いまから2年前、3大陸人民連帯機構がキューバの首都ハバナに生まれた。これは、非常に重要な意義をもつ出来事であった。この機構がかかげている目的と理念は、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの数億人民の共感を呼び起こし、こんにち、世界で起きている偉大な変革の過程に深刻な影響を与えている。
数世紀のあいだ、西側資本主義と帝国主義によって抑圧され略奪されてきたアジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国人民が勇敢に立ち上がり、歴史の舞台に登場した。民族解放の激しい潮流がとどめることのできない力となって押し寄せている。3大陸の数億人民が自己の解放のためにたたかっており、すでにかちとった革命の成果を守りぬくためにたたかっている。帝国主義の植民地体制は、急激に崩壊しつつある。
帝国主義は、かつての地位を維持し、すでに失った陣地を取り戻そうと必死にあがいている。帝国主義が死滅に近づくにつれて、たたかいはますます激しくなっている。それゆえ、各国人民は反帝の旗を高くかかげ、地球上から帝国主義を完全に掃滅するときまで、たたかいを続けなければならないのである。
帝国主義のくびきからぬけだし、新しく独立した国々には、民族の独立を守り、革命を前進させ、いまなお帝国主義の従属下にある人民の解放闘争を支援すべき、極めて困難で重大な課題が提起されている。独立をかちとった人民は、外国帝国主義と国内反動勢力の破壊活動を粉砕し、その経済的基盤を一掃し、革命勢力を強化し、進歩的な社会制度を樹立し、自立的民族経済と民族文化を建設するためにたたかうべきである。ただこうしてのみ、革命の獲得物を守り、国と民族の繁栄を遂げることができ、帝国主義を葬りさる全世界人民の共同闘争に貢献できるであろう。
アジア、アフリカ、ラテンアメリカは、地球の陸地面積の71%をしめている。そこには、世界人口の3分の2以上が住んでおり、無尽蔵の資源がある。帝国主義は、これらの人民の膏血を搾り取り、その資源を略奪して成長し、肥えふとってきた。こんにちにおいても、帝国主義はこの地域から毎年数100億ドルの利潤を搾り取っている。アジア、アフリカ、ラテンアメリカで新旧植民地主義が完全に一掃されるならば、帝国主義的西ヨーロッパも、帝国主義的北アメリカも存在しえなくなるであろう。
アジア・アフリカ・ラテンアメリカ諸国人民の反帝反植民地主義闘争は、抑圧されさげすまれてきた数億人民の神聖な解放闘争であると同時に、世界帝国主義のこの生命線を断ちきる偉大な闘争である。この闘争は、社会主義をめざす国際労働者階級の革命闘争とともに、我々の時代の2大革命勢力をなしており、これらは帝国主義を葬りさる一つの流れに合流している。
帝国主義者が、植民地の人民に独立を贈りものにすることなどありえない。西側世界が3大陸人民の独立と進歩を助けることができるとか、自由で独立したアジア、アフリカ、ラテンアメリカと共存することができるなどという、帝国主義者の宣言が偽りであると証明する必要があるだろうか。帝国主義の本性は変わりえず、また、決して変わらないであろう。帝国主義は、死滅するときまで人民を搾取し抑圧し略奪するであろう。
被抑圧人民は、ただ闘争によってのみ、みずからを解放することができる。これは、歴史によって証明された、単純かつ明白な真理である。帝国主義者の欺瞞宣伝を暴露し、かれらが植民地や従属国におけるその地位をみずから譲りわたすだろうという幻想を徹底的に粉砕する必要がある。抑圧のあるところには、抵抗があるものである。被抑圧人民がみずからを解放するためにたたかうのは避けられないことである。帝国主義が暴力によって弱小民族を略奪し抑圧する以上、被抑圧民族が手に武器をとり侵略者に抗してたたかうのは、奪うことのできないかれらの権利である。
独立もよいし革命もよいが、平和の方が大切だとして、帝国主義とのたたかいを避けようとするのは誤った考えである。帝国主義との無原則な妥協を追求する路線が、かれらの侵略的策動を助長し、戦争の危険を増大させるだけだということは、果たして事実でないだろうか。奴隷的屈従のもたらす平和は平和ではない。平和の破壊者とたたかい、奴隷の平和に反対して抑圧者の支配をくつがえさなければ、真の平和は達成できない。我々は、帝国主義と妥協する路線に反対するとともに、帝国主義に反対すると豪語するだけで実際の行動では帝国主義とたたかうことを恐れているのもまた許すことができない。これは、裏返しの妥協路線である。これらはいずれも、真の反帝闘争とは緑もゆかりもなく、帝国主義の侵略と戦争の政策に手をかすだけである。
帝国主義とたたかうためには、なによりもまず、世界帝国主義のかしらであるアメリカ帝国主義に攻撃を集中することが重要である。アメリカ帝国主義は、全世界に侵略の魔手をのばすことによって全世界人民の共通の敵となっている。地球上には、アメリカ帝国主義によって自主権をおかされていない国や、アメリカ帝国主義の侵略の脅威にさらされていない国はない。アメリカ帝国主義者は、アジア・アフリカ・ラテンアメリカ諸国人民の解放闘争を過酷に弾圧しており、新しく独立した国々を再び従属させるために、たえず侵略行為と破壊活動をおこなっている。アメリカ帝国主義者は、強盗の本性をむきだしにして社会主義国にたいする侵略戦争を強行しており、武力をもって他国の内政に干渉している。第2次世界大戦が終わってからこの20余年のあいだ、アメリカ帝国主義が起こした侵略と戦争の火が燃え上がらなかった日は一日もない。アメリカ帝国主義こそは、歴史上、最も凶悪で恥しらずな略奪者である。ほかならぬアメリカ帝国主義者自身が、平和と独立、進歩を求める地球上のすべての人民をアメリカ帝国主義に反対する一つの共同戦線に結合させている。
アジア・アフリカ・ラテンアメリカ諸国人民は共通の利害関係をもっており、その反帝反米闘争は互いに支持しあう関係にある。アフリカとラテンアメリカが自由でなければ、アジアが自由であるはずはなく、アジアからアメリカ帝国主義者を一掃すれば、アフリカとラテンアメリカ人民の解放闘争にとって有利である。アメリカ帝国主義に反対する一つの戦線での勝利は、それだけアメリカ帝国主義の力を弱めることになり、他の戦線での勝利を促進するであろう。世界のどの地域でアメリカ帝国主義侵略勢力を掃滅するにしても、それは世界のすべての人民にとって非常によいことである。したがって、最も広範な反米統一戦線を結成して、アメリカ帝国主義を徹底的に孤立させ、かれらが侵略の手をのばしているすべての地域で連合してアメリカ帝国主義に打撃を与えることが必要である。ただ、このようにしてのみ、アメリカ帝国主義の力を最大限に分散させ、弱化させることができ、それぞれの戦線で人民は決定的に優勢な力をもってアメリカ帝国主義を打ち倒すことができるのである。
アメリカ帝国主義者は、20年以上も我が国の南半部を占領している。アメリカ帝国主義は、南朝鮮で植民地支配を実施しており、南朝鮮を全朝鮮とアジアを侵略するための軍事基地に変えた。アメリカ帝国主義者は、朝鮮民主主義人民共和国に反対する侵略戦争で恥ずべき敗北をこうむったにもかかわらず、全朝鮮を征服しようとする侵略の企図を依然として捨てておらず、朝鮮で新たな戦争を挑発しようとたえず策動している。朝鮮人民の当面する最大の任務は、南朝鮮でアメリカ帝国主義の植民地制度を一掃して民族解放革命を完遂し、国の統一を実現することである。朝鮮人民が民族解放の偉業を完成するためには3つの面で力量を準備しなければならない。すなわち、北朝鮮の社会主義勢力を強化し、南朝鮮の革命勢力を成長させ、たくわえなければならず、国際革命運動を発展させてそれとの連帯を強めなければならない。北朝鮮は、朝鮮革命の基地である。北朝鮮における社会主義建設の成果は、南朝鮮人民の反米救国闘争を励ましており、南朝鮮での革命勢力の準備に寄与している。我々は、南北朝鮮で革命勢力を強化発展させると同時に、国際革命勢力との連帯を強めるためにたたかっている。朝鮮人民は、アメリカ帝国主義に反対するすべての国の人民のたたかいを支持しており、それを自分自身の解放にたいする支援とみなしている。我々は、世界のすべての反帝勢力が団結して共同でアメリカ帝国主義とたたかうことを主張しており、そのために終始一貫して努力している。
アメリカ帝国主義者はなによりも、世界の革命的人民の連合した力を恐れている。それゆえ、かれらは術策のかぎりをつくして反米統一戦線の結成を妨げ、弱小国を一つ一つ征服する戦略をもちいている。アメリカ帝国主義のこのような戦略を徹底的に破綻させなければならない。アジア、アフリカ、ラテンアメリカの国々は社会体制を異にしており、またこれらの国々には政見を異にする多くの党派がある。しかし、帝国主義の手先を除いては、これらすべての国々と党派は、アメリカをかしらとする帝国主義侵略勢力に反対するうえで一致した利害関係をもっている。社会体制の相違や政治的理念の違いは、力を合わせてアメリカ帝国主義とたたかい、共同の歩調をとるうえで決して障害とはなりえない。自己の特殊な国家的利益や党派の利益を前面にかかげて反米統一戦線を分裂させたり、共同行動を拒んだりすることが許されてはならない。このような行動は、アメリカをかしらとする帝国主義にだけ有利で、革命的人民にとっては有害であるだけである。
帝国主義に反対する共同闘争で、すでに勝利した革命を守ることは極めて重要である。
キューバ革命の獲得物を守るためにたたかうのは、すべての革命的人民の国際主義的義務である。革命的キューバは、ラテンアメリカの未来を代表しており、その存在そのものによってこの大陸人民の解放運動を励ましている。キューバ革命の勝利は、我々の時代に帝国主義は必ず滅亡し、民族解放革命と人民革命は必ず勝利するという明白な証拠である。まさに、それゆえに、アメリカ帝国主義者は、この小さな島国をあれほど憎み恐れているのである。アメリカ帝国主義者は、キューバ共和国を窒息させようとしている。ラテンアメリカ人民と全世界の進歩的な人民は、キューバ共和国にたいするアメリカ帝国主義の封じ込め政策を破綻させ、軍事的侵攻の企みを挫折させるために、可能なすべてをつくさなければならない。
こんにち、アメリカ遠征軍に反対するベトナム人民の救国抗戦は反帝闘争の焦点となっている。アメリカ帝国主義侵略勢力と世界の反帝平和愛好勢力がベトナムで対決している。ベトナム人民の英雄的な抗戦によって、アメリカ軍は敗北をかさねており、ぬきさしならぬ泥沼に追い込まれている。アメリカ帝国主義者のもくろみとは逆に、ベトナム戦争は侵略者の墓場となっている。ベトナム人民の救国抗戦は、犠牲を恐れず、自国の独立と自由を守る決意をもち、全世界人民の支持を受けている人民にうちかつことはできない、ということをいま一度はっきり示している。
いま、アメリカ帝国主義者は、南ベトナムでその軍事力をたえず増強し、追随国の軍隊をいっそう多く引き入れ、ベトナム民主共和国にたいして大々的な爆撃と砲撃を強行し、戦争を段階的に拡大している。
ベトナム人民はその英雄的なたたかいによって、現代の最も野蛮で最も凶悪な帝国主義の侵略に抗してたたかう重い負担を担っている。ベトナム人民は、自国の独立と自由を守るだけでなく、世界の平和と安全を守ってたたかっている。ベトナムにたいするアメリカ帝国主義の侵略を阻止、破綻させるとき、アメリカ帝国主義は西山落日の運命に陥り、平和と独立、進歩をめざしてたたかうすべての国の人民にはますます有利な情勢がもたらされるであろう。全世界の平和愛好人民は、ベトナム人民にあらゆる形態の援助を与える義務があり、ベトナム人民はそれを受ける権利がある。社会主義諸国と新興独立諸国、アジア、アフリカ、ラテンアメリカと世界のすべての国々の人民は、反米統一戦線を拡大してベトナム人民の救国抗戦を支援し、一致した歩調でアメリカ帝国主義の侵略を阻止するために最大限の努力を払わなければならない。なんぴとも、ベトナム人民にかれもの内部問題にたいする解決策をおしつける権利はない。アメリカ侵略軍は、ベトナムから撤退すべきであり、ベトナム問題はベトナム人民自身によって解決されなければならない。
我々は、アメリカ帝国主義の力を過小評価してもならないが、過大評価してもならない。アメリカ帝国主義は、なお多くの罪悪を犯すことであろう。しかし、アメリカ帝国主義は下り坂を歩んでいる。アメリカ帝国主義が最も横暴にふるまっているこんにち、その脆弱さは、いつにもましてはっきりとあらわれている。朝鮮人民は、アメリカ帝国主義がいかなるものであるかを知っている。朝鮮人民は、アメリカ帝国主義とたたかった経験があり、その侵略から祖国を守りぬいた。朝鮮戦争は、アメリカ帝国主義が決して無敵ではなく、かれらに抗してたたかえば、ゆうに勝利しうるということを示した。キューバ革命の勝利は、我々とは異なる条件のもとでこの真理を再び証明した。ベトナム人民の救国抗戦もやはりこの真理をはっきり証明している。
アメリカ帝国主義の完全な滅亡は不可避である。アジア・アフリカ・ラテンアメリカ諸国人民は、団結して、アメリカをかしらとする帝国主義とたたかうことによって、独立、繁栄の新しいアジア、アフリカ、ラテンアメリカを建設し、世界平和と人類の解放に偉大な貢献をなすであろう。
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