金 日 成

我々は必ず勝利するであろう
8.15解放7周年記念平壌市慶祝大会でおこなった報告
-1952年8月14日-


 親愛な同志のみなさん!

 きょう我々は、祖国が日本帝国主義の植民地支配から脱した8.15解放7周年を迎えます。

 昨年の8.15から現在にいたる1年間、戦線には大きな変化がなく、敵味方のあいだで熾烈な陣地攻防戦がつづいています。この期間に敵は「リッジウェー攻勢」や「秋季攻勢」をはじめ、数次にわたって攻撃を繰り返しましたが、それはそのつど失敗に終わりました。

 敵は前線での敗北を挽回するため、最も野蛮かつ残忍な戦争方法を用い、化学兵器や細菌兵器まで使用しました。しかし、かれらはそこから何の成果も得ることができませんでした。敵の伝播したペスト、コレラなど各種の伝染病も、かれらを助けることはできませんでした。

 朝鮮人民はこの1年間に、前線と後方で大きな成果を達成しました。朝鮮人民軍と中国人民志願軍部隊は、ねばりづよく陣地を固守したばかりでなく、敵に甚大な打撃を与えました。

 この1年間に我々の達成した成果は、共和国と人民民主主義制度の尽きることのない生命力を示すものであります。


1 戦争で達成した我々の成果

 同志のみなさん!

 我々は、朝鮮人民が解放後の5年間に自力で建設した民主基地であり、朝鮮革命の強力な政治、経済、軍事、文化の根拠地である共和国北半部をアメリカ帝国主義武力侵略者の侵攻から守り、祖国の独立と自由と栄誉を誇らしく固守しています。我々は敵を、1950年6月25日に共和国にたいする武力侵攻を開始した38度線に釘付けにすることによって、かれらを防御に移らざるを得なくしました。これは、我々にとっては極めて大きな成果であり、敵にとっては挽回できない軍事的敗北であり屈辱であります。

 我々は英雄的な戦いによって、朝鮮人民がかちとった人民民主主義制度と民主基地を固守し、革命勢力を政治、経済、軍事、文化の各分野にわたってひきつづき強化できるようになりました。また、人民を団結させ、党と政権、人民軍と大衆団体を強化できるようになりました。その結果、我々は敵を撃滅する強大な力と、朝鮮人民の最大の悲願である祖国の完全な統一独立を成就できる条件を得るようになりました。

 祖国解放戦争におけるいま一つの成果は、人民と人民軍将兵の必勝の信念と民族的自負、敵愾心と復讐心がいっそう強まったことであります。こんにち、すべての朝鮮人民は、アメリカ帝国主義侵略者を祖国の領土から早急に掃滅する全民族的大業に全力を尽くしています。

 朝鮮人民の政治的・道徳的統一がこんにちのように強化されたことは、いまだかつて祖国の歴史にありませんでした。前線の人民軍と後方の人民は混然一体となり、勝利への確信をもって祖国の独立と自由と栄誉を固守しています。

 朝鮮人民は、日本帝国主義の植民地支配から解放された人民であり、過去7年間の自由な生活を通じて人民民主主義制度の優位性を身をもって体験した人民であります。こんにちの朝鮮人民は、百戦百勝のマルクス・レーニン主義理論で武装した強力な朝鮮労働党によって指導される人民であります。朝鮮人民は、どのような力によっても征服されない強力な人民になりました。

 朝鮮人民は3年にわたる熾烈な祖国解放戦争を通じて、祖国の幸せな未来をきずくためには、どのような道を進むべきかをいっそう明白に知りました。それは、ほかならぬ民主主義的発展の道であります。朝鮮人民はこの道を進むときにのみ、そして米英帝国主義侵略者を祖国の領土から駆逐してのみ、完全な民主主義自主独立国家を建設し、自由で幸せな生活が享受できることをよく知っています。それゆえ、祖国を愛するすべての朝鮮人民は、信教や政見、財産の有無にかかわりなく、祖国の領土から武力干渉者を掃滅、駆逐する一念に燃えているのです。

 我が国の労働者、農民、事務員、インテリは、これまでに見られなかった労働の偉勲を立てています。労働者は、敵の爆撃と艦砲射撃がつづく困難な状況下においても、生産で大きな成果をあげています。特に、誇り高き鉄道員や自動車運送隊、道路復旧隊の労働者は、不眠不休のたたかいを展開して、戦時輸送を保障しています。農民、特に、農村婦人は戦時の困難な状況下においても、まきつけ、田植え、草取りを昨年より早く終えました。インテリも戦争による種々の困難にひるまず、敵撃滅の戦いにすべての力と知識をささげています。

 前線と後方で、朝鮮婦人は無比の英雄主義と献身性を発揮しています。婦人たちは前線で戦う兄や夫、父にかわって工場や農村で英雄的に働いています。戦闘と労働の偉勲によって、数千名の婦人が政府の表彰を受けました。

 後方の青年は、敵撃滅の戦いに赴いた兄や弟にかわって立ち上がり、学校や職場で熱心に学び、働いています。

 敵の背後で活躍している英雄的な男女パルチザンは、外国武力干渉者と人民に反逆した李承晩一味を勇敢に掃討し、敵に大きな打撃を与えています。

 党組織と政権機関、大衆団体は、戦争の初期よりも立派に活動し、人民大衆にたいする指導を巧みにおこない、困難を打開して戦時の諸課題を正しく遂行するようになりました。

 戦争におけるいま一つの成果は、人民軍が豊富な戦闘経験をつみ、量的にも質的にもさらに強化され、祖国防衛の強力な軍隊になったことです。兵士、下士官、将校は敵を掃滅する能力を備え、侵略者の軍隊に比べてはるかに高い政治的・道徳的品格を身につけています。将校や将官の指揮能力が高まり、機動作戦にも精通しています。現在、人民軍兵士と指揮官の士気は極めて高く、すべての勇士が勝利への確信にみちています。

 しかし、米英帝国主義武力侵略軍の士気は日とともに衰えており、政治的、道徳的にもますます瓦解状態に陥っています。これは侵略軍の戦闘力を弱化させざるを得なくしています。侵略者は日増しにつのる自国軍隊の士気の低下を防ぐため、各種の手段と方法を用いでいます。かれらは軍人を物質的報酬制によって戦闘に参加させ、略奪や暴行のごとき卑劣な野獣的本能をあおり、MPに軍人の一挙一動を監視させ、礼拝と祈願による「聖なる神の恵み」で軍人を慰めようとしています。

 例えば、かれらは朝鮮の平和な都市と農村の爆撃に飛び立つ飛行士に、「聖なる神が汝らとともにあって汝らを守る」と説教しているとのことです。しかし、人民軍の高射砲部隊や飛行機狩り組、航空隊は、「神」の「加護」を受ける敵機を毎日のように撃墜しています。敵が軍隊の士気を高めるために用いるこうした低劣な手口では、武力侵略軍の政治的・道徳的瓦解も、日増しにつのるかれらの士気の低下も防ぐことはできないでしょう。

 米英帝国主義武力侵略軍の将兵のあいだでは、なぜ朝鮮戦線で不名誉な死を遂げなければならないのか、という不満の声が高まっています。理性と真理の力は究極において、蒙昧と欺瞞に勝利するでありましょう。

 敵の陣営は不和と絶望が支配していますが、我が方にはこれと全く異なった情勢が生まれています。

 我々は、米英侵略者に反対する祖国解放戦争で無比の勇敢さと英雄主義、祖国と人民への献身性を発揮した兵士、下士官、将校、将官35万名に共和国勲章とメダルを授与し、352名には共和国英雄称号を与えました。これらの数字は、祖国の栄誉と自由を守る戦いにおいて人民軍の兵士と指揮官が発揮した集団的英雄主義と愛国主義を如実に示すものであります。

 祖国解放戦争におけるいま一つの成果は、共和国の国際的権威が高まり、朝鮮人民にたいする民主陣営諸国の同情と支持が強まったことであります。

 アメリカ帝国主義侵略者は、国連の旗を盗用し、戦争を通じて朝鮮人民を孤立させることができるものと打算しましたが、それとは逆の結果があらわれました。この戦争で朝鮮人民は孤立したのではなく、かえってその国際的権威が高まりました。全世界進歩的人民の同情と支持と関心は朝鮮人民に集中しています。世界の良識あるすべての人は、祖国の自由と栄誉と独立を守って戦う朝鮮人民を誠意を尽くして援助しています。

 朝鮮と朝鮮人民に反対する米英帝国主義者の武力侵略が始まるや、ソ連、中華人民共和国、ポーランド、チェコスロバキア、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、アルバニア、ドイツ民主共和国、モンゴル人民共和国、ベトナム民主共和国の人民と全世界の自由愛好人民は、朝鮮人民の側に立ってあらゆる面から声援を送り、敵の数的優位により年少な人民軍が一時的後退のやむなきにいたった困難な時期に、中国人民は志願軍を派遣して我々を援助しました。

 朝鮮人民にたいする国際的支援がいかに大きなものであったかは、食糧事情が窮迫していた今春の播種期に、ソ連人民が5万トンの小麦粉を贈与し、中国人民が数万トンの食糧と多量の物資を送って朝鮮人民を援助してくれた事実、そしてモンゴル人民共和国が数千トンの食糧と食肉および十余方面の各種家畜を、人民民主主義諸国が数千車両に達する医薬品や衣類を送ってくれたことからも知ることができます。

 このように朝鮮戦争において、民主陣営諸国と全世界自由愛好人民の国際主義的団結と声援が新しい形で表現され、その不敗の力がいかんなく示されました。こうした国際主義的団結と声援は、米英帝国主義武力侵略者に反対する朝鮮人民に勝利の確信をさらに強くさせました。

 戦争を通じて得たいま一つの成果は、アメリカ帝国主義武力侵略者に軍事的敗北だけでなく、大きな政治的敗北を与えたことであります。

 世界制覇をもくろむアメリカ帝国主義をかしらとする16か国の武力侵略者は、創建間もない朝鮮民主主義人民共和国にたいし、2年間にわたって各種の現代兵器と細菌兵器、毒ガスやナパーム弾を使用しています。こんにち、全世界は、アメリカ帝国主義侵略軍がドイツ・ファシストをしのぐ最も野蛮な、野獣じみた軍隊であることをよく知っています。いまだかつて世界が知らなかった「ペスト将軍」「コレラ将軍」「チフス将軍」のような、新しい「将軍」がアメリカ帝国主義侵略軍内にあらわれました。これらの事実は、アメリカ帝国主義にたいする全世界人民の憎しみを呼び起こし、アメリカ的生活様式がどのようなものであるかを如実に示しました。

 アメリカ帝国主義者の指図によって動く国際赤十字社でさえも、朝鮮で細菌戦と化学戦をはじめたアメリカ帝国主義者に不満を表明しています。しかし、20世紀の野蛮であるアメリカは、細菌兵器や化学兵器などを禁止するジュネーブ議定書に調印しようとしません。これは、アメリカ帝国主義の策動に反対する世界の世論をさらに沸騰させています。

 世界平和評議会は、朝鮮でアメリカ帝国主義者がおこなっている戦争の本質を赤裸々に暴露しました。こんにち、アメリカ帝国主義者の威信は地に落ち、かれらは世界人民の呪詛の的となっています。

 朝鮮戦争は、帝国主義諸国間の矛盾をさらに激化させています。朝鮮にたいする武力侵略に加担した多くの国は、犯罪的戦争責任を免れようとしてアメリカ帝国主義者と手を切ることを望んでいます。それは、アメリカ帝国主義者が朝鮮人民に反対する戦争で惨敗をこうむっているばかりでなく、世界の多くの国に政治的・経済的圧力を加えている状況下で、かれらと足並みをそろえることは自分らに不利であることを知っているからです。

 アメリカ帝国主義者がおこなっている朝鮮戦争は、世界の平和愛好諸国人民から糾弾されています。それは、朝鮮人民が祖国の自由と独立のための正義の戦争をおこなっているのに反して、かれらは侵略的な不正義の戦争を強行しているからです。

 こんにちでは、戦争によって他国人民を脅かすことはできません。人民は自由と独立を守るための正義の戦いにいっそう力強く立ち上がっています。マレーとフィリピン、インドネシアでは、数年間も反帝民族解放戦争がおこなわれており、これら諸国の人民は自由と独立を守っています。現在東方では、解放闘争の炎がはげしく燃えあがっています。これは、どのような力をもっても消しとめることができません。

 人類社会の発展は、決して陸海空軍の力や化学兵器、細菌兵器でおしとどめることはできません。それは、すべての被抑圧人民がアメリカをはじめ、帝国主義の存在しない、自由で幸せな生活を願っているからです。

 8.15解放7周年に際し、私は、共和国政府と全朝鮮人民の名で、朝鮮人民の民族解放闘争を援助したソ連軍およびソ連人民に謝意を表するものです。

 私はまた、共和国政府と全朝鮮人民を代表して、中国人民志願軍将兵および中国人民に謝意を表するものです。

 8.15解放7周年に際し、私は、祖国解放戦争勃発の当初からこんにちにいたるまで、朝鮮人民にたえず物心両面からの援助を与えているポーランド、チェコスロバキア、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、アルバニア、ドイツ民主共和国、モンゴル人民共和国、ベトナム民主共和国の人民に感謝を送るものです。

 栄えある8.15解放7周年に際し、私は朝鮮労働党と共和国政府を代表して、アメリカ帝国主義をかしらとする16か国武力侵略者との熾烈な戦争で祖国の自由と独立を固守している英雄的人民軍将兵および男女パルチザン、英雄的労働者階級と農民、インテリと女性に熱烈な祝賀と感謝を送ります。


2 アメリカ帝国主義武力侵略者は、なぜ停戦会談を引き延ばしているのか

 親愛な同志のみなさん!

 祖国解放戦争において朝鮮人民は極めて大きな成果を達成しました。この成果は、アメリカ帝国主義武力侵略者をして停戦会談場にあらわれざるを得なくしました。周知のように、停戦会談は昨年の7月初めからこんにちまで1年1か月間もつづけられましたが、何らの進展も見られません。それは全く、アメリカ帝国主義侵略者の策動のためであります。

 アメリカ支配層は、朝鮮問題の平和的解決を一貫して妨害し、停戦会談を通じて地に落ちた威信を取り戻し、戦争で果たしえなかった侵略的目的を達成しようと、我が方に不当な譲歩を求めています。

 アメリカ帝国主義侵略者は停戦金談を相互理解と同等の原則に立って進めようとせず、かれらが「勝利者」となることを前提にして進めようと狂奔しています。これが、かれらのいう「名誉ある停戦」であります。

 アメリカは、こんにちまで世界最強をもって任ずる国であり、武力による世界制覇を企む国であり、多くの植民地と追随国をもっている国であります。こうした国が自国の兵力だけでなく、15の追随国の兵力まで動員して、小さな国である朝鮮民主主義人民共和国と3年間も戦争をつづけている、それ自体がアメリカの歴史にない大きな屈辱であるにもかかわらず、我が国と同等な立場で停戦協定まで結ぶことになれば、それはアメリカにとってさらに大きな恥となるでしょう。それゆえ、アメリカ帝国主義は、失墜した威信を停戦会談を通じて回復しようとやっきになり、「勝利者」になることを妄想しているのです。

 しかし我々は、勝利者でないかれらを勝利者と認めることはできず、敗北者でない我々を敗北者と認めることもできません。我々は、停戦協定を同等の原則に立って公明正大に結ぶことを主張します。

 停戦会談の公明正大な妥結とは何を意味するのでしょうか。それは、交戦双方が同等かつ正当な原則にもとづき軍事行動停止の協定を締結することを意味します。

 しかし、アメリカ支配層は、失墜した威信を回復しようと停戦会談を故意に引き延ばしています。アメリカ帝国主義侵略者は、軍事境界線問題討議の際、北半部地域から1万3千平方キロメートルの領土を奪おうとして4か月間も会談を引き延ばしました。軍事境界線の問題は結局、我が方の誠意ある努力によって解決されました。アメリカ支配層は会談において共和国にたいする内政干渉を試み、我が方の飛行場の建設を禁止させようとしました。飛行場建設の問題をめぐって会談はまたも5か月間引き延ばされました。それでも、アメリカ側はその目的を達成できませんでした。

 現在、アメリカ帝国主義者は、我が方の戦争捕虜を強制抑留しようと理不尽な主張をしています。停戦会談はかれらの固執している捕虜問題のため、またも停滞状態に陥っています。戦争捕虜送還問題においても、アメリカ側は何も得られないであろうことを知るべきであります。

 アメリカ帝国主義武力侵略者は、我が方の戦争捕虜を強制抑留するため、「自由意思による送還」なるものをもちだしています。しかし、巨済(コジェ)島に収容されている我が方の捕虜がかれらの拷問、虐殺、「自由意思による送還」に反対しておこなっている英雄的闘争は、アメリカ帝国主義者のいう「自由意思による送還」の本質を世界世論の面前に赤裸々に暴露しています。

 我々は、敵の捕虜となった祖国の息子や娘、兄弟である中国人民志願軍を敵側に残留させることはできません。人類の道徳と国際法規がこれを許しません。我々は、かれらが祖国とその家族のもとへ必ず帰れるようにするでありましょう。

 停戦会談が進捗しない主な原因の一つは、アメリカ帝国主義者が会談の裏で長期戦をはかっていることであります。アメリカ独占資本は、朝鮮戦争の終結と国際情勢の緩和を望んでいません。それは、戦争がかれらの巨大な収入源であり、軍備競争の格好の条件となるからであります。

 アメリカの億万長者は、朝鮮問題の平和的解決が資本主義世界をいっそう深刻な政治的・経済的危機に追い込むことを恐れています。アメリカ支配層は、停戦会談を遅らせ国際情勢の緊張を維持することが、民主陣営諸国に反対する第3次世界大戦の挑発計画におり込んだ西ドイツと日本の再軍備に有利である、と考えています。

 アメリカ帝国主義侵略者が停戦会談を遅らせている主な原因は以上の通りです。

 停戦会談に臨む我が方の立場は明白であります。我が方は、朝鮮問題の平和的解決のために一貫して努力してきましたし、これからも努力をつづけるでしょう。我々は停戦してもよく、戦争の継続も決して恐れません。

 停戦会談の成否は敵側にかかっています。会談における未解決の問題は、捕虜送還問題だけとなりました。もしアメリカ支配層が、軍事行動の停止を心から望むならば、我が方の戦争捕虜を強制抑留しようとする不当な主張を必ず放棄すべきであります。最近、アメリカ帝国主義はこの問題にたいする理不尽な主張を繰り返す一方、平和な都市や農村、平和的施設にたいしてますます野獣じみた爆撃を加えています。かれらはこうした悪らつな方法で、その汚らわしい目的を達成しようと試みています。

 しかし、アメリカ帝国主義は、いかなる方法によっても朝鮮人民を屈服させることはできず、どのような野望も果たすことができないでしょう。もし米英武力侵略者が侵略的野望を捨てず、我が祖国と人民に反対する戦争をひきつづき拡大するならば、勇敢な朝鮮人民は全世界民主勢力の支援のもとに、かれらを必ず打倒するでありましょう。


3 我々の課題

 親愛な同志のみなさん!

 米英武力干渉者とその手先李承晩一味に反対し、祖国の自由と独立と共和国を守る祖国解放戦争が3年もつづいているこんにち、我々には困難かつ膨大な課題がだされています。

 何よりもまず政治分野において、朝鮮人民の政治的・思想的統一をさらにかため、祖国統一民主主義戦線とその指導的勢力である朝鮮労働党を強化しなければなりません。そして国家機関と党組織の活動水準を高め、上部の指導を下部に接近させ、下級党組織と面・里人民委員会の活動を強化して、人民大衆との結びつきを緊密にすべきであります。

 広範な人民大衆、特に、農民の政治・思想教育を強化し、かれらに必勝の信念と敵にたいするはげしい憎しみと敵愾心をもたせなければなりません。また、敵が送り込んだスパイ、破壊・謀略分子にたいして高度の警戒心を堅持するように人民を教育すべきです。

 我々の勝利の裏付けの一つは、世界各国人民との国際的連帯を強めることであります。

 我々はソ連、中華人民共和国および人民民主主義諸国人民との国際主義的友好と団結をさらに強化しなければなりません。

 我々は経済分野において、ひきつづき人民生活の安定をはかり、節約運動と戦時増産競争運動を広く展開し、あらゆる困難と障害を克服するため、人民大衆の政治的熱意と創意性をさらに高めなければなりません。

 あらゆる方法と手段を尽くして戦時生産をふやし、今年度の秋の取り入れと脱穀を適時に終えなければなりません。化学肥料を確保できない現状で来年度の営農を保障するためには、いまから自給肥料の生産を広くおし進めるべきです。

 我々は軍事分野において、人民軍の武力をひきつづき強化し、指揮官の指揮能力をさらに高め、すべての兵士、下士官が各自の武器に精通し、祖国と人民を守る戦いで愛国心と英雄主義を高度に発揮するようにしなければなりません。

 人民軍の戦闘能力を高め規律を強化し、敵の兵員と戦闘機材を掃滅するために大いに努力すべきであります。

 我々は、政治・経済・軍事分野に提起される諸課題を立派に遂行し、朝鮮人民だけでなく世界の進歩的人民が熱望する祖国解放戦争の完全な勝利を達成しなければなりません。

 こんにち、朝鮮人民は、米英武力干渉者から祖国の自由と独立、みずからかちとった人民民主主義制度と共和国ばかりでなく、世界の平和と安全を守っています。朝鮮人民は、米英帝国主義者の第3次世界大戦挑発策動をその英雄的な戦いによって阻止しています。朝鮮人民に負わされた任務は崇高かつ神聖なものであります。我々は、この任務を忠実に遂行し、朝鮮人民がかちとった人民民主主義制度と共和国をアメリカ帝国主義武力干渉者から守ることによって、朝鮮人民への社会主義・民主主義諸国の私心のない援助と声援にこたえなければなりません。


4 我々は勝利するであろう

 同志のみなさん!

 我々には必ず勝利するという確信があります。この確信はどのような根拠にもとづくものでしょうか。それは、つぎの2つの重要な要因にもとづくものであります。

 第1は、内部的要因であります。

 朝鮮人民は、アメリカ帝国主義者とその手先の攻撃から人民政権を守れる十分な力をもっていることを示しました。今後も、朝鮮人民が朝鮮民主主義人民共和国の抹殺をねらうアメリカ帝国主義者とその手先のあらゆる企図を粉砕し、共和国とみずからの生存を守るであろうことは疑う余地がありません。

 我々は勝利できる力と可能性をもっています。

 我々には民主的方法によって選挙され、人民の意思を代表し、全朝鮮人民から愛され信頼されている人民政権があります。

 戦う朝鮮人民の陣頭には朝鮮労働党が立っています。労働党員は、人民の利益と幸福の最も徹底した守り手であることを実地に示しました。

 朝鮮人民には強力な武力があり、強固な軍事組織があります。朝鮮人民軍は、祖国の自由と独立をしっかり守れることを示しました。

 我々には強固な後方があり、人民軍と国家に必要なすべてのものを供給できる強力な経済的基盤があります。

 また、アメリカ帝国主義者の侵略に反対して立ち上がった全人民の団結と民主的・進歩的勢力の統一がさらに強化されています。帝国主義に反対し人民政権とみずからの権利を守るたたかいにおいて、労働者階級の指導のもとに全人民の統一と団結が強化されたことは、朝鮮人民が最終的勝利をかちとる最も重要な要因の一つであります。

 第2は、外部的要因であります。

 正義の大業のためにたたかう朝鮮人民の側には世界各国人民の同情と声援があり、社会主義・民主主義諸国の支持と援助があります。勇敢な中国人民志願軍は直接朝鮮人民と肩を並べて戦っています。

 社会主義・民主主義諸国人民の団結と不抜の統一は日増しに強化されています。これら諸国人民の支援を得ている朝鮮人民は、人民政権とみずからの権利と生存を守りつつ長期戦を遂行できる十分な力と可能性をもっています。

 資本主義制度よりもさらに高度の社会形態である社会主義制度への移行、つまり搾取と貧困が一掃され人民大衆にたいする搾取者の抑圧のない制度への移行は、人類社会発展の合法則的過程であります。社会発展のこうした過程は随所に見られます。第2次世界大戦後、ヨーロッパにおける人民民主主義諸国の創建とアジアにおける中華人民共和国の創建がそのよい実例であります。

 すべての事実は、人類社会の発展は停止させたり、資本主義段階におしとどめることができないことを確証しています。帝国主義者は、戦争や軍隊、ペストやコレラのような伝染病の伝播、原子爆弾の脅威、その他いかなるものをもっても人類社会の発展をおしとどめることはできません。これは歴史と客観的事実によって立証されています。

 世界は2つの陣営、つまり民主陣営と帝国主義陣営に分かれています。資本家の世界市場は大幅に縮小されました。アメリカ帝国主義者は世界のすべての国を従属させ、自国の市場に変えようと妄想しています。しかし、アメリカ帝国主義のこのような侵略的野望は、他の資本主義国支配層の抵抗を呼び起こしています。最大利潤獲得のための資本家の競争は資本主義社会の法則であり、それは資本主義の矛盾を先鋭化させています。

 植民地・従属国人民にたいする帝国主義者のあくなき搾取と抑圧は、帝国主義戦争に反対する弱小国人民の闘争を激化させています。植民地・従属国人民は、同等な権利と自国の経済発展を保障する正常な貿易のための公正な条件を求めています。こうした要求は、それらの諸国と帝国主義国間の矛盾をさらに激化させています。

 資本主義国の内部でも矛盾はますます先鋭化しています。そこでは労働者階級とブルジョアジー間の矛盾ばかりでなく、国内の進歩的諸勢力とファシスト一味間の矛盾が日増しに激化しています。

 こうした事実は、資本主義の最高段階である帝国主義の腐朽性をあますところなく示しています。帝国主義者は滅亡の日が近づくにつれて、余命を少しでも長らえるために人類殺りくの極限の手段を用いて、第3次世界大戦を挑発しようと企んでいます。

 これとは反対に、民主陣営諸国の力は日増しに成長し、その団結はいっそう強化されています。資本主義国内でも平和勢力は強化されています。それゆえ、帝国主義の最終的滅亡と社会主義・民主陣営の全般的勝利の日は近づきつつあります。帝国主義を完全に死滅させる日は遠くありません。このように、我々には勝利の条件がすべてととのっています。

 勝利は必ず我々のものであります。勝利をめざして力強く前進しましょう。

 日本帝国主義の植民地支配から祖国が解放された8.15──7周年万歳!

 米英帝国主義侵略者に抗し、祖国の自由と独立と人民民主主義制度を死守して戦う英雄的朝鮮人民と、その武力である英雄的朝鮮人民軍に栄光あれ!

 米英武力侵略者に抗し、朝鮮戦線で英雄的に戦っている中国人民志願軍将兵に栄光あれ!

 祖国の自由と独立のための戦いで生命をささげた英雄的人民軍将兵と男女パルチザン、中国人民志願軍勇士に不滅の栄光あれ!

 社会主義と民主陣営の国際主義的団結と友好万歳!

 米英帝国主義侵略者に抗する戦いにおける朝鮮人民の勝利の励まし手であり、組織者である朝鮮労働党万歳!

 栄えある朝鮮民主主義人民共和国万歳!

出典:金日成著作集 7巻

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