金日成「現情勢と我が党の任務」
 
1 国際情勢と国際共産主義運動におけるいくつかの問題について


 同志のみなさん!

 こんにち、国際舞台では、社会主義と帝国主義、革命勢力と反革命勢力とのあいだに激烈な闘争がくりひろげられています。全世界的範囲で社会主義勢力、民族解放運動、労働運動と民主主義運動は、ひきつづき発展しています。

 特に、アジア、アフリカ、ラテンアメリカでは、解放闘争の炎が激しく燃え上がっています。帝国主義は、この地域で人民の強力な抗争に直面し、最も大きな打撃を受けています。闘争に立ち上がった諸国人民は、帝国主義、植民地主義の古い世界をうちこわし、新しい世界を創造する革命の偉業で新たな勝利をかちとっています。

 社会主義をはじめ、世界革命勢力の発展と、植民地体制の崩壊によって、帝国主義勢力は著しく弱体化しています。帝国主義の内部矛盾はますます深まっており、帝国主義列強間の葛藤が激しくなっています。帝国主義者は、内部からも外部からも強い打撃を受けており、ますます窮地に陥っています。

 革命運動の発展過程である程度の曲折は避けがたいが、全般的な情勢は、依然として社会主義と革命勢力に有利に、帝国主義と反動勢力には不利に進展しています。社会主義の勝利と帝国主義の滅亡は、いかなる力をもってしてもくい止めることのできない、現代の基本的な趨勢であります。

 しかし、帝国主義は決して、みずから歴史の舞台から退くものではありません。帝国主義の侵略的本性は変わるものではなく、帝国主義はいまなお危険な勢力として残っています。帝国主義者は、滅びゆく運命からの活路を侵略と戦争に見いだそうとあがいています。

 ここ数年来、アメリカをかしらとする帝国主義者の侵略策動は、ますます露骨になっています。アメリカ帝国主義者は、社会主義諸国や民族独立諸国への侵略を強行し、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国人民の民族解放運動に野蛮な弾圧を加えており、世界のいたるところで平和をかきみだしています。

 こんにち、アメリカ帝国主義者は、侵略のほこ先をアジアに向けています。アメリカ帝国主義者は、1954年のジュネーブ協定を乱暴に踏みにじって南ベトナムにますます多くの兵力を送り込み、「焼きつくし、殺しつくし、破壊しつくす」焦土化作戦を強行しており、ベトナム民主共和国にたいする爆撃をすでにハノイ、ハイフォン地域にまで拡大しています。これは、ベトナムにおけるアメリカ帝国主義者の「エスカレーション」政策が、新たな重大な段階に入ったことを示しています。いま、アメリカ帝国主義者は、無謀にもアジアの広い地域に戦火を拡大しようと狂奔しています。

 アメリカ侵略者は、我が国の南半部を占領して戦争準備に狂奔しており、中華人民共和国の領土である台湾を占領し、人民中国にたいする挑発行動をひきつづき強行しています。

 アメリカ帝国主義者は、日本軍国主義を復活させてアジア侵略の「突撃隊」に利用しようとしています。かれらは、日本軍国主義勢力を南朝鮮のかいらい一味と結託させ、それを中心にして「東北アジア軍事同盟」をつくりあげようと画策しています。

 アメリカ帝国主義者のアジア侵略の基本戦略は、ますます多くのアメリカ兵力をこの地域に集中し、日本軍国主義勢力をはじめ、かれらの追随国やかいらいを動員してアジアの社会主義諸国を封じ込め、攻撃し、アジアにおける革命勢力の急速な成長を抑え、植民地支配を維持しようとすることであります。アメリカ侵略者のこのような策動は、アジアのすべての地域で情勢を極度に激化させ、世界平和全般を大きく脅かしています。

 アメリカをかしらとする帝国主義者の激化する侵略策動は、かれらの強大さを示すものではなく、反対にかれらの立場がますます困難になってきたことを示すものであります。アメリカ帝国主義者が、アジア、アフリカ、ラテンアメリカで狂奔しているのも、この地域で社会主義勢力が成長し、反帝革命運動が激しく展開され、帝国主義者の基盤が根底からぐらついていることを証明するものであります。

 帝国主義者はいかなる策動をもってしても、高まりつつある人民の解放闘争を抑えることはできず、社会主義の勝利の前進をくい止めることもできません。帝国主義者は、人民の革命闘争によって、必ずアジア、アフリカ、ラテンアメリカから追い出され、ついには滅亡するでありましょう。社会主義の最終的勝利と帝国主義の完全な滅亡は不可避であります。これは動かすことのできない歴史の発展法則であります。

 国際舞台でくりひろげられているすべての出来事は、アメリカ帝国主義が、侵略と戦争の主な勢力であり、国際憲兵であり、現代植民地主義の牙城であり、全世界人民の最も凶悪な敵であることをますますはっきりと証明しています。

 アメリカ帝国主義は、世界人民の第一の闘争対象であります。広範な反帝勢力を動員しアメリカ帝国主義との闘争に集中させることは、社会主義諸国と共産党・労働者党の第一の任務であります。ただアメリカ帝国主義との断固たる闘争をつうじてのみ、世界の平和を守り、諸国人民の革命闘争の勝利を達成することができます。

 アメリカ帝国主義にたいする態度は、こんにち共産党・労働者党の立場を点検する重要な尺度となります。共産主義者は、常に帝国主義、なによりもアメリカ帝国主義に反対する原則的な立場を堅持しなければなりません。特にこんにち、アメリカ帝国主義者がベトナムにたいする侵略を拡大している状況のもとで、すべての社会主義国はアメリカ帝国主義にたいしていっそう厳しく強硬な態度をとるべきであります。我々は国際問題において原則をまげ、アメリカ帝国主義と妥協することを絶対に許してはなりません。

 社会主義国が帝国主義国と外交関係をもっているからといって、反帝闘争をそれに解消させたり、そのために反帝闘争を弱めたりしてはなりません。社会主義諸国は外交においても当然、階級的原則を堅持し、アメリカ帝国主義に圧力を加え、その侵略と戦争政策を暴露し糾弾しなければなりません。

 それとともに、アメリカ帝国主義に反対すると大言壮語するだけで、アメリカ帝国主義の侵略を阻止する具体的な行動をとらないのも誤りであります。まして、反帝勢力が団結してアメリカ帝国主義侵略者に打撃を与える実際的な対策を講ずるうえに難関をつくりだすようなことがあってはなりません。それは、アメリカ帝国主義の侵略を阻止できないばかりでなく、かえってアメリカ帝国主義をますますおごり高ぶらせ、横暴にさせて、結局はその侵略行動を助長する結果をまねくことになります。

 帝国主義の侵略と戦争の政策に反対し、世界の平和と安全のためにたたかうのは、社会主義諸国の対外政策の原則であります。しかし共産主義者は、戦争防止のために努めるが、決して戦争を恐れてはならず、帝国主義者が武力で襲いかかるときは、侵略者を徹底的に撃滅しなければなりません。帝国主義に反対する原則的な立場を堅持し、断固とした反帝闘争をくりひろげてのみ、帝国主義の侵略を阻止し、平和を守ることができます。

 特にこんにち、アメリカ帝国主義者が大国とはできるだけ関係を悪化させず、主としてベトナムに侵略のほこ先をむけ、朝鮮、キューバ、東ドイツなど分断された国や、小さな国を一つ一つ攻めとろうとしているのにたいして、社会主義諸国は当然、警戒心を高めなければなりません。これと同時に、アメリカ帝国主義者がアジアの侵略に力を集中するため、ヨーロッパでは一時的に情勢を緩和したり、または固定化させようと企むこともありうるという点に注意しなければなりません。

 この場合には、一つの戦線での緊張の緩和が国際情勢全般の緩和に役立つのではなく、かえって帝国主義者が他の戦線で侵略を強化する条件をつくることになります。したがってそれは、世界の平和と安全により大きな脅威を与えることになります。

 現情勢においては、アジアとヨーロッパ、アフリカとラテンアメリカ、また大国と小国とを問わず、世界のすべての地域とすべての戦線でアメリカ帝国主義者に打撃を与え、その力を最大限に分散させるべきであり、アメリカ帝国主義が足を踏み入れているすべてのところで、かれらがみだりにふるまえないよう手足を縛りつけなければなりません。ただこうすることによってのみ、あれこれの地域や国に力を集中して、社会主義諸国をはじめとする国際革命勢力を各個撃破しようとしている、アメリカ帝国主義者の戦略を成功裏に粉砕することができます。

 我が党と人民は、アメリカをかしらとする帝国主義侵略勢力に反対してひきつづき断固とたたかい、アメリカ帝国主義に反対するすべての勢力と団結するために努力するでありましょう。

 世界の平和を守るためには、アメリカ帝国主義とたたかうと同時に、その同盟者とたたかわなければなりません。特に、日本軍国主義および西ドイツ軍国主義とのたたかいを強化すべきであります。

 日本軍国主義と西ドイツ軍国主義は、アメリカ帝国主義の積極的な庇護のもとに急速に復活しており、日本と西ドイツは、再びアジアとヨーロッパにおける新たな戦争の温床となりつつあります。このような状況のもとで、日本軍国主義および西ドイツ軍国主義とのたたかいを決しておろそかにすることはできません。

 社会主義諸国が、西ドイツ軍国主義に反対してたたかっているのは、よいことであります。我が党と人民は、西ドイツ軍国主義の復活とその報復主義的野望に反対し、それを積極的に力づけているアメリカ帝国主義者の犯罪的な策動を断固として糾弾します。我々は、西ドイツ軍国主義の再武装に反対するドイツ人民のたたかいとドイツ民主共和国の立場を支持しています。

 ヨーロッパで西ドイツ軍国主義の危険性に注目すると同時に、アジアでは必ず日本軍国主義の危険性に注目すべきであります。すべての社会主義国は、ヨーロッパでアメリカ帝国主義とその同盟者である西ドイツ軍国主義に反対してたたかうように、アジアでも当然、アメリカ帝国主義とその同盟者である日本軍国主義に反対してたたかわなければなりません。

 こんにち、日本軍国主義は、アジアにおいて危険な侵略勢力として登場しました。日本軍国主義勢力は、アメリカ帝国主義を後ろだてにして、かつての「大東亜共栄圏」の夢を実現しようと妄想しています。日本の佐藤政府は、アメリカ帝国主義の積極的な支持のもとに、朝鮮とその他のアジア諸国を侵略する戦争計画を立てているばかりでなく、すでに南朝鮮に侵略の触手を伸ばしはじめました。

 アメリカ帝国主義と日本の佐藤政府、南朝鮮かいらい一味とのあいだには、双務的な軍事協定によって、事実上、三角軍事同盟が形成されています。佐藤政府は、アメリカ帝国主義のベトナム侵略に積極的に加担しており、アメリカの注文によって南ベトナムに各種兵器をはじめ、多くの軍需機材を供給しています。日本は、アメリカ帝国主義のベトナム侵略戦争において、補給基地、修理基地、攻撃基地として奉仕しています。

 佐藤政府は、アメリカ帝国主義の指図に従って、我が国をはじめ、アジアの社会主義諸国を敵視する政策をとっています。また、かれらは「援助」「共同開発」「経済・技術協力」などの美名のもとに、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国への経済的・文化的浸透を強めています。

 日本軍国主義に反対するたたかいは、アジアと世界の平和を守るたたかいであり、アメリカ帝国主義に反対するたたかいの重要な環の一つであります。すべての社会主義国は、日本軍国主義に反対するたたかいを重視し、一致した行動によってその侵略的野望を破綻させなければなりません。特に、日本の佐藤政府が、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国人民の「友人」をよそおって、反帝戦線を切り崩そうとする策動を徹底的に暴露、粉砕しなければなりません。

 もちろん、アメリカ帝国主義と日本の支配層とのあいだには一定の矛盾があり、社会主義諸国は今後、米日間の矛盾が深まった場合、これを反帝闘争の利益に即して利用することができます。しかし、我々は米日関係を全面的に見なければなりません。アメリカ帝国主義と日本帝国主義とのあいだには葛藤があるにもかかわらず、アジア侵略にたいする利害関係の共通性からして、従属的な同盟関係でからみあっており、政治的、経済的、軍事的に結託しています。米日間の矛盾を過大評価し、その従属的同盟関係を過小評価してはなりません。

 我々は、日本の支配層に幻想をいだくべきではなく、かれらにいささかの期待もかけてはなりません。日本軍国主義の危険性を見ずに佐藤政府と親しくするのは、事実上、日本支配層の海外膨張を励まし、アジアにおけるアメリカ帝国主義の地位を強化することになります。

 社会主義諸国は、日本と経済的関係を発展させることはあっても、政治的な問題では日本の支配層を相手にいかなるかけひきもすべきではありません。佐藤政府との関係は、あくまでも日本人民の利益と全般的な反帝闘争の利益にかなうものでなければなりません。

 こんにち、日本人民は、アメリカ帝国主義と日本独占資本に反対し、日本の安全と世界の平和を守るためにたたかっています。日本人民のたたかいは、アメリカ帝国主義のアジア侵略と日本軍国主義に大きな打撃を与えており、世界平和の大業に貢献しています。

 朝鮮人民は、日本軍国主義の侵略策動を強く糾弾します。日本軍国主義の再武装と南朝鮮への侵略は、断固阻止されなければならず、アメリカ帝国主義の指図のもとに締結された「韓日条約」は破棄されなければなりません。日本は、アメリカ帝国主義への従属から脱し、独立と民主主義の道へ発展しなければなりません。朝鮮人民は、日本の完全独立と民主的発展をめざす、日本人民のたたかいを全面的に支持し、それに戦闘的な連帯を送るものであります。

 アメリカ帝国主義者のベトナム侵略とそれに反対するベトナム人民のたたかいは、こんにち、革命勢力と反革命勢力とのたたかいにおいて焦点となっています。

 ベトナムにたいするアメリカ帝国主義の侵略は、単にベトナム人民に反対するものであるばかりでなく、社会主義陣営にたいする侵略であり、民族解放運動への挑戦であり、アジアと世界の平和にたいする脅威であります。

 ベトナム人民は、アメリカ帝国主義の侵略を断固粉砕し、南部を解放し、北部を守り、祖国を統一するための正義のたたかいに一丸となって立ち上がっています。かれらはひきつづき、侵略者に大きな政治的・軍事的敗北を与え、アメリカ帝国主義を窮地に追い込んでいます。南ベトナム解放民族戦線はすでに、国土の5分の4と全人口の3分の2を解放し、北ベトナム人民は、強盗アメリカ帝国主義者の野蛮な空爆を成功裏に撃退しています。南北ベトナム人民の英雄的な反米救国闘争は、帝国主義に反対し、平和と民主主義、民族独立と社会主義のためにたたかっている全世界人民の模範となっており、かれらを限りなく励ましています。

 私は本代表者会議の名において、アメリカ帝国主義侵略者に反対する正義の抗戦で輝かしい勝利をおさめ、英雄的な勲功を立てている兄弟の南北ベトナム人民に最も熱烈な戦闘的あいさつと祝賀を送ります。

 ベトナム人民は、祖国の完全な解放と独立のために勇敢にたたかっているばかりでなく、社会主義陣営を守り、アジアと世界の平和を守るために血を流してたたかっています。

 アメリカ帝国主義のベトナム侵略と、それに反対するベトナム人民のたたかいにたいしてどのような態度をとるかは、帝国主義に断固反対するか否か、諸国人民の解放闘争を積極的に支持するか否かを見分ける基準となります。ベトナム問題にたいする態度は、革命的立場と日和見主義的立場、プロレタリア国際主義と民族利己主義を区別する試金石であります。

 すべての社会主義国と平和愛好人民は、アメリカ帝国主義のベトナム侵略に反対し、ベトナム人民の正義の解放戦争を極力支援すべきであります。社会主義諸国は、ベトナム民主共和国がアメリカ帝国主義に侵略されている現状のもとで、アメリカ帝国主義とさらに鋭く対決してたたかうべきであり、ベトナム人民を支援するために全力をつくすべきであります。そこには、いかなる動揺も消極性もあってはなりません。

 すべての社会主義国は当然、力を合わせてたたかうベトナム人民を支援し、共同でアメリカ帝国主義のベトナム侵略を破綻させなければなりません。しかしこんにち、社会主義陣営諸国は意見相違のため、アメリカ帝国主義の侵略に反対し、ベトナム人民を支援するうえで一致した歩調をとっていません。これは、たたかうベトナム人民を苦しめており、共産主義者にとってまことに心痛にたえないことであります。

 ベトナム民主共和国がアメリカ帝国主義に侵略されているいま、兄弟党はベトナム問題について論争ばかりしているわけにはいきません。ベトナム問題の主人は、ベトナム労働党であります。ベトナム労働党以外には、ベトナム問題を左右することはできません。兄弟党は、ベトナム問題についてはあくまでベトナム労働党の方針に従い、ベトナム労働党の立場を支持すべきであります。ベトナム民主共和国への兄弟諸国の援助についても、ベトナム労働党が誰よりも正しい結論をくだすことができるのであり、兄弟党は当然それを尊重しなければなりません。

 いまは、かつてソ連が単独で革命をおこなっていたときとは事情が違います。当時はまだ、世界に他の社会主義国が存在しなかったため、ソ連は武器をはじめ、すべてを自力で解決しなければなりませんでした。しかしいまは、強大な社会主義陣営がある状況のもとで、ベトナム人民が共通の敵に反対する困難な戦争において兄弟の社会主義諸国からの援助を受けられないわけはありません。社会主義諸国は、ベトナム民主共和国に援助を与える義務があり、ベトナム人民はそれを受ける権利があります。社会主義諸国がベトナム人民に与える援助が、アメリカ帝国主義侵略者とのたたかいに効果的に利用されれば、それはよいことでこそあれ、決して悪いことではありません。ベトナムでアメリカ帝国主義を敗北させるためには、すべての兄弟国がベトナム民主共和国にさらに多くの援助を与えるべきであります。

 我々は、そうすることが実際にアメリカ帝国主義のベトナム侵略に反対する革命的立場であり、真にベトナム人民を助ける国際主義の立場であると考えます。

 いまは、社会主義諸国が、ベトナム人民に政治的な支持を与えるだけで、腕をこまぬいているときではありません。社会主義諸国は、ベトナム人民を支援するためにさらに積極的な対策をとらなければなりません。アメリカ帝国主義が、追随国の軍隊やかいらい軍を引き入れてベトナム民主共和国にまで侵略を拡大している現状のもとで、すべての社会主義国は、社会主義陣営の東南方の砦を守り、アジアと世界の平和を守るため、ベトナムに義勇兵を派遣すべきであります。これは、兄弟のベトナム人民にたいする社会主義諸国の国際主義的義務であります。なんぴとも、社会主義諸国のベトナムへの義勇兵の派遣に反対することはできません。

 すべての社会主義国が、ベトナム人民を援助してアメリカ帝国主義のベトナム侵略を撃退するならば、アメリカ帝国主義は西山落日の運命に陥り、アジアをはじめ、世界各国の革命運動は大いに盛りあがるでありましょう。

 朝鮮労働党と朝鮮人民は、ベトナムにたいするアメリカ帝国主義の侵略を自分自身にたいする侵略とみなし、ベトナム人民のたたかいを自分自身のたたかいとみなしています。朝鮮人民は、共通の敵アメリカ帝国主義に反対していっそう強力にたたかい、ベトナム人民を支援するため全力をつくすでありましょう。我々は、ベトナム民主共和国政府が要求すれば、いつでも義勇兵を派遣してベトナムの兄弟とともに戦う準備をととのえています。

 ベトナム問題を正しく解決する唯一の方途は、ベトナム民主共和国政府の4項目の立場と、南ベトナム解放民族戦線の5項目の声明を実現することであります。朝鮮労働党と共和国政府は、ベトナム人民のこの正当な立場を全面的に支持します。

 アメリカ帝国主義者はいま、新たな戦争拡大の企みを隠すために「和平交渉」の猿芝居を演じています。しかし、アメリカ帝国主義者は、いかなる欺瞞策をもってしても、醜い侵略者としての正体を隠すことはできません。我々は、アメリカ帝国主義者のベトナム侵略戦争拡大の企みを厳しく糾弾し、「和平交渉」の欺瞞策動を糾弾します。

 アメリカ帝国主義者は、ベトナム人民にたいするすべての侵略行動を直ちに中止し、南ベトナムからその侵略軍と追随国の軍隊およびかいらい軍、それにすべての殺人兵器をもって即時撤退すべきであります。もし、アメリカ帝国主義者が、ベトナム人民と社会主義諸国のたび重なる警告と世界各国人民の強い糾弾にもかかわらず、ひきつづき無謀な行動に出るならば、かれらはより大きな惨敗をこうむるでしょう。最後の勝利は、正義の偉業に決起したベトナム人民のものであり、アメリカ帝国主義侵略者は必ず敗退するでありましょう。

 こんにち、国際的に重要な問題の一つは、キューバ革命を守ることであります。キューバ革命の勝利は、アメリカの鼻先で起こった社会主義革命の最初の勝利であり、ラテンアメリカにおける偉大な十月革命の継続であります。それは、社会主義陣営を西半球にまでおしひろげ、ラテンアメリカの革命運動に新たな転換をもたらした歴史的な出来事であります。キューバ共和国は、ラテンアメリカにおける革命の基地となっています。

 こんにちキューバ人民は、キューバ共産党の指導のもとに革命の旗を高くかかげ、反帝闘争の先頭隊列に立って確固と前進しています。キューバ人民は、アメリカ帝国主義者のたえまない侵略と挑発策動を勇敢にうちしりぞけながら、困難な条件のもとで革命の獲得物をかたく守り、社会主義を建設しています。

 キューバ革命を守ることは、社会主義陣営諸国とラテンアメリカ人民の神聖な国際主義的義務であります。社会主義諸国は、兄弟のキューバ人民の革命偉業を全面的に支持し、キューバ革命を守り、キューバにおける社会主義建設を積極的に支援すべきであります。革命の利益を最高の法則とみなす共産主義者は、キューバにたいし、決してこれに反した行動をとってはなりません。

 キューバが、社会主義諸国から援助を受けるのは当然なことであり、兄弟党、兄弟国はそれを歓迎すべきです。キューバ革命とラテンアメリカにおける革命の利益がこれを要求しています。我々は、キューバのおかれている状況とキューバ共産党の立場にたいして、十分な理解を示さなければなりません。

 キューバの問題は、誰よりもキューバ共産党がよく知っており、キューバ共産党のみがキューバの実情に適した正しい政策を立てることができます。どの社会主義国にも、キューバ共産党の政策を尊重し、キューバ人民のたたかいを支援する義務があるだけです。キューバ共産党と人民に圧力を加え、ラテンアメリカの革命勢力を分裂させるようなことがあってはなりません。

 朝鮮労働党は、革命の旗をかかげて自国の革命と建設を正しく導いており、社会主義陣営の統一と国際共産主義運動の団結のためにたたかっているキューバ共産党の正しい立場を全面的に支持してきたし、いまも支持しています。我が党と人民は、キューバにたいするアメリカ帝国主義者の侵略策動を断固糾弾し、革命の獲得物を守り、社会主義を建設するためのキューバ人民の英雄的なたたかいを断固支持します。我々は、キューバ共産党および人民との友好と団結を強めるために、今後ともあらゆる努力をつくすでありましょう。

 こんにち、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国人民の生活には、大きな革命的変革が起きています。アジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国人民の民族解放運動は、社会主義をめざす国際労働者階級の革命闘争とともに、現代の偉大な革命勢力であり、世界平和の強力な要因であります。

 民族解放運動の空前の高まりのなかで多くの国々が民族の独立を達成し、新しい生活を創造する道に入りました。いまなお植民地主義の抑圧下にある国々の人民は、自由と解放をめざしていっそう力強くたたかっています。

 しかし帝国主義者は、植民地からおとなしく引きさがろうとしないばかりか、少しでも多くの領土を手に入れ、従属させようとありとあらゆる策動をめぐらしています。帝国主義者は、アジア、アフリカ、ラテンアメリカで民族解放運動に弾圧を加えており、新興独立諸国を反帝戦線から一つ一つ切り離すための破壊活動を強行しています。かれらは、露骨な暴力にたよると同時に、「援助」を呼び水にして新興独立諸国に浸透し、それらの国の内政に干渉し、内部を切り崩そうとしています。

 近年、新興独立諸国にたいするアメリカ帝国主義者の破壊活動と転覆の陰謀はいっそう激しくなりました。アメリカ帝国主義者は、反動派を買収し糾合して進歩的勢力に対抗させ、一部の新興独立国を右傾化させようとしています。こうしてこれらの国を、内部では革命勢力を弾圧し、対外的には社会主義諸国に反対し、反帝勢力を切り崩す方向に進ませようと策動しています。

 最近の事態の進展は、すべての共産主義者にとって一つの深刻な教訓となっています。それは、共産党をはじめとする革命勢力が成長すればするほど、これを押しつぶそうとする帝国主義と国内反動勢力の策動がいっそう激しくなることを示しています。共産主義者は、これにたいして最大の警戒心をもつべきであり、ありうる敵の弾圧に備えて、常に組織的、思想的に、戦略的および戦術的に準備をととのえていなければなりません。革命は複雑であり、科学的な指導芸術を必要とします。革命情勢を正しく判断し、敵味方の力関係を正しくみきわめたうえで、科学的で綿密な闘争方針を立て、最も適切な時機を選んで決定的な闘争を展開してこそ、革命は勝利することができます。我々は、国際革命運動のこのような経験と教訓を深く銘記し、これを自分自身の革命闘争に十分に生かすべきであります。

 アジア、アフリカ、ラテンアメリカで帝国主義の植民地体制を一掃し、人民が完全な解放と独立を達成するためには、なお多くのことをなし遂げなければなりません。民族解放の道は、困難なたたかいの道であります。その過程では、帝国主義者と反動派の必死の反抗に出あうこともあり、多くの難関や試練をへることもあります。

 政治的独立の達成は、民族解放革命の最終的勝利のための第一歩にすぎません。独立をかちとった人民には、帝国主義者と国内反動勢力の破壊策動に反対し、民族解放の偉業を最後まで遂行すべき課題が提起されています。そのためには、帝国主義の植民地支配機構を粉砕し、帝国主義および国内反動派の経済的基盤を一掃し、革命勢力を強化して、進歩的な社会政治制度を樹立し、自立的民族経済と民族文化を建設しなければなりません。こうしてのみ、新興独立諸国の人民は、植民地支配が残した世紀的な立ち後れと貧困を一掃し、富強な自主独立国家を建設することができます。

 朝鮮労働党と共和国政府は、民族の独立をかため民族の繁栄をめざすすべての新興独立国人民のたたかいを積極的に支持します。我々は、新興独立諸国との友好・協力関係を発展させるためにひきつづき努力するでありましょう。

 我が党と政府は、帝国主義に反対し、自由と解放をめざすアジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国人民のたたかいを支持することを、対外政策の重要な原則としています。朝鮮人民は、ラオス人民にたいするアメリカ帝国主義者の侵略策動を断固糾弾し、民族の独立をめざすラオス人民のたたかいを全面的に支持します。朝鮮人民は、アメリカ帝国主義者とその手先一味の侵略と干渉に反対し、独立・中立・領土保全をめざすカンボジア人民の正当なたたかいを支持します。我々は、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ人民の解放闘争を支持し、かれらに戦闘的連帯を送ります。

 我々はまた、資本の搾取と抑圧に反対し、民主的権利と社会主義をめざす資本主義諸国の労働者階級と勤労人民の革命闘争を支持し、かれらに強い連帯を送ります。我が党と人民は常に、平和と民主主義、民族独立と社会主義をめざしてたたかう人民の側に確固と立ち、かれらとの団結を強めるために努力するでありましょう。

 同志のみなさん! ここ数年来、社会主義陣営と国際共産主義運動は大きな試練に直面しています。現代修正主義と教条主義は、国際革命運動の発展途上に重大な難関をつくりだしています。

 我々は、左右の日和見主義を克服し、マルクス・レーニン主義の純潔を守りぬくことによって、社会主義陣営の統一と国際共産主義運動の団結をかちとり、帝国主義に反対して成功裏にたたかうことができます。

 マルクス・レーニン主義は、左右の日和見主義との闘争の過程で発展し、勝利してきました。歴史的経験が示しているように、革命の途上にはマルクス・レーニン主義から逸脱するさまざまな偏向があらわれます。これは、別に驚くにあたらないことです。帝国主義が残っており、階級闘争がつづく限り、その反映としての左右の日和見主義が労働運動の内部にあらわれ、これとたたかうようになるのは、ある程度避けられないことであります。

 左右の日和見主義は、労働運動の内部にあらわれたブルジョアおよび小ブルジョア思想であります。それは、両極端からマルクス・レーニン主義の革命的真髄をねじまげ、革命に弊害を及ぼします。我々は、左右の日和見主義と2つの戦線でたたかわなければなりません。

 現代修正主義は、「情勢の変化」や「創造的発展」を口実にマルクス・レーニン主義を修正し、その革命的真髄を骨抜きにします。それは、階級闘争とプロレタリアートの独裁を否定し、階級協調を説き、帝国主義との闘争を放棄します。現代修正主義はまた、帝国主義への幻想をまきちらし、社会的および民族的解放をめざす人民の革命闘争をあらゆる面から妨害します。

 もちろん現代修正主義は、マルクス・レーニン主義諸党の原則的な闘争によってすでに大きな打撃を受け、下り坂を転げています。しかし、これは現代修正主義が完全に克服されたことを意味するものではありません。現代修正主義は、いまなお、国際共産主義運動にとって大きな危険となっています。それは、なによりも帝国主義にたいして軟弱さを示し、人民の革命闘争にたいして消極的な態度をとる点にあらわれています。したがって、我々は現代修正主義との闘争をおろそかにすることはできません。

 現代修正主義に反対するとともに、極左日和見主義とたたかわなければなりません。極左日和見主義は、変化した現実を考慮せずに、マルクス・レーニン主義の個々の命題を教条主義的に繰り返し、超革命的なスローガンをかかげて人々を極端な行動へと導きます。またそれは、党を大衆から引き離し、革命勢力を分裂させ、主敵に攻撃を集中できないようにします。

 極左日和見主義が助長されれば、それも現代修正主義に劣らず、それぞれの党や国際共産主義運動に大きな危険を及ぼします。極左日和見主義と闘争せずには、反帝勢力を団結させて帝国主義と成功裏にたたかうことができず、現代修正主義との闘争も効果的におこなうことができません。

 このように、現代修正主義と極左日和見主義はいずれも、国際革命運動の発展に大きな支障をきたします。現代修正主義に反対するからといって、極左日和見主義の危険を見ないのも誤りであり、また極左日和見主義に反対するからといって、現代修正主義の危険を見ないのも誤りであります。左右の日和見主義を克服しなければ、個々の国の革命と建設を正しく指導することも、国際革命運動を力強く発展させることもできません。

 左右の日和見主義とのたたかいは、社会主義陣営の統一と、国際共産主義運動の団結のための闘争と密接に結びついています。我が党は、左右の日和見主義とたたかうと同時に、団結の旗をかたく守るでありましょう。我々は、日和見主義に反対するからといって団結を否定する極左的な誤りをおかしてもならず、団結を守るからといって日和見主義との闘争を放棄する右傾的誤りをおかしてもなりません。我が党は、左右の日和見主義との妥協のない闘争をくりひろげるとともに、社会主義陣営の統一と国際共産主義運動の団結を守るために、あらゆる努力をつくすでありましょう。

 社会主義陣営と国際共産主義運動は、こんにち、人類史の発展を規定する決定的な要因であります。それは、帝国主義およびすべての反動勢力と対峙している、現代の最も威力ある革命勢力であります。統一された強力な社会主義陣営と国際共産主義運動の存在は、帝国主義者の侵略と戦争政策を抑止し、全世界人民の革命闘争を励ましています。

 帝国主義者は、社会主義陣営と国際共産主義運動をなによりも恐れていま寸。そのため帝国主義者は、社会主義諸国にたいして武力侵略と破壊活動をたえずおこなってきたし、いまもおこなっています。こんにち、帝国主義者は、社会主義国家を一つ一つ攻めとろうとしています。

 このような状況にあって、なによりも重要なのは、社会主義陣営を帝国主義の侵略から共同で守ることであり、そのためには、社会主義陣営がしっかりと一つに統一されていなければなりません。ところがいま、社会主義陣営は内部の意見相違のため、全一的な隊列、団結した勢力として進むことができないでいます。これは、世界革命運動と国際情勢の発展に否定的な影響を与えています。

 社会主義陣営を擁護し、その統一を守りぬくためにたたかうのは、すべての共産主義者の神聖な義務であります。共産主義者は、社会主義陣営の統一を弱めるいかなる行動をも許してはなりません。社会主義陣営に革命を裏切った者を引き入れてもならず、社会主義陣営からあれこれの国を人為的に排除してもなりません。これらはいずれも、社会主義陣営を切り崩す行為であります。我々は、全世界の労働者階級の血をもってかちとった社会主義陣営を破壊させてはなりません。これは、社会主義陣営の運命と国際革命運動の前途にかかわる原則的な問題であります。

 我々は、社会主義陣営をなんらかの性格の異なった協同体に変えることはできません。

 それとともに我々は、社会主義陣営の存在をみとめず、社会主義陣営と国際共産主義運動を分裂させようとする行動に反対しなければなりません。社会主義陣営が2つに割れ、国際共産主義運動が2つに割れ、すべての党が2つに割れることが正常なことであるはずはなく、まして、好ましいことであるはずはありません。我々は、闘争をつうじて団結を求めなければなりません。

 こんにち、兄弟党間の意見の相違が、思想・理論上の境界を越えて解決しにくいほどにまでなったのは、全世界の共産主義者にとってまことに憂うべきことであります。しかし、兄弟党間の意見の相違がいかに深刻であっても、それは社会主義陣営と国際共産主義運動内部の問題であります。党と党のあいだの意見の相違を組織的な決裂にまで導いてはならず、それはあくまでも団結を願う立場から思想闘争の方法で解決しなければなりません。

 社会主義国のどの一国をも、社会主義陣営と国際共産主義運動から排除してはなりません。なんぴとも、兄弟国、兄弟党にたいして、誇張もしくは歪曲した評価をくだしてはならず、13の社会主義国のうち、どの1国も社会主義陣営の外にあるとか、国際共産主義運動の外にあるとみなしてはなりません。我々は、兄弟国、兄弟党の指導部を評価するにあたって、最大の慎重さをもってのぞまなければならないと考えます。

 兄弟党間の関係を、決して帝国主義との関係のような敵対的関係とみなしてはなりません。兄弟党の指導部が誤りをおかした場合でも、共産主義者は同志的な批判をおこなって、かれらが正しい道にたちかえるよう援助するのが当然であります。

 これとともに、兄弟諸国の社会生活のあれこれの側面にあらわれる個々の現象をもって、その社会の性格について軽々しく結論をくだすべきではありません。その社会の性格は、権力がどの階級の手中にあり、生産手段の所有形態がどうなっているかによって規定されます。

 我々は、社会主義国と資本主義国の差を正しくとらえなければなりません。社会主義国と資本主義国のあいだには、社会体制の本質からくる根本的な矛盾があります。この矛盾は、ある人の主観的な意図とはかかわりなく客観的に存在するものであります。指導者たちの講ずるあれこれの措置によって、社会主義国と資本主義国とのあいだの矛盾が激化したり緩和されたりすることはありますが、社会体制が対立しているかぎり社会主義と資本主義との根本的な矛盾がなくなることはありえません。

 たとえ、一連の否定的な側面をもっているとしても、兄弟国を敵と同列においたり、帝国主義者の側に押しやってはなりません。共産主義者は、兄弟党、兄弟国にたいする態度において、決して偏見や主観主義にとらわれてはなりません。

 我が党は、意見の相違があるとしても、兄弟党や兄弟国にたいして軽率な結論をくださずに、時間をかけ、闘争をつうじて点検することが必要だと考えます。そのようにしながら、かれらが帝国主義に反対し、民族解放運動を支持し、兄弟党、兄弟国の内部問題に干渉しない条件のもとで、かれらとの団結をはかることができるでしょう。我々は、かれらの否定的な側面にたいしては批判を加えて是正させ、肯定的な側面にたいしては評価し、支持する積極的な態度をとらなければなりません。

 我が党は国際共産主義運動の利益という見地から、すべての社会主義国がひきつづき革命の隊列に立って前進するのはよいことだとみなしています。そうあってこそ、社会主義陣営の威力を強め、帝国主義により大きな打撃を与えることができます。

 こんにち、社会主義陣営は意見相違のため複雑な状況におかれていますが、それは厳然として存在しています。なんぴとも社会主義陣営を主観的に消し去ることはできません。ある者が社会主義国でない国を社会主義陣営に引き入れたからといって、その国が社会主義国になるのではありません。反対に、ある者が社会主義国を社会主義陣営から人為的に排除したからといって、その国が社会主義国でなくなるのでもありません。

 社会主義陣営は共通の政治的・経済的基礎のうえに団結しており、社会主義・共産主義建設という同一の目的によって互いに結びついている一つの全一体であります。すべての社会主義国は、いずれも対等な一員として社会主義陣営を構成しています。社会主義陣営が一国でも多くなれば、それはよいことであって、悪いことではありません。世界革命の最終的勝利は、個々の国の革命が勝利し、社会主義陣営が拡大されていく過程をつうじて達成されるのです。

 我が党は常に、社会主義陣営全体を擁護し、この陣営を分裂させようとするあらゆる行動に反対します。我が党は左右の日和見主義とたたかいながら、すべての兄弟党、兄弟国と団結していくでありましょう。我々は、マルクス・レーニン主義とプロレタリア国際主義の原則、兄弟党代表者会議の宣言と声明の革命的原則にもとづく社会主義陣営の統一と、国際共産主義運動の団結を守りぬくために、ひきつづき断固たたかうでありましょう。

 こんにち、アメリカ帝国主義者は、社会主義陣営と国際共産主義運動における不団結のすきを利用して、世界のいたるところで侵略と略奪をさらに強化しています。特にアメリカ帝国主義者は、多くの兵力を動員してベトナム人民にたいする侵略戦争を拡大しています。

 もちろんこんにち、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、ヨーロッパなど、すべての大陸で、平和を愛する人民が、アメリカ帝国主義の侵略に反対し、ベトナム人民の英雄的闘争を支援する広範な運動をくりひろげています。しかし、共産主義者はこれに満足することはできません。我々は、アメリカ帝国主義の侵略戦争に反対し、ベトナム人民を支援するたたかいを世界的範囲でさらに組織化し、いちだんと発展させなければなりません。アメリカ帝国主義者がベトナム侵略戦争を段階的に拡大している状況のもとで、アメリカ帝国主義に反対し、ベトナム人民を支援する世界人民のたたかいも、当然、段階的に拡大すべきであります。

 そのためには、なによりも国際的な反帝共同行動を実現し、反帝統一戦線を形成することが重要であります。

 反帝共同行動と反帝統一戦線を実現することは、こんにち国際共産主義運動において、最も鋭く提起される原則的な問題であります。それは、アメリカ帝国主義者の侵略と戦争政策を阻止するか否か、社会主義陣営を守るか否か、民族解放運動を促進できるか否か、世界の平和と安全を守るか否か、という根本的問題にかかわっています。

 反帝共同行動と反帝統一戦線が実現すれば、ベトナム人民にたいする支援運動をいっそう強力に展開することができ、アメリカ帝国主義の侵略と戦争政策を阻止し、アジアと世界の平和を守ることができます。それはまた、兄弟党間の意見相違をしだいに克服し、社会主義陣営の統一と国際共産主義運動の団結を取りもどす条件をつくり、すべての国の革命運動をより積極的に促進することになるでしょう。それゆえ、反帝共同行動は、平和偉業の利益から見ても、革命偉業の利益から見ても絶対に必要なことであります。

 我が党は、ベトナムにたいするアメリカ帝国主義の武力侵略がはじまるや、侵略者に集団的反撃を加える反帝共同闘争を展開することを提唱しました。他の一連の兄弟党もそれを提起しています。

 しかし、反帝共同闘争は、国際共産主義運動内部の意見相違によって実現していません。我々はこのような事態を克服して、アメリカ帝国主義に反対し、ベトナム人民の闘争を支援するうえで社会主義諸国と共産党・労働者党が団結しなければならないと考えます。

 すべての社会主義国が、アメリカ帝国主義のベトナム侵略を糾弾し、たたかうベトナムの兄弟を支援するという党的および国家的立場を再三表明しています。また、すべての社会主義国が、ベトナム人民に経済的・軍事的援助を与えています。資本主義諸国の共産党・労働者党もアメリカ帝国主義の侵略戦争に反対し、ベトナム人民を支持する闘争に積極的に立ち上がっています。

 このことから我々は、一連の問題で意見相違があるとはいえ、まずアメリカ帝国主義のベトナム侵略に反対し、ベトナム人民を支援するうえで反帝共同行動をとりうる初歩的な基礎があると考えます。我々はこれを無視してはならず、反帝共同戦線を実現するために積極的に努力すべきであります。

 反帝共同行動を拒むのは、真に修正主義に反対し、マルクス・レーニン主義の純潔を守り、社会主義陣営の統一と国際共産主義運動の団結を強化することに貢献する態度ではなく、アメリカ帝国主義に反対し、たたかうベトナム人民を支援する立場であると見ることはできません。

 こんにち、世界革命の基本戦略は、アメリカ帝国主義に主なほこ先をむけることであります。我々は、敵と、誤りをおかした盟友とをはっきり識別しなければなりません。敵はうつべきであり、誤りをおかした盟友には批判を加えて正しい道にたちかえらせるべきであります。こうして、すべての盟友と力を合わせて主敵とたたかわなければなりません。

 我々はアメリカ帝国主義とのたたかいで、各国の共産党・労働者党、各国の民主的な大衆団体、国際民主団体と共同行動をとるために努力しなければなりません。もちろん、これらの組織は、多くの問題で見解が異なり、立場もそれぞれ違い、その構成も複雑であります。しかし、これらの組織は傘下に多くの大衆を擁しています。より多くの大衆を反帝闘争に引き入れるためには、共産主義者はこうした組織との共同行動を拒んではなりません。

 共産主義者は、見解の相違ばかりを見るのではなく、共通点をも見るべきであり、常に問題を全面的に考察し、ある一つの極端に走ってはなりません。もし、我々が各国の共産党・労働者党、各国の民主的な大衆団体、国際民主団体との共同行動を実現することができないならば、その傘下に結集している多くの大衆は反帝戦線から離れていくでありましょう。大衆を失っては革命はできません。我々は、これらの組織と共同行動をとることによって、その傘下の大衆に接近して革命的影響を与え、かれらを反帝闘争に立ち上がらせることができます。反帝共同行動を拒むのは、大衆から離れて孤立主義に陥ることであり、それは事実上、反帝闘争を弱める重大な結果をまねくだけであります。

 共産主義者は、決して偏狭であってはなりません。我々は、帝国主義に反対するすべての勢力を結集すべきであり、団結した力で反帝闘争をくりひろげなければなりません。たとえ、不徹底で堅固でない勢力であっても、より多くの同盟者をかちとって反帝戦線を拡大し、アメリカ帝国主義を最大限に孤立させて共同で打撃を加えることは、こんにち、共産主義者の戦略・戦術における一つの基本原則であります。

 国際共産主義運動の歴史には、帝国主義戦争に反対する闘争で共産主義者が右翼社会民主主義者と共同行動をとった多くの経験があります。かつて、共産主義者が実施した統一戦線政策は、人民を帝国主義戦争に反対するたたかいに立ち上がらせるうえで重要な役割を果たしました。

 世界の社会主義勢力が強化されたこんにちの歴史的条件のもとで、国際的な反帝共同行動を実現する可能性はさらに大きくなっています。我々は、国際共産主義運動の歴史的経験を生かして、わずかな可能性でもすべて利用し、強力な反帝共同闘争をくりひろげなければなりません。

 こんにち、ベトナムにたいするアメリカ帝国主義の侵略戦争を糾弾し、ベトナム人民を支援することは一つの国際的潮流となっています。修正主義に陥っていた人たちも、ベトナム人民を支援しないことには世界の世論にたえられなくなりました。これはよいことであって、決して悪いことではありません。

 もちろん、アメリカ帝国主義に反対し、ベトナム人民を支持する人々のなかにはいろいろな部類の人がいるでしょう。ある人たちは、かつての自分の誤りを悔い、この機会にそれをつぐなおうとしてアメリカ帝国主義の侵略を糾弾し、ベトナム人民を支援することもありえます。ある人たちは、根本的な立場には変わりがないけれども、自国人民と世界人民の圧力におされて、やむをえず反帝闘争に合流することもありえます。

 しかし、その動機はどうであれ、これらの勢力をすべて反帝共同闘争に引き入れることが必要です。もし、かつての誤りをベトナム問題で改めようとするならば、それはいうまでもなくよいことであり、歓迎すべきことであります。また、人民の圧力におされてやむなくアメリカ帝国主義に反対し、ベトナム人民を支援するにしても、これもやはり反帝闘争の助けにこそなれ、害にはならないでしょう。

 我々は、より多くの勢力を反帝共同闘争に引き入れれば、それだけよいと考えます。反帝闘争を避ける人々は反帝闘争に加わるようにすべきであり、反帝闘争に消極的な人は積極的になるようにしなければなりません。

 また、アメリカ帝国主義に反対する共同闘争をつうじて、マルクス・レーニン主義と修正主義とのけじめもいっそう明らかになるでしょう。実際の闘争のなかで、真にアメリカ帝国主義に反対しているのか、見せかけなのか、真にベトナム人民を支援しているのか、見せかけなのかが明らかにされるでしょう。実践は、真偽を識別する基準となります。日和見主義も、思想闘争によると同時に革命闘争の実践のなかで克服することができるのです。

 共同行動を実現するにあたって、共産主義者は常に闘争しつつ団結し、団結しつつ闘争する原則を堅持すべきです。我々の主張する共同行動は、むやみやたらに団結しようとか、原則をぬきにして妥協しようというのではありません。我々は、マルクス・レーニン主義の原則を固守しながら、アメリカ帝国主義に反対し、ベトナム人民を支援するうえで反帝勢力と歩調をそろえ、力を合わせようというのであります。こうして、共同闘争をくりひろげながら、日和見主義的要素は批判し克服するとともに、反帝的な側面はこれを支持し、助長させていかなければなりません。

 我々は反帝共同行動が、決して修正主義との闘争と矛盾するものではないと考えます。かえってそれは、あらゆる日和見主義との闘争の積極的な形態となるものであります。反帝共同行動と反帝統一戦線を実現することは、反帝闘争を成功裏に進めるようにするばかりでなく、人民大衆を革命的にめざめさせ、あらゆる日和見主義に反対してマルクス・レーニン主義の純潔を守りぬくことができるようにする正しい方針であります。

 アメリカ帝国主義に反対しベトナム人民を支援するうえで、共同行動をとるための具体的な対策を立てて実践することは、こんにち全世界の共産主義者にとってさし迫った課題となっています。

 我々はまず、社会主義諸国がたたかうベトナム人民を援助するために、国際的な義勇兵部隊を派遣することが必要であると考えます。これは、反帝共同行動を実現する第一歩となるでしょう。我々がベトナムに国際的な義勇兵部隊を派遣するならば、それはアメリカ帝国主義侵略者に強い打撃を与えることになり、かれらがみだりにベトナム侵略戦争を拡大できないようにさせるでしょう。

 我々は、国際民主団体の活動においても反帝共同行動をとるよう積極的に努力しなければなりません。国際民主団体は、アメリカ帝国主義に反対し、たたかう人民を支援することにその活動の中心をおくべきであります。そして、各国の民主的な大衆団体が、国際民主団体をつうじて反帝共同行動を実現し、また、すべての国際民主団体が連合してアメリカ帝国主義に反対し、たたかう諸国人民を支援する共同行動をとらなければなりません。このようにして、国際民主団体の活動において反帝共同行動を実現するならば、それは大きな力を発揮するようになるでしょう。

 しかし、このような対策だけでは、反帝共同行動と反帝統一戦線を実現する問題を完全に解決することはできません。最も重要なのは、兄弟党間に反帝共同行動を実現しうる条件をつくることであります。共産党・労働者党はまず、それぞれおかれている位置で帝国主義に反対して断固たたかい、諸国人民の革命運動を積極的に支援しなければなりません。我々は、このような過程をつうじてしだいに意見の相違をせばめ、互いに接触できる雰囲気をつくりださなければなりません。こうして、一定の条件がととのえば、兄弟党の協議会を開き、反帝共同行動の問題を具体的に討議することができるでしょう。

 このようにあらゆる困難を克服して、すべての兄弟党が国際的な反帝共同行動と反帝統一戦線の実現のために積極的に努力することが、こんにちマルクス・レーニン主義の原則に忠実なことであり、国際主義的義務を果たす道であると、我々は認めます。

 共産党・労働者党が、自主性を堅持することは国際共産主義運動において重要な問題です。自主性が保たれてこそ、それぞれの党が自国の革命を立派におこない、世界の革命に寄与するとともに、国際共産主義運動の団結を強めることもできます。

 自主性は、なんぴとも侵すことのできない各党の神聖な権利であり、各党はまた、他の兄弟党の自主性を尊重する義務があります。自主性の尊重は、兄弟党間の団結と協力の前提であり、基礎であります。すべての党が互いに自主性を尊重してこそ、兄弟党間の団結と協力が真に自発的かつ強固で同志的なものとなることができます。

 兄弟党は、完全な平等と自主性、相互尊重と内政不干渉および同志的協力の原則にもとづいて相互関係を結ぶべきであります。この規準は、国際共産主義運動の歴史的経験にもとづいて各国党代表者の1957年会議と1960年会議で規定されたものであり、すでに実践においてその正しさが証明されています。共産党・労働者党は、どの党であれこの規準を厳格に守るべきであり、この規準に忠実でなければなりません。もし、この規準に違反する場合には、兄弟党のあいだに複雑な問題が発生し、国際共産主義運動の団結が破れ、前進途上に多くの難関がつくりだされるようになります。

 ここ数年来、国際共産主義運動には、兄弟党間の相互関係にかんする規準に違反する現象があいついで起きています。そのため、国際共産主義運動には複雑な問題が発生しており、兄弟党の団結に重大な障害があらわれています。

 すべての党は互いに平等な立場で他の党を尊重し、互いに同志的な関係を保つよう努力すべきです。共産党・労働者党間には、地位の高い党と地位の低い党、指導する党と指導される党などありえません。いずれの党も、国際共産主義運動内で特権的な地位を要求することはできません。

 国際共産主義運動内には、各国の党の活動を唯一的に指導するような国際的組織はありません。時代は変わり、共産主義運動で国際的な中央を必要とした時期はすでに過ぎ去りました。コミンテルンが解散された後には、国際共産主義運動にいかなる「中央」も「中心」も存在しません。したがって、革命の「中心」が、ある国から他の国へと行ったり来たりするようなこともありえなくなりました。まして、ある一国が「世界革命の中心」となるとか、ある一つ党が国際共産主義運動の「指導的な党」となることなど、ありえないのであります。

 それぞれの国の革命は、決してなんらかの国際的な「中央」とか、ある他の国の党によってではなく、その国の党の指導のもとに、その国の人民の力によって進められています。共産主義者は、国際共産主義運動において、いかなる「中心」や「中央」も認めません。もしそれを認めるならば、ある特定の党の特権的な地位を許すことになるでしょう。そうなれば、ある党は高い地位をしめて他の党に指示し、命令することができるようになり、他の諸党はそのもとで服従し、その党をたてまつらなければならなくなるでしょう。兄弟党のあいだにこのような関係が許されるならば、個々の党は自主性をもてなくなり、自国の革命と建設を独自に遂行できなくなるでしょう。国際共産主義運動ではこのような関係は絶対に許されません。

 共産党・労働者党は、いずれも国際共産主義運動の同等の一員として、国際軍命運動とマルクス・レーニン主義の発展に共同で貢献しています。

 共産党・労働者党が革命の前衛部隊としての役割を果たすためには、必ずマルクス・レーニン主義によって導かれなければなりません。マルクス・レーニン主義は、実践によって検証された最も科学的で革命的な学説であり、人類のあらゆる進歩的思想の最高峰であります。マルクス・レーニン主義は、すべての国の革命と建設において必ず守られるべき一般的合法則性を示しています。

 それぞれの党は、マルクス・レーニン主義を自国の現実に創造的に適用し、自国の革命と建設にかんするみずからの指導理論をつくり、それを実践していくべきであります。他国の党の指導理論では、革命と建設を指導することはできません。

 各国の党の指導理論は、あくまでもその国の範囲において意義をもつものです。国によって実情が異なるのだから、ある一国の党の指導理論がいかに立派なものであっても、それは他国にはあてはまりません。それゆえ、ある一国の党の指導理論を全世界の共産主義者の指導理論としてかかげることはできないし、それを他の党におしつけてはなりません。

 朝鮮の共産主義者にとって、唯一の指導指針はマルクス・レーニン主義であり、それを我が国の実情に創造的に適用した我が党の路線と政策であります。我々にとってこれ以外に他の指導思想はありえません。

 共産主義者は、決してみずからを押し立ててはならず、他の党にみずからの思想を強要してはなりません。共産党・労働者党のあいだには、他国の党が自己の意思に従わないからと圧力を加えたり、内部問題に干渉するようなことがあってはなりません。しかしこんにち、国際共産主義運動には、自己の見解と路線を他の党におしつけ、それを受け入れないからと圧力を加え、内部問題に干渉する現象がつづいています。

 兄弟党のあいだに意見の相違があるからといって、他の党内の反党分派分子を支持し、党内部を混乱させ、他国の民主運動を分裂させてはなりません。

 我が党は、大国主義者の内政干渉を受けた苦い経験をもっています。もちろん、大国主義者たちは当然の反撃を受けました。当時、我々は耐えがたいことではあったが、革命の利益と団結の念願から問題を内部的に解決しました。我々は、今後もあらゆる内政干渉に反対し、大国主義を警戒しなければなりません。

 国際共産主義運動内部には、原則的な問題について勝手に結論をくだす権利を独占している党はありません。いずれの党も重要な国際問題について独断で結論をくだし、それを他の党におしつけてはなりません。共産党・労働者党は、相互の関心事となっている問題について協議すべきであり、互いに合意に達した結論に従って行動すべきであります。こうしてこそ、意志と行動の統一を保障することができます。

 個々の党は、重要な国際問題や、兄弟党との関係においても主観主義に陥らないようにすべきであります。共産主義者は、自分の言うことを聞きいれないとか、自分との見解が異なるからといって、兄弟党に軽々しく評価をくだしてはならず、偏見をもってのぞむべきではありません。いずれの党であれ、兄弟党の立場が自分と異なるからといって、マルクス・レーニン主義に背くものとみなしてはなりません。まして、自主的な立場を堅持している兄弟党にたいして、やたらにあれこれのレッテルを張りつけるようなことがあってはなりません。

 いま一部の人たちは、我が党をはじめ、マルクス・レーニン主義党にたいして「中道主義」「折衷主義」「日和見主義」などというレッテルを張りつけています。かれらは、我々が「無原則な妥協の道」を選んでおり、「2つの椅子にまたがって腰かけている」と言っています。これはたわいのない言辞です。我々にも自分の椅子があります。なんのために我々が自分の椅子を捨てて、他人の2つの椅子のあいだにまたがって窮屈に腰かけている必要があるでしょうか。我々は、常にみずからの正しいマルクス・レーニン主義の椅子に腰かけているでありましょう。自分の正しい椅子に腰かけている我々を、2つの椅子にまたがって腰かけていると中傷する人たちこそ、右か左に傾いたいずれかの椅子に腰かけているに違いありません。

 我が党にたいする誹謗は、我が党が右傾日和見主義に反対するだけでなく、極左日和見主義とも妥協せず、ひたすらマルクス・レーニン主義の原則的な立場をしっかりと守っていることを証明するだけであります。我々はマルクス・レーニン主義者であるがゆえに、あらゆる日和見主義に反対します。

 共産主義者は、自分のおこなっていることはすべて正しく、他人のしていることはみな間違っているなどという高慢なふるまいをしてはなりません。共同の偉業のためにたたかう同志のあいだで、こういうことがあってはなりません。共産主義者は、いずれもマルクス・レーニン主義を指針にしているが、あれこれの問題で見解を異にすることもあります。しかし、そのような場合にも互いに理解しあい、真剣に協議し、団結をはかるために努力すべきです。こうすることが共産主義者の守るべき道理であります。

 共産主義者であれば、誰にも自分の立場があり、事の是非を判断することができます。他の党と連係をもっているからといって、頭からその党が他の党の路線や政策を支持しているとか、それに追随していると見てはなりません。他人を疑うのは、大国主義とセクト主義の特徴です。大国主義とセクト主義は、みだりに人を疑い、あちら側、こちら側と区別したがるものです。我々は、どちらの「側」にもくみしようとは思いません。もし、我々にどちら「側」なのかとたずねるならば、我々はマルクス・レーニン主義の「側」であり、革命の「側」であると答えるでしょう。共産主義者は、兄弟党の自主的な活動にたいして色眼鏡で見てはならず、余計な神経を使うべきでありません。

 すべての共産党・労働者党の活動をある一つの枠にはめこむことはできません。国ごとに実情が異なり、革命の任務が異なる状況のもとで、兄弟党の政策が同じであるわけはありません。国際共産主義運動の統一的な路線は、決して個々の党の政策の多様性を排除するものではありません。

 共産主義者は、国際共産主義運動内部において大国主義を牽制すべきであります、そのためには、すべての兄弟党が誰にも盲従することなく自主性をもち、大国主義を受けつけないようにしなければなりません。また、すべての党が団結して、なんぴとであれ、社会主義陣営と国際共産主義運動をぎゅうじることができないようにし、大国主義の影響が及ばないようにすべきであります。誰がいかに、大国主義的なふるまいをしようと、それを受けつけず、それに従わなければ、大国主義は無力なものになり、なんの効力もあらわせないでしょう。大国主義がなくなってこそ、すべての党の自主性が確固と保障され、兄弟党間の関係が健全に発展することができます。

 共産主義者は、いかなる環境にあっても自分の信念をかたく守らなければなりません。共産主義者ならば、自己の信念をもたずに他人に盲目的に追随し、他人のいうとおりに話し、他人の行動するとおりに動くべきではありません。

 共産主義者が革命をおこなうのは、誰かの指示によるものでもなければ、誰かに取り入るためでもありません。共産主義者は、マルクス・レーニン主義にたいするみずからの信念にもとづいて、自国の労働者階級と勤労者の解放のために、国際労働者階級の偉業のために革命をおこなっています。自己の信念を固守し、そのために屈することなくたたかうのは、共産主義者の気高い品性であります。

 国際共産主義運動の現状は、我々に自主性と独自性をさらに堅持することを求めています。こんにちのような状況のもとで、我々がもし自主性と独自性をもたず、他人の行動のままに従うならば、路線と政策において原則性と一貫性を保てなくなるでしょう。そうなれば結局、我が国の革命と建設事業に大きな害を及ぼすばかりでなく、国際共産主義運動にも大きな損失を与えることになるでしょう。

 我々は、決して他人の笛に踊ってはならず、またそうはしないでしょう。我々は、マルクス・レーニン主義の原則と我が国の現実に立脚して、自主的にみずからの路線と政策を規定し、それを貫いて革命と建設事業を力強くおし進めなければなりません。我々は国際活動の分野でも、みずからの信念にもとづいて自主的な立場を堅持しなければなりません。

 我が党の自主的な立場は、プロレタリア国際主義の原則と密接に結びついています。我々は国際主義者であるがゆえに、孤立主義や民族主義には徹底して反対します。我々は、労働者階級の国際的団結を非常に重んじ、兄弟党、兄弟諸国との団結と協力を重視します。我々は、他の党の経験を尊重し、互いに学び合うことが必要であると認めています。我々が反対するのは、自主性を失って盲目的に他国に追随し、みずからの力を信じず他国にばかり依存し、他国の経験を批判的に見るのでなく、それをうのみにしようとする傾向であります。

 我々は自主性と団結を正しく結びつけ、それにもとづいて兄弟党、兄弟諸国との関係をたえず発展させなければなりません。我々は、社会主義陣営と国際共産主義運動がマルクス・レーニン主義とプロレタリア国際主義の原則、兄弟党代表者会議の宣言と声明にもとづいて団結すべきであると主張します。

 平等と自主性にもとづいて団結し、協力し、国際的連帯を強めつつ自主性を堅持していくこと、これは兄弟党および兄弟諸国との関係で、我が党が一貫して堅持している確固不動の方針であります。この方針は、我が国の革命と建設の利益にそうばかりでなく、国際共産主義運動の利益とも完全に一致します。それはこんにち、国際共産主義運動内部にあらわれた困難を克服し、真の団結の達成に貢献するでありましょう。

 ここ数年来の国際情勢の進展と国際共産主義運動における多くの出来事は、我が党の路線と政策の正しさをいま一度明確に示しています。

 我々がおさめたすべての成果は、我が党の自主路線と結びついています。自主路線を堅持しているがゆえに、我が党は、対内対外活動で路線上の左右の偏向をおかさず、原則上の誤りを避けることができました。

 こんにち、国際舞台における我が党の威信は高まっており、共和国の地位は強固なものになりました。我々は、全世界に数多くの友人と共鳴者をもつようになりました。国際共産主義運動において我が党の自主路線は、ますます多くの兄弟党から支持されています。我々は、対外活動における我が党の業績にたいして、当然の自負と誇りをもつものであります。

 我が党はこれまでと同様、今後ともひきつづき対内対外活動で自主路線を堅持し、左右の日和見主義に反対し、マルクス・レーニン主義の純潔を守りぬき、各国共産党・労働者党代表者会議の宣言と声明の原則を守るでありましょう。我が党は、マルクス・レーニン主義とプロレタリア国際主義の原則にもとづく社会主義陣営の統一と国際共産主義運動の団結を守りぬき、全世界の人民とかたく団結して帝国主義に反対し、最後まで革命を遂行するためにたたかうでありましょう。





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