金 日 成

革命烈士の志を受け継いで国の立派な働き手となれ
―万景台革命学院の教職員、学生におこなった演説― 
1948年12月11日 

 私は今日忙しい時間をさいてこの学院を訪問しました。

 わが国が日本帝国主義の植民地から解放されて何年も経っておらず、仕事が山積しているので、近くにいながら思うように訪ねることができませんでした。今後、仕事にもう少しゆとりができれば、その時は時間もさけるし、学院に来る機会も多くなると思います。

 いましがた、私は、中隊別の皆さんの芸術サークル公演を見せてもらいました。以前にも何回か皆さんのサークル公演は見ましたが、今夕の公演は前回よりはるかにまさっています。

 点数をつけるとすれば、上々だとは言えないまでも、普通の水準は越えています。今後、練習に励んで芸術的水準をさらに高めるべきです。この学院は芸術サークル活動も活発におこない、すべての面で他の学校よりすぐれていなくてはなりません。

 私は今日、この機会をかりて皆さんにいくつかお話したいと思います。

 皆さんの両親は、我々とともに白頭山や満州の広野で銃を手にとって凶悪な日本帝国主義とたたかい、祖国の解放を待たずに恨みをのんで先立ちました。皆さんの両親は、祖国が解放されたら、皆さんを勉強させて立派な革命家に育てるよう、私に言い残しました。私はこの遺言が忘れられず、久しい以前から革命家の子弟を勉強させる学院の創設について考えてきました。そして今日、わが党と共和国政府の厚い配慮と人民の真心によって、ここ万景台に革命学院が立派に建てられました。こうして、皆さんの両親の遺言はとうとう実現しました。

 私は、革命家の遺児が学院で活発明朗に生活し、新しい知識を思う存分学んでいる姿を見てまたとない喜びを感じます。

 革命家の遺児は、以前は両親が貧しく暮らし、革命に身を投じていたため、金持ちの子どもがなんの不自由もなく学校に通っている時、学ぶことはおろか満足に食べることもできず、ちまたにさまよわざるを得ませんでした。皆さんは、日本帝国主義者からありとあらゆるさげすみを受けました。そのため、今日わが党と共和国政府は革命家の遺児のためにこのように立派な学院を建て、満ちたりた衣食生活をさせて学ばせており、皆さんを掌中の珠のように大切にしているのです。

 こうした中で、ややもすると、皆さんは安逸をむさぼり、かつての境遇を忘れてしまうようになります。もし、皆さんが自分の過去の境遇を忘れてしまうなら、革命も国も眼中にない人間になってしまうでしょう。

 今、祖国の南半部を占領しているアメリカ帝国主義者は、ひと握りの地主、買弁資本家や親日派、親米派などの民族反逆者を糾合してかいらい政権をつくりあげ、共和国北半部への侵略を企んで戦争準備に狂奔しています。南朝鮮には、皆さんが以前に貧しい暮らしをした時と同じ境遇にある子どもがいまなおたくさんいます。我々は、一日も早く南朝鮮からアメリカ帝国主義者を追い出し、南北の全朝鮮人民が家族のようにむつまじく幸せに暮らせる日を早めなくてはなりません。

 皆さんの両親は、祖国の解放と人民の幸福のために、抗日武装闘争のあの困難な環境のもとにあっても革命闘争を中断せず、最後まで雄々しくたたかいました。革命家の遺児は、このような両親の気高い革命精神を受け継いで不屈の革命家にならなくてはなりません。

 革命家になるためには、抗日遊撃隊員のように祖国と人民を熱烈に愛し、いかなる逆境にあっても革命の勝利をめざして最後までたたかう不撓不屈の革命精神を身につけなければなりません。特に、階級の敵を憎悪し、アメリカ帝国主義とその手先の侵略策動に対し常に警戒心を高め、敵と断固たたかえるよう精神的、肉体的に強く鍛えなければなりません。

 そのためには、何よりもまず学習に励まなければなりません。

 政治知識と軍事知識を習得し、いろいろな一般的科学知識も大いに学ぶべきです。皆さんは、以前学ぶことができなかったことを肝に銘じて、人一倍熱心に勉強しなければなりません。そして革命家の遺児は、政治、軍事をはじめ、各部門の立派な民族幹部にならなければなりません。

 皆さんは、国家財産を愛護しなければなりません。日本帝国主義者は、朝鮮から追われていく時、とるに足らない工場まですべて破壊してしまいました。今労働者階級をはじめ勤労人民は、新しい生活の創造をめざし困難にうちかって生産に励んでいます。しかし、わが国は、まだすべての面で豊かではありません。

 国の実状は困難であっても、わが党と人民は革命家の遺児を掌中の珠のように大切にしているため、この学院にすべてのものを十分に供給しています。したがって皆さんは、ひとすじの糸、1本のくぎであっても捨てることなく節約して使い、衣服もきれいに着用し、靴も大事にはくようにすべきです。皆さんは幼い時から、国と人民の財産を愛護する品性を培わなければなりません。

 すべての生徒が、労働を愛し規律をよく守り、互いに助け導き合う美しい気風を発揚し、学院を革命家の立派な集団にしなければなりません。皆さんは、先生の教えをよく守り、組織生活を正しくおこない、新しい祖国の立派な柱とならなくてはなりません。

 教職員は、大切な生徒を立派に育てなくてはなりません。学院の生徒は早くから両親をなくして、さげすみの中で生活してきたため、一部の生徒は生気に欠けています。したがって、生徒に自負心を植えつけることが重要です。教員は、生徒を弟のように愛し、その学習と生活全般に細かく気を配らなければなりません。

 食堂では、大きい生徒と小さい生徒の別なく同じ量の食事をとらせるので、小さい生徒は残しますが、大きい生徒は少々足りないようです。学院の教職員は生徒のこうした食生活に至るまで、こまやかに気を配らなければなりません。私の考えでは、生徒の給食の量を同一にするのではなく、調節して小さい生徒には相応の量を与え、大きい生徒には食べたいだけ盛ってやるのがよいと思います。こうして、すべての生徒が十分に食べて、元気に育つようにすべきです。

 教員への給養活動も十分におこなうべきです。教員は、常に身なりをきれいにするように心掛けなければなりません。教員が身なりをかまわないようでは生徒に対し威信がありません。革命家の遺児を教育する教員なのですから、立派な服を着せるべきです。この学院の性格からして、教員には軍服を着用させるのがよいと思います。教員が軍服を着用すれば、生徒を教育するのにもよいでしょう。

 私は最後に、生徒の皆さんが健康な体で学習に励み、革命烈士の志を受け継いで国の立派な働き手となるよう期待します。
 出典:サイト「わが民族同士」 参照:『金日成著作集』4巻

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