金日成「現情勢と我が党の任務」
 
2 社会主義建設を促進し、我々の革命基地を強化するために


 同志のみなさん!

 現段階において、朝鮮労働党と朝鮮人民に提起されている最大の民族的課題は、祖国の統一と革命の全国的勝利をかちとることであります。そのためにはまず、人民がすでに権力を握り、新しい生活を創造している北半部で革命と建設を力強くおし進め、北半部を我が国革命の強力な基地につくりあげなければなりません。共和国北半部における社会主義建設と革命勢力の成長は、祖国の統一と全朝鮮革命の勝利をかちとる決定的な保障となります。我々は、党と人民のあらゆる力を奮い起こして北半部の社会主義建設をさらに促進し、我々の革命基地を政治的、経済的、軍事的にさらに強化しなければなりません。

 こんにち、我が国における革命闘争と建設事業において最も重要なのは、当面する情勢の要求に即して社会主義建設の全般的事業を再編成し、特に、敵の侵略策動に備えて国防力をいっそう強化できるよう、経済建設と国防建設を並進させることであります。これは、情勢の変化にともなって我が党がすでに数年前から実行してきた基本的な戦略的方針であります。我々は今後とも党のこの方針を堅持し、それにもとづいてすべての活動を展開しなければなりません。

 経済建設と国防建設をどのように結合させるかは、社会主義・共産主義建設の運命を左右する基本的な問題の一つであります。我々共産主義者は、ここにあらわれるいっさいの偏向に反対し、この問題を正しく解決しなければなりません。

 戦争が起こればすべてが破壊されるからと国防建設だけにかたより、経済建設をおろそかにするのも誤りであり、平和的気分にとらわれて経済建設だけにかたより、国防力を十分に強化しないのも誤りであります。

 もちろん、帝国主義が存在する限り戦争の危険はなくならず、戦争が起これば多くのものが破壊されるでしょう。だからといって、戦争とそれにともなう破壊を恐れ、必要な経済建設をおこなわないならば、国の威力を強化することも、人民生活を向上させることもできず、どだい帝国主義が滅亡する前には、社会主義も共産主義も建設できないことになります。帝国主義者がつくりだす戦争の危険とかれらの引き起こす侵略戦争は、我々の経済建設を遅らせ、あるいは一時中断させることはできても、決して社会主義・共産主義への我々の前進を阻むことはできません。

 一方、人民は、帝国主義者の侵略と戦争政策に反対する強力なたたかいをくりひろげて戦争を防止し、平和を維持し強固にすることもできます。だからといって、戦争が起こらないものとばかり考えて国防力をそれ相応に強化しないならば、かえって戦争の危険を増大させ、社会主義・共産主義の建設はおろか、帝国主義の侵略から革命の獲得物を守り、祖国と人民を守ることもできなくなるでしょう。戦争防止の可能性はあくまでも可能性であって、帝国主義が残っている限り平和の絶対的な保証などとうていありえず、戦争はいつでも起こりうるのです。

 我々は、戦争の危険と戦争による破壊が我々の社会主義建設に及ぼす影響を、過大評価しても、過小評価してもなりません。戦争勃発の危険が増大するとしても、我々は国防力をいっそう強化する一方、ひきつづき経済建設を力強くおし進めて国を富強にし、人民生活を向上させ、社会主義・共産主義への前進を促進しなければなりません。我々の経験が示しているように、たとえ戦争が起こり、甚だしい破壊をこうむるとしても、党があり、政権があり、人民があり、領土がある以上は、再び新しい生活をきずくことができます。我々はまた、いますぐ戦争が起こらないとしても、経済建設を積極的におし進める一方、ひきつづき国防力を強化して帝国主義の侵略から革命の獲得物を守り、祖国と人民を守れるよう、常に備えていなければなりません。我々が防衛力を鉄壁のようにかため、準備された態勢にあれば、敵はあえて挑みかかれず、たとえ侵略者がむこうみずの冒険をおかすとしても、直ちにこれにせん減的な打撃を加えて撃滅することができます。

 我が党は、一貫してこのような原則を堅持しつつ、各時期の情勢の推移を判断し、それに対応して経済建設と国防建設を適切に組み合わせてきました。

 この数年来、我が党は、帝国主義者の激化する侵略策動に対処して、国防力をいちだんと強化することに特別の関心を払わざるをえませんでした。みなさんもよく知っているように、1962年に、アメリカ帝国主義者は、キューバ共和国に反対してカリブ海の危機をつくりだして社会主義陣営全体に挑戦し、国際情勢を非常に緊張させました。その後、アメリカ帝国主義者はアジアへの侵略策動をさらに露骨に進めました。かれらは、ベトナム民主共和国に反対してトンキン湾事件を引き起こし、南ベトナムで侵略戦争を大々的に拡大し、東南アジアと極東およびその他の地域で緊張をさらに激化させました。

 我が党はこのような情勢に対処して、すでに1962年に開かれた党中央委員会第4期第5回総会で経済建設と国防建設を並進させる方針をうちだし、経済建設を組みかえるとともに、国防力をいちだんと強化する一連の重要な対策を立てました。その後の事態の進展は、我が党のとった対策が全面的に正しかったことを証明しています。我々は、党の決定を実行するたたかいをつうじて国防力をいちだんと強化し、帝国主義者の策動が強まる状況のもとでも、祖国の安全をしっかりと守ることができるようになりました。

 現在、アメリカ帝国主義者の侵略行為はいっそう強化されており、かれらの戦争拡大の陰謀はますます露骨になっています。南朝鮮の朴正煕一味は、アメリカ帝国主義の指図に従って新たな戦争準備を積極的に進めているだけでなく、すでにベトナムでアメリカ帝国主義の侵略戦争に直接加担しています。情勢は、さらに緊張し、我が国とアジア全域で戦争の危険は増大しています。

 このような情勢にあって、我々はひきつづき社会主義経済建設を推進させながら、これと並行して国防建設をいっそう強力におし進めなければなりません。我々の防衛力を鉄壁のようにかため、敵のどのような不意の侵攻にも対処できるよう万全の準備をととのえなければなりません。もちろん、そのためには、多くの人的・物的資源を国防にふり向けなければならず、これは我が国の経済発虚をある程度遅延させずにはおかないでしょう。しかし我々は、人民経済の発展テンポを多少調節してでも、祖国防衛の完璧を期するために当然、国防力の強化により多くの力をそそがなければなりません。こうすることが、こんにちの我が国の革命と建設の根本的な利益に合致します。それゆえ我々は、党の示した方針に従って、経済建設と国防建設をともに堅持して進むべきであり、そのいずれをもおろそかにしてはなりません。

 社会主義経済建設は、こんにち我々の当面している重要な革命課題であります。共産主義者は、人民の自由と解放のためにたたかい、人民の幸せな新しい生活のためにたたかうのであります。我々はすでに国の北半部で、民主主義革命と社会主義革命を遂行して人民を搾取と抑圧から解放し、かれらに政治的自由と権利を保障しました。我々は、先進的な社会主義制度を確立して、生産力の発展と人民生活の改善のための広びろとした道を開きました。これからは、勝利した社会主義制度を強固にし、その優位性を全面的に発揮させて、人民の物質的福祉をさらに増進させることが重要であり、そのためには、経済建設を立派におこなわなければなりません。経済建設を立派におこなってこそ、社会主義社会にふさわしい生産力の高い発展水準に到達し、国を富強にして人民生活を決定的に向上させることができます。また、経済建設を強力におし進め自立的経済の土台をかためてこそ、国の政治的独立と自主性を確固と守り、国防力を強化することもできます。

 共和国北半部の社会主義経済建設は、我々の革命基地の物質的な力量を強化する基本的な保障となります。これは、北半部人民の幸福な生活のためだけでなく、祖国の統一と将来の繁栄のために大きな意義をもっています。北半部の経済力をたえず強化することによって、我々は、南朝鮮人民に社会主義制度の優位性をはっきり示し、かれらの革命闘争をいっそう力強く支援することができます。さらに、北半部における社会主義的自立経済の建設は、国が統一された後、南朝鮮の経済を急速に復興発展させる強力な基盤となります。

 我々が自国の経済建設を立派におこなうのは、民族的義務であると同時に、国際主義的義務でもあります。自国の経済力を強めてこそ、我々は社会主義陣営の東方の砦をかため、社会主義陣営全般の威力の強化に貢献することができます。我が国社会主義制度の生命力も、我が党のマルクス・レーニン主義的路線と政策の正しさも、結局は社会主義経済建設の実際の成果にあらわれます。それゆえ、経済建設のための我々のたたかいは、社会主義陣営の威力を強め、国際革命運動の発展を促すたたかいであり、社会主義制度にたいする帝国主義者と反動派の誹謗を粉砕し、この制度の真の優位性を示すたたかいであり、共産主義運動における修正主義と教条主義を克服し、マルクス・レーニン主義の純潔を守るためのたたかいであります。

 我が党は解放直後から、国の経済的土台を強め、人民の物質・文化生活を改善するために全力をつくしてきました。朝鮮戦争後我々は、自力更生の原則にもとづいて民族経済の自立的土台を強固にきずきあげ、人民の衣食住の問題を基本的に解決しました。党の指導のもとに、我が国の勤労者は7か年計画を遂行する力強い生産闘争をくりひろげ、この5年間に社会主義経済建設で新たな成果をおさめました。我が国の重工業基地は補強され、軽工業がいっそう発展し、農業の物質的・技術的土台は著しく強化されました。我が国の都市と農村はいっそう立派に建設され、人民の物質的福祉と文化的水準も全般的に向上しました。我々は、我が国の経済の成果を強化発展させ、第4回党大会が示した社会主義建設の雄大な綱領を実現するために、経済建設をひきつづき力強くおし進めなければなりません。

 こんにち、我が国の社会主義経済建設で重要なことは、すでにきずきあげた経済的土台を効果的に利用し、すべての分野で生産品と建設の質を決定的に高めることであります。党の指導のもとに、朝鮮人民はみずからの英雄的な闘争と創造的な労働によって朝鮮戦争後の10余年間に膨大な建設事業を遂行し、人民経済の各部門にわたって強力な生産の土台をきずきあげました。我々が建設した重工業基地と軽工業基地および社会主義的農業は、大きな生産的潜在力をもっています。この経済的土台をいっそう整備、補強して効果的に利用するならば、現在に比べ生産を著しく増大させることができます。また、我々は現在、以前とは比較できないほど多くの工業製品と農産物を生産しており、人口一人当たり生産高ですでにかなり高い水準に達しています。我々が品目をふやし、製品の品質を決定的に高めるならば、現在の生産高をもっても、人民経済と住民の需要をいっそう円滑に満たすことができます。すでに、きずきあげた経済的基盤を最大限に利用し、生産と建設でその質を高めること、これが、こんにちの我が国の経済発展の基本方向であり、まさにここに、生産の増大と人民生活向上の大きな潜在力があります。我々はこのような基本方向に従って、人民経済に内在する潜在力と可能性を余すところなく引き出すことに主力をそそぐべきであります。これと同時に、我が国の経済的土台をいっそう拡大するための新しい基本建設をひきつづき進めなければなりません。

 工業部門の中心的課題は、採掘工業と動力工業を優先させて工業の骨幹に肉づけをし、技術管理を効果的におこない、技術革新を強化することによって生産を正常化し、生産能力を最大限に高めることであります。農業では、技術革命を力づよくおし進め、労働行政を改善し、農村への支援をひきつづき強化し、協同農場の管理運営水準を高めて、穀物生産を大幅に増大させるとともに、工芸作物や野菜の生産、畜産業、果樹栽培業など、すべての部門をさらに発展させなければなりません。鉄道をはじめ、各種の運輸事業を速やかに発展させて、人民経済の増大する輸送需要を円滑にみたし、人民経済各部門の基本建設を集中的、重点的に進めて投資の効果を高めるべきであります。すべての分野でテアン(大安)の事業体系を貫き、経済管理を手際よくおこなうための全党的、全人民的なたたかいをくりひろげなければなりません。こうして、我が社会主義祖国をいっそう富強にし、人民の物質・文化生活を画期的に向上させ、今後さらに大規模な経済建設を進める準備をととのえなければなりません。

 社会主義経済建設で重要な問題はまた、国の経済的自立性を強化することであります。自力更生の原則にもとづいて自立的民族経済を建設するのは、我が党の一貫した路線であります。我々は、この路線を貫くうえですでに輝かしい成果を達成しました。特に、帝国主義者の侵略策動が露骨になり、社会主義陣営内部に複雑な問題が提起されているこんにちの情勢は、我々に国の自立的経済の土台をいっそう強化することを求めています。

 いうまでもなく、我々は今後も、完全な平等と互恵の原則、プロレタリア国際主義の原則にもとづいて、兄弟諸国との経済的・技術的協力を拡大し発展させるために努力するでありましょう。我々は、アジア、アフリカの新興独立諸国、それに我が国の自主権を尊重し、我々と経済的に有無相通ずることを希望するすべての国との経済的連係と協力を発展させていくでありましょう。しかし、このような協力は、あくまでも自立的民族経済を建設する基礎のうえで実施されなければなりません。そうしてこそ、我が国の経済力をいっそう強化し、他国との協力も効果的に進めることができます。

 我々は、民族経済の自立的土台をいっそう強化する党の方針を貫徹しなくてはなりません。生産部門と企業所を補強、完備し、人民経済の部門構造をさらに改善し、ひきつづき大規模企業と中小規模企業を並行して発展させ、国の生産力を合理的に配置し、特に地方経済の発展を促進すべきです。すべての分野で技術水準を高め、節約運動を強化し、自力更生の革命精神をさらに発揮して、前進途上に立ちはだかるさまざまな困難を勇敢に克服し、経済、技術上の諸問題を成功裏に解決していかなければなりません。こうして、どのような環境にあっても、国家と人民の物質的需要を円滑にみたせるよう、人民経済をいっそう強固で生命力の強い自立経済につくりあげなくてはなりません。

 我々は経済建設を最大限に促進すると同時に、国の防衛力を全力をあげて強化しなければなりません。

 国防力を強化するためには、なによりもまず人民軍と全人民を政治的、思想的にしっかり準備させなければなりません。

 我が人民軍は、革命の軍隊であり、したがってその威力を強めるうえで基本となるのは、軍人を政治的、思想的に武装させることであります。人民の自由と解放のためにたたかう崇高な使命と革命精神、将兵間の同志的な友愛と自覚にもとづく軍規、人民との密接な結びつきなどは、いかなる帝国主義の侵略軍ももつことのできないマルクス・レーニン主義的革命軍隊の特質であり、優位性であります。革命軍隊は、まさにこのような政治的、思想的優位性をもっているからこそ、技術的にも数量のうえでもはるかに優勢な侵略軍を十分撃破しうるのです。我が国の抗日武装闘争と祖国解放戦争の経験がこれを証明しており、世界の数多くの革命戦争の経験がこれを証明しています。

 抗日武装闘争の直接の継承者であり、労働党の指導する革命の武力である人民軍は、党と革命のために奉仕し、社会主義祖国と人民を守ることを基本的使命としています。人民軍は、労働者、農民をはじめ、勤労人民のすぐれた息子や娘によって組織された軍隊であり、上下が一致団結し、人民と血の通った結びつきを保っています。

 軍隊内の党組織と社会主義労働青年同盟組織は、軍人のあいだで政治・思想活動を日常不断に力強くくりひろげて、人民軍の気高い使命を十分に認識させ、かれらをマルクス・レーニン主義と我が党の政策、社会主義的愛国主義と不屈の革命精神で武装させなければなりません。軍隊内で上下一致、軍民一致の伝統的な気風をますます発揚し、鉄のような軍規を確立しなければなりません。軍人が、自国人民を限りなく愛し、敵にたいする憎しみに燃え、戦闘において集団的英雄主義と勇敢さを発揮するよう教育すべきであります。こうして、すべての軍人を党と革命と人民に忠実な革命戦士に育成し、我が人民軍を一当百の軍隊につくりあげなければなりません。

 これとともに、各級の党組織は、人民軍への援護活動に深い関心を払うべきであります。人民軍は、我が党の軍隊であり、祖国と人民の信頼すべき守り手であります。党組織は、党員と勤労者に人民軍についての宣伝教育活動を強め、人民軍をすべての面で積極的に支援すべきであります。すべての幹部と党員、人民が、人民軍の兵士、初級指揮官、将校を肉親のように愛し、誠心誠意援護しなければなりません。こうして、人民軍将兵が、全党、全人民の大きな愛情と支持、援護のもとに、なんの心配もなく軍務遂行に全力をつくせるようにしなければなりません。いったん戦争が起こったときには、軍人と人民が真の革命の同志として一丸となり、ひたすら祖国を守るため生死、苦楽をともにしてたたかうようにしなければなりません。

 我々はまた、軍人と人民が、平和的気分にとらわれないようにし、敵の侵略策動とありうる戦争挑発に備えて常に警戒心を高め、緊張した態勢を堅持するようにすべきであります。共産主義者は、戦争を望みはしないが、決して戦争を恐れません。戦争を恐れるのは、ブルジョア平和主義のあらわれであり、修正主義的思想潮流であります。我々は、このような思想的毒素が我々の内部にも発生しないよう、また外部からも浸透できないよう厳しく警戒すべきであります。敵が、いつなんどき攻めてきても、少しもあわてることなく、これを勇敢に迎え撃ってたたかえるよう全軍と全人民を準備させなければなりません。

 我が国の防衛力を強化するためには、軍隊と人民を政治的、思想的に武装させ、それにもとづいて我が党の軍事路線を貫かなければなりません。我が党は、軍隊の幹部化、軍隊の現代化、全人民の武装化、全国土の要塞化を軍事路線の基本的な内容と規定し、これを実現するためにたゆみなく努力し、この面ですでに大きな成果をおさめました。我々は、今後も党の軍事路線をひきつづき堅持し、それを貫徹しなければなりません。

 人民軍を幹部化、現代化するのは、我が軍隊を不敗の武力として強化する重要な保障であります。我々は、人民軍の隊列を政治的、思想的に、軍事技術的に鍛え、一朝有事のさいには、兵士から将官にいたるすべての軍人が一等級以上の高い職務を受けもって遂行できるようにしなければなりません。こうすることは、人民軍自身の戦闘力をいちだんと高めるだけでなく、多くの軍事幹部を育成し、必要なときには我々の武力を急速に拡大することができるようにします。

 革命軍隊の政治的・思想的優位性が現代軍事技術と結合されるときには、実に偉大な力を発揮するものです。こんにち、世界の軍事科学と軍事技術は飛躍的に発展しており、現代戦には最新の兵器と軍事機材が動員されます。敵は、さらに新しい兵器で装備しています。我々は現代戦の要求に即して、爪先まで武装した敵の侵略に備え、人民軍を現代兵器と戦闘技術機材でしっかりと武装させなければなりません。あらゆる手段をつくして兵器を現代化し、最新科学・技術の成果にもとづいていっそう威力あるものにしなければなりません。軍人の戦闘訓練を精力的におこない、すべての軍人が、最新兵器に精通し、現代軍事科学と軍事技術を十分身につけるようにしなければなりません。

 人民軍を現代化し、軍事科学と軍事技術を発展させるにあたっては、必ず、山が多く海岸線の長い我が国の実情を十分考慮に入れなければなりません。先の祖国解放戦争の経験がはっきり示しているように、軍事分野で教条主義に陥るならば、国防に重大な損失をまねきかねません。それゆえ我々は、人民軍の現代化のために積極的に努力しながらも、あくまで我が国の実情にかなった軍事科学と軍事技術を発展させ、導入すべきであり、現代兵器とともに在来兵器を正しく組み合わせなければなりません。

 全人民の武装化と全国土の要塞化は、敵のいかなる侵攻をも撃破しうる、軍事戦略上最も強力な防衛体制であります。これは、国防において我が党の大衆路線を貫徹し、自衛の原則を徹底して実現するためのものであります。我々は、全人民を武装させ、全国土を要塞化することによって、敵の日常的な破壊活動をそのつど粉砕し、あらゆる形態の武力侵攻を我々自身の力で撃破することができます。このような防衛体制は、我が国の社会主義制度下における人民の政治的・思想的統一と、国の強固な経済的土台にもとづいてのみうち立てることができます。

 我々は人民軍ばかりでなく、労働者、農民をはじめ、全人民を武装させ、前線と後方とをとわず全国のあらゆる地域に盤石のような防衛施設をきずかなければなりません。労農赤衛隊の隊列をしっかりかため、戦闘・政治訓練を強化し、すべての幹部と党員が、軍事知識を習得し、軍事訓練に参加し、戦争の経験を研究すべきであります。工場の労農赤衛隊員や労働者は、自分の工場を守り、農村の労農赤衛隊員と農民は自分の農村を守り、全人民が、片手には武器を、片手には鎌とバンマーをとって社会主義祖国を頼もしく守りながら、ひきつづき社会主義を立派に建設しなければなりません。こうして、敵が我が国のどの地点に侵入しても、これを徹底的に掃滅できるよう、全国土を難攻不落の要塞に変えなければなりません。

 現代戦の勝敗は、戦争遂行に必要な人的・物的資源を長期にわたって十分確保できるかどうかに大きくかかっています。したがって、我々は後方の強化に大きな関心を向けなければなりません。特に、軍事戦略上重要な地帯を強固にきずき、軍需工業を発展させ、必要な物資の予備を蓄えなければなりません。また、一朝有事のさいには、経済全般を速やかに戦時体制に切り替え、戦時にも生産がつづけられるよう平時から準備をととのえていなければなりません。

 このように我が党と人民は、現情勢の要請に即して経済建設と国防建設を並進させることによって、社会主義建設の雄大な綱領を実現するとともに、祖国防衛の任務をも立派に果たすでありましょう。

 同志のみなさん! 革命と建設は、大衆自身の事業であり、それはマルクス・レーニン主義党の指導のもとに広範な大衆が立ち上がるときにのみ、成功裏になし遂げることができます。したがって、我が国の社会主義建設を促進し、革命の基地を強化するうえで最も重要な問題は、革命の参謀部である党を強化し、全人民を教育改造して党のまわりに団結させること、すなわち、革命の隊列を政治的、思想的にしっかりとかためることであります。

 我が党は、革命と建設の実践闘争をつうじて党を組織的、思想的に強化し、大衆をめざめさせて革命の側に獲得し、また、長期の革命闘争で鍛えられた共産主義者を中核にして全党員を革命家として育成し、党員を中核にして全人民を革命精神で武装させるために、たゆみなく努力してきました。

 こうして、我が党は一つの思想、一つの意志でかたく団結し、豊かな経験をつんだ、洗練されたマルクス・レーニン主義党となったし、党の隊列は拡大強化され、我々の革命偉業を頼もしく受け継いでいく数多くの革命家が新たに育成されました。朝鮮人民は、たたかいのなかで鍛えられ、実際の闘争経験をつうじて党を限りなく信頼するようになり、党のまわりにかたく団結しています。

 我が国の北半部ではすでに、搾取階級といっさいの搾取制度が一掃され、新しい社会主義制度が確立されており、こうした基礎にもとづいて労農同盟はさらに強化され、全人民の政治的・思想的統一が実現されました。搾取社会では、搾取階級と被搾取階級、支配階級と被支配階級との階級的対立と闘争が社会関係の基本をなしていますが、社会主義制度が勝利した我々の社会では、労働者階級と協同農民、勤労インテリの団結と協力が社会関係の基本をなしています。我が国の労働者、農民、インテリは、社会経済的地位の共通性、目的と利害関係の共通性から、同志的に結ばれ、互いに緊密に協力し、我が党の指導のもとに、ともに共産主義偉業の勝利をめざしてたたかっています。

 労農同盟にもとづく人民大衆の政治的・思想的統一、党の指導のもとに社会主義・共産主義の建設をめざす人民大衆の共通の志向と熱意は、我々の社会の発展をおし進める基本的な原動力であり、社会主義建設を促進する決定的な要因であります。我々の不敗の力の源泉、我々の社会の強固さの基礎もほかならぬこのような統一にあります。

 もちろんこれは、我々の内部に敵対的な要素がないとか、階級闘争がないということを意味するものではありません。社会主義のもとでも階級闘争はつづきます。

 社会主義下における階級闘争はなによりもまず、外部から潜入する敵対分子とくつがえされた搾取階級の残存分子の破壊活動に反対し、ブルジョア的、封建的な反動思想とその浸透に反対するたたかいとしてあらわれます。敵は、我々の社会主義制度を破壊し、かつての地位を取り戻そうとあらゆる策動をおこなっています。我々の内部にひそんでいる敵対的要素はごくわずかですが、我々はその破壊策動にたいして警戒心を高め、それを徹底的に粉砕しなければなりません。特に、国が分断され、世界反動の元凶であるアメリカ帝国主義者と直接対峙している我々にとって、敵の破壊・謀略活動とその思想的浸透に反対するたたかいはいっそう重要性をおびており、我々は常にこれに深い注意を払わなければなりません。

 また、社会主義のもとでは、勤労者の意識のなかに古い思想の残りかすがあり、これとのたたかいも労働者階級の思想とブルジョア思想とのたたかいという意味で、階級闘争のあらわれの一つであります。もし、我々が古い思想の残りかすとのたたかいを弱めるならば、勤労者のあいだでブルジョア的、小ブルジョア的思想が助長されかねず、それは我々の社会主義建設に大きな支障を与えるばかりでなく、敵の破壊活動に容易に利用されるおそれがあります。我々は、勤労者のあいだで古い思想とのたたかいをいささかも緩めることなく、ひきつづき強力におし進めなければなりません。

 しかし、古い思想の残りかすとのたたかいは、共通の理想を実現するために手をたずさえて前進する勤労者内部の問題であり、それはすべての勤労者を教育改造して共産主義社会まで導いていくための課題であります。したがってこの問題は、敵対分子を鎮圧するのとは違って、あくまでも説得と教育の方法で解決されるべきものであり、人々の思想を改造し、団結をいっそう強めるためのものでなければなりません。

 我々は、古い思想の残りかすの危険性を過小評価してはなりませんが、だからといって、その危険性をあまり誇張してもなりません。こんにち我々の社会には、古い思想が新たに発生する社会経済的・物質的根源は存在せず、我が国の勤労者のあいだで支配的な思想は、マルクス・レーニン主義的革命思想であり、共産主義思想であります。したがって、勤労者のあいだで思想教育活動をたゆみなくおこなえば、古い思想の残りかすは十分克服することができます。

 我々の革命隊列をかためるうえで、人民大衆の統一と団結を強める活動と、敵対分子の陰謀策動に反対する階級闘争とを正しく結びつけることは、極めて重要な問題であります。社会主義のもとでは、労働者階級と農民とインテリの同盟が社会関係の基本をなしていることを忘れて、階級闘争の一面だけを強調し誇張するならば、極左的誤りをおかすことになるでしょう。この場合には、人々を信頼することができず、いわれのない人を敵対分子として扱うようになりかねず、党を大衆から浮き上がらせ、社会に不安な雰囲気をかもしだすおそれがあります。反対に、社会主義のもとでも敵対的要素があり、古い思想の残りかすがくすぶり、階級闘争がつづくことを忘れて人民大衆の政治的・思想的統一だけに目をうばわれて、それを絶対視するならば、右傾的な誤りをおかすことになるでしょう。この場合には、敵対的要素にたいする警戒心がにぶり、古い思想とのたたかいが弱められ、党と労働者階級の指導的役割が麻痺して社会生活にブルジョア的影響が広がるようになります。結局、極左的偏向も右傾的偏向も、敵味方をはっきり見分けることができなくさせ、階級路線と大衆路線を正しく貫くことができないようにし、社会主義・共産主義建設に大きな損失をまねくことになります。我々は、このような左右の偏向に反対し、階級闘争を巧みに進めながら、人民大衆の統一と団結をたえず強化しなければなりません。

 階級関係の見地からすれば、社会主義・共産主義建設の過程とは、権力を手にした労働者階級が、経済と文化、思想と道徳のあらゆる分野にわたって社会をみずからの姿に改造していく過程、すなわち労働者階級化する過程であります。プロレタリアート独裁の歴史的な使命は、搾取階級を一掃し、その反抗を抑えることだけにあるのではなく、すべての勤労者を改造し、労働者階級化することによって、あらゆる階級的差を徐々になくしていくことにあります。搾取階級が一掃され、社会主義制度が確立した我々の社会におけるプロレタリアート独裁の重要な任務は、勤労者を教育改造して全社会を労働者階級化することであります。

 我々は、階級路線と大衆路線を正しく結びつけて、ごく少数の敵対分子を孤立させ鎮圧すると同時に、広範な大衆を教育改造して党のまわりにいっそうかたく団結させなければなりません。我々は、労働者階級の指導的役割をたえず高めるとともに、農民とインテリを革命化し、労働者階級化することによって、我々の社会の政治的・思想的統一をさらに強めなければなりません。

 我が国で社会主義建設が進むにつれて、労働者階級の隊列が急速に成長し、その思想・意識水準と文化・技術水準はいちだんと高まりました。我が国の労働者階級は、社会を改造する歴史的な使命を立派に果たしてきたし、社会主義建設で高度の革命的熱意と創造力を発揮しています。

 労働者階級はその階級的指導を弱めたり、他の階層のなかにみずからを解消することによって階級的差をなくすのではありません。これとは逆に、労働者階級は、その階級的立場を堅持し、指導的役割をたえず高め、他の勤労者を労働者階級に改造していくことによって、かれらとの団結を強め、あらゆる階級的差を次第になくしていくのであります。それゆえ我々は、社会生活のすべての分野で労働者階級の指導的役割を高め、その革命的な作用を強めなければなりません。我々は、労働者階級の思想性、組織性、文化性をさらに高め、その隊列をさらに強固なものにしなければなりません。こうして、労働者階級を真に革命的で文化的な階級につくりあげ、かれらが指導階級としての役割をいっそう立派に果たすようにすべきであります。

 農民は、労働者階級の最も信頼すべき同盟者であり、我が革命の基本部隊の一つであります。我が党は、常に農民問題に深い関心を払い、正しい農村政策を実施してこの問題を成功裏に解決してきました。我々は解放直後、農村で土地改革を実施して封建的関係を一掃し、戦後には個人農経営を社会主義的集団経営に改造し、農民をあらゆる搾取と抑圧から解放して社会主義的勤労者に変えました。民主主義革命と社会主義革命、それに社会主義建設をつうじて、農民の社会経済的地位が根本的に変わったばかりでなく、かれらの思想・意識には大きな変化が起こり、技術・文化水準も急速に高まりました。社会主義の土台のうえで労働者階級の指導する労農同盟は確固たるものとなり、農民の政治的および生産的熱意はひきつづき高まっています。

 我々の課題は、農村問題の解決でこれまでにおさめた成果を強化発展させ、ひいては搾取社会が残した農村のあらゆる立ち後れを一掃し、都市と農村の差、労働者階級と農民との階級的差を徐々になくすことであります。これは、農民問題の最終的な解決をめざしてたたかうことを意味します。我が党は、農村活動で達成した成果と経験を概括し、社会主義下における農村問題解決の基本原則と具体的な方途を明示しました。我々は党のさし示した正しい方針にそって、農村の技術革命、文化革命、思想革命を力強くおし進め、農村にたいする労働者階級の党と国家の指導と援助をひきつづき強化し、全人民的所有と協同的所有の発展を有機的に結びつけながら、協同的所有をたえず全人民的所有に接近させなければなりません。こうして、農業を、工業と同じように近代的技術で装備し、農村にうち立てられた社会主義制度を強化発展させ、それにもとづいて農民の物質・文化生活を労働者階級の水準に引き上げ、農民の思想をさらに改造して、かれらをいっそう革命化し、労働者階級化しなければなりません。

 インテリは、新しい社会の建設で重要な役割を果たします。権力を手にした労働者階級は、みずからのインテリ隊列をしっかりとかためてこそ、科学と技術、文学と芸術を速やかに発展させ、社会主義・共産主義を成功裏に建設することができます。

 我が党は、創立当初から革命と建設においてインテリの果たす重要な役割を考慮し、勤労人民出身の新しいインテリを大々的に養成する一方、古くからのインテリを教育改造するためにたゆみなく努力してきました。もちろん、古くからのインテリは、ほとんどが裕福な家庭の出身であり、かつては日本帝国主義と搾取階級に奉仕しました。しかし、かれらは植民地国のインテリとして、外国帝国主義の民族的抑圧と差別を受けてきたため、民族的・民主主義的革命性をもっていました。我が党は、古くからのインテリの革命性を信じ、かれらを新しい社会の建設に積極的に引き入れ、勤労人民に奉仕するインテリに改造する方針をとりました。我が国の古くからのインテリは、過去20年のあいだ、党の示す道に従って祖国と人民のために誠実に奉仕し、革命と建設で大きな功績をたてました。かれらは、党のたゆみない教育と困難な革命闘争の試練をつうじて、立派な社会主義的インテリに成長しました。これとともに、我が党の正しい教育政策と幹部養成政策によって、数十万にのぼる勤労人民出身の新しいインテリが養成されて、政治、経済、文化、軍事の各分野で革命偉業に奉仕しています。このように我が党は、古くからのインテリを改造し、新しいインテリを育成することによって、みずからの信頼にたるインテリ隊列をつくりあげました。我が国のインテリはみな、党を限りなく信頼し、党のまわりにかたく団結しており、社会主義建設で大きな熱意と創意を発揮しています。これは、我が党のインテリ政策の正しさと、その輝かしい勝利を示すものであります。

 こんにち、我々には、インテリをさらに革命化すべき重要な課題が提起されています。インテリを革命化し、労働者階級化するというのは、インテリの意識にある古い思想の残りかすを完全になくし、かれらを労働者階級の革命精神、共産主義思想で武装させ、真の労働者階級のインテリ、熱烈な共産主義者に育てあげることを意味します。

 もちろん、インテリにブルジョア的・小ブルジョア的思想の残りかすが比較的多くあるのは事実であります。しかし、これをもってインテリの革命性を信じようとせず、ましてや、闘争の試練のなかで改造され、鍛えられた我々のインテリを信じないなら、それは全く正しくありません。インテリに疑念をいだき排斥するのは、一種のセクト主義的傾向であります。インテリの役割を過小評価するのは、科学と技術を無視する傾向であります。こうした傾向は、我が党のインテリ政策とは無縁であります。

 我が党は、インテリを信頼しており、かれらを大切にし、その功労を高く評価します。党は、インテリの思想改造をひきつづき忍耐強く指導援助し、かれらがその知恵と才能を十分に発揮して社会主義建設にいっそう立派に奉仕できるよう、あらゆる条件を保障するでありましょう。我が国のインテリは、堂々たる党の戦士、労働者階級の戦士としての自負心をもって古い思想の残りかすを一掃し、労働者階級の革命性と組織性、戦闘性に学ぶために積極的に努力すべきであります。同時にインテリは、主に技術と知識をもって社会に奉仕することを銘記して専攻分野に精通し、科学・技術水準を高めるために全力をつくさなければなりません。また、労働者、農民は、インテリを尊重し、かれらから科学知識と技術を謙虚に学ぶべきであります。こうすることによってのみ、インテリを労働者階級化する活動と、労働者、農民の技術・文化水準を技師や技手の水準に高める活動を同時に成功裏になし遂げることができます。こうしてこそ、労働者、農民とインテリとの団結を強め、かれらのあいだの創造的な協力を発展させ、国の経済・文化の建設をいっそう促進することができます。我々は、新しいインテリ、古くからのインテリを問わず、すべてのインテリを徹底して革命化、労働者階級化し、共産主義偉業の勝利をめざして、常にかれらとともにたたかっていくでありましょう。

 我々の社会の政治的・思想的統一を強めるうえで重要な位置をしめるのは、社会・政治生活の経歴が複雑な人々にたいする活動であります。長期にわたる日本帝国主義の植民地支配とアメリカ帝国主義による国土の分断、祖国解放戦争時期の敵の離間策動などによって、我が国の住民の社会的・政治的構成はかなり複雑になりました。このような状況にあって、我々は、住民各階層にたいする活動を特に慎重におこなわなければなりません。

 社会・政治生活の経歴が複雑な人々にたいする活動において、我が党が一貫して堅持している原則は、あくまでも本人の現在の動向を基本にして個々の人を評価し、敵対分子を最大限に孤立させ、一人でも多く革命の側にかちとることであります。人々の出身階級や思想は固定不変のものではありません。かつては、人民に罪を犯した人でも、いまはそれを悔い改めて立派な人に改造されることもありうるし、出身の複雑な人でも社会が発展し、環境が変わるにつれて進歩的な思想をもつようになる場合もあります。もちろん我々は、対人活動において常に階級的立場を堅持すべきであり、敵階級出身の意識的な反動分子は決してその転覆の企図を捨てはしないということを忘れてはなりません。しかし、このような敵対分子はごく少数にすぎません。我々は、人民大衆を信じており、社会主義制度の優位性と自己の偉業の正しさ、それに我が党の不敗の力と権威を確信しているがゆえに、人々をみだりに疑ったりせず、意識的な反動分子でない限りすべての人を教育改造することができると考えています。このような見地から、その出身や家庭環境、過去の経歴が複雑な人であっても、現在、我が党を支持し、仕事において熱意を発揮するならば、我々は、その人をためらうことなく信じて包容し、かれに安心して働ける条件を保障しています。我が党のこのような方針は、敵のさまざまな離間策動を粉砕し、各階層の人民大衆を党と革命の側にかちとることを可能にし、敵対分子をますます孤立させ、かれらにつけこむすきを与えないようにします。我々は、今後もこの方針を堅持し、実際の活動のなかで正しく実行しなければなりません。

 社会のさまざまな階級や階層にたいする我が党の政策は、階級路線と大衆路線に立脚した正しいマルクス・レーニン主義的政策であり、これは我が国の実情に全く適したものであります。我々の社会の住民構成が複雑であり、我々が敵と直接対峙しているにもかかわらず、広範な人民大衆が我が党のまわりに結集しており、かれらの革命的熱意と創造的積極性がますます高まっている事実は、これを明らかに証明しています。我々は、ひきつづき党の階級路線と大衆路線を貫徹して、我々の革命隊列をさらに拡大強化するとともに、全社会をかたく団結した、むつまじく明朗で活気にみちた一つの大家庭にしなければなりません。

 社会の労働者階級化過程を促進し、革命隊列をしっかりとかためるためには、党員と勤労者のあいだで政治・思想活動を強力にくりひろげなければなりません。社会主義は、勤労者の思想改造と団結の社会経済的および物質的条件をつくりだします。しかし、社会主義制度が勝利し、生活が向上したからといって、人々の思想の改造や団結がひとりでに実現するものではありません。社会主義建設が進むにつれて思想活動をいっそう精力的に、忍耐強くおこなってこそ、実際に勤労者を教育改造し、かたく団結させることができます。こんにち、我々の直面している複雑な内外情勢と、我々の膨大かつ困難な革命課題は、大衆のあいだで政治・思想活動をいっそう強化することを要請しています。

 我々は党員と勤労者のあいだで、階級的教育を基本とする共産主義教育を、革命伝統教育と結びつけてひきつづき力強くおこない、マルクス・レーニン主義教育と党政策教育を決定的に強化しなければなりません。

 ここでなによりも重要なのは、勤労者の階級的自覚を高め、帝国主義と地主、資本家を憎む精神でかれらを武装させることであります。搾取も抑圧もされたことがなく、困難な革命闘争の試練もへていない新しい世代にたいしては、特に、このような階級的教育を十分におこなう必要があります。我々は、勤労者に帝国主義の侵略的本性、搾取階級と搾取制度の本質を徹底して認識させ、かれらが帝国主義を憎み、搾取階級と搾取制度を憎み、これと妥協することなくたたかうようにしなければなりません。帝国主義者と敵階級にたいしてはいかなる幻想もいだいてはならず、その侵略策動と破壊・謀略策動に高度の革命的警戒心を堅持し、そのつど暴露し粉砕できるよう、党員と勤労者を階級的な原則性で教育しなければなりません。

 特に、アメリカ帝国主義と日本軍国主義は、我々と直接対峙している最も危険な侵略勢力であり、我々の主な闘争対象であります。勤労者のあいだで、アメリカ帝国主義と日本軍国主義にたいする敵愾心をさらに高め、かれらが米日帝国主義といつでも断固たたかえるよう思想的に準備させなければなりません。

 我々は、いまなお全国的に民族解放革命を完遂しておらず、南朝鮮人民は依然としてアメリカ帝国主義者とその手先の抑圧のもとに苦しんでいます。南朝鮮を解放し祖国を統一するのは、全朝鮮人民の民族的義務であります。我々は、南朝鮮にたいするアメリカ帝国主義の植民地支配に反対し、日本軍国主義の再侵略に反対し、朝鮮革命を最後までなし遂げるためにたたかうよう、北半部の勤労者を革命的に教育しなければなりません。我が国のすべての勤労者が、常に、南朝鮮人民の境遇と祖国統一の任務を忘れないようにし、南朝鮮人民をいっそう積極的に支援する気高い精神をもって、すべての革命闘争と建設事業に献身するようにすべきであります。

 勤労者にたいする階級的教育は、思想分野における階級闘争であります。帝国主義および搾取階級とのたたかいは、その反動思想とのたたかいと切り離すことはできません。勤労者の意識にある古い思想の残りかすとたたかわずには、かれらを労働者階級の思想、共産主義の思想で武装させることはできません。特に、アメリカ帝国主義者とその手先一味は、我々の内部にブルジョア反動思想をひろめようとあらゆる手段と方法をもちいており、勤労者に残っている立ち後れた思想要素を破壊活動に利用しようと狡猾に策動しています。

 それゆえ、我々は、ブルジョア反動思想の浸透に反対し、勤労者の意識にある古い思想の残りかすをなくす闘争を、ひきつづき強力にくりひろげなければなりません。我々は、反動的なブルジョア思想、腐りはてたブルジョア的道徳と生活様式を断固排撃し、個人主義・利己主義、自由主義をはじめ、古い思想の残りかすや立ち後れた因習に反対し、気高い共産主義的な思想と道徳の勝利のために、共産主義的生活気風をうち立てるために、たゆみなく努力しなければなりません。すべての勤労者は、自堕落と安逸をいましめ、質素な生活をし、労働で自発的熱意を発揮し、集団と組織を尊重し、互いに助け導き合いながら共同の繁栄のためにたたかうべきであります。

 共産主義者が、労働者階級の革命偉業を勝利へ導くことができるか否かは、その活動でマルクス・レーニン主義の原則を守り、それを正しく適用できるかどうかにかかっています。朝鮮の共産主義者と人民が朝鮮革命を立派に遂行するためには、マルクス・レーニン主義の原理を朝鮮の現実に創造的に適用した我が党の路線と政策を固守し貫徹しなければなりません。それゆえ、党員と勤労者をマルクス・レーニン主義の原理と我が党の政策で武装させることは、我々の思想活動で常に中心的な問題となるのであります。こんにち、マルクス・レーニン主義思想にたいする帝国主義者と世界反動の中傷誹謗がかつてなく激しくなり、国際共産主義運動内部にさまざまな日和見主義的思想潮流があらわれている状況のもとで、党員と、勤労者にたいするマルクス・レーニン主義教育と党政策教育は、我々にとってますます重要な問題となっています。

 我々は、全党をあげてマルクス・レーニン主義の学習と党政策の学習をさらに強化すべきであり、大衆のあいだでマルクス・レーニン主義の原理を繰り返して解説宣伝し、我が党の路線と政策を徹底して浸透させなければなりません。誰もが、学習と思想的修養を第一の革命任務として、マルクス・レーニン主義の革命的精神とその真髄を体得し、我が党の思想で武装し、党の路線と政策をみずからのゆるぎない信念とするためにたゆみなく努力すべきであります。これとともに、党員と勤労者に現代修正主義、教条主義、セクト主義など、左右の日和見主義の本質と害悪を十分認識させ、そのさまざまな表現形態について教える必要があります。そして、全党員と勤労者が、我が党のマルクス・レーニン主義的路線と政策の正しさを深く確信し、これを強く支持、擁護してあくまで貫徹するためにたたかうようにすべきです。党員と勤労者が、マルクス・レーニン主義と左右の日和見主義とをはっきり識別できるようにし、日和見主義に断固反対し、常に、マルクス・レーニン主義の革命的原則を固守するようにしなければなりません。

 特に、我々はセクト主義に反対し、党の統一と団結を守らなければなりません。我が党は困難な闘争をつうじて、歴史的につづいてきた分派を克服して朝鮮共産主義運動の統一を実現し、全党に党の思想体系を確立しました。こんにち我が党は、組織的、思想的にかたく団結しており、すべての党組織と党員が一つの思想、一つの意志をもって活動しています。しかし我々は、絶対に自己満足してはなりません。党員は、かつて内外情勢が複雑で我が国の革命が試練に直面していたとき、党内にひそんでいた反党分派分子が国際的分派と結託して党に攻撃を加えた事実を常に忘れてはなりません。国際共産主義運動内部に日和見主義的潮流があり、大国主義的傾向がある以上、このような試みが再び繰り返されないとは断言できません。また、こんにちの複雑な情勢にあって、特に、外部から入ってくるセクト主義やその他の日和見主義の影響によって、我々の隊列内にも動揺分子があらわれることもありえます。したがって我々は、常にセクト主義を強く警戒しなければなりません。我が党員を動揺させ、我々の隊列を分裂させようとする内部および外部からのあらゆる離間策動や分派行為に反対し、我が党のマルクス・レーニン主義的統一をかたく守り、これをいっそう強化しなければなりません。

 このように全党と全人民を、思想的、理論的にしっかり武装させ、かたく結集させてこそ、さまざまな日和見主義的思潮の外部からの浸透も、内部での発生も防ぐことができ、いかなる風が吹こうと党中央委員会の洗練された指導のもとに、マルクス・レーニン主義の革命の旗を高くかかげ、ひきつづき勝利のうちに前進することができるのであります。

 我が党のマルクス・レーニン主義的路線と政策を固守し貫徹するたたかいは、事大主義に反対し、主体性を確立する闘争と密接につながっています。主体性を失い、事大主義に陥れば独自の思考力が麻痺し創意性を発揮することができないのはもちろん、やがては、事の正否の判断もつかず、盲目的に他人に追随するようになり、自分の力を信じることができず、すべてを他人に依存するようになります。こうなれば、修正主義や教条主義、セクト主義など、左右の日和見主義に陥り、革命と建設事業に大損失をまねきかねません。

 我々は、事大主義のあらゆる表現に反対し、それを根こそぎにしなければならず、すべての分野でさらに徹底して主体性を確立し、自力更生の革命精神をいっそう発揮すべきであります。我々は、思想のうえで主体性を確立し、政治において自主、経済において自立、国防において自衛の原則をひきつづき堅持しなければなりません。

 勤労者にたいする思想教育で極めて重要な位置をしめるのは、社会主義的愛国主義教育であります。

 社会主義的愛国主義は、社会主義・共産主義をめざす労働者階級と勤労人民の愛国主義であり、それは階級意識と民族自主意識を結合させ、自己の階級と制度にたいする愛と、自民族と祖国にたいする愛とを結びつけます。労働者階級をはじめ勤労人民は、民族の圧倒的多数をしめており、勤労人民の利益をぬきにして民族の利益を考えることはできません。資本主義の道は、搾取と抑圧、従属と没落への道であり、社会主義のみが階級的搾取とともに民族的抑圧を一掃し、民族の完全な独立と繁栄を保障します。それゆえ、勤労人民の利益のため、社会主義のためにたたかう共産主義者は最も徹底した愛国者であり、みずからの階級的解放と社会主義をめざす労働者階級をはじめとする勤労者であってこそ、真の愛国心をもつことができるのであります。

 我々の社会主義的愛国主義は、搾取と抑圧がなく、勤労人民に自由と幸福を保障する社会主義制度に根ざすものであり、したがってそれは、なによりもまず社会主義制度と勤労人民への愛としてあらわれなければなりません。我々はすべての勤労者に、我が国の北半部に樹立された社会主義制度の優位性にたいする認識を徹底させることによって、かれらがこの制度を守るために断固たたかい、この制度を強化発展させるため積極的に努力するようにすべきであります。すべての勤労者が、みずからの労働が社会主義制度の強化と勤労人民の幸福をはかる栄誉ある仕事であるという深い自覚をもち、社会主義建設で高度の熱意と創意を発揮するようにすべきであります。すべての勤労者が、国家と社会の財産を人民の共同の財貨として愛護し、共同経営を立派に管理し、国の経済管理を手際よくおこなうために努力するよう教育しなければなりません。

 社会主義的愛国主義は、社会主義制度と勤労人民への愛としてあらわれると同時に、祖国と民族への愛としてあらわれます。朝鮮で生まれた人は、朝鮮で革命をおこない、社会主義・共産主義を建設します。朝鮮革命は、朝鮮の共産主義者と人民に課された基本的な任務です。朝鮮民族と朝鮮の三千里の山河を離れて朝鮮革命について語ることはできず、朝鮮の歴史と伝統、朝鮮人の生活感情と風習を考慮せずして朝鮮革命を成功裏に遂行することはできません。祖国と民族を愛さない人は、自国の革命に熱情をもつことも、その勝利のために献身的にたたかうこともできません。それゆえ、我々共産主義者は、誰よりも祖国と民族を熱烈に愛し、民族の独立と繁栄のために断固たたかい、民族文化と民族のあらゆるすぐれた遺産と伝統を大切にし、それを継承発展させるために努力するのであります。共産主義者は、あらゆる形の民族的抑圧と不平等に反対し、民族虚無主義を排撃します。

 我々は、勤労者のあいだで民族的自負と自主意識をさらに高め、かれらが祖国の完全な統一と独立のために、我が民族の将来の繁栄のために、いっそうねばりづよくたたかうようにすべきであります。祖国の山河と郷土を愛し、それをいっそう美しくきずき、自国語と民族文化を愛し、それをいっそう発展させるために努力するよう、勤労者を教育しなければなりません。

 ここで非常に重要な問題となるのは、歴史的に形成された民族文化遺産と民族的伝統にたいして正しい態度をとるよう、勤労者を教育することであります。我々は、過去のものをすべて否定し、抹殺する虚無主義の傾向に陥ってもならず、反対に過去のものを一概に踏襲する復古主義的な傾向に陥ってもなりません。このような傾向は、新しい社会主義的文化と生活気風を創造するうえでも、勤労者を社会主義的愛国主義の思想で武装させるうえでも大きな障害となります。民族的遺産のなかから、立ち後れたもの、反動的なものを捨てさり、進歩的で人民的なものをすべて批判的に継承し発展させる基礎のうえでのみ、社会主義の新しい文化と生活気風を創造し、それをますます発展させることができます。さらに勤労者が自民族の現在だけでなく、その過去をよく知り、自民族のすぐれた伝統と遺産を愛するようになってこそ、その愛国的な感情はさらに深まるのであります。我々は、勤労者に、我が国の悠久な歴史と文化にかんする正確かつ十分な教育を与えることによって、かれらが我が民族のあらゆるすぐれた伝統と遺産を大切にし、民族の良風美俗を尊び、それをこんにちの社会主義の新しい生活に即して継承発展させるようにしなければなりません。

 労働者階級の階級的利益はもともと国際主義的であり、労働者階級の国際的連帯は共産主義偉業の勝利の裏づけであります。それゆえ、社会主義的愛国主義は、ブルジョア民族主義をはじめ、いっさいの排外主義をしりぞけ、プロレタリア国際主義と密接に結びついています。自国の革命に限りなく忠実な人であってこそ国際労働者階級の革命偉業に忠実でありうるし、また、真の国際主義者であってこそ、真の愛国者となれます。労働者階級の民族的任務と国際的任務は統一されています。

 我々は、すべての勤労者をプロレタリア国際主義の思想で、革命的な諸国人民との国際的連帯の精神でさらにかたく武装させなければなりません。党員と勤労者が、社会主義陣営の統一と国際共産主義運動の団結を守り、兄弟党、兄弟国との友好・協力関係を発展させ、国際労働者階級と世界の進歩的な人民との連帯を強めるため、ねばりづよく努力するようにしなければなりません。我々は、勤労者が自国革命の勝利をめざしてたたかうと同時に、世界革命運動の発展のためにたたかい、常に被抑圧民族と被搾取人民の解放闘争を強く支持声援するよう教育すべきであります。また党員と勤労者が、自国の革命闘争でおさめた成果と経験を大切にするだけでなく、他国人民の闘争業績を尊重し、そのすぐれた経験を謙虚に学ぶようにしなければなりません。こうして、全人民が我が党の指導のもとにプロレタリア国際主義の旗を高くかかげ、兄弟諸国人民およびすべての国の進歩的な人民と団結し、互いに支持声援し学びあいながら、平和と民主主義、民族独立と社会主義の共同偉業の勝利をめざしてたたかうようにすべきであります。

 我々はまた、勤労者を未来を愛する精神で、革命的楽天主義で教育しなければなりません。

 我々の事業は、我々の世代の人民だけでなく、子々孫々の幸福と繁栄のための崇高な事業であり、人類の理想である共産主義のための偉大な事業であります。我々は、すべての勤労者に自己の偉業の正しさと、自己の世代に課された重大な使命を深く自覚させることによって、かれらがいっそうすばらしい生活を子孫に譲り渡すため、共産主義の輝かしい未来のために、すべてをささげてたたかうようにすべきであります。

 特に、勤労者に共産主義の勝利にたいする確信をもたせることが重要であります。帝国主義は、すでにその時代を生きつくした古い勢力であり、共産主義は人類の未来を代表する新しい勢力であります。共産主義への前進途上にははかり知れない困難と障害が横たわっており、さまざまな曲折があるとはいえ、帝国主義が滅亡し、共産主義が勝利する歴史発展の合法則的過程を阻む力はありません。こんにち、帝国主義者は、侵略策動を強化し、かまびすしい反共キャンペーンをくりひろげていますが、それは滅びゆく者のあがきにすぎないし、またこんにち、国際共産主義運動が深刻な試練をへているとはいえ、それはあくまでも前進途上の一時的な曲折にすぎません。このようなことで歴史の発展法則が変わるものではなく、偉大な共産主義の理念がとざされるものではありません。我々は勤労者に、マルクス・レーニン主義の学説と歴史的事実にもとづいて帝国主義の滅亡と共産主義の勝利の必然性、そして共産主義の正しい真理をしっかりと認識させなければなりません。こうして、我々のすべての勤労者が、いかなる情勢のもとでも、共産主義の前途にたいする熱烈な志向と確信をもち、あらゆる困難と障害を克服しながら強く前進するようにすべきであります。

 我々は、党員と勤労者にたいする政治・思想活動を力強くおし進め、かれらをマルクス・レーニン主義思想、共産主義思想でさらにしっかりと武装させ、我が党中央委員会のまわりにさらにかたく団結させるでありましょう。党員を熱烈な共産主義的革命家に育てあげ、広範な勤労者を共産主義的革命精神で教育改造し、党と人民の統一をさらに強化するとき、我々の革命隊列は不敗のものとなるでありましょう。

 我々は、このように革命隊列をたえず拡大強化することによって、共和国北半部における社会主義建設をさらに促進し、我々の革命基地を政治的、経済的、軍事的に盤石のようにかためるでありましょう。





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