私はきょう、文化宣伝活動を改善するための若干の問題について述べたいと思います。
何よりも放送事業を改善すべきです。
放送は、わが党の路線と政策を内外に広く宣伝し、人民大衆を革命と建設に奮起させる強力な宣伝扇動手段の一つです。放送事業を改善しなくては、大衆を革命課題の遂行に力強く決起させ、社会主義建設を成功裏に進めることができません。
当面して放送では、党員と勤労者に対する党政策教育と革命伝統教育、階級的教育と社会主義的愛国主義教育の強化に主力を注ぐべきです。
我々は、放送を通じて人民に党の路線と政策を迅速、正確に解説して、党の思想で武装させ、全人民が党の決定と指示を貫徹するためにあらゆる力と知恵を尽くすようにすべきです。
放送は、全人民が勝利を確信し、アメリカ帝国主義をはじめ、あらゆる階級の敵と断固とたたかい、社会主義建設を力強くおし進めるように励まさなければなりません。共和国北半部で社会主義を建設し、南朝鮮からアメリカ帝国主義を駆逐して祖国の統一を達成するためには、これまでよりも困難な闘争をおこなわなければなりません。放送は、人民に必勝の信念をたえず鼓吹して、わが党と共和国政府のまわりにかたく団結させ、人民経済を復興発展させ、社会主義建設のたたかいで英雄的偉勲を立てるようにすべきです。
放送事業の改善では、内容を豊かにし、形式を多様にすることが重要です。
そうすれば、人々は放送を興味深く聞き、放送の効果も上がります。
いま活動家たちは、放送による政治・思想教育を強化するということで、政治論説ばかり繰り返し放送していますが、放送をそういうようにおこなってはなりません。政治論説を多く放送することが大切なのは確かです。しかし、放送の成果をおさめるためには、政治理論問題とならんで経済問題、科学・技術上の問題、歴史・文化資料などもさまざまな形式と方法で放送しなければなりません。
放送を通じて朝鮮の歴史、特に人民の革命闘争史を十分に解説するならば、人民はわが党の革命伝統を明確に認識し、それを継承発展させ、党の路線と政策を貫徹するために積極的にたたかうでしょう。また、放送で経済・技術資料と科学・文化資料を広く宣伝するならば、社会主義建設をめざす人民のたたかいに大きく役立つでしょう。
今後、放送では、党の路線と政策の宣伝を基本にし、これに経済資料と科学・技術資料、歴史・文化資料など革命活動に必要な各種の資料を正しく組み合わせて宣伝すべきです。私の考えでは、今後歴史・科学・文化資料に関する放送を増やし、朝と昼、日に２回ほど番組を組むべきです。
放送事業の改善で、放送番組の編成を適切におこなうことが大切です。
現在、番組編成が正しくおこなわれていません。外国の朝鮮語放送を日に２回中継していますが、わが国の実情に合わない外国の対外放送をなぜそうするのでしょうか。放送番組の編成で主体性が欠けています。
人民を教育するために、外国の放送を機械的に中継する必要はありません。文化宣伝省は、朝鮮の実情に即して放送番組の編成を正しくおこない、特に、放送時間と順序を適切に組むべきです。
放送事業の改善のためには、放送局員の役割を高めなければなりません。文化宣伝省は、放送局員をわが党の路線と政策で武装させ、党の頼もしい革命戦士に鍛えなければなりません。
次に、記録映画を立派に製作すべきです。
記録映画の制作では、政治・思想性を十分に保障することに関心を払わなければなりません。一部のカメラマンは政治的考慮も払わずに記録映画をとっていますが、それではいけません。
記録映画は、新しい生活を創造する朝鮮人民の壮大な闘争をリアルに反映する重要な史料であり、わが党の重要な視覚教育手段であります。したがって、記録映画の制作にあたって政治・思想性を徹底して保障し、党の原則を厳守すべきです。
記録映画にはまず、党と国家の重要な行事が正しく反映されなければなりません。記録映画には、党大会や最高人民会議の代議員選挙など全党的、全国家的な行事と外国代表団の往来、祝日記念行事などを立派におさめるべきです。祝日の記念行事を紹介する記録映画では、デモのシーンを大きく扱うのがよいでしょう。
記録映画には、社会主義建設をおこなう人民大衆の英雄的闘争がリアルに反映されなければなりません。
人民大衆は、歴史の創造者であり、物質的・精神的富の創造者です。新しい社会の建設をめざす人民大衆の闘争を正しく反映するのは、記録映画の重要な任務です。
朝鮮人民は、党の呼びかけにこたえ、破壊された経済を復興し、社会主義を建設するために各地で英雄的な闘争を展開しています。共和国の勤労者は、今年のメーデーを契機として、３カ年人民経済計画を超過完遂するためのめざましい増産闘争を繰り広げて、連日驚異的な成果を達成しています。こうした勤労者の壮大な闘争やいたるところにあいついで建設される工場、企業所の雄大な姿を記録映画におさめるべきです。
記録映画にはまた、農業協同組合の組織状況、協同組合の組織後農民のあいだで生産的高揚が起こっている状況、特に、農民の政治的・思想的自覚の向上を示すさまざまな内容がリアルに反映されなければなりません。
記録映画には、文化建設ニュースもおさめるべきです。各地の教育・文化・保健医療機関の建設状況や新設された美しい校舎で幸せに学ぶ生徒たちの姿、次の世代の教育に情熱を注いでいる教員の活動状況もとりあげるべきです。
記録映画の効果を高めるためには、映画制作で比較法を適用するのが大切です。例えば、記録映画で開城を紹介するとすれば、過去、李承晩政治下の開城と新たな生活創造に踏み出したこんにちの開城の姿を対照的に示し、協同農民の生活を紹介する場合には、過去の個人農の生活状態とこんにちの協同農民の新しい生活を対照的に見せるのが効果的です。
シナリオと演出台本を立派につくるのは、記録映画の質的水準を高めるうえで重要な意義があります。文化宣伝省は、記録映画のシナリオと演出台本を立派に書くよう正しく指導すべきです。こうして、政治・思想性が高く時宜にかなった立派な記録映画をさらに多く制作しなければなりません。
こんにち、映画を急速に発展させることは、極めて緊切な問題となっています。映画に対する人民の要望は日増しに高まっており、革命と建設が進むにつれ、映画の認識的・教育的意義はさらに大きくなっています。
映画を現実の要請に即して発展させるためには何よりも、多くのすぐれたシナリオがなければなりません。ところが、現在のシナリオ委員会のメンバーだけでは、すぐれたシナリオを多く創作することができません。したがって、シナリオ創作社を新設するのが望ましいと思います。
シナリオ創作社は、新聞社や出版社と同様、作家や実務家をふくめた常任機関とし、その規模を少々大きくすべきです。
シナリオ創作社は、文化宣伝省内におくべきです。作家同盟委員長は、文化宣伝省がシナリオ創作社を担当すれば作家同盟は仕事がなくなるので、作家同盟内にシナリオ分科をおきたいという意見ですが、文化宣伝省の機構としてシナリオ創作社をおく方が合理的です。
シナリオ創作社を組織するためには、シナリオ・ライターを多数養成しなければなりません。文化宣伝省は、全国各地からシナリオ創作に才能のある人を選抜してシナリオ・ライターに養成すべきです。新たに選抜された人は、最初は困難でしょうが、２、３年勉強させれば立派なシナリオが書けるでしょう。
文化宣伝省は、シナリオ・ライター養成の具体的な計画を立て、それを確実に実行しなければなりません。
シナリオ・ライターの教育を正しくおこなうべきです。シナリオ・ライターをわが党の路線と政策で武装させ、彼らを躍動する現実に浸透させるべきです。
シナリオ・ライターは、部屋に閉じこもろうとばかりせず、労働者、農民のあいだに入って創作活動をおこなえば、すぐれた作品を書くことができます。
文化宣伝省は、十分な準備のもとに早急にシナリオ創作社を創立し、それに対する指導を強化して立派な映画を多く制作すべきです。
次に、舞台芸術を発展させるべきです。
演劇の発展に大きな関心を払うべきです。
演劇は、大衆教育の重要な手段です。文学・芸術部門では、演劇の発展に大きな力を注ぎ、すぐれた演劇を多く創作すべきです。歴史物も創作すべきですが、それ以上に現実をテーマにした演劇を多く創作すべきです。農村で力強く進められている農業協同化運動などをテーマにした演劇は、勤労者の社会主義思想教育と社会主義革命の促進に極めて大きな影響を及ぼすでしょう。
現在、工場に派遣されている劇作家の召還問題が提起されていますが、まだ召還するのはひかえるべきです。彼らを工場新聞主筆の職責からは解任し、工場にさらに１年ほどとどまって新聞発行を助け、現実体験も深めるようにすべきです。
民族舞踊を発展させるべきです。
民族舞踊を発展させるためには、解決すべき芸術上の問題がかなりあります。元来朝鮮の民族舞踊は人民的な舞踊であり、優雅で美しく、律動が豊かなのが特徴ですが、いまの舞踊家の踊りは、律動が単調な感があります。これは、民族舞踊の固有な律動の発掘と研究を怠っているからです。民族舞踊のもつ優雅で美しい長所を生かしながら、律動の発掘と研究を深め、民族舞踊の律動を豊かなものにしていかなければなりません。
農楽舞は、民間舞踊の一つとして、大衆的で楽天的な興味のあるすぐれた舞踊です。農楽舞の研究を深めて芸術性を高め、大衆的な芸術に発展させるべきです。農楽舞は、地方の劇場で多く公演すべきです。
舞台芸術の発展のためには、芸術家との活動を立派におこなうべきです。
文化宣伝省は、芸術家の創作活動はもちろん、その政治・思想生活にいたるまで全般的な活動と生活を指導しなければなりません。文化宣伝省は、芸術家を社会主義思想で教育し、わが党の政策で武装させ、すべて党のすぐれた芸術家に育成しなければなりません。こうして、彼らが社会主義的民族文化・芸術の開花、発展に積極的に貢献するようにすべきです。
次に、大衆文化活動を発展させなければなりません。
文化宣伝相は、大衆文化活動が活発におこなわれていると報告していますが、それは非常に喜ばしいことです。しかし、これに満足することなく、この活動をいっそう発展させなければなりません。こうして、勤労者の政治・思想水準と文化水準をたえず高め、大衆のあいだで民族文化・芸術を立派に開花させなければなりません。
大衆文化活動の発展のためには、芸術サークル活動を広くおこなうべきです。文化宣伝省と大衆団体は、労働者、農民をはじめ、勤労者のあいだで芸術サークル活動が活発におこなわれるよう正しく指導しなければなりません。
民主宣伝室を立派に整え、正しく運営すべきです。民主宣伝室には、勤労者の思想・文化水準の向上に役立つ各種の図書、新聞、画報などを備え、民主宣伝室の運営を正常化しなければなりません。関係部門では、民主宣伝室の設置、運営に必要な財政問題を解決すべきです。文化宣伝省は大衆文化活動で一大革新を起こすために、大衆文化活動に関する指示文を通達すべきです。
次に、出版事業を改善すべきです。
出版事業では、雑誌『新しい朝鮮』の質の向上に力を注ぐべきです。
雑誌『新しい朝鮮』は、朝鮮人民を教育し、朝鮮を外国に紹介するための出版物です。この雑誌は、内外に多数の読者をもっており、彼らから歓迎されています。それだけに、雑誌『新しい朝鮮』を内容豊かなものにしなければなりません。
雑誌『新しい朝鮮』には、わが党と共和国政府の正しい施策によって日増しに繁栄する朝鮮の発展ぶりと新しい社会の建設をめざして立ち上がった人民の闘争を広く紹介すべきです。特に、雑誌に労働英雄の闘争と経験を多く載せるのがよいでしょう。雑誌の外見を美しく簡潔にし、写真の印刷水準を高めるべきです。
新聞『民主宣伝室』を雑誌にして発刊する対策を講じるべきです。雑誌『民主宣伝室』は、豊富な内容を多様に編集しながらも、社会主義的なもので一貫されるようにすべきです。雑誌『民主宣伝室』には、『政治知識』よりも多くの資料を載せなければなりません。そして、発行は月に２回とするのがよいでしょう。
この雑誌を正しく編集すれば、農民の教育と政治・思想水準、文化・技術水準の向上に大きく役立つでしょう。
雑誌『人民朝鮮』の編集を改善すべきです。雑誌『人民朝鮮』を政治的・思想的内容が豊富で勤労者の教育に大いに役立つすぐれた雑誌にすべきです。この雑誌には、党と政府の路線と政策の解説記事や革命伝統教育資料、社会主義建設のニュースなどを載せ、朝鮮の歴史小説をはじめ文学・芸術作品も広く紹介すべきです。この雑誌は毎号約3万部発行して、工場や農村に多く送るべきです。
画報を立派に編集すべきです。画報の編集では、内容の政治・思想水準を高めると同時に、人民の創造的労働と幸福な新しい生活を見せる生き生きとした資料を広く取り扱うべきです。
掛け物用の絵画作品を大量出版すべきです。すぐれた内容の美しい朝鮮の絵を掛け物用として多く出版し、工場、企業所、農村、漁村、学校、家庭に送るべきです。
以前にも述べたことですが、工場、企業所、農村、漁村、学校、休養所などでは、朝鮮の美しい風景や社会主義建設に立ち上がった朝鮮人民の姿を描いた絵はなく、外国の絵だけが飾られています。こういうことでは、党員と勤労者をわが党の政策で武装させ、愛国者に育成することはできません。他のすべての活動におけると同様、絵を描くにしても、主体性を確立すべきです。自国のものを題材にして絵を描き、それで人民の民族的誇りと自負を高め、愛国主義精神を植えつけなければなりません。
現実を基本的なテーマにした絵を描くべきです。破壊された工場、企業所を復興する朝鮮人民の英雄的闘争と近代的設備をそなえた生産現場で楽しく働く労働者の誇りにみちた労働生活を描かなければなりません。また、黄海製鉄所と水豊発電所、安州炭鉱のような大きな工場、企業所を紹介する絵や５カ年人民経済計画の輝かしい展望を宣伝する絵も描くべきです。
新たに建設された文化・教育施設とわが国の固有な民族文化遺産も絵で紹介することができます。平壌の大同門や開城の南大門なども立派な絵になります。
特に、わが党の革命伝統をテーマにした絵を多く描くべきです。革命伝統をテーマにした絵は、勤労者の革命的教育に大いに資することができます。偉大な祖国解放戦争における人民軍と人民の闘争も描くべきです。祖国解放戦争当時、1211高地や351高地を死守した人民軍勇士の英雄的な闘争などを多く描くべきです。
こうした内容の絵を掛け物用として出版し、その価格は誰にも買えるようにできるだけ廉価にすべきです。
最後に、世界青年学生祝典に参加する準備をとどこおりなくおこなうことについてふれたいと思います。
来年モスクワで開かれる第６回世界青年学生祝典には、芸術団を派遣することを予定しています。
祝典には、各劇場と朝鮮人民軍協奏団から優秀な芸能人を選抜して送るべきです。
来年の世界青年学生祝典は、日増しに発展する朝鮮の民族文化・芸術を国際舞台で示威する重要な契機となるでしょう。
世界青年学生祝典の舞台にのせるレパートリーは、偉大な祖国解放戦争でアメリカ帝国主義に勝った朝鮮人民の革命的気概と戦闘的精神を示威する内容で貫かれなければなりません。祝典では、共和国の新たな発展ぶりを示す作品や戦後の社会主義建設をめざして力強くたたかっている人民の姿を形象化した作品を舞台にのせるべきです。
祝典ではまた、共和国の文化・芸術が民族的形式に社会主義的内容の芸術であることを示さなければなりません。皆さんの祝典のレパートリーは、固有な民族的芸術形式によって形象化されたものでなければなりません。楽器も民族楽器に洋楽器をとり合わせて演奏すれば、いっそうすぐれた効果を出すことができるでしょう。
文化宣伝省は、こうした方向でいまから芸術公演のプログラムを適切に選定し、すぐれた音楽・舞踊作品を創作すべきです。
すぐれた作品の創作のためには、作家、芸術家が集団的な知恵を発揮しなければなりません。作品のプログラムの選定や作品の形象化にあたって、個人の独断と主観を排し、作家、芸術家の集団的協議を強化すべきです。
俳優は、けいこに打ち込むべきです。いかに作品の内容がすぐれていても、俳優の芸術的技巧が未熟であれば、祝典での成果は期待できません。俳優は、練習のときから組織規律を強化し、けいこを着実におこなうべきです。そうすれば、祝典で大きな成果をおさめ、外国の人々から組織性と規律の強い芸術団だという評価を受けることができます。
私は、皆さんが全力を尽くして文化宣伝活動を改善し、民族文化・芸術の発展に大きく貢献するものと確信します。
