設を促進し、各地に中小規模の水力発電所と工場火力発電所を大々的に建設して、国の動力基地をいっそう強固にしなければなりません。こうして、自然条件による電力生産の季節的変動を完全になくし、人民経済のすべての部門が動力の制限を受けず不断に生産を高めるようにしなければなりません。 採掘工業を発展させるうえで重要なのは、地質探査を先行させ、技術革命を遂行し、科学研究活動を積極的におし進めるという3つの原則を堅持することであります。 探査員の隊列を拡大し、技術装備を強化して予備探査、特に細部探査、作業探査を画期的に発展させるとともに、先進的な探査方法を総合的に導入して探査の速度と効率を高めなければなりません。 人民経済のどの部門にもまして骨のおれる作業の多い採掘工業部門で技術革命を力強くおし進めることは、極めて切実な問題であります。炭鉱、鉱山で採掘作業や運搬作業など骨がおれ、多くの労働力を要するすべての作業を積極的に機械化、オートメ化し、先進的な採掘方法を広くとり入れ、特に露天掘りを大々的に行わせければなりません。 これとともに、地下資源の調査と合理的な開発、採掘工業の技術装備の強化と採掘方法の改善、鉱石の総合的処理など採掘工業部門の科学研究活動をすべての面にわたって積極的におし進めなければなりません。 我々は、党の方針を貰いて、加工工業の発展に採掘工業をしっかりと優先させ、国の原料基地と燃料基地をいちだんと強化しなければなりません。 金属工業、特に製鋼業の発展は、国の工業化水準と経済的威力を評価する重要な尺度であります。無尽蔵の鉄鉱資源をもつ我が国で、製鋼業は極めて有望な工業部門の一つであります。我々は鉄鋼業の発展に力を集中して、7か年計画に予定された鋼鉄生産目標を必ず達成しなければなりません。 現存の製鉄所、製鋼所の原料処理および製品処理能力を補強し、付属施設を整備し、酸素吹込みをはじめ、先進的な技術工程を広くとり入れて冶金設備の生産能力を最大限に高める一方、金策製鉄所の鋼鉄職場と圧延職場の新設工事をはじめ、冶金工場の改造、拡張を行い、我が国の鉄鋼業基地をいっそう拡大強化しなければなりません。 技術の発展にともない、鋼質と鋼種の要求はたえず高まっています。我々は鋼種を大々的にふやし、合金鋼の生産をいっそう発展させなければなりません。圧延鋼材の品目と規格をふやし、特に薄板と冷間圧延製品の生産を発展させ、二次加工製品生産の増大に深い関心を払うべきであります。 現在、鉄鋼業部門に提起されている特に重要な課題は、その自立性をいっそう強めるために国産の燃料を大々的に用いることであります。我が国の豊富な無煙炭で製鉄工業を発展させるために必要な物質的基礎を築く一方、還元団鉱法、粒鉄の連続製鋼法などを完成する科学研究をひきつづきおし進めなければなりません。 非鉄金属工業をいっそう発展させ、各種の非鉄金属と希金属をより多く生産すべきであります。非鉄金属の圧延を大々的に行い、非鉄金属の生産で完成品の比重を高めるべきであり、国内の軽金属生産基地の建設を積極的におし進めなければなりません。 機械工業は重工業の中核であり、人民経済各部門の発展と技術的進歩の基礎であります。機械工業を発展させなければ、重工業と軽工業、農業の発展を期待することはできず、輸送の緊張を解消し、国防力を強化する課題も円滑に遂行することができません。朝鮮労働党代表者会議がうちだした経済建設と国防建設を並進させる課題を遂行するうえでも、全般的に7か年計画を遂行するうえでも、すべての問題が結局は機械工業の発展にかかっていると言えます。 我が国には、機械工業の発展に必要な鉄鋼および非鉄金属資源が豊富にあり、金属工業基地もしっかりと築かれています。この有利な条件を利用して機械工業をいっそう速やかに発展させることによって、自力で国の工業化と人民経済の全面的な技術革新を実現しなければなりません。 既存の機械工場を一日も早く補強、完備するとともに、中小機械工場を大々的に建設し、生産の専門化と連帯化を発展させ、採掘工業、金属工業、化学工業、軽工業、水産業、農業、運輸など人民経済のすべての部門に必要な、能率的で経済的な機械設備をより多く生産しなければなりません。 我が国の人民経済発展の展望に即して、大型掘削機、大型トラック、大型トラクター、大型船舶、大型工作機械など大型設備の生産基地をいっそう拡大強化し、高速度精密機械の生産基地をしっかりと築いて、我が国の機械工業をさらに高い水準に引き上げなければなりません。 人民経済のすべての部門に化学化を大々的にとり入れることは、現代科学・技術発展の重要な趨勢であり、生産力の発展を促す強力な要因であります。我々は、化学工業の発展にひきつづき大きな力をそそぎ、軽工業の原料基地をいっそう拡大強化し、農業の化学化をおし進めて農業生産を高め、農民の骨のおれる労働を軽減しなければなりません。 我が国には、国内の原料で化学工業を発展させうる強固な土台が築かれています。これに基づいて無機化学工業七有機化学工業をいっそう発展させるとともに、石油精製工業、合成ゴム工業など新しい化学工業部門を創設して、我が国の化学工業をいっそう多角的に発展させなければなりません。 化学工業部門では化学繊維の生産量と品質を高め、新しい種類の化学繊維をつくりだし、塩化ビニールをはじめ、各種の合成樹脂の生産を高めなければなりません。窒素肥料とともに国内の原料で燐酸肥料とカリ肥料を生産し、除草剤をはじめ、各種の農薬を大量に生産供給しなければなりません。これと同時に、建材工業に必要な原材料と合成薬品をはじめ、国の経済発展と人民生活の向上に必要な新しい各種化学製品をつくりだす闘争を強化しなければなりません。 経済建設と国防建設を並進させ、7か年計画を遂行するために提起されている膨大な基本建設の課題は、建材生産をこれに追いつかせなければ成功裏に遂行することができません。 建材工業部門では、セメントと金属建材、化学建材の生産を大々的に発展させなければなりません。建材工業を発展させるにあたって、我々は既存の建材工場を整備拡張し、これに新しい建材工場の建設を正しく組み合わせ、大規模の中央建材工業と中小規模の地方建材工業を並進させるという党の路線を貫くでありましょう。 林業部門では、循環式伐採法をとり入れて原木の生産を増大させるとともに、製材実収率を高め、削片板、繊維板の生産をふやして木材を総合的かつ効果的に利用することによって、逼迫した国の木材問題を解決しなければなりません。 我々は軽工業の発展に深い関心を払い、ここ数年内に消費物資の生産で画期的な前進をとげなければなりません。 軽工業部門の中心的課題は、消費物資の品質を高め、品目をふやし、原価を引き下げることであります。 軽工業部門従事者の責任感を強め、生産工程を完備し、技術工程と標準操作法を厳格に守り、生産者の技術熟練度を高めて消費物資の品質を一日も早く世界的水準に引き上げなければなりません。織物の品質を高め、品目をふやし、日用品生産と食品生産をいっそう発展させなければなりません。同時に軽工業部門で原価を引き下げるために積極的に努力し、各種の廉価な消費物資をより多く生産しなければなりません。 三面が海に囲まれている我が国で海洋資源を積極的に開発し利用することは、人民の福祉増進にとって重要な意義をもっています。 我々は、水産業の物質的・技術的土台をいっそう強化し、先進的な漁労方法を広くとり入れ、近海漁業とともに遠洋漁業を大々的に発展させ、漁獲高をさらに増大させなければなりません。これとともに、魚類の加工を決定的に改善しなければなりません。魚類加工で旧式の方法を一掃し、冷凍、かんづめなど近代的な加工方法を広くとり入れて魚を無駄なく加工し、その品質を高めるために積極的に努力しなければなりません。 緊張した輸送問題を解決することは、生産を正常化し、人民経済を速やかに発展させるための先決条件であります。 我々は、交通運輸、特に鉄道運輸の発展にひきつづき大きな力をそそがなければなりません。鉄道の電化を力強くおし進め、ここ数年内に鉄道の電化を基本的に完成し、一部の地域にディーゼル機関車を導入して鉄道の牽引力を大幅に高めなければなりません。電気機関車、貨車、客車の生産をいっそうふやさなければなりません。そして急速に増大する輸送の需要を十分にみたすために、既存の鉄道の利用率を最大限に高めると同時に、新しい鉄道を敷設しなければなりません。 これとともに河川および海上運輸を発展させ、自動車運輸もさらに拡大発展させるでありましょう。
2 農 業
農業部門では、『我が国における社会主義農村問題に関するテーゼ』の貫徹に全力を集中するでありましょう。 何よりもまず農村で技術革命を遂行して、農民の労働を楽にし、農業生産をいっそう高めなければなりません。 我々は、水利化でおさめたこれまでの成果を拡大強化するため、既存の潅漑施設を整備して、いっそう効果的に利用するとともに、新しい潅漑工事と治山治水をひきつづき広範に行わなければなりません。治山治水は、十分な調査と綿密な設計に基づいて着実に進めなければなりません。 農業の機械化を促進するために、各種の連結農業機械や部品を十分に生産供給し、農業機械の整備、補修を強化しなければなりません。 我々は、ひきつづき農村の水利化と機械化をおし進めるとともに、化学化を全面的にとり入れるべきであります。土壌の条件や作物の特質に応じて科学的な施肥方式を確立し、化学肥料の効能を高め、各種の農薬を有効に利用して農作物をあらゆる病虫害から徹底的に保護できるようにしなければなりません。特に窒素肥料だけにかたよる傾向を一掃し、燐酸肥料とカリ肥料および微量要素肥料を自力で大量に生産、供給して単位面積当たりの収量を決定的に高めるとともに、除草剤をはじめ、効能の高い農薬を大量に生産し利用しなければなりません。 農村を電化しなければ、水利化と機械化を成功裏に行うことができず、文化的な農村の建設を進めることもできません。我が党と共和国政府の電化方針に従って、我が国では既に、すべての農村の里の98.2%、全農家の86.1%に電気が引かれて、現在まで電気の引かれていないところは山奥に散在している家屋だけです。我々は、分散している農村住宅をできるだけ一か所に集めて電化をひきつづきおし進め、ここ数年内にすべての農村と農家に電気が入るようにしなければなりません。 農村技術革命の膨大な課題を成功裏に遂行するためには、生産的建設を大々的に進めなければなりません。 生産的建設を行うにあたっては、各農村の具体的実情に即して基本投資め規模と方向を正しく設定すべきであり、建設において設計を先行させて質を高め、施工を綿密に行わなければなりません。 生産的建設とともに農村文化住宅を多く新築し、古い住宅を近代的に建てなおすことによって、古くから農村につたわってきた立ち後れと貧困の遺物であるわらぶき屋を数年内に完全になくすべきであります。 我々はこれらすべての経済的・技術的対策を立て、穀物生産をはじめ、工芸作物、野菜など、農業生産のすべての部門を速やかに発展させなければなりません。 何よりもまず穀物の生産を決定的に高めるとともに、畜産業の発展に深い関心を払わなければなりません。既に築きあげた畜産業の土台をいっそう強化し、畜産業を近代化するたたかいを力強くくりひろげて、歴史的に受け継がれてきたこの部門の立ち後れをなくし、畜産物の生産量を大幅にふやさなければなりません。畜産業の発展で最も重要な課題は、強固な飼料基地をととのえることであります。この問題を解決するためには、田畑に二毛作を広くとり入れる一方、収量の多い飼料作物を大々的に栽培し、配合飼料工場を各地に建設しなければなりません。優良家畜の原種体系を立てる対策を講じ、家畜の飼育管理を改善してその生産性を高め、畜産物の原価を系統的に引き下げなければなりません。 山地が国土のほとんど80%をしめる我が国において、山を利用して果樹栽培を大々的に発展させることは、人民経済を発展させ、人民生活を向上させるうえで非常に重要な意義をもっています。 我々は、既に造成した13万3000余ヘクタールの果樹園と10万ヘクタールの栗林を大切にし、よく手入れして、すべて実を結ぶようにし、果物と栗の生産をいちだんとふやさなければなりません。そして、人民においしい果物をより多く供給するために、朝鮮労働党中央委員会常務委員会北青拡大会議の決定どおりに果樹園造成事業をひきつづきおし進め、ここ数年内に果樹園の総面積が20万ヘクタールに達するようにすべきであります。年を追ってますます多く生産される果物の貯蔵、加工対策も積極的に講じなければなりません。
3 人民生活
人民の福祉増進に対する配慮、これは共和国政府の活動の最高原則であります。我々が社会主義・共産主義建設のためにたたかう目的も、結局は全人民の物質的・文化的需要を十分にみたし、かれらの裕福で文化的な生活を保障することにあります。 勤労者のたえまない福祉増進の源泉は、国民所得の系統的な増大にあります。 共和国政府は、工業と農業をはじめ、人民経済のすべての部門を速やかに発展させ、国民所得を大幅に増大させるためにあらゆる面から努力するでありましょう。これとともに、蓄積と消費との関係を合理的に調節し、拡大再生産の高い速度と国防建設の成功的な進行を保障しつつ、人民生活の画期的な向上をはかる原則のもとに国民所得が正しく配分されるように深い関心を払うでありましょう。 我々は今後、社会主義的生産を増大させ、労働生産性を高め、それに基づいて勤労者の貨幣賃金と実質収入を高めるためにあらゆる対策を講ずるでありましょう。 共和国政府は、すべての勤労者の需要をより円滑にみたすため、各種の社会的・文化的施策により多くの国家投資を行うでありましょう。 特に人民の全般的生活水準を向上させるために、商業および保健医療事業の改善に深い注意を払うでありましょう。 我が国の商業は、勤労者への供給活動であり、人民の物質的・文化的需要をみたすための重要な手段であります。 商業流通部門では、勤労者に食品、衣類および各種の文化用品をより多く供給し、特に冬季用商品の販売量を大幅にふやさなければなりません。 商品の供給を改善するために商業網を適切に配置し、それをいっそうふやすとともに、商業施設を近代化すべきであり、地域別、季節別、階層別の需要に応じて商品の割当てを適切に行わなければなりません。そして商品の包装や配達、夜間販売あるいは移動販売を適切に組織するなど、商業の文化性と奉仕性を高めなければなりません。 各種の食堂を増設し、公共給食の質を改善して、勤労者の生活上の便宜を十分にはからなければなりません。便益施設網を拡大して立派にととのえ、勤労者へのサービスをさらに改善すべきであります。こうして、多くの家庭婦人が社会的労働に参加して労働者階級化、革命化しうる条件を保障しなければなりません。 我が国の制度のもとでは、人間以上に貴いものはありません。我々は、保健医療事業を発展させて人民の生命を保護し、勤労者の健康をさらに増進させなければなりません。 保健医療部門では、病院と診療所を増設して多数の医療従事者を配置し、医師の水準を決定的に高めて勤労者への医療奉仕をさらに改善しなければなりません。予防医学の方針を堅持して都市や農村での衛生防疫事業を日常的に行わなければなりません。現代医学とともに、我が国に伝統的に引き継がれてきた東医学を発展させ、民間療法を理論的に体系化することにも関心を払うべきであります。医薬品の生産を発展させ、合成薬品の種類をふやし、抗生剤医薬品の生産をさらに増大させなければなりません。
4 労働行政
勤労者大衆は歴史の創造者であり、社会主義・共産主義は幾百万勤労者大衆の創造的労働によってのみ建設することができます。労働力は生産の最も能動的かつ決定的な要素であります。技術も人間によつて発達し、機械も人間によってつくられ、それを動かすのも人間であります。貴重で美しいすべての物質的・文化的富は、勤労者の労働によって創造されるのであります。 我々が社会主義・共産主義をより早く、よりよく建設することができるか否かは、結局勤労者の創造力と才能をどのように発揮させるか、社会的労働をどのように組織し利用するか、労働生産性をどれほど早く高めるかにかかっていると言えます。 労働行政の改善は、社会主義建設の全過程にわたって提起される極めて重要な課題であります。 我が国で労働行政の改善は、特に重要な問題として提起されます。 耕地が限られている我が国の条件のもとで、工業の発展に農業を追いつかせるためには、集約農法を実施しなければならず、我が国農業生産の特殊性のため、農業の機械化を完成するには長い期間が必要であります。このような状況のもとで農業の機械化を実現しても、我々には外国でのように工業に吸収できる農村人口の源泉が多くありません。 まして我々は、世界反動の元凶であるアメリカ帝国主義者と直接対峙して国の防衛力をひきつづき強化しつつ、経済建設を力強くおし進めなければならないだけに、国の労働力資源を最大限に節約し合理的に利用しなければ、我々に提起されている政治的・軍事的課題を順調に遂行することはできず、社会主義建設をいっそう促進することもできません。 現在、経済建設と国防建設を並進させる我が党の方針を貫き、7か年計画の膨大な課題を成功裏に遂行しながら国防建設を強力に推進する最も重要な方法の一つは、労働行政を改善することであります。 労働行政の改善で最も先決的な問題として提起されるのは、勤労者大衆の政治・思想意識をたえず高め、社会主義建設においてかれらの生産的熱意と創造的積極性を最大限に発揮させることであります。 労働は、公民の神聖な義務であるばかりでなく、国家と社会のための最も栄誉ある仕事であります。労働を愛する精神は、社会主義・共産主義社会の新しい人間の最も重要な品性の一つであります。我々は、勤労者に労働に対する誇りと労働を愛する精神をつちかい、かれらが労働をきらい無為徒食することを搾取階級の思想として憎み、集団と社会のために、自分自身の幸福のために共同労働に主人らしく参加するようにしなければなりません。 現在、労働行政で提起される最も重要な課題は、480分の労働時間を完全に利用して労働力の浪費を決定的になくすことであります。 連帯生産と分業が非常に発達し、先進的技術に基づいてたえず発展する社会主義的生産においては、それぞれの生産単位とすべての働き手が、定められた規律を厳格に守ってこそ480分の労働時間を完全に利用することができます。8時間労働制は、労働法令によって定められた、なんぴともおかすことのできない国家のおきてであることを深く認識し、わずかな労働力の浪費や労働規律の違反行為とも妥協することなくたたかい、寸秒を惜しんで働き、勤務時間内に最大限の生産性をあげるために全力をつくさなければなりません。 労働力の浪費をなくし、480分の労働時間を完全に利用するためにはまた、工場、企業所で勤労者の作業条件を十分保障することによって、生産の高低の波をなくし、作業の中断を最小限度に減らさなければなりません。人民経済のすべての部門、すべての企業所で原材料と半製品の生産を先行させ、連帯生産を正確に組織して、連帯生産に参加しているすべての単位で契約規律を厳格に守るようにしなければなりません。原料、資材を正常に供給するためには、テアン(大安)の事業体系どおり計画の細部化を実現し、上から下へ責任をもって資材を運搬、供給する機材供給システムを確立しなければなりません。これとともに、すべての工場、企業所で技術準備を決定的に優先させなければなりません。 技術革新運動の強力な推進は、労働行政において主要な関心を払わなければならない問題であります。技術革新は当面の緊張している労働力問題を解決し、一人当たりの生産額を速やかに高める最も重要な要因であります。すべての部門、すべての単位で技術に対する神秘主義と消極性を徹底的にうち破り、技術革新運動を広範にくりひろげて、1工数の労働力でもさらに節約し、より少ない労働力でより多く生産しなければなりません。 労働行政を改善するためにはまた、生産部門と非生産部門間、そして生産部門内部での基本生産部門と補助生産部門間の正しい労働力の均衡を保ち、勤労者を適材適所に配置することが重要であります。 社会主義のもとで、すべての勤労者を生産部門と非生産部門につりあいがとれるように配置することは、全般的な社会主義建設と人民経済の発展を促進するうえで大きな意義をもっています。生産部門で働く勤労者が多ければ多いほど、経済建設と国防建設および人民生活に必要な重工業製品と軽工業製品、農業生産物をより多く生産することができ、人口一人当たりの生産額を高め、国家の蓄積をたえず増大させる一方、人民の福祉増進をはかることができます。したがって労働力の配置で重要なのは、生産部門の従業員の数を優先的にふやしながら、同時に経済発展の水準に即して非生産部門従事者の数を定めることであります。我々は今後もひきつづきこのような原則を堅持し、国の労働力資源を合理的に配置しなければなりません。 労働力を合理的に利用するためにはまた、間接部門の労働力の比重を低め、基本生産部門の労働力、なかでも直接部門の比重を決定的に高めなければなりません。 これとともに、労働行政機関の活動家は、すべての勤労者が能力を最大限に発揮できるよう性別、年齢、体質、技術熟練度などを考慮して、労働力を適材適所に配置することに深い関心を払わなければなりません。 大衆の政治・思想意識をたえず高めつつ、社会主義的分配の原則を正しく貫くことは、社会主義的生産をさらに発展させる重要な裏付けであります。社会主義のもとでは、生産力の発展水準がまだ必要に応じて分配を行う程度にまでいたらず、労働に本質的な差が残っており、勤労者の古い思想の影響は完全になくなっていません。このような状況のもとでは、労働による分配の原則が正しく貫かれてこそ、働かずに他人に頼って生きようとする古い思想を一掃し、勤労者の生産意欲と技術熟練度の向上を刺激して生産力の発展を促すことができます。人民経済のすべての部門、すべての単位では、労働の量と質に応じて正しく分配がなされるよう、必要な措置を講じなければなりません。 我々は、労働の計画化を決定的に改善しなければなりません。労働の計画化は、労働の組織を合理的に行い、労働力を効果的に利用するための基礎であり、したがって労働の計画化を正しく行うことは、労働行政を改善する基本的条件であります。国家・経済機関の幹部は、労働の計画化を改善して国の労働力源を積極的に動員し、労働力を合理的に配置し、労働生産性を高めなければなりません。 共和国政府は、これらすべての社会主義経済建設の課題を立派に遂行することによって、国の経済的威力と経済的自立性をさらに強化し、人民生活を画期的に向上させるでありましょう。 第6に、共和国政府は、朝鮮労働党のチュチェ思想に依拠して、国の科学・技術の発展を促進し、社会主義的文化を建設するためにひきつづき力強くたたかうでありましょう。 現段階における我が国社会主義経済建設の最も中心的な課題である全面的な技術革命の遂行は、科学・技術の画期的な発展を切実に求めています。 我々は、科学の要塞を占領するねばり強いたたかいをくりひろげ、この分野で一大飛躍を遂げることによって、人民経済の各部門における当面の技術改造を円滑に保障しなければなりません。 科学研究活動における基本は、我が党と朝鮮革命の要求する方向にしたがい、主体的立場にしっかり立って科学・技術を発展させることであります。科学研究活動で主体性を確立してこそ、科学者の創意と才能を高度に発揮させて科学・技術の発展を促進することができ、自国の資源、自己の技術に依拠して国の経済をより速やかに発展させることができます。科学者、技術者は、国内の原料によって工業生産を発展させ、我が国に不足している原料はさらに探しだし、ない原料は代用資材をつくり、我が国の実情に即して技術革命を促進し、勤労者を骨のおれる労働から一日も早く解放するための研究に力を集中すべきであります。 我々に切実に必要な科学・技術上の問題を自力で解決するとともに、外国で達成された科学・技術上の成果と経験を我が国の経済発展の現実に即してとり入れることにも関心を払わなければなりません。 科学者、技術者に提起されている当面の課題は、既存の経済的土台を完全に利用するための科学・技術上の問題を解決するとともに、人民経済発展の展望的課題に基づいて、新しい科学・技術分野をたえず開拓していくことであります。 技術工学、特に機械工学と電子工学を速やかに発展させることは、現在極めて重要な問題となっています。 機械工学を発展させなければ、近代的工場を建設し最新機械設備を製作する課題も、現存の工場と設備の能力を高める課題も、また科学研究の成果を速やかに人民経済にとり入れる課題も円滑に遂行することはできません。我々は、機械工学の発展に科学陣容を集中して、この科学分野を一日も早くもりたてなければなりません。 技術革命を遂行するうえでも、人民経済発展の将来の展望からしても、電子工学を発展させることは切実な問題であります。科学と技術が発展して人民経済のすべての部門にオートメ化が広く導入されるにつれ、電子工学の意義と役割はますます高まり、その適用分野もたえず拡大されています。我々は、電子工学の研究活動をすべての面にわたって積極的におし進めなければなりません。 科学者、技術者は、我が国の天然資源を効果的に開発、利用し、自然を成功裏に征服するために、化学、生物学、農業科学、林産科学、海洋科学などの発展にも深い関心を払わなければなりません。 科学研究活動で大きな成果をおさめるためには、科学者および科学研究機関相互の連係と協力を強め、科学者と生産者の創造的協力を強めなければなりません。そして、頻繁にに新しい問題をとりあげるのではなく、人民経済にとって切実で重要な問題や、既に着手した問題、まだ完成していない問題などの解決に力を集中して、せん滅戦の方法で問題を一つ一つ完成させていくようにしなければなりません。 国の科学・技術の発展を促進するためには、この部門の人の水準を決定的に高めなければなりません。 科学者、技術者は、だれもが科学理論の水準が高く、実践的経験に富み、現代科学・技術の発展の趨勢に明るい人に、現実が提起する科学・技術上の問題を立派に解決できる有能な人になるために精力的に学習しなければなりません。 我々は、科学研究活動を成功裏におし進めるために、科学研究基地をさらに強化し、研究条件をいっそう立派にととのえなければなりません。 社会主義的文化の建設において重要なのは、すべての勤労者を勉強させて全般的文化・技術水準をいちだんと高めることであります。 この分野で我々に提起されている最も重要な課題は、9年制技術義務教育を質的に立派に実施することであります。我々は9年制技術義務教育を立派に実施し、国の生産力の発展と技術革命の早い速度に技術人材の養成を追いつかせなければなりません。 学業を専門とする教育体系とともに、働きながら学ぶ教育制度をさらに発展させ、すべての勤労者が学ベる条件をさらに十分にととのえなければなりません。 次代の教育と幹部養成における成果は、直接の担当者である教員の役割に大きくかかっています。教員の学習気風を確立し、その政治理論水準と専門知識水準を決定的に向上させることによって、授業の質をいっそう高めなければなりません。これとともに、教育事業を発展させるために教育機関の物質的土台を立派に築くことに全国家的・全社全的関心を払わなくてはなりません。 我々は党の文芸政策をかかげて、社会主義的文学と芸術を発展させるためにひきつづき努力しなければなりません。文学・芸術部門の人は、朝鮮人民の栄えある抗日武装闘争と、それを継承した現在の人民の壮大なたたかいの姿と躍動する現実を描いた革命的な作品を数多く創作し、全社会の労働者階級化、革命化により立派に貢献しなければなりません。 第7に、共和国政府は当面の情勢に対処して国防力をいっそう強化し、全国的・全人民的防衛体制をととのえるために全力をつくすでありましょう。 経済建設をおし進めると同時に、国防力をひきつづき強化するのは、社会主義国家の基本的機能の一つであります。帝国主義者は侵略と略奪に明け暮れており、帝国主義が残っているかぎり戦争の危険はなくなりません。このような状況のもとで、もっぱら自己の防衛力を強化し、常に準備された態勢にあってこそ、帝国主義の侵略から革命の獲得物を守り、人民の安全を守ることができます。 特に国土が二分され、アメリカ帝国主義侵略勢力と直接対峙して社会主義を建設している我が国の状況のもとで、国防力を強化するのは緊迫した課題となっています。 アメリカ帝国主義者は、南朝鮮を占領した当初から全朝鮮とアジアを侵略する陰険な目的のもとに、南朝鮮を完全な軍事的侵略基地に変えました。アメリカ帝国主義者は、数万の侵略軍を南朝鮮に駐屯させており、常時60万を超える膨大なかいらい軍兵力を維持しています。 ここ数年来、アメリカ帝国主義者は、南朝鮮で戦争準備をいっそう強化する道にのりだしました。アメリカ帝国主義者は、南朝鮮で戦争政策を進めるためにかいらい軍兵力をさらに増強しており、戦術的核兵器や誘導兵器などの大量殺りく兵器をはじめ、艦艇、航空機などの軍事装備をひきつづき南朝鮮に持ち込んでいます。かれらは、罪のない南朝鮮人民を侵略戦争に駆り立てるために戦時動員体制をしくとともに、停戦協定を乱暴に踏みにじって軍事境界線一帯で共和国北半部地域に対する挑発事件を頻繁に引き起こしています。 アメリカ帝国主義者は、南朝鮮をアジア侵略に効果的に利用するために、南朝鮮のかいらいを日本をはじめ、アジアの反動と軍事的に結託させようと策動しており、「韓日条約」をえさに、アジアで新たな軍事同盟をつくりあげようと狂奔しています。かれらは、南朝鮮を前哨基地とし、日本軍国主義勢力を「突撃隊」にしたてて朝鮮で再び戦争を引き起こし、南朝鮮の軍事力をアジアに対する侵略戦争にたやすく動員しようとしています。アメリカ帝国主義者は、既にベトナム侵略戦争に南朝鮮かいらい軍を引き入れており、売国奴朴正煕一味は、どの追随国よりも先に、しかもより多くの兵力を南ベトナムの戦場に送り込んでいます。 情勢はますます緊張の度を加えており、我が国とアジア全域で戦争の危険はますます増大しています。 当面の情勢は、我々が国の防衛力を鉄壁のようにかため、いつなんどき敵が攻め込んできてもそれに対処できるよう、戦争に対して徹底的に備えることを要求しています。 国防は、朝鮮人民がかちとった社会主義の獲得物と我が革命基地を防衛する事業であって、全人民の最も神聖な義務であり、栄誉ある任務であります。人民軍は祖国と人民のために服務し、全人民は人民軍を愛し援護すべきであり、軍民一致の伝統的気風をいっそう発揚して、一朝有事のさいには、軍人と人民が真の革命同志として一つにかたく団結し、ひたすら祖国と社会主義の獲得物を守るために、生死苦楽をともにして戦わなければなりません。 全人民と人民軍将兵は、絶対に平和的な気分にとらわれることなく、常に緊張した動員態勢を堅持し、革命的警戒心を最大限に高めて、いつなんどき敵が攻め込んできても少しもあわてることなく迎え撃って勇敢にたたかう準備ができていなければなりません。 我々の防衛力を不敗のものに強化するためには、党の軍事路線に従って、人民軍では全軍幹部化と全軍現代化の方針をひきつづき貫き、人民は全人民武装化と全国土要塞化の方針を必ず実行しなければなりません。 我々は、人民軍の隊列を政治的、思想的に、軍事技術的に鍛え、すべての将兵が一等級以上の上級指揮官の任務が担当できるようにすることによって、人民軍の戦闘力をさらに強め、一朝有事のさいには、現有の人民軍を中核として全人民が戦えるようにしなければなりません。 現代戦の要求に即応して人民軍を近代的な兵器と戦闘技術機材でしっかり武装させ、軍事科学と軍事技術を速やかに発展させなければなりません。すべての軍人が自己の兵器に精通し、近代的な軍事科学と軍事技術を十分身につけるよう戦闘訓練を強化しなければなりません。 こうして、我が人民軍を、党と労働者階級、祖国と人民のために水火をいとわずに戦う不撓不屈の闘争精神で武装した革命の隊伍に、敵のいかなる無謀な冒険をも十分撃破できる一当百の鋼鉄の隊伍につくりあげなければなりません。 全人民武装化と全国土要塞化は、全人民のゆるぎない政治的・思想的統一と国の強固な自立的経済の土台に基づく最も強力な防衛体制であります。我々は労働者、農民をはじめ、全人民をしっかり武装させ、片手にはハンマーと鎌を、片手には銃を取って祖国を防衛しながら、社会主義建設で緊張した生産闘争をくりひろげ、一朝有事のさいには生産もつづけ、戦闘も立派に行えるようにしなければなりません。同時に、国の全地域に鉄壁の防衛施設を築き、敵がいつどこから攻めてきても一撃のもとに撃退できるよう、全国を軍事要塞につくらなければなりません。 これらすべては、国防における我が党の自衛路線を徹底的に具現するためのものであります。我々はこうすることによってのみ、敵のたえまない破壊活動をそのつど粉砕することができ、あらゆる形態の武力侵攻を十分打ち破ることができます。 第8に、朝鮮民主主義人民共和国政府は、自力更生の旗のもとに、自己の力と国内の資源を最大限に動員して自立的民族経済を建設する路線をひきつづき堅持しながら、プロレタリア国際主義の原則と完全な平等および互恵の原則に基づいて、外国と経済関係を結び、対外貿易を発展させていくでありましょう。 我が国が、自力で自立的かつ総合的な経済を発展させるということは、決して国際的な経済的連係を拒み、我々に必要なものをすべて自力でつくるということを意味するものではありません。それぞれの国の自然的・経済的条件が異なり、所与の段階における各国の生産力の発展水準や科学・技術の発展水準も異なり、したがって生産される原料や製品の種類や量も異なります。このような条件のもとでそれぞれの国は、基本的なもの、大量に必要なものは自力で生産し、それほど多く必要としないものや不足するもの、自国で生産できないものは有無相通ずる原則に基づき、外国との貿易をつうじて解決しなければなりません。 我々は対外貿易を発展させるにあたって、社会主義世界市場に第一義的な意義を与えています。 周知のように社会主義世界市場は、第2次世界大戦後、我が国をはじめ、一連の国々が資本主義体制から脱し、社会主義が一国の範囲をこえて世界的体制に転化した、その経済的結果として形成されたものであります。 社会主義世界市場の形成は、社会主義諸国間の経済および技術の交流を促進することによって、それぞれの国の民族経済の発展と社会主義の物質的・技術的土台の構築および人民生活の向上に大きく寄与することができるようになりました。こうして、社会主義諸国を経済的に封じ込め、これらの国々の経済発展を妨げ、ひいては社会主義世界経済体制を窒息させようとした、アメリカをかしらとする世界帝国主義列強の野望を破綻させることができたのであります。 社会主義市場、これは社会主義諸国だけでなく、新興独立諸国にも民族経済を発展させるうえで有無相通ずることのできる有利な条件をつくりだしています。不等価交換と後進国略奪による独占的高率利潤追求の経済法則が作用する資本主義市場とは異なり、社会主義市場は新興独立諸国が完全な平等と互恵の原則に基づいて、自国で生産された余裕のある工業製品や農産物を実現し、それとひきかえに自国の経済発展に切実に必要な外国の工業設備や原料、資材を購入できるようにします。 こうして経済的に立ち後れた国々は、今ではかつてのように資本主義市場に縛りつけられ、自国の資源と自国人民の貴い労働の結実を無制限に略奪されることがなくなったばかりか、帝国主義への経済的従属から脱して経済的自立を達成することのできる通が開かれました。 社会主義市場の形成は、広大な市場をもって世界経済をぎゅうじる帝国主義独占体と億万長者に致命的な打撃を与え、特に海外市場を独占し、世界の原料資源を意のままに略奪して世界制覇を実現しようとした現代帝国主義のかしらであるアメリカ帝国主義の膨張政策を徹底的に粉砕し、帝国主義列強の全般的経済危機を深化させました。 もし、すべての社会主義国が経済的に互いに有無相通じ、社会主義市場を強化発展させるならば、個々の社会主義国の民族経済の発展はさらに促進され、新興独立諸国の経済的自立の条件はいっそう有利になり、ひいては資本主義市場を不安定な状態に陥れ、資本主義世界経済体制の全般的危機をますます深化させることができるでしょう。 もちろん、社会主義市場を強化発展させ、社会主義諸国間の経済的連係を強化発展させるといって、社会主義国が資本主義国と経済的連係をもってはならないということを意味するものでは決してありません。 我々は、我々の自主権を尊重し、我が国と経済的連係をもつことを希望する社会体制の異なるすべての国と貿易および通商交流関係を発展させていくでありましょう。しかし、資本主義国との経済実務的関係は、社会主義国の対外貿易においてはあくまでも第二義的な意義をもつものであり、それが対外経済関係において基本となってはなりません。我々は当然、兄弟諸国との経済・技術交流を促進し、社会主義市場を強化発展させることに第一義的な関心を払うべきであります。 社会主義市場を強化発展させるうえで最も重要なのは、個々の兄弟国が帝国主義と植民地主義に反対し、社会主義・共産主義建設の共同偉業の勝利をめざす政治的利益に基づき、経済的相互関係においてプロレタリア国際主義の気高い精神を発揮し、狭量な民族利己主義を一掃することであります。特に、発達した社会主義諸国は、帝国主義に反対し社会主義をめざす経済的に立ち後れた国に、いかなる政治的付帯条件と私心のない、より多くの物質的支援を与えるべきであります。こうして、これらの国が帝国主義列強の経済封鎖を成功裏にうち破るだけでなく、資本主義市場との取引きを少なくして社会主義市場に依拠できる条件をつくらなければなりません。我々は、他のすべての問題と同様、対外貿易関係においても、決して階級的立場からはずれたり、共産主義的道徳と同志的信義を忘れてはなりません。 我々は帝国主義に反対し、社会主義・共産主義建設の共同偉業の勝利のために、革命と建設における民族的利益と国際的利益の統一のために、兄弟諸国との経済的連係を緊密にし、社会主義世界市場を強化発展させるためにあらゆる努力をつくすでありましょう。 共和国政府は、社会主義諸国との経済的連係を優先的に発展させながら、帝国主義のくびきから脱して政治的独立を達成したアジア、アフリカの新興独立諸国と完全な平等、互恵の原則に基づいて経済的関係を結び、通商交流を発展させるために努力するでありましょう。 こんにち、政治的独立を達成した多くの新興独立国の人民には、帝国主義植民地支配の後遺症をいやして、自立的民族経済を建設し、生活を根本的に改善すべきさし迫った課題が提起されています。 ところが帝国主義者は、新興独立諸国に植民地主義の新しい形態である新植民地主義のくびきをかけ、解放された国の人民を再び従属させようと企んでいます。帝国主義者は、「援助」をえさに他国を経済的に従属させ、ひいてはこれらの国の自主権を踏みにじる政策を実施しています。こんにち、帝国主義列強が云々している欧州経済共同体や「世界経済の統合」などはすべて、新興独立諸国の経済的自立を抹殺し、これらの図を従属させようとする陰険な侵略的目的を追求しているものであります。 我々は、いかなる政治的および経済的付帯条件もつけず、有無相通ずる原則のもとに、新興独立諸国との経済的関係を発展させることによって、これらの国が帝国主義者からの完全な政治的・経済的独立を達成し、これらの国の人民が民族的繁栄をはかるのを心から援助しなければなりません。 第9に、朝鮮民主主義人民共和国政府は、海外に在住するすべての朝鮮同胞の利益と民族的権利を擁護するために積極的にたたかうでありましょう。 かつて日本帝国主義者の朝鮮占領により、数多くの我が同胞は祖国を離れ海外を流浪しました。かれらは異国の地で長いあいだ、亡国の民として民族的差別待遇とあらゆる蔑視を受け、無権利と極度の生活難に苦しんできました。 しかしこんにち、かれらは愛する祖国──朝鮮民主主義人民共和国の堂々たる海外公民として、限りない民族的自負と誇りをいだいており、共和国の隆盛と発展に幸福な未来を見出しています。海外の朝鮮公民は、共和国のすべての政策を支持し、共和国公民としての義務を果たすために積極的に努力しています。 こんにち、60万の在日朝鮮同胞は、朝鮮労働党と共和国政府のまわりにかたく団結し、総聯の指導のもとに、日本当局の不当な民族的迫害と蔑視に反対し、民主主義的民族権利のために勇敢にたたかっており、祖国の統一と民族の繁栄のために力強くたたかっています。 いま在日同胞のあいだでは、祖国への帰国をひきつづき実現するための広範な運動が展開されています。 在日朝鮮公民が祖国へ帰るのは、なんぴとも奪うことのできない堂々たる民族的権利であります。日本には、いまなお祖国──朝鮮民主主義人民共和国への帰国を希望する数多くの在日朝鮮公民が残っています。 それにもかかわらず日本当局は、国際法と国際的慣例および人道主義の原則を乱暴に踏みにじって在日朝鮮公民の帰国事業に人為的な障害をつくりだし、それを中途で破綻させようと企んでいます。これは、日本政府が在日朝鮮公民の民主主義的民族権利を踏みにじり、日本と世界の公正な社会世論に公然と挑戦していることを示しています。 朝鮮民主主義人民共和国政府と全朝鮮人民は、在日朝鮮公民の帰国事業の破綻を企む日本当局の不当な策動を断固糾弾します。 共和国政府は、在日朝鮮公民の祖国への往来の自由および民主主義的民族教育実施の自由をはじめ、すべての民主主義的民族権利が完全に保障されるべきだと主張します。我々は、日本政府が在日朝鮮公民を当然外国人として待遇し保護すべきであり、かれらに対するあらゆる迫害と弾圧行為を直ちに中止するよう強く要求します。 日本当局のいかなる弾圧や迫害も、民主主義的民族権利と祖国の統一をめざす在日朝鮮公民の正当なたたかいを決して阻むことはできません。日増しに厳しくなる日本当局の在日朝鮮公民に対する迫害と弾圧は、ただ全朝鮮人民のより大きな民族的憤りを呼び起こすだけであり、このような不当な行為は結局阻止されずにはおかないでしょう。 朝鮮民主主義人民共和国政府は、60万の在日同胞をはじめ、海外のすべての朝鮮公民を保護し、その民族的権利を擁護することを自己の神聖な義務としています。我々は、海外朝鮮公民の民族的権利をおかし、かれらを迫害し、蔑視するあらゆる不当な策動に反対してひきつづきねばり強くたたかうとともに、常に海外同胞の正当なたたかいを断固として支持声援するでありましょう。 第10に、我々は、朝鮮民主主義人民共和国が創建された当初から、帝国主義の侵略に反対し、朝鮮人民の自由と独立を尊重し、我が国と平等な立場で国家関係を結ぶことを希望するすべての国と親善関係を結ぶことを一貫して明らかにしており、今後ともひきつづき対外政策の分野で、この原則を堅持するでありましょう。 共和国政府の対外政策は、あらゆる搾取と抑圧が一掃された我々の国家社会制度の本質に根ざしており、平和と民主主義、民族独立と社会主義の共同偉業の勝利を達成しようとする朝鮮人民の崇高な志向を反映しています。我々の自主的で原則的な対外政策は、世界のますます多くの国から支持されており、我が国の国際的地位をかつてなく強化しました。 こんにち我が国は、社会主義兄弟諸国をはじめ、世界の数十か国と親善関係を結んでいます。1962年に、第3期朝鮮民主主義人民共和国内閣が組織されてからも、我が国はアジア、アフリカの多くの国と新たに外交関係を結んでおり、我が国とこれらの国との友好的な関係はたえず発展しています。我が国と諸外国との経済的・文化的交流もいっそう拡大発展しました。現在我が国は、多くの国と通商および文化関係を結んでいます。世界の多くの平和愛好人民と朝鮮人民との交流も日増しに盛んになっており、かれらとの友好的連係はさらに拡大しています。こうして、我々は世界のいたるところに数多くの革命同志と友人をもつようになり、朝鮮革命の国際的連帯はひきつづき強まっています。 朝鮮民主主義人民共和国政府と朝鮮人民は、今後とも他の国とのこのような親善関係をさらに発展させ、国際的にいっそう多くの友人をもつために努力するでありましょう。 こんにち、朝鮮革命の国際的環境は極めて複雑であり緊張しています。 アメリカをかしらとする帝国主義者は、社会主義諸国と新興独立諸国に対する武力侵略と破壊活動をたえず行っています。かれらは、アジア・アフリカ・ラテンアメリカ諸国人民の解放闘争を厳しく弾圧しており、世界のいたるところで平和をかきみだし、人民の安全を脅かしています。 アメリカ帝国主義は、平和と民主主義、民族独立と社会主義の主なる敵であります。アメリカ帝国主義は下り坂をたどってはいるが、依然として侵略の野望を捨てておらず、その強盗的本性をますます露骨にさらけだしています。 こんにち、社会主義諸国と世界の進歩的な国々を侵略するためのアメリカ帝国主義者の基本戦略は、大国とはできるだけ関係を悪化させず対決を避けながら、主として分裂した国や小さな国を一つ一つ攻めとろうとするところにあります。ここにおいて、特にアメリカ帝国主義者は侵略のほこ先をベトナムをはじめ、アジア諸国に向けています。アメリカ帝国主義者のこのような侵略策動は、我が国とアジアのすべての地域で緊張を極度に激化させており、世界平和全般に重大な脅威を与えています。 アメリカ帝国主義の侵略と戦争政策を阻止し破綻させることは、こんにち、社会主義諸国の人民と全世界の平和愛好人民の最もさし迫った課題であります。反米闘争をぬきにしては、いかなる革命偉業の勝利についても、世界平和と人類の進歩についても語ることはできません。 アメリカ帝国主義に対してどのような態度をとるかは、こんにち、社会主義諸国が真に国際革命運動の発展のためにたたかうか否かを示す基準となります。アメリカ帝国主義に対する態度は、革命的立場と日和見主義的立場を識別する試金石となります。社会主義諸国は、反米闘争にみられるいっさいの偏向を是正し、アメリカ帝国主義に反対する徹底した革命的立場を堅持しなければなりません。 アメリカ帝国主義に反対する闘争を力強く展開するためには、必ず国際的な反米共同行動を実現し、反米統一戦線を結成しなければなりません。反帝勢力の分裂は、アメリカをかしらとする帝国主義者を利するだけで、革命的人民には害を与えるのみであります。すべての社会主義国と全世界の反帝勢力は最も広範な反米統一戦線を結成し、アメリカ帝国主義を徹底的に私立させ、その侵略の触手がのびているすべての地域、すべての戦線で集団的にアメリカ帝国主義に打撃を与えなければなりません。ただこうしてのみ、アメリカ帝国主義の力を最大限に分散、弱体化させ、いたるところでその息の根を止めることができ、社会主義諸国をはじめ、国際革命勢力の各個撃破を企むアメリカ帝国主義者の世界戦略を成功裏に粉砕することができます。 朝鮮民主主義人民共和国政府と朝鮮人民は、アメリカをかしらとする帝国主義侵略勢力に反対して断固たたかうとともに、アメリカ帝国主義侵略者を南朝鮮から追い出し、祖国統一の革命偉業をなし遂げるためにねばり強くたたかいつづけるでありましょう。 共和国政府と朝鮮人民は、アメリカ帝国主義に反対する国際革命勢力との連帯の強化を、朝鮮革命勝利の重要な要因とみなし、世界のすべての反帝反米勢力と団結し、アメリカ帝国主義に反対するすべての国の人民のたたかいを積極的に支持声援するでありましょう。 こんにち、反帝反米闘争における第一義的な課題は、アメリカ帝国主義のベトナム侵略を阻止破綻させ、ベトナム人民の正義の反米救国抗戦をあらゆる面から支援することであります。 こんにちベトナムは、反米闘争の最も激烈な戦線となっています。まさにこの不屈のベトナムの地で、社会主義と帝国主義、世界の反帝平和愛好勢力とアメリカ帝国主義侵略勢力とのあいだに激烈なたたかいがくりひろげられています。ベトナム人民は、このたたかいの重荷を背負って祖国の独立と自由を守るばかりでなく、社会主義諸国を防衛し、アジアと世界の平和を守って勇敢にたたかっています。英雄的なベトナム人民は、アメリカ帝国主義侵略者にひきつづき手痛い軍事的・政治的敗北を与えており、かれらを底なしの泥沼に追い込んでいます。 私はこの最高人民会議の演壇をつうじて、朝鮮民主主義人民共和国政府と全朝鮮人民の名で、ベトナム民主共和国政府と南ベトナム解放民族戦線中央委員会および正義の反米救国抗戦に総決起している英雄的な南北ベトナムの全人民に、最も熱烈な戦闘的あいさつを送るものであります。 朝鮮民主主義人民共和国政府と朝鮮人民は、アメリカ帝国主義のベトナム侵略を我々に対する侵略とみており、兄弟のベトナム人民を支援するためにあらゆる力をつくしています。共和国政府と朝鮮人民は、ベトナム民主共和国政府が要請するならば、いつでもベトナム人民とともに戦う万端の準備をととのえていることを、いま一度おごそかに宣言するものであります。我々は、ベトナム問題解決のためのベトナム民主共和国政府の立場と南ベトナム解放民族戦線の政綱を全面的に支持します。 キューバ革命を守り、キューバ人民の革命闘争を積極的に支持声援することは、社会主義諸国と全世界の革命的人民の神聖な国際主義的義務であります。キューバ革命の勝利とキューバ共和国の存在は、アメリカ帝国主義者に甚大な打撃を与えており、ラテンアメリカ諸国人民と世界の被抑圧人民の解放闘争に大きな革命的影響を及ぼしています。こんにちキューバ共和国は、ラテンアメリカ人民の希望と革命的な未来を代表しています。 まさにこのために、アメリカ帝国主義者はキューバ共和国を圧殺しようと悪らつに狂奔しており、ラテンアメリカの反動一味を糾合して、たえずキューバに対する侵略陰謀を企んでいます。 しかし、アメリカ帝国主義のいかなる策動も、革命の旗を高くかかげ、反帝闘争の先頭隊列に立ってゆるぎなく前進している英雄的キューバ人民の前途をさえぎることはできません。 朝鮮人民は、西半球においてアメリカ帝国主義者と直接対峙している困難な状況のもとで、革命の獲得物を守り、社会主義を建設する英雄的キューバ人民のたたかいをかたく支持するとともに、キューバ共和国に対するアメリカ帝国主義者の侵略とあらゆる破壊策動を強く糾弾します。朝鮮人民は、兄弟のキューバ人民との戦闘的団結を強めるため、今後ともひきつづき全力をつくすでありましょう。 朝鮮民主主義人民共和国政府と朝鮮人民は、自由と民族独立をめざしてたたかうアジア、アフリカ、ラテンアメリカのすべての国の人民との連帯を強めるために努力し、その解放闘争を積極的に支持するでありましょう。特に朝鮮人民は、アジアのすべての地域からアメリカ帝国主義侵略勢力を追いだすために、全アジア人民とかたく団結してたたかうでありましょう。日本の民主勢力をはじめ、アジアのすべての反帝勢力とかたく団結し、アメリカ帝国主義のアジア侵略の「突撃隊」である日本軍国主義の復活と、その侵略策動に反対して力強くたたかうでありましょう。 朝鮮人民は、資本の搾取と抑圧に反対し、生活の権利と民主主義と社会主義をめざしてたたかっている資本主義諸国の労働者階級と勤労者にかたい連帯を示し、その革命闘争に熱烈な支持声援を送ります。我々は、平和と民族独立、民主主義と社会進歩をめざしてたたかうすべての国の人民の側にしっかりと立ち、かれらとの団結を強めるためにたえず努力するでありましょう。 こんにち、帝国主義者のあがきにもかかわらず、全般的な国際情勢は依然として平和と社会主義勢力に有利に進展しています。アジア、アフリカ、ラテンアメリカで、世界のいたるところで、帝国主義に反対する人民の闘争隊列はますます拡大されています。 帝国主義とすべての反動派は結局滅亡し、正義の革命偉業のために反帝闘争に立ち上がった人民は必ず勝利するでありましょう。 朝鮮民主主義人民共和国政府と朝鮮人民は、これまでと同じく今後も、マルクス・レーニン主義とプロレタリア国際主義の旗、反帝反米闘争の革命の旗を高くかかげ、社会主義諸国の人民と団結し、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの革命的人民と団結し、世界のすべての進歩的人民と団結して、平和と民主主義、民族独立と社会主義の共同偉業の勝利のために断固たたかいつづけるでありましょう。 代議員のみなさん! 共和国政府の政綱は、マルクス・レーニン主義を朝鮮の現実に創造的に適用した我が党のチュチェ思想と自主、自立、自衛の革命的路線を具現しています。 この政綱の実現は、我が国を、政治における自主、経済における自立、国防における自衛の、より富強で発展した社会主義国に変え、人民のよりいっそう幸福な生活を保障するでありましょう。それは、アメリカ帝国主義者とその手先一味に反対する南朝鮮人民のたたかいを力強く励まし、祖国統一のための強固な裏付けとなるでありましょう。 共和国政府は、この政綱を忠実に実行することによって、我が国の革命と建設をさらに前進させ、全人民と代議員のみなさんの期待に、こたえるでありましょう。 全人民は党と政府の政策を高くかかげ、ひきつづき高度の革命的熱意と愛国的献身性を発揮し、あらゆる困難をのりこえていっそう早く前進しなければなりません。困難に屈せず、勝利におごらず、新たな勝利をめざしてたえず前進し、たえず革新を起こすのは、英雄的な朝鮮人民の革命的気概であります。我が国のすべての勤労者が、党と政府の政策を貫くためにチョンリマの勢いでひきつづき力強く前進するとき、我々の革命闘争と建設事業には新たな偉大な高揚が起こるでありましょう。 いかなる力も、朝鮮労働党の洗練されたマルクス・レーニン主義的指導を受け、権力を自己の手にしっかりと握っている朝鮮人民の前進運動を阻むことはできません。我々の革命偉業は正当であり、勝利は正義のためにたたかう朝鮮人民の側にあります。 ともに朝鮮労働党と共和国政府のまわりにかたく団結し、朝鮮革命の最終的勝利のために、社会主義・共産主義の輝かしい未来に向かって勇敢に前進しましょう。 |
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出典:「金日成著作集」21巻 | |||||
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