金 日 成

社会主義諸国の親善と団結
ソ連誌『メジドナロードナヤ・ジーズン』1957年11月号に発表した論文 

 ロシアにおける10月社会主義大革命の勝利後、40年が経過した。さほど、長くないこの期間に人類史には根本的な転換が起こった。

 我々は、現在、新たな歴史的時代に生きている。この時代の重要な特徴は、社会主義が強大な世界的体制となったことである。

 ソ連人民が10月革命に勝利し、社会主義建設に着手したとき、世界に社会主義国は一つしかなかった。しかし、こんにち、情勢は根本的に変わっている。人民大衆をとらえた10月の思想は、人類社会を改造する偉大な物質的力となり、社会主義は既にソ連一国のの範囲をぬけだしている。ソ連の威力は比類なく強まったばかりでなく、全人類の3分の1を上回る10億近くの人民が10月革命の切り開いた道を確固と歩みだし、社会主義陣営にかたく団結している。一つに団結した社会主義陣営は極めて強大である。

 いま社会主義諸国は、すべての力を動員して平和的な社会主義建設を進めており、工業と農業は、資本主義諸国よりもはるかに早い速度で発展している。社会主義諸国の工業生産は絶えず高まり、現在、それは世界工業製品生産の3分の1を占めている。これは、資本主義的搾取の範囲がせばまり、社会主義の陣地が世界的に拡大強化される歴史的過程の明確な物質的表現である。

 社会主義諸国は、対外関係ですべての国との平和共存と親善協力を主張しており、一貫して平和政策を実施している。全世界の人民のあいだで社会主義国に対する信頼は日増しに高まっており、国際関係にますます大きな影響を及ぼしている。

 社会主義国と植民地または半植民地状態から民族的独立を達成した国、その他の平和愛好諸国人民の団結した平和勢力は、帝国主義陣営勢力をはるかにしのいでいる。

 世界人口の半数に当たる13億以上の人々が、植民地的従属から解放された現在、帝国主義植民地体制の全面的崩壊は明白な事実となっている。屈辱的な植民地体制の終局的廃絶は、最も緊急な問題の一つとして、既に日程にのぼっている。

 偉大なレーニンが予言した世界史の新たな時代が到来し、東方人民は全世界の運命の決定に積極的に参加しており、国際関係の発展で新たな強力な勢力となっている。

 ソ連をはじめ、社会主義国の存在は、植民地主義に反対し民族の独立を擁護するすべての被抑圧人民の闘争に極めて有利な条件をもたらしている。きのうまでの植民地または半植民地状態から自主的発展への道を踏み出した国の人民は、社会主義陣営の強力な支持によって、帝国主義侵略から政治的・経済的独立を守りぬくことができるようになった。

 一つに団結した社会主義陣営は、既に、世界の恒久平和をたたかいとる強力なとりでに、現代史の発展を促進する決定的な力となっている。社会主義陣営の存在によって、平和愛好勢力は、世界の平和を守る精神的手段だけでなく、物質的手段をももつようになった。

 アメリカをかしらとする帝国主義の侵略的階層は、成長し強化される平和と社会主義陣営を弱め、崩れゆく自己の基盤を立て直そうと終始、無分別な策動をつづけている。帝国主義者は第2次大戦後、一再ならず侵略戦争を起こし反革命暴動を組織した。我々が体験した朝鮮戦争とベトナム戦争、昨年のハンガリーでの反革命暴動、エジプト侵略などがその実例である。帝国主義の侵略的階層はこうした冒険的行動によって世界の緊張を激化させたが、その目的を達成することはできなかった。社会主義国を先頭とする平和愛好勢力がかたく団結するならば、今後も帝国主義者のあらゆる侵略的謀略が失敗に終わるであろうことは疑いない。

 10月革命以後に始まった人類史の新しい時代とこんにちの人民の壮大な世界史的前進は、平和と民族の独立と社会主義をめざす朝鮮人民の闘争を大きく励ましている。10月社会主義大革命の勝利とこの旗のもとに団結した社会主義陣営の威力は、朝鮮人民が自己の歴史的運命を切り開くうえに大きな影響を及ぼした。

 長い歴史をもつ朝鮮が日本帝国主義の植民地となり、国名さえ失った暗たんとした時期に飢えと貧困に苦しむ人民は、自由の太陽がさし昇る日を待望していた。

 当時、朝鮮の無能な封建支配層とブルジョア民族主義者は、西方の資本主義諸国に依存して独立を達成しようと試みた。しかし、帝国主義者の援助にたよって朝鮮の独立をはかろうとした彼らの考えは愚かな妄想にすぎず、その企てはすべて水泡に帰した。帝国主義列強は、植民地争奪における取引の具として朝鮮を日本帝国主義の手にゆだね、それを「朝鮮の開化」のためだと言った。偉大なレーニンによって創建された社会主義国ソ連のみが、朝鮮人民の利益を擁護し、東方の被抑圧人民の解放を主張した。

 日本帝国主義支配の最も暗たんとした時期に、朝鮮の真の愛国者は、偉大な10月革命の示す道のみが朝鮮の民族解放の唯一の正しい道であり、10月革命の示す道を歩むとき、祖国の自由と民族の解放をかちとることができることを悟り、英雄的なロシアの労働者階級とソ連人民の模範に励まされ、帝国主義の植民地支配に反対し祖国の自由と独立をめざすたたかいを長年にわたってくりひろげた。

 長期の困難なたたかいを通じて、朝鮮人民は待望してやまなかった祖国の自由と独立を達成した。

 日本帝国主義植民地支配からの解放は、朝鮮史に根本的な転換をもたらした。搾取と抑圧、迫害だけがおしつけられる植民地半封建社会であった朝鮮は、人民が主人となった独立国家となり、このときから朝鮮人民は祖国の自由な民主的発展と繁栄のために力と知恵をささげ、自分の運命をみずから切り開く道を歩みだすようになった。

 しかし解放後、アメリカ帝国主義反動勢力の南朝鮮占領によって、朝鮮の情勢は複雑になった。アメリカ帝国主義は、南朝鮮で民主勢力を弾圧し、反動勢力を糾合して朝鮮人民の統一独立国家の建設を妨げ、植民地政策を実施した。こうして、朝鮮革命は、複雑さと困難性、長期性をおびるようになった。

 こうした状況下にあって、我々には北朝鮮で祖国統一の基礎となる強力な革命的民主基地の創設が最も重要な課題として提起された。我々は、あらゆる難関を乗り越えながら、労働者階級を中核とする広範な愛国的革命勢力を結集することによって、北朝鮮における人民民主主義制度の樹立と革命的民主基地の創設で歴史的な勝利をおさめた。こんにち、朝鮮では人民の長年の渇望であった社会主義社会が建設されつつある。        

 北朝鮮に樹立された人民民主主義制度は、祖国の平和的統一の強固な裏付けであり、世界の社会主義勢力を拡大強化し、アジアと世界平和の維持強化に大きく貢献している。朝鮮が、帝国主義植民地体制から脱して強力な社会主義世界体制に加わった結果、朝鮮を東方における大陸侵略の橋頭堡に変えようとした帝国主義者の企ては大きな打撃を受けた。こんにち、朝鮮民主主義人民共和国は、隣邦のソ連、中華人民共和国とともにアジアで帝国主義国の侵略を防ぐ不抜の力となっている。

 解放後、朝鮮人民の生活には深刻な変化が生じたが、それは我々に対する国際革命勢力の支持をぬきにしては考えることができない。

 朝鮮人民は、困難と試練にみちた現代史の全過程、特に、民族の解放と国の民主的発展をめざす闘争を通じて、社会主義陣営諸国との国際主義的連帯の意義とその不抜の威力を体験した。

 ソ連は、朝鮮の解放を援助したばかりでなく、解放の成果が朝鮮人民のものとなるよう支援した。ソ連人民の支持と援助は、北朝鮮で民主的革命課題を成功裏に完遂させる重要な条件の一つとして、民主改革の革命的過程を促し、民主改革の遂行を容易にした。

 国際主義的連帯の威力は、朝鮮戦争で立証された。

 アメリカ帝国主義者は、共和国北半部を占領して全朝鮮を植民地とし、ひいてはアジアの他の地域を侵略するために、朝鮮戦線に最も強力な軍事力を投入した。しかし彼らは、朝中両国人民の共同闘争によって恥ずべき敗北をこうむり、朝鮮人民は多くの従僕を従えて大言壮語したアメリカの侵略を撃退し、祖国の自由と独立、人民民主主義制度を誇らしく守りぬいた。

 アメリカの侵略的階層は、朝鮮戦争における惨敗を通じて第2次大戦後に成長した社会主義陣営と世界の平和愛好勢力の強大さを身にしみて体験し、侵略を防ぐために団結したこの勢力を前にして、過去のように他国を侵略できなくなったことを痛感せざるをえなくなった。

 朝鮮戦争は、民族の自由と独立、平和をめざし、帝国主義の侵略に反対する闘争に決起した人民は常に、社会主義陣営と平和愛好勢力の強力な支持を受け、必ず勝利することを示した。

 社会主義国は、帝国主義の侵略から革命の獲得物を共同で守り、互いに協力し援助することを神聖な義務とみなしている。偉大な中国人民がたたかう朝鮮人民を援助するために志願軍を派遣したことは、社会主義陣営諸国間の相互協力と緊密を親善団結の新たな模範である。

 国際関係における前例のないこのような協力と団結の威力は、昨年ハンガリーの反革命暴動のさいにも立証された。ハンガリーの社会主義制度を転覆し、ヨーロッパの中心部に戦争の策源地をつくり、社会主義国を各個撃破するための反革命暴動が起こったとき、ソ連はハンガリー人民に援助の手をさしのべて、ハンガリーとその他の社会主義国人民に対する国際主義的義務を忠実に果たした。これは言うまでもなく、社会主義と世界平和のための正しい行動であった。

 社会主義陣営諸国の統一と団結は、帝国主義の侵略に反対する共同闘争の武器であるばかりでなく、社会主義諸国の経済と文化をともに発展させる不可欠の条件である。

 社会主義陣営諸国は、政治的、経済的に完全な自主性と自立性にもとづいて互いに協力している。これらの国のあいだの緊密な経済協力は、各国の利益と社会主義陣営全般の利益を正しく結びつけ、各国が生産施設と原料源を最も効果的に利用して、みずからの自然的・経済的条件にかなう経済を発展させることを可能にする。

 帝国主義国の侵略的階層は、社会主義陣営諸国の勝利の前進を妨げ、これらの国を経済的に窒息させようと悪辣に策動したが、社会主義諸国の経済的協力によって、その企ては水泡に帰した。社会主義諸国間の平等、互恵の原則にもとづく通商関係と、全面的な相互援助と技術経験の交流は、社会主義世界経済のたえざる高揚と繁栄の裏付けとなっている。

 社会主義陣営諸国間の経済協力は、特に経済的に立ち後れた国の場合に極めて大きな意義をもっている。

 かつて朝鮮は、半世紀ものあいだ植民地半封建社会であったため、国の経済的基盤が極めて貧弱であった。解放後、我々は、経済の植民地的跛行性と技術の後進性を一掃し、近代的工業の創設に着手した。しかし、この事業は戦争のために中断を余儀なくされた。3年間の戦争は、わが国の生産力を甚だしく破壊し、人民生活を極度に疲弊させた。

 戦後における我々の基本的課題は、人民の生活水準を短時日のあいだに向上させ、破壊された工業と農業の生産土台を急速に復興し、人民経済の今後の自立的発展の土台を築くことであった。共和国の都市と農村が廃墟と化し、人民経済の各部門がすべて破壊された状況下にあって、それは極めて複雑かつ困難な課題であった。しかし、我々はこの膨大な課題を短いあいだに立派に遂行した。

 戦後の3か年計画が遂行された結果、280余の大中規模の企業所が新たな技術にもとづいて復旧され、近代設備をそなえた80余の大中規模企業所が新設された。

 こんにち、わが国の工業は戦前の2倍以上の製品を生産しており、今年1年間に戦前の1946〜1949年までの4年間に生産したものより多い工業製品の生産を予定している。

 共和国北半部では、日本帝国主義から引き継いだ植民地的経済の後進性が著しく取り除かれ、経済構造と技術的土台に質的な変化が生じている。農業部門でも穀物生産が戦前の水準に達したばかりでなく、今年度はそれを数十万トン上回って、食糧問題の基本的な解決が予定されている。

 現在、共和国北半部では、都市と農村で社会主義的改造が成功裏に進められており、長年個人農経営が支配していた農村では、既に社会主義的協同化が完成段階に入っている。

 工業、農業をはじめ、人民経済各部門の復興発展に伴い、人民の生活状態は大きく改善された。

 これらの成果は、ソ連と中華人民共和国をはじめ、社会主義諸国の国際主義的援助をぬきにしては考えられない。これらの国は、戦後復興建設の最も困難な時期に我々に経済・技術援助を与え、破壊された工場、企業所の復旧再建と新しい工場の建設を助けた。

 我々は、社会主義諸国の貴重な援助を最も有効に利用して、重工業の優先的発展を保障しながら、同時に軽工業と農業を発展させる路線を成功裏に貫徹している。我々は、既に戦禍から基本的に立ち直り、経済の自主的発展の土台を築き、今後、4、5年内に国をゆるぎない自立的な経済的基盤をもつ社会主義工業・農業国に変え、人民の衣食住問題を基本的に解決しうるようになった。

 歴史には、このように経済的、技術的に発展した国が、外国の経済復興と立ち後れた国の自立的な経済的基盤の構築をすすんで援助した前例がない。これは、共通の目的と共同の繁栄をめざしてたたかう親善的な社会主義陣営にのみ見られるものである。

 帝国主義者は、後進国を最大限の利潤源泉地として、「援助」の看板をかかげてこれらの国を従属させ零落させている。

 社会主義陣営諸国間の相互関係は、国の大小には関わりなく完全な平等と互恵、国家的自主性の尊重、兄弟的な相互援助にもとづいている。朝鮮の経験が示すように、社会主義陣営諸国の相互協力と援助は、各国の発展を促進し、帝国主義者の侵略から民族の独立を守り、国の自主的で自立的な政治的・経済的発展を保障する。社会主義陣営内の国々には、自国の強化発展を通じて、社会主義陣営諸国全体の利益に寄与する。共和国は、社会主義陣営諸国の支援のもとに社会主義の道をゆるぎなく歩んでおり、国の威力を日増しに強化している。これは、社会主義陣営の強化と世界平和の利益に完全に合致する。

 社会主義陣営諸国間の関係とは異なって、最大限の利潤を追求するブルジョアジーに支配される資本主義国家間の関係では、商品市場と原料供給地をめぐる激しい争奪戦、弱小国に対する強大国の侵略と征服、植民地または半植民地に対する搾取と略奪がその特徴をなしている。

 李承晩一味とアメリカの関係は、そうした関係の典型的な実例である。アメリカ帝国主義によって南朝鮮では、「自由」と「平等」のきこえのよい看板のもとに民族の自主権が蹂躙され、「援助」の美名のもとに植民地的略奪が公然とおこなわれている。南朝鮮を占領したアメリカ帝国主義者は、南朝鮮の主要生産施設と経済機関を完全に掌握し、南朝鮮経済を支配下におき、南朝鮮をアメリカの商品市場に変えた。南朝鮮人民は、刻一刻とアメリカの債務奴隷に転落しており、かいらい政府の財政は深刻な破産状態に陥っている。アメリカ独占資本におさえられて南朝鮮の民族産業はみる影もなく没落している。南朝鮮では飢餓と貧困、抑圧と無権利のみがはびこっている。これが、南朝鮮に対するアメリカの「援助」の結果である。

 南朝鮮に対するアメリカの「援助」は、南朝鮮を政治的、経済的、軍事的に従属させるためであり、それは南朝鮮人民を貧困と従属の泥沼につき落としている。

 アメリカは、南朝鮮におしつけた、このような植民地制度を北半部にまでおしひろげるために無謀な策動をつづけている。彼らは、朝鮮戦争で惨敗した苦い教訓を忘れ、再び朝鮮で緊張を激化させており、南朝鮮で軍備の拡張に狂奔している。彼らは、朝鮮における平和の維持を保証する停戦協定を事実上破棄する道を夢み始めている。彼らは、双方のいかなる形の兵力増強をも禁じた停戦協定の最も重要な条項を一方的に破棄し、最近には南朝鮮に新たな大量殺りく兵器を持ち込んでいる。

 アメリカは、いかなる無謀な策動をもってしても朝鮮人民を脅かすことはできない。朝鮮人民は、過去の植民地的奴隷ではない。帝国主義列強が、朝鮮の運命を意のままに翻弄した時代は過ぎ去った。

 朝鮮は、帝国主義の植民地的従属から脱し、平和と民族の独立、社会主義の旗を守っている。朝鮮人民は権力を握っており、戦争の厳しい試練を乗り越えた強力な民主基地をもっている。この民主基地はあらゆる侵略を撃退し、祖国の平和的統一を早める決定的な力となっている。朝鮮人民のすべての闘争は、民族のすぐれた革命伝統を継承し困難な闘争を通じて鍛えられた朝鮮労働党によって指導されている。

 祖国の平和的統一をめざす朝鮮人民の闘争は、平和と社会主義をめざす全世界各国人民の闘争と緊密に結びついており、アメリカ帝国主義の侵略政策に反対し、自由と民族の独立、恒久平和を守るアジア人民の闘争の重要な一環となっている。社会主義陣営諸国と平和愛好諸国が、我々の側に立ち、祖国の平和的統一をめざす朝鮮人民の闘争を各方面から支持している。朝鮮人民に対する国際的支持と連帯は、祖国の統一と革命の完全な勝利を早める重要な要因の一つである。

 ソ連と中華人民共和国をはじめ、社会主義陣営諸国との親善団結は我々に不抜の力を与えたし、現に与えている。朝鮮人民は、生活を通じてプロレタリア国際主義の旗印がいかに貴重であるがを知っている。

 我々は、社会主義陣営諸国との親善と団結を強化することを崇高な義務とみなしている。

 最近、帝国主義反動分子は「民族共産主義」を高唱して「反ソ反共」策動に狂奔し、社会主義陣営内部に分裂と混乱を起こし、マルクス・レーニン主義学説の「危機」をつくりだすために一大騒動を起こしている。こうした陰謀と悪辣な扇動のほこ先は朝鮮人民にも向けられた。

 こうした時期に朝鮮人民はなんの混乱と動揺もなく、わが党と政府のまわりにさらにかたく団結し、プロレタリア国際主義の旗を高くかかげ社会主義陣営諸国人民とともに国際反動の陰謀を粉砕した。悪辣な扇動に熱中した者は、社会主義陣営内部に期待していた「危機」の兆しがあらわれないことに失望している。分裂と混乱は、社会主義陣営の内部ではなく、帝国主義の侵略的階層の内部に起こった。最近の国際的事件がそれを示している。社会主義陣営諸国は、団結の力で帝国主義の侵略計画を粉砕し、革命的マルクス・レーニン主義の旗のもとにその隊列をいっそう結束した。帝国主義に反対する共同闘争と社会主義・共産主義建設をめざす共同の偉業を遂行する過程で一つに結ばれた社会主義陣営諸国間の親善団結は、いかなる力をもってしても弱めることはできない。

 資本主義諸国間の競争、略奪、反目が、資本主義の本性に根ざしているように、社会主義諸国間の親善と団結は、社会主義社会の本性に根ざす合法則的なものである。

 社会主義陣営の威力は、これに包括される国の社会・国家制度の共通性、政治的・経済的・文化的課題の共通性、これらの国の勤労者の世界観の単一性にある。社会主義国家間の兄弟的連係、緊密な経済協力と友好的相互援助は、いまだかつて人類史に見られなかった国際関係の新たな形態であり、社会主義陣営はマルクス・レーニン主義の革命的原則と人民の自発性にもとづく親善的な同盟である。

 プロレタリア国際主義と民族の平等に関するレーニン的原則を踏まえている社会主義陣営諸国間には、これらの国を分裂させるいかなる利害関係の矛盾も衝突もありえない。そこには、共同の繁栄と親善があるのみである。

 帝国主義の侵略的階層が、社会主義諸国と平和愛好勢力に対する破壊活動と挑発行為をつづけている状況下にあって、我々は平和愛好勢力との団結と協力をさらに強化しなければならない。西側列強の支配層は、植民地体制の全面的崩壊過程を阻止するために最近シリアなど中近東 その他の地域で、既に失敗した植民地戦争を再び挑発しようと策動している。民族解放勢力に挑戦する侵略的階層との闘争で強力な手段は、社会主義陣営を中心とする平和愛好勢力の団結である。

 我々は、帝国主義者の破壊・謀略策動に対し、常に警戒心を高め、帝国主義侵略勢力に反対するすべての勢力をかたく団結させなければならない。

 平和と親善、勤労者の国際的連帯に関する思想は、大きな牽引力を持って地球上の全地域に広まっている。人類の幸福を願うすべての人は、恒久平和と諸国人民の親善の旗、百戦百勝のプロレタリア国際主義の旗を高くかかげて進んでいる。

 我々は、朝鮮革命の最終的勝利のために、各国労働者階級の共同偉業の勝利のために、社会主義陣営諸国との親善団結を各方面から強め、プロレタリア国際主義に最後まで忠実であるだろう。

 我々は、祖国の統一独立と社会主義建設を促進し、社会主義陣営の東方のとりでを頼もしく守って、世界の平和と共産主義偉業の勝利をめざすたたかいに寄与するであろう。
                                                
出典:『金日成著作集』11巻


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