『朝鮮労働党第4回大会でおこなった中央委員会の活動報告』

2 偉大な展望


 1 7か年計画の基本的課題

 同志のみなさん!

 新しい社会の建設で輝かしい成果をおさめた朝鮮人民には、新たな広びろとした展望が開かれました。

 我が国のすべての勤労者は、勝利者としての誇りも高く、未来へのより大きな希望をいだいて人民経済発展7か年計画の実行にとりかかりました。この7年間は、我が国の社会主義建設で決定的な時期となるでしょう。

 7か年計画の基本的課題は、勝利した社会主義制度に依拠して全面的な技術改造と文化革命を遂行し、人民生活を画期的に向上させることであります。我々は、社会主義的工業化を実現して人民経済の各部門を近代技術で装備し、全人民の物質・文化生活水準を決定的に向上させて社会主義の高峰をきわめなければなりません。

 我が党の指導のもとに、朝鮮人民は短期間に歴史的な社会的・経済的変革をなし遂げ、搾取と抑圧のない社会主義制度をうち立てました。しかし、社会主義の完全な勝利のためには、これだけでは不十分です。我々は、国の工業化と技術革命を徹底的に実現して、社会主義の物質的・技術的土台を強固にきずかなければなりません。

 技術革命、これは、搾取から解放された人民を骨のおれる労働から解放して、仕事は楽にしながらもより多くの物質的富を生産し、人民生活をいっそう豊かで文化的なものにする重要な革命課題であります。技術革命の遂行は、歴史的に立ち後れた生産力を受け継いだ我が国で、新しい社会制度の最終的勝利をおさめるために最も主要な問題を解決することを意味します。

 5か年計画を遂行することによって、我が国は自立的工業の建設と人民経済の技術的改造で大きな進歩を遂げました。しかし、我々は、まだ工業化の基礎をきずいたにすぎず、技術革命の第一歩を踏みだしたにすぎません。それゆえ、社会主義的工業化を実現し、人民経済の各分野で全面的に技術革命を遂行する課題が7か年計画の最も中心的な問題となっています。我々は、ひきつづき工業を速やかに発展させ、農業をふくむ人民経済の各部門を近代技術で装備して、我が国を近代的な工業と発達した農業をもつ社会主義工業国に発展させなければなりません。

 人民経済の全面的な技術改造は、より多くの科学・技術幹部を必要とし、勤労者の高度の文化・技術水準を必要とします。技術革命と文化革命は密接なつながりをもっており、文化革命をおこなわずに技術革命を成功裏に遂行することはできません。我々は、国の文化的な立ち後れを克服するうえで大きな成果をおさめましたが、この分野でも革命をつづけなければなりません。科学・技術幹部の隊列を大々的に拡大し、全勤労者に近代的な機械を巧みに操作できる知識と技能を身につけさせ、新しい世代を全面的に発達した有能な共産主義建設者に育成しなければなりません。

 社会主義を建設する目的は、つまるところ全人民の豊かで文化的な生活を保障することにあります。我が党は搾取と貧困の社会的根源をなくし、生産力を発展させて、人民の物質生活の最も基本的な問題を解決しました。いまでは、かれらの生活全般を社会主義社会にふさわしい高い水準に向上させるのが、我々の課題であります。我々は、7か年計画の前半期には勤労者の福祉の増進に力を注ぎ、後半期にもひきつづきこれに深い関心を払い、6〜7年後には全人民があらゆる面で豊かな生活ができるようにしなくてはなりません。

 共和国北半部における社会主義建設は、朝鮮革命の全国的な勝利の決定的な要因であります。人民経済発展7か年計画を遂行すれば、北半部に創設された革命の基地はいっそう不敗の力に強化され、祖国の平和的統一は決定的に促進されるでしょう。7か年計画が遂行されれば、北半部人民の物質・文化生活を豊かにする十分な土台をきずくだけでなく、将来、破壊された南朝鮮の経済を復興し、南朝鮮人民を飢えと貧困から救うことのできる自立的民族経済の基礎をいっそう強固にきずくことになるでしょう。

 7か年計画の歴史的な課題を成功裏に実現するためには、重工業の優先的な発展を保障しながら、同時に軽工業と農業を発展させ、科学と文化を全面的に発展させる我が党の路線を堅持しなければなりません。我々は、戦後の廃墟のなかでもあらゆる困難をのりこえ、この路線を貫いて民族経済の基盤をつくり、それをいっそうかため、人民の物質・文化生活を著しく向上させました。我々は今後も、この路線に立脚して全面的な技術革新を実現し、民族文化を開花させ、人民生活を急速に向上させなければなりません。

 社会主義建設で新たな一大飛躍をもたらすためには、我々の前進運動の速いテンポを保ち、さらに速く前進しなければなりません。技術的、経済的にまだ遅れている我が国の現実がこれを求めており、南半部がアメリカ帝国主義の占領下にある祖国の現情勢がこれを求めています。こんにち、朝鮮人民は、共和国北半部の社会主義建設を促進するためにますます奮起しており、生き地獄にあえぐ南朝鮮の同胞を一日も早く救いだそうという革命的熱意にみちています。

 我々は、すでにたたかいとった社会主義制度をかため、勤労者の共産主義的な意識をいっそう高めて、全人民が天をつく勢いで社会主義建設に参加するようにし、チョンリマの大進軍をつづけなければなりません。すべての党員と勤労者は、新しい技術を学び、先進的な科学知識で武装し、いっさいの古いものと停滞を一掃して、いたるところで新しい基準、新しい記録を創造し、継続革新、継続前進を遂げるために全力を尽くすべきであります。

 こうして、朝鮮民主主義人民共和国の威力をあらゆる面から強め、南北朝鮮の全人民を朝鮮労働党と共和国政府のまわりにいっそうかたく団結させ、統一し独立した富強な朝鮮を建設するための強固な政治的・経済的力量をきずきあげなければなりません。


 2 工業

 7か年計画では、工業を量的にばかりでなく、質的にも急速に発展させることが予定されています。

 工業総生産高は毎年平均18%ずつ増え、1967年には1960年の約3.2倍に増大し、そのうち生産手段生産は3.2倍に、消費財生産は3.1倍にそれぞれ増大するはずです。そのときには、工業生産が戦前の水準を20倍以上も上回り、去る5か年計画の全期間に生産されたものよりはるかに多い量の工業製品がわずか1年間で生産されるでしょう。これは、我が国の工業がひきつづきチョンリマの速度で前進し、今後、我が国が短い期間に工業化を実現することを意味します。

 7か年計画期間に工業部門で解決すべき中心的な課題は、工業生産の構造をさらに完備し、その技術基盤を強化して、多面的に発達し、国内の強固な原料基地をもち、そして、最新技術で装備された自立的工業体系を確立することであります。このような工業によってのみ、豊富で多様な国内の天然資源を合理的に開発して利用することができ、人民経済の全面的な技術改造を実現し、人民生活を画期的に向上させることができます。

 工業化を実現し、人民の福祉増進をはかるうえで主導的な役割を担うのは、重工業であります。

 我が党は重工業の発展に最大の力を注いで、機械製作工業をはじめ、基幹的な重工業のあらゆる部門を建設しました。しかし、短期間に急速に発展した我が国の重工業は、まだ二次的な諸部門を完全にそなえておらず、多くの不備な点をもっています。いわば、重工業の骨組みはできあがったが、まだそれに十分な肉づけをすることができていません。

 そこで、我々に提起されている重要な課題は、まず重工業の不備な点をおぎない、その骨組みに肉づけをし、さらには重工業基地をいっそう拡大することであります。そのためには、現在の重工業工場をひきつづき整備、拡張して新しい技術で装備し、同時に人民経済の各部門に必要な機械設備や原料、資材を生産、供給する大規模の企業所を新設しなければなりません。7か年計画期間に、機械製作工業、化学工業、燃料・動力工業、鉄鋼業を速やかに発展させ、重工業を全般的にいっそう完備し改造して国の経済力を著しく強化し、重工業が軽工業と農業の発展にいっそう効果的に奉仕できるようにしなければなりません。

 人民経済を急速に発展させるためには、まず、燃料・動力基地を拡大強化しなくてはなりません。とりわけ、技術の進歩に重要な意義をもつ国の電化を促進するため、電力工業を他の部門に優先させなければなりません。

 電力工業を発展させるための我が党の方針は、国内の豊富な水力資源を大々的に開発して、ひきつづき大規模の水力発電所を建設するとともに、これとならんで火力発電所の建設をおし進めることです。火力発電所は、水力発電所に比べて短期間に少ない資金で建設することができるうえに、渇水期にも正常に電力を供給することができ、また動力を多面的に利用できるようにします。水力発電所と火力発電所の建設を合理的に組み合わせることによってのみ、短期間に発電能力を著しく高め、水力に片寄っている我が国の電力工業の一面性をなくし、動力基地を質的に強化することができます。

 7か年計画期間に、大規模の水力発電所とともに新たに多くの火力発電所を建設して、200万KW以上の発電能力をさらにつくりだし、総発電能力を330万〜350万KWに高めなければなりません。

 動力基地を拡張するうえで切実を問題は発電設備を自力で製作することです。もちろん、これは難しいことではありますが、大型発電機をふくむ水力および火力発電所の設備を漸次国内で総合的に生産、供給するために努力しなければなりません。

 燃料工業では石炭生産を速やかに増大させるために、埋蔵量が豊富で採掘条件のよい炭鉱に投資を集中すべきであり、各炭鉱の基本建設を促進して、主要坑道の恒久化を基本的に完成すべきです。すべての炭鉱で極力機械化の水準を高め、水力採炭法の広範な普及をはじめ、技術革新運動を活発にくりひろげなければなりません。こうして、7か年計画の末期には、石炭の年間生産高を2300万〜2500万トンに増大させなければなりません。

 人民経済の技術的改造を促進し、国の自立的経済土台を強めるうえで、金属工業、特に鉄鋼業は大きな意義をもっています。鉄材を大量に生産、供給せずには、多くの機械設備をつくりだすことも、大規模の建設をおこなうこともできません。

 現在の製鉄所、製鋼所を整備拡張し、各種の冶金設備をより効果的に利用すべきです。金策(キムチェク)製鉄所をむこう10年以内に、年産300万トン能力の鋼鉄生産基地に発展させる大工事をおこなうべきであり、まず第1段階の工事として7か年計画期間に180万トンの生産能力をそなえなければなりません。そして、西海岸地区の豊富な粉鉱を処理するために新しい製鋼所を建設しなければなりません。

 こうして7か年計画の末期には、銑鉄と粒鉄の年間生産高は220万〜250万トン、鋼鉄も220万〜250万トン、圧延鋼材は160万〜180万トンにそれぞれ到達させなければなりません。これとともに鋼材の品目をさらに増やし、特に合金鋼の生産を発展させるために力を注がなければなりません。

 非鉄金属工業では、現在の製錬所の生産能力を拡大し、非鉄金属圧延工場を新設して、各種の非鉄金属圧延製品の需要を国内生産でみたすようになるでしょう。

 軽金属の生産に大きな注意を払うべきです。なによりもまず、霞石を総合的に処理し、工業に必要なアルミニウムを自力で解決しなければなりません。

 各種の鉱石にたいする金属工業の増大する需要をみたすために、7か年計画期間に既存の鉱山をさらに拡張し、その技術装備を改善するとともに、新しい鉱山を大々的に開発しなければなりません。

 これとともに、探鉱活動を極力強化しなければなりません。探鉱用の設備や資材をより多く生産、供給し、必要な試験所や分析所を十分ととのえるとともに、この部門の専門家の養成にさらに多くの力を注がなければなりません。

 7か年計画の最も重要な課題の一つは、化学工業を大々的に発展させることであります。

 化学工業の発展は人民経済の技術的進歩を促すばかりでなく、国内の天然資源を多角的に、より有効に利用するうえで重要な役割を果たします。それは、もともと我が国にない資源をも現有の資源で代用できるようにし、天然の材料よりもっと良質のいろいろな合成材料を生産と建設に供給してくれます。ことに耕地面積の少ない我が国では、農業によっては軽工業の原料が十分供給されないため、原料を化学的な方法で解決しなければなりません。そのため我が党は、化学工業、特に有機合成工業の発展と人民経済の化学化に大きな意義を与えています。

 なによりもまず、人造繊維の生産を著しく増やす一方、大規模のビナロン工場やバイクロン工場を建設して繊維原料の問題を完全に解決しなければなりません。塩化ビニールをはじめ、合成樹脂の生産を速やかに増やし、合成ゴムを量産する化学工業基地を新たにきずかなければなりません。

 農村に各種の化学肥料をより多く供給し、殺虫剤、除草剤などの農薬や尿素の生産を増大させるため、それに必要な化学工業基地をいっそう拡大強化しなければなりません。

 こうして、7か年計画の末期には、1年間に人造繊維と合成繊維は8万〜10万トン、合成樹脂は6万〜7万トン、合成ゴムは1万5000〜2万トンを生産し、化学肥料の生産高は150万〜170万トンに達するようにしなければなりません。これとともに石油の精製処理のため、阿吾地(アオジ)地方に第1段階として100万トン能力の石油精製工場を建設しなければなりません。こうなれば工業と農業に必要な化学製品の国内需要を基本的にみたすことができ、人民経済の化学化で大きな前進を遂げるようになるでしょう。

 化学工業の基礎である酸・アルカリ工業を発展させなければならず、我が国に必要な保健医薬品と獣医薬品を国内生産でまかなえるように製薬工業を拡大しなければなりません。

 7か年計画の全期間は、人民経済のあらゆる部門にわたる全面的な技術革命の時期です。機械製作工業を速やかに発展させ、近代的な機械設備を十分に生産、供給することなしには一歩も前進することができません。生産工程の機械化と自動化、電化と化学化の実現など、技術革新のすべての問題が結局は機械製作工業の発展にかかっています。

 鉱山機械、冶金設備、化学設備、電気機械などの重工業設備や各種の軽工業設備、そのほか建設機械、運輸機材などの需要をみたさなければならず、特に立ち後れていた農業と水産業の機械化のためにトラクターと農業機械、船舶その他の漁労用設備を大量に生産しなければなりません。そのためには、現在の機械工場の規模を拡大し、その技術装備を強化するとともに、新しい機械工業基地を創設しなければなりません。

 機械設計の能力をいちだんと拡大して大型機械、精密機械をふくむ各種の新しい機械設備をいっそう多く考案し製作すべきであり、特に人民経済の技術的進歩と自動化に必要な各種の計器、電子管、弱電機械などの生産を急速に増大させなければなりません。

 素材生産に進んだ鋳造法を積極的に取り入れ、切削とともにプレス加工法を広く適用し、機械の加工および組立てに流れ作業またはロット生産を適用するなど、機械製作工業部門における技術革新に深い注意を払わなければなりません。

 そして、すでにきずかれた機械製作工業の土台をよりどころにして、生産の専門化と協同化を広く実施しなければなりません。鋳物および鍛造品の生産や部品生産を専門化して労働力と鉄材の浪費をなくし、機械製品の質をいちだんと向上させなければなりません。

 7か年計画期間に予定された大規模の建設を順調に進めるためには、建材工業を系統的に発展させなければなりません。

 セメント工場を拡張または新設して、1967年にはその生産高を400万〜450万トンに達するようにしなければなりません。このほか石材や風化土の加工対策を立て、広く地元の材料を建設に利用するようにしなければなりません。

 鉄材や木材を極力節約するために、削片板、繊維板、合成樹脂などを利用する新しい建材加工工場を建設すべきであり、衛生陶器工場、ルーフィング工場および各種の建具・金具工場を新設あるいは拡張しなければなりません。

 建設の工業化水準をさらに高めるために、建設部材の生産をひきつづき増やし、建設部材の大型化、軽量化の方向へ進まなければなりません。

 工業部門の重要な課題の一つは、消費物資にたいする勤労者の増大する需要を円滑にみたすことです。いまなお、我が国の軽工業は全般的に満足すべき状態ではありません。7か年計画の期間に重工業の優先的な発展にもとづいて、軽工業を画期的に発展させなければなりません。

 我が党は、消費物資の生産分野で、比較的技術が複雑で大規模に発展させるべき中央直轄工業と、地元の原料を利用して中小規模に発展させるべき地方経営工業を並進させる方針をひきつづき堅持するでしょう。大規模の軽工業工場を多く新設するとともに、現在の企業所を改造、拡張すべきであり、特に、いまなお残っている地方経営工業の手工業的な技術をしだいに近代技術に切り替える対策を講じなければなりません。

 軽工業部門での最も重要な問題は、生産物の品目を増やし、その品質を決定的に向上させることです。あらゆる源泉と可能性を生かして、勤労者の日常生活に必要な多種多様な消費物資をより立派に生産すべきであり、軽工業製品の品質を速やかに先進諸国の水準に追いつかせなければなりません。

 紡織工業では、綿の栽培が非常に限られている我が国の実情を考慮に入れて、ビナロン、スフ、レーヨンその他の化繊織物や亜麻織物の生産に力を注ぎ、絹織物、毛織物の生産も速やかに増やさなければなりません。こうして、7か年計画の前半期には、織物の生産能力を年産3億メートルまで高め、1967年には4億〜5億メートルまで生産するようにしなければなりません。そのときには全住民に各種の織物が豊富にゆきわたり、衣料の問題は十分に解決されるでしょう。

 人民生活に必要な紙類はいうまでもなく、クラフト紙、板紙なども十分生産、供給するため、製紙工業を大々的に発展させなければなりません。パルプ原料の集中している地方に大規模の製紙工場を建設するとともに、地元のいろいろな原料を利用する中小規模の製紙工場を多く設置し運営しなければなりません。

 これとともにゴム工業を発展させて、人民経済と住民のゴム製品の需要をみたし、合成樹脂を原料とする日用品生産を急速に増大させなければなりません。靴類の生産では、ゴム靴ではなくしだいに革靴、人造革靴の生産を増やさなければなりません。また、電化製品をふくむあらゆる家庭用品、文房具などを大量に生産し、勤労者に必要な各種の家具を十分に生産、供給すべきです。

 勤労者の食品需要をみたし、婦人の家事を軽減するためには、ひきつづき食品加工業を速やかに発展させなければなりません。トウモロコシ加工工場を大々的に増やし、みそ・しょうゆ工場、食用油工場、豆腐工場、食肉および魚類加工工場などを新設または拡張して、その生産能力を大幅に高めなければなりません。

 3面が海にかこまれている我が国では、海の資源を十分に開発して、人民生活を向上させることが非常に大切です。ひきつづき大きな力とより多くの投資をこの部門にふり向けて、漁獲高をいちだんと増大させ、7か年計画の最後の年には、水産物の生産高を100万〜120万トンに達するようにしなければなりません。

 現在の船を完全に機械化し、新たに多くの大型漁船を建造して、沿海漁業はもちろん、遠洋漁業もできる条件をつくらなければなりません。漁船に通信機材や魚群探知機、近代的な漁具などを十分そなえつけ科学的な基礎のうえに立って漁獲をおこなうようにしなければなりません。

 現在の港湾を修築、整備し、新しい漁港を建設し、ひきつづき漁場を拡大すべきです。そして、水産物の加工施設を改善し、加工で技術革新を起こさなければなりません。

 淡水養魚と浅海養殖を発展させるために各地に養殖事業所を設け、必要な物資を十分に供給しなければなりません。

 水産協同組合を組織的、経済的にいちだんと強化し、必要な資材を円滑に供給するため水産資材工場を拡充し、その供給システムを改善しなければなりません。

 住民への水産物の供給を強化するために、各都市に冷凍工場をつくり、冷蔵貨車を増やし、運搬船にも冷凍設備をそなえなければなりません。

 このように、我々は7か年計画の期間に重工業と軽工業をひきつづき速いテンポで発展させて、人民経済の全面的な技術改造と人民生活の画期的な向上に必要な各種の資材、機械設備および消費財商品を生産、供給するようになり、工業を多面的に発達した近代的工業に変え、我が国の自立的な経済土台をさらに強化するでありましょう。


 3 農業

 7か年計画期間における農業部門の中心的な課題は・技術改造をおし進めて農業の機械化を実現し、農業生産をいっそう高めることであります。

 遅れた農業技術を近代的な機械技術に切り替えることは、現在、我が国の技術革命で最も重要な位置を占めています。農業の機械化は、社会主義的協同化が完成した状況のもとで農業生産力をいっそう発展させ、協同経営を強固にするための必然的な課題です。農業を近代的な機械で装備すれば、急速に発展する工業に農業を着実に追いつかせるとともに、農民の労働を楽にし生活を豊かにすることができます。

 我々は、全力をあげて農業の機械化を促進しなければなりません。農業機械作業所網を拡大して各郡ごとに作業所を設置し、トラクター、トラックその他各種の農業機械の台数を著しく増大させなければなりません。1967年には、トラクターの台数は15馬力に換算して現在の1万3000台から8万台以上に達するようにしなければなりません。

 農業の機械化で重要なのは、地勢別に大・中型および小型のトラクターとトラックを合理的に配置し、それに各種の農業機械を組み合わせることです。こうすれば、平野部、山間部を問わず全農村で機械化を全面的に実現することができ、すきおこし、種まき、中耕および除草、取り入れ、脱穀など重要な農産作業や畜産作業、運搬作業をすべて機械化することができます。

 これとともに、水利化でおさめた成果をさらに拡大しなければなりません。我が国の気候条件からみて最も安全で収穫の高いのは稲作です。我々は、7か年計画の期間に水田の面積を70万ヘクタールに拡張し、畑地灌漑の面積も増やさなければなりません。東海岸一帯では、河川整理、貯水池の建設、堤防工事など水害を防ぐための治山治水事業をひきつづき進めなければなりません。

 我が党は、今後も穀物の生産を主としながら、工芸作物の栽培や畜産業、果樹栽培業、養蚕業などもともに発展させる方針を堅持するでしょう。

 穀物問題を解決するのは、社会主義建設における最も中心的な課題の一つであります。穀物の生産を決定的に高めなくては住民に食糧を豊富に供給することができず、農業の他の部門をさらに発展させることもできません。我々は穀物の生産に主力を注ぎ、それにもとづいて農業を多角的に発展させなければなりません。

 農地の少ない我が国では、自然を改造して新しい土地をさらに獲得し、現在の土地を保護、改良してより十分に利用しなければなりません。耕地を系統的に増やすことは穀物の生産を速やかに増大させ、農業を全面的に発展させる重要な裏付けとなります。我々は、今後10年以内に100万ヘクタールの新しい土地を獲得する遠大な目標のもとに、西海岸一帯の干潟地や全国の丘陵、さらに普天(ポチョン)、白岩(ペクアム)などの高原地帯を開拓する大自然改造事業を強力におし進めなければなりません。こうして、7か年計画期間に50万ヘクタールの土地を新たに開墾し、耕地面積を250万ヘクタールに到達させなければなりません。

 これとあいまって、二毛作体系を広く取り入れ、土地利用度を高めて作付け総面積を大幅に増やさなければなりません。

 我が国で穀物の生産を高める基本的な環は、進んだ集約農法を発展させて単位面積当たりの収穫高を増大させることです。

 土壌を積極的に改良し、深く耕し、優良種子をまき、水を十分にひきいれ、肥料をたくさん施し、雑草をなくし、病虫害を防ぐなど、収穫高を増大させるためのあらゆる対策を十分に講じなければなりません。

 とりわけ農業の化学化に深い注意を払うべきです。田畑の肥沃度を高め、農作物が早く成長するように刺激し、雑草や害虫をなくすなどのすべての仕事を化学的な方法でおこなわなければなりません。機械化とともに化学化を実現すれば、農村の骨のおれる力仕事を減らし、少ない労働力で農業を集約的に営み、収穫高を決定的に増大させることができます。

 これらの経済的・技術的対策を講じて、7か年計画の末期には穀物の総収穫高を600万トンの水準に引き上げなければなりません。穀物生産をこのように高めれば、我が国の食糧問題を最終的に解決するばかりでなく、農業のすべての部門を急速に発展させることのできる強固な土台がきずかれるでしょう。

 穀物の生産を増大させるとともに、工業に原料を供給するため綿、亜麻などの繊維作物、各種の油脂作物、たばこ・てん菜、朝鮮人参(インサム)、ホップなどを適地に集中的に栽培してその生産高を増大させ、野菜の生産を増やして都市の住民により多くの野菜を供給しなければなりません。

 畜産業を画期的に発展させることは、7か年計画の期間に農業部門で解決すべき重要な課題であります。これまで大きな努力を傾けてきずきあげた畜産業の土台をさらに強化して、歴史的に受け継いだ畜産業の立ち後れを取り除き、食肉その他の畜産物の生産高をいっそう増大させなければなりません。

 食肉や牛乳の生産高を急速に増大させるために、この期間に豚は300万頭以上、牛は100万頭に増やし、ヤギ、兎のような草食動物をもっと多く飼育する一方、農村の機械化が進むにつれて労役から解放される雌牛を乳牛に切り替える仕事に力を注がなければなりません。山間部はいうにおよはず平野部でもメンヨウを多く飼育して羊毛の生産高を速やかに増やし、家禽の飼養もひきつづき発展させなければなりません。

 畜産部門では、国営畜産業と農業協同組合の共同畜産を基本にし、組合員の副業畜産を並行して発展させるのが我々の一貫した方針です。各協同組合がたえず共同畜産を発展させながら、優良種の子畜を組合員に分け与え、どの農家でも豚、兎、鶏、アヒルを飼う運動を大々的にくりひろげなければなりません。

 畜産業で第一義的な意義をもつのは、強固な飼料生産基地をととのえることです。この問題を解決するため、田畑に二毛作をおこなって飼料作物を広く栽培し、山麓や山間、傾斜地など可能なあらゆるところに飼料作物畑や放牧地をつくらなければなりません。

 種畜を改良し、家畜の飼育と管理をたえず改善し、防疫事業を強化して家畜の死亡を決定的になくし、その生産性を著しく高めなければなりません。

 我が国の国土のおよそ80%を占めている山を総合的に利用することは、人民経済の発展に極めて重要な意義をもっています。山は、木材生産と畜産業の発展に利用されるだけでなく、果樹栽培業と養蚕業を発展させ、経済林を造成して各種の工業原料を解決するためにも極めて重要であります。

 7か年計画の期間には、果樹栽培業を大々的に発展させることが予定されています。山の傾斜地を開墾して新たに20万ヘクタール余りの果樹園をつくり、我が国の果樹栽培面積を30万〜35万ヘクタールに拡張するとともに、若木を立派に育てて結果面積を急速に増大させなければなJません。こうして、1967年には50万トンの果物を生産し、住民に四季とりどりの果物を供給するようにしなければなりません。

 立派な絹織物をさらに多く生産するために養蚕業をいっそう発展させなければなりません。山の傾斜地を開墾し、新たに4万ヘクタールの桑畑をつくってその面積が10万ヘクタールに達するようにし、桑の木の肥培管理を改善してヘクタール当たりの収穫高と産繭高をいっそう高めなければなりません。さらに、柞蚕林とヒマ(トウゴマ)の栽培面積を広げ、進んだ飼育法を広く適用しなければなりません。

 また、利用価値の少ない山林を繊維原料林、油脂林など経済的に有用な山林に改造する仕事を将来を見通して計画的に進めなければなりません。各地の山野に成長の早いポプラ、ドロの木などを植えて短期間にパルプ原料を解決し、桐、クルミ、満州グルミ、栗、朝鮮五葉松などを植えて、将来軽工業の原料にあてるようにすべきです。経済林の造成に必要な林木資源を確保するため養苗を優先させ、植樹造林事業を全人民の運動として強くくりひろげなければなりません。

 7か年計画の期間には農業生産を全面的に発展させるとともに、農村建設事業をひきつづき大規模におこなうことを予定しています。

 田畑を整理し、道路をつくり、橋をかけ、住宅、学校、病院その他の文化施設や便益施設をさらに多く建設しなければなりません。この膨大な建設を進めるため、国家は必要な機械設備や資材を供給し、技術援助を与えるでしょう。これとともに、農業協同組合の財源と地元の資材を農村建設に積極的に活用することが必要です。

 農業を速やかに発展させ、農村建設を立派に遂行することは、我が国の農村から、かつての貧困と後進性のなごりを永久に一掃し、我が国の農村を近代的な文化農村につくりあげ、農民の福祉を画期的に増進させるでありましょう。


 4 運輸および逓信

 7か年計画期間における人民経済の速やかな発展は、貨物輸送の大幅な増大を必要とします。鉄道運輸をはじめ、水上運輸、自動車運輸を速やかに発展させなければ、増大する輸送量を処理できません。

 なによりも鉄道運輸の物質的・技術的土台を強化し、あらゆる方法でその通過能力を向上させることが重要です。

 平山−福渓(ポッケ)間、清津(チョンジン)−羅津(ラジン)間の鉄道建設を完成し、黄海南道にまだ残っている狭軌鉄道を広軌鉄道にかえなければなりません。

 鉄道の電化は、輸送の経済的効果と文化性を高めるうえで決定的に有利であります。電化が実施されれば、鉄道の燃料消費量は5分の1に減り、多くの輸送労働力が節約されるばかりでなく通過能力はほぼ2倍に高まります。7か年計画の期間に平壌−清津間、平壌−新義州(シンイジュ)間、平壌−開城(ケソン)間、煕川(ヒチョン)−古仁(コイン)間の鉄道を電化し、主要幹線の電化を基本的に完成しなければなりません。

 また、鉄道工場の生産能力を高めて電気機関車や貨車、客車、その他鉄道に必要ないっさいの機材を十分に生産して供給しなければなりません。

 このように、鉄道の技術装備を強化すると同時に輸送機材をより有効に利用して、1967年には鉄道貨物の輸送量を7500万トンに達するようにしなければなりません。

 鉄道運輸の緊張をほぐし、人民経済の貨物輸送をいっそう円滑にするために、水上運輸を大々的に発達させなければなりません。海上および河川運輸に必要な船舶を建造して水運能力を著しく高め、特に対外貿易の発展にともなう海上遠距離輸送の対策を立てなければなりません。そして、東海岸や酉海岸の主要な港湾施設を整備しなければなりません。

 自動車運輸能力を高めるため道路や橋梁の復旧、新設を強力におし進め、自動車の交通量の多い区間の道路舗装を大々的に進める一方、自動車やトレーラーの利用率を大幅に高めなければなりません。

 逓信部門では、郡と里のあいだの電話網を完備し、各都市の自動交換能力を強化し、有線放送網をさらに拡大して農村の各里にもれなく放送施設を設けなければなりません。これとともに、無線放送の出力をいちだんと強めて放送事業を強化し、テレビ放映もおこなわなければなりません。


 5 科学・文化の発展

 人民経済の全面的な技術改造は、すべての科学部門の画期的な発展を必要とします。生産力の発展で科学の果たす役割が高まっています。科学の要塞を占領してこそ労働生産性を高度に高め、社会主義の完全な勝利を保障することができます。

 社会主義建設の過程で提起される緊切な科学・技術上の問題をそのつど解決し、先進的な人類がおさめた進んだ科学の成果をたえず取り入れ、近い将来、我が国の科学を全般的に世界的水準に引き上げなければなりません。

 現在、我が国における科学の基本的な使命は、技術革命に積極的に奉仕することであります。

 我々には、農業をふくむ人民経済各部門で機械化を実施し、一部の部門では総合的な機械化と自動化を実現し、国の電化を促進するなど、技術革新のための複雑で困難な課題がひかえています。これらの課題を成功裏になし遂げるためには、我が国の実情にかなった各種機械設備の考案、能率の高い自動機械や自動化器具の設計、合理的な自動化方法の研究を系統的に進めなければなりません。

 国内の天然資源の調査とその合理的な利用にたいする研究を進めると同時に、国内の資源にもとづく自立的工業体系の確立のために科学の力を投入しなければなりません。

 なによりもまず、国産の燃料をもとにして鉄鋼業を発展させることが極めて重要です。コークス炭がないと思案ばかりせず、我が国に豊富な無煙炭による製鉄法を研究すべきです。そのために還元団鉱法、粒鉄の連続製鋼法を速やかに完成しなければなりません。

 また、国内の資源による人民経済の化学化を促進し、化学工程で電力を最大限に節約することは極めて切実な問題です。そのために無煙炭ガス化の研究成果をさらに拡大して、それをアンモニア合成などの化学工業や金属工業、その他の人民経済部門に広く取り入れるようにし、酸素熱法によるカーバイド生産、褐炭の高温乾留などの課題を完全に解決しなければなりません。そして、無煙炭、石灰石など国内に無尽蔵な原料による合成繊維工業、合成樹脂工業の発展と合成ゴム生産の工業化のための研究をひきつづきおし進めなければなりません。

 新たな科学分野を開拓し、最新科学・技術の成果を広く人民経済に取り入れ、重要な基礎科学部門を極力発展させなければなりません。

 原子力を生産に取り入れる研究活動を明確な見通しのもとに進め、放射性同位元素と放射線を工業、農業・その他の各部門に広く応用すべきです。超音波、高周波などの研究に力を注いで生産と建設に有効に取り入れ、国産原料による半導体物質の生産工程を確立し、その応用範囲を広げなければなりません。そして、人民経済にとって大きな意義のある電子工学の発展にしかるべき関心を払わなければなりません。数学、物理学、化学、生物学などの基礎科学部門を決定的に強化して、人民経済各分野の技術的問題の解決に役立てなければなりません。

 農作物の多収穫を保障し、畜産業を発展させるためのいろいろなさし迫った課題を解決しなければならず、勤労者の健康増進をはかり寿命をのばすために、現代医学とともに東医学を発展させ、祖先伝来の民間療法を理論的に体系づけるなど、医学部門の研究活動を強化しなければなりません。

 我が党と人民は、社会の革命的改造と経済・文化建設ですでに多くの貴重な経験をつみました。社会科学の分野では、このような経験を理論的に概括し、党の路線と政策をマルクス・レーニン主義的に深く解説、宣伝し、党の革命伝統と民族文化遺産の全面的な研究を進めなければなりません。同時に、社会主義建設で提起される新しい社会経済的諸問題を適時に解明し、人民経済の発展に貢献しなければなりません。特に社会科学者は、南朝鮮の経済と文化の現状について深く研究し、将来それを復興発展させるための対策を集団的に探求しなければなりません。

 文化革命で大切なことは、勤労者の一般知識と技術知識を向上させることです。これなしには、技術革命を実現することも、社会主義の完全な勝利をかちとることもできません。

 教育部門には、勤労大衆を自然と社会にかんする正確な知識と正しい観点でしっかり武装させ、その文化・技術水準を向上させる任務が負わされています。人民教育機関は、学校を実生活にいっそう接近させ、教育と生産労働をしっかり結びつけて青少年を科学・文化の最新成果と共産主義的世界観で教育しなければなりません。そして、若い世代を党と革命に忠実で全面的に発達した新しい人間に育て、我が社会の文化的で自覚的な勤労者の隊列をたえまなく補充しなければなりません。

 中等義務教育制実施の成果にもとづいて、7か年計画の期間に9年制技術義務教育を完全に実施しなければなりません。全般的な技術義務教育への移行は、社会主義的教育制度のいっそうの発展を意味し、次代を有能な共産主義建設者に育成する事業での画期的な変革となるでしょう。

 人民経済のあらゆる部門で技術革命が広範に進められているこんにち、技術者の需要はかつてなくさし迫った問題となっています。技術者の養成事業を国の生産力の発展と技術革命の速いテンポに追いつかせなくては、これ以上前進することはできません。

 技術者にたいする人民経済の当面の需要と将来の需要を考えあわせて、7か年計画の期間に、46万の技手、中等専門家を養成する一方、高等教育事業を強化しておよそ18万の技師、専門家を養成しなければなりません。特に、さし迫って必要な機械、電気、化学、地質、運輸、軽工業、水産、農産、畜産、保健医療部門などの専門家の養成に重点をおくべきであります。

 学業を専門とする高等教育体系とともに、生産から離れずに学習できるいろいろな形態の高等教育体系を並行して発展させることは、我が党の一貫した方針であります。とりわけ、経験によってその優位性がはっきりと証明された工場大学を大幅に増やし、労働者のなかから、理論と実践を兼ねそなえた有能な技術幹部を大量に養成しなければなりません。

 成人教育事業を強化し、生産企業所内の技術・技能学習体系を正常に運営して、勤労者の文化・技術水準を決定的に向上させ、すべての人が一つ以上の技術を身につけようという党のスローガンが実際に具現されるようにすべきであります。

 文学・芸術は、人民大衆を共産主義的に教育するうえで重要な役割を果たします。革命と新生活建設の真の主人公を形象化し、それを通じて人々を党と労働者階級の思想で教育すべき重大な使命が作家、芸術家に負わされています。

 いたるところで飛躍が起こり、すべての人が共産主義的な新しい人間に変わり、チョンリマの大進軍がくりひろげられている我が国の現実を生き生きと描きだし、時代の英雄であるチョンリマ騎手の典型を創造することがなによりも重要です。こんにち我々の生活は、新しい社会をより早く建設しようとする勤労者の不屈の意志と楽天的な情熱でわきたっており、限りない人間愛と集団主義の道徳を具現した無数の美談にみちています。作家、芸術家は、この生きがいのある生活のなかに深く入り、すぐれた文芸作品を世にだすことによって人々の思想を改造し、大衆を革命の大業へとふるいたたせるのに積極的に貢献しなければなりません。

 また、祖国の解放と革命の勝利のために長期の苦難にみちた闘争をくりひろげた共産主義者たちの形象化を通じて、その気高い革命精神でこんにちの世代の人民を教育する仕事を、いっそう高い水準でおこなわなければなりません。

 すぐれた文学・芸術作品の特徴は、時代の要求と人民の志向に合致した高度の思想性と芸術性にあります。こうした価値のある作品は、現代の唯一の正しい創作方法である社会主義リアリズムによってのみ創作することができます。

 我々には、革命に背き、人民の前進運動を阻むブルジョア文学・芸術が足を踏み入れる余地は全くなく、労働者、農民に奉仕する革命的な文学・芸術のためにのみ限りなく広い舞台が開かれています。

 作家、芸術家は、反動的なブルジョア文学や芸術のさまざまな毒素と断固たたかい、我々の革命的な文学・芸術をより戦闘的で豊かなものにするため、すべての才能と創作的情熱をそそぐべきです。

 文学・芸術が、人民の胸をゆさぶり、人民に愛されるためには、社会主義的な内容と多様ですぐれた民族的形式が正しく結びつかなければなりません。輝かしい我が民族芸術の遺産を受け継ぎ発展させ、祖先の残した美しく進歩的なものをすべて、我々の時代にさん然と開花させなければなりません。

 大衆文化活動を活発にくりひろげ、人民のなかにうずもれている才能を見つけだし発揮させることによって、働く人々がいたるところで文学・芸術活動に参加し、思う存分芸術を楽しめるようにしなければなりません。

 我々は、文化革命で提起されるこれらすべての課題を立派に遂行して、我が国を近代科学と発達した文化をもつ先進的な社会主義国に変えるでありましょう。


 6 人民生活の向上

 社会主義制度のもとでは、人間にたいする配慮が最高の原則となっています。ここでは技術が進歩し、生産がたえず上昇し、それに応じて全勤労者の物質的、文化的な福祉はますます向上します。人民経済発展7か年計画には社会主義のこの原則が立派に具現されています。

 全面的な技術革新と生産の一大高揚にもとづいて、人民生活を最短期間内に画期的に向上させることは我が党に提起された重要な課題であります。

 7か年計画の期間には国民所得が2.7倍に増大し、1967年にはその規模が戦前の水準の9倍に飛躍することが見込まれています。

 我々は、人民経済の今後の発展と住民の当面の需要の充足、社会全体の利益と勤労者の個人的な利益を正しく結びつける方向で蓄積と消費を調節し、今後もたえず蓄積を増大させながら、ひきつづき国民所得の多くの部分を人民の消費にふり向けるようにするでしょう。

 7か年計画の期間に、労働者、事務員の実質収入は1.7倍に増えるでしょう。この期間に労働者、事務員の数は1.5倍に増えるでしょう。そして、労働者、事務員所帯の就業者数はさらに増え、一所帯当たりの実質収入は7年間に2倍以上に増大するでしょう。農民の実質収入も同じ期間に2倍以上に増大し、その生活は全般的に豊かな中農の水準に達するでしょう。

 我々は、各部門の労働者の賃金比率をいっそう合理的に調整し、異なる地帯の農民の収入を均等に増やすとともに、全般的に労働者、事務員と農民の生活をつりあいがとれるように向上させる原則を今後も正しく貫かなければなりません。

 我が党は今後短期間のうちに、住民の税金を廃止する予定です。

 現在、我が国では、国家予算歳入の多くの部分が社会主義的国営企業所の蓄積で確保されており、住民からの税収入はほんのわずかな比重を占めているにすぎません。経済、文化の建設に必要な資金を国家蓄積だけで十分まかなっていける現状では、税金の全廃を日程にのせることが可能になりました。

 我々は労働者、事務員の所得税と農民の現物税をなくすことによって、旧社会の遺物である租税制度を最終的になくして勤労者をいっさいの税負担から完全に解放し、かれらの実質所得をいっそう増大させるでしょう。これは、勤労者の福祉増進を自己の活動の法則とする共産主義者の党によってのみ実現できるものであり、勤労人民自身が国の主人となった社会主義制度のもとにおいてのみ可能なことであります。

 勤労者の収入の増加につれて商品供給を強化し、公共給食事業をさらに発展させなければなりません。

 7か年計画の期間に、都市と農村の小売商品流通の規模は3.2倍に増大するでしょう。

 商品流通の構成にも著しい変化が生じるでしょう。衣食住の問題が基本的に解決されたので、勤労者はよりよい食品や衣料品を求め、各種の文化用品をさらに多く求めています。食用油と魚を十分に供給する課題を最短期間のうちに解決し、野菜、食肉、牛乳、たまごなどの供給量を大幅に増やさなければなりません。また、オーバー地や洋服地をはじめ、各種の織物、下着類、靴類などとともにミシン、家庭電化製品、ラジオ、冷蔵庫、自転車、家具、その他各種の日用品の販売量を急速に増やさなければなりません。

 商業網を拡大してその施設をさらに近代化し、商品の包装や配達、夜間販売あるいは移動販売を手際よくおこなうなど、商業の文化性とサービスを決定的に向上させなければなりません。

 各種の食堂を増やし、給食の質を改善すべきであり、食料品店ではさまざまな副食物をつくって勤労者に生活の便宜をはかるべきです。

 これとともにクリーニング店、浴場、理髪店、ホテルその他の便益施設網を拡大し、文化的にととのえて、より立派に勤労者に奉仕しなければなりません。

 住宅をたくさん建てて勤労者の住宅問題をいっそう円滑に解決しなければなりません。

 7か年計画の期間には、都市と労働者地区に新たに60万所帯の住宅を建設することが予定されています。標準設計を改善して、より美しく文化的で実用的な家を建てなければなりません。大都市では漸次セントラル・ヒーティングを取り入れなければなりません。

 7か年計画の期間に、農村には60万棟の文化住宅を建設することが予定されています。この膨大な建設を成功裏に進めるために、国家的に各部ごとに農村建設隊を組織し、将来を見通して農民の生活に便利で小ぎれいな住宅を建設すべきです。こうして、今後数年内には、農村住民の絶対多数が古いわらぶきの家をすてて新しい文化住宅に移ることになるでしょう。

 国家予算の支出による勤労者への追加的な恩恵が膨大な規模で増大するでしょう。

 社会保険支出の増大によって勤労者により多くの補助金や年金が支給され、さらに多くの勤労者が国家の休養所、静養所、キャンプなどで無料で休息できるようになるでしょう。

 教育・文化・保健医療部門の発展をはかるための国家支出の増大は、人民の文化生活をいっそう向上させるでしょう。7か年計画の最終年度には、我が国の各級学校の学生・生徒総数は310余万に、そのうち大学生だけで22万以上に達するでしょう。この多くの学生・生徒全部に無料教育の恩恵を施し、専門学校、大学の学生には奨学金まで支給するため、国家がどれほど大きな費用を負担しなければならないかは推察にかたくありません。このような国家の支出はその他の社会的・文化的支出とあいまって、全的に労働者、事務員および農民の福祉をはかるためのものであります。

 我々の制度のもとでは人間ほど貴重な宝はありません。保健医療事業をいっそう発展させて人々の生命を保護し、勤労者の健康をさらに増進させなければなりません。市、郡の人民病院と里の診療所を増やし、そこに多くの医師を配置して、近いうちに先進的な医療奉仕制度である医師区域担当制を実施しなければなりません。これとともに各地に産院、小児科病院、結核病院などの専門病院を新設し、主要温泉地や鉱泉地にさらに多くの療養所を建てるべきです。保健医療事業において予防医学の方針を堅持し、都市や農村で衛生防疫活動を常時強力に進めなければなりません。

 明日の希望である子供たちを保護し、母親たちの便宜をはかるために託児所や幼稚園をさらに増やし、その運営をいちだんと改善しなければなりません。

 こうして、勤労者がみな楽に働き、ともに豊かで文化的な生活を営めるようにしなければなりません。

 同志のみなさん!

 人民経済発展7か年計画は、我が国の歴史上はじめての最も長期的な展望計画であり、祖国の隆盛、発展と人民の幸福をはかる経済・文化建設の偉大な設計図であります。経済発展の速いテンポを予定しているこの膨大な計画は、我が国の情勢の要求を反映しており、人民の志向と完全に合致しています。

 7か年計画が遂行されれば、我が国の威力は比べようもないほど強まり、我が社会はその姿をさらに一新するでしょう。

 7か年計画の末期になれば、我々は人民経済全体にたえず新しい強力な機械設備を供給し、全人民の需要を十分にみたしうる発達した社会主義的工業をもつようになり、我が国の自然を大規模に改造し、農業を近代的な機械と技術で装備して毎年大豊作をかちとるようになるでしょう。都市と農村はより美しく建設され、人民のすべての生活は豊かで文化的で、より楽しいものとなるでしょう。

 7か年計画の遂行は、我が国の情勢全般に大きな影響を及ぼすことになるでしょう。共和国北半部に創設された朝鮮革命の基地は鉄壁のようにうちかためられ、祖国の統一と将来の繁栄のための民族経済の土台はいちだんと強化され、それは南朝鮮人民を自由と新しい生活をめざす闘争にふるいたたせる偉大な励ましの力となるでしょう。

 党の示した社会主義建設の雄大な綱領を実現するためには、人民経済のすべての部門でたえまなく技術革新を起こし、内部の潜在力をことごとく利用し、厳格な節約制度を実施しなければなりません。

 技術の進歩を促し、勤労者の技術熟練度を高め、たえず労働の組織を改善するとともに、人々の共産主義的な労働気風をつちかうことによって、あらゆる部門で労働生産性を決定的に向上させなければなりません。

 これとともに労働手段をより効果的に利用し、電力、石炭、鉄材、木材、その他の物資の消費を極力減らし、非生産的な支出を減らして生産物の原価と建設費を系統的に引き下げなければなりません。

 すべての勤労者が常に緊張して質素に暮らし、いっさいの奢侈や不健全な行為とたたかい、あらゆる潜在力を探求して社会主義建設に生かさなければなりません。

 すべての党員と勤労者は、社会主義の完全な勝利を早めるために科学と技術を熱心に学び、天をもつく熱意で寸秒を惜しんで働き、より多く、よりよく生産し、より早く建設するために努力しなければなりません。

 我々の時代の偉大なチョンリマ運動をひきつづき発展させ、あくまで党の総路線を貫くとき、我々にとって達成できない目標などありえません。

 勝利した社会主義制度は日を追ってますます大きな優位性を発揮しながら、国の生産力のより急速な発展を促進しており、すでにきずきあげた自立的な経済土台の潜在力は無尽蔵であります。

 すべての労働者、農民、インテリは、自己を幸せと栄光へ導く我が党のまわりにいつにもましてかたく団結しており、明るい未来と勝利へのゆるぎない信念にみちています。
ひきつづきチョンリマの勢いで社会主義の道を駆けている朝鮮人民は、あらゆる難関と試練にうちかって社会主義の基礎を成功裏にきずきあげたように、党が示した偉大な展望課題を実現し、社会主義の高峰を極めるための新しい戦闘でも必ず輝かしい勝利をかちとるでありましょう。



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