金 日 成

青年に対する思想教育活動は民青組織の基本的任務
 ―北朝鮮民主青年同盟第3回大会でおこなった演説―
1948年11月13日 

 親愛な諸君!

 私は、解放後、民主主義的独立国家建設のたたかいで大きな功労を立てたすべての民主青年と、この大会に参加した代表諸君に熱烈な祝賀の挨拶を送ります。

 私はまた諸君とともに、祖国の自由と独立のために、内外の反動勢力との英雄的な闘争を繰り広げている南朝鮮のすべての愛国的青年に祝賀と声援を送ります。

 私はまた、世界の平和と青年の民主的権利と自由のためにたたかっているソ連の共青員をはじめ、全世界の民主青年に熱烈な祝賀の挨拶を送ります。

 親愛な代表者諸君!

 北朝鮮民主青年同盟第3回大会は、朝鮮人民が自由と独立をめざす闘争で歴史的勝利をおさめた重要な時期に開かれました。先ごろ、全朝鮮人民が一日千秋の思いで待望していた朝鮮民主主義人民共和国が創建され、わが国は、ソ連をはじめポーランド、チェコスロバキア、ルーマニア、モンゴル人民共和国など世界の民主諸国と外交および経済関係を結び、堂々たる独立国家として国際舞台に進出するようになりました。

 朝鮮人民がこのような偉大な勝利を勝ち取るうえで、民主青年の献身的な闘争は大きな貢献をなしました。北朝鮮民主青年同盟は、創立以来この大会に至るまで、祖国の統一独立と民主化のために、自立的民族経済の建設と民族文化の開花発展のために英雄的な闘争を繰り広げ、大きな成果をおさめました。この闘争を通じて、民主青年同盟は組織的、思想的に一段と成長し、鍛えられ洗練されました。

 諸君は、輝かしい成果をおさめ、祖国と人民に対し大きな功労を立て、今後より大きな勝利を勝ち取るための土台を築き上げました。

 私は、諸君がおさめた成果について詳しく触れようとは思いません。私はこの機会に、諸君が祖国と人民の将来のために何をなすべきであり、より偉大な功績を立てるためにはいかにすべきかについて簡単に述べようと思います。

 諸君!

 我々がこれまで祖国と人民のためになし遂げた業績や成果がいかに大きくとも、それは今後けんらん豪華に咲き誇るべき花のつぼみにすぎず、これからなすべき事業の第一歩にすぎません。我々には、さらに困難で複雑な課題がひかえています。

 こんにち、我々は祖国と民族の歴史上偉大な繁栄の時期に生きており、祖国の限りない繁栄と人民のより幸福な未来を切り開くべき光栄ある任務が我々に課されています。祖国と民族の将来の運命は、我々の闘争いかんにかかっています。

 このような時期に生まれ、このように光栄あるたたかいに参加するのは限りない幸せです。

 しかし、このような栄誉と幸せを心ゆくまで享受するためには、あらゆる難関を勇敢に乗り越え、自己に課された歴史的使命を立派に果たさなければなりません。

 朝鮮民族が歴史上最も厳粛な時期に処しているこんにち、我々が祖国と民族の運命を正しく解決できなければ、我々の世代ばかりでなく、次の世代にも大きな不幸をもたらし、永遠にぬぐうことのできない罪を犯すことになるでしょう。我々がこの厳粛な時期に、祖国と民族の運命を正しく解決するならば、子々孫々に幸福をもたらし、その業績は祖国の歴史に永遠に輝くことでしょう。

 諸君!

 こんにち、祖国の統一独立と民主化をめざす我々の闘争は新しい段階に入っています。

 南北朝鮮人民の総意によって、わが国の最高主権機関である朝鮮最高人民会議が選挙され、朝鮮民主主義人民共和国が宣布され、共和国の中央政府が樹立されました。他民族の自由と権利を常に尊重するソ連政府は、朝鮮最高人民会議の要請によって、今年の末までにわが国から自国の軍隊を撤収することに決めました。今ソ連軍は、自国に引き揚げつつあります。

 こんにち、祖国に全朝鮮人民の支持を受ける合法的中央政府が樹立され、また、ソ連軍が撤退しているのに、米軍だけが南朝鮮に居座るなんらの理由も、口実もあり得ません。もし、米軍が南朝鮮から撤退せずに駐留し続けるならば、それはアメリカ帝国主義者がわが国の内政に干渉し、朝鮮に対する侵略の野望を遂げようと策動していることを、いっそうはっきりとさらけだすものです。朝鮮人民は、アメリカのこのような侵略政策を絶対に許さないでしょう。

 アメリカ帝国主義者は、あたかも朝鮮人のためを思っているかのように、「内乱」とか「無秩序」について「憂慮」すると宣伝しています。しかし、南北朝鮮人民の絶対多数が8月25日の総選挙に参加し、中央政府を樹立した事実は、外国の軍隊がわが国の領土から撤退しても、なんの無秩序も混乱も起こらないということを明白に証明しました。

 もしアメリカ人が、本当に「内乱」や「無秩序」を「憂慮」するなら、一日も早くわが国の領土から出ていくべきです。まさに、アメリカ帝国主義者の支配下にある南朝鮮で、こんにち無秩序と混乱状態が発生していることは、全世界の人びとの知るところです。最近南朝鮮では、甚だしい混乱と無秩序が支配し、かいらい軍内部でも大規模の暴動が起こりました。これは、南朝鮮に米軍が駐留し、親日派、民族反逆者が支配する限り、無秩序と混乱は避けられないことを実証しています。南朝鮮に発生した重大な事態に対する責任は、全面的に米軍の南朝鮮駐留と親日派、民族反逆者の反動的支配にあります。

 こんにち、わが国の情勢は複雑であり、我々のなすべき課題は非常に膨大です。共和国の創建と中央政府の樹立は、わが国の完全な自主独立と国土の保全を実現する闘争でおさめた最初の勝利にすぎません。

 我々は、親日派、民族反逆者で構成された南朝鮮の反動かいらい政府が祖国と人民を侵略者に売り渡し、南朝鮮人民を塗炭の苦しみに陥れている事実を片時も忘れることはできません。

 ソ連軍が引き揚げた後、我々はいっそう困難で複雑な環境のもとで、祖国の統一と独立のためにたたかわなければならないことを知るべきです。

 このような情勢にあって、民主青年同盟は、すべての青年をその隊伍に固く結集し、祖国の統一と独立のためにいっそう力強くたたかわなければなりません。

 諸君!

 北朝鮮民主青年同盟の基本的任務は、第1に、青年を政治的、思想的にしっかりと備えさせることです。

 青年を政治的、思想的に備えさせるということは、彼らを祖国と人民を愛する精神で教育し、科学的な先進思想と理論で武装させることを意味します。

 青年は、祖国の未来の主人公です。いずれの民族たるとを問わず、その民族の将来は、青年がいかに教育され、訓練され、鍛えられるかに大きくかかっていると言えます。それゆえ、青年に対する教育問題は、いつの時代にも、どの民族にとっても、最も重要な問題の一つとされてきました。

 長期にわたる日本帝国主義の支配は、朝鮮青年の進歩に極めて悪い影響を与えました。日本帝国主義者は、朝鮮青年を下僕として意のままにこき使うため青年に奴隷思想を植えつけ、青年の進歩を思想的にも文化的にも抑えてきました。

 しかしこんにち、我々は新しい社会に生きており、青年には幸福な未来と広々とした進歩の道が開かれています。現在我々には、かつて学ぶこともできず、虐げられてきた青年を知識のある文化的な新しい人間に教育し育成することのできるすべての条件が備わっています。

 青年を、すべての面で準備のできた新しい時代の主人公に育成するためには、まず青年の頭から日本帝国主義思想の残滓を一掃し、祖国と人民を愛する精神で彼らを教育しなければなりません。我々は青年に、ある特権階級のためにではなく、祖国と人民のために才能と情熱を傾けてたたかわねばならないことを深く認識させるべきです。

 そのためには、青年を先進的な思想と理論、すなわちマルクス・レーニン主義で武装させなければなりません。青年に人類社会の発展法則を認識させ、世界人民の貴い闘争経験と世界文化の宝庫から最もすぐれたものを研究、摂取し、祖国の過去と現在、朝鮮人民の闘争の歴史を研究させなければなりません。

 第2に、民主青年同盟は、労働と建設を通じて、また難関とのたたかいを通じて青年を教育しなければなりません。

 青年を先進的な科学理論で武装させるためには、青年向きの科学書籍を多く出版するとか、彼らを学校で学ばせることだけでは不十分です。書物や学校は青年に知識を与え、先進的な世界観形成の条件を与えるにすぎません。青年が書物や学校で学んだ知識を自然と社会改造の強力な武器とするためには、それを実生活と結びつけなければならず、祖国と人民のための実践闘争で鍛えなければなりません。したがって、労働と実践闘争を通じて青年を教育してこそ、彼らは祖国と人民のための闘争でいかなる困難や試練にぶつかっても、それを立派に克服し、勇敢に前進することができるのです。

 同盟組織は、青年が経済建設で突撃隊の役割を果たし、その献身性と創意性をもって勤労者の模範となるように教育すべきです。

 青年は、労働を愛し労働を最も栄誉あるものとし、無為徒食することを恥ずべきこととみなさなければなりません。どのような労働に従事しようと、それはすべて祖国を建設し、自分の運命を自ら切り開いていく栄誉あることです。ただ、労働を通じてのみ新しい社会の建設者となり、立派な人材となれるのです。

 同盟組織は、一部の青年に残っている、働くことをいやがり、他人の労働によって生きようとする腐敗し、立ち後れた思想に反対して粘り強い闘争を繰り広げなければなりません。

 第3に、重要なことは、敵を憎み、敵と仮借なくたたかう精神で青年を教育することです。

 こんにち、南半部を占領しているアメリカ帝国主義者は、わが国の植民地化を企んで悪辣な陰謀と策動をめぐらしています。

 彼らは、朝鮮民族の不倶戴天の敵である日本帝国主義を再武装させ、朝鮮人民に反対する闘争に日本帝国主義まで引き入れようと狂奔しています。南朝鮮かいらい政府に座を占めている親日派、民族反逆者が「韓日協定」の締結を企んでいるのは決して理由のないことではありません。

 日本帝国主義者が朝鮮民族をいかに搾取し抑圧し、わが民族を抹殺するためにいかに残虐な行為を働いたかを青年に広く知らせ、こんにち、彼らが他の侵略勢力と結託して再びわが国を侵略しようと策動していることに対し、警戒心を高めさせなければなりません。

 朝鮮民族が二度と植民地的奴隷生活の苦難の歴史を繰り返さないために、国家を防衛し、国と民族の利益のためにすべてをささげてたたかう精神で青年を教育しなければなりません。

 敵は、外部だけでなく内部にもいます。土地を没収された地主や親日派、民族反逆者など、人民を搾取し、裕福な暮らしをしてきた者は、機会さえあれば外部の侵略勢力と結託して人民政権をくつがえし、民主建設を破壊しようと企んでいます。したがって、青年が敵に対して警戒心を高め、敵を見分け、敵を摘発暴露し、粉砕することができるように教育しなければなりません。

 我々にとって最も有害なのは自己満足と安逸です。我々は常に、凶悪な敵と厳しい闘争を繰り広げていることを忘れてはなりません。

 解放後の3年間、我々は勝利の道を前進し続け、民主建設で偉大な成果をおさめました。そこで、一部の人たちは勝利に陶酔して、「万事うまくいっている」と考えており、敵はすべて掃滅され、どんなことでも決定書に書き込みさえすれば、万事がおのずとうまくいくかのように考えています。

 これは極めて危険な傾向です。このような安逸と自己満足は、敵との闘争において人民の目をくらませ、敵がい心と警戒心を麻痺させるものです。

 民主青年同盟が130余万の同盟員を擁する強力な大衆団体に成長したからといって、自己満足する根拠はありません。我々は古今東西の歴史を通じて、必勝不敗を豪語していた強大な軍隊が勝利に陶酔して敵を過小評価し、戦闘準備をおろそかにして不意打ちを受け滅亡した多くの事実を知っています。

 不意打ちは極めて危険です。平素の準備態勢もなしに不意打ちを受けると、狼狽して混乱に陥り、自己の力を十分に発揮できずに敗北することがあります。それゆえ、常に敵に対する警戒心を高め、敵のいかなる攻撃をも撃破できる準備態勢を堅持し、敵の一挙一動を鋭く監視し、敵の陰謀と策動を未然に防ぐことが大切です。

 我々は、腐敗と安逸を排し、常に緊張した態勢を堅持し、内外の敵のあらゆる凶悪な策動を退け、祖国と人民の利益をあくまで防衛するよう青年を教育しなければなりません。

 第4に、思想教育で重要なのは、青年を国際主義の精神で武装させることです。

 真の愛国主義思想は、国際主義の精神と分離できるものではありません。青年を、祖国を愛し、祖国の革命伝統を大事にし、侵略者と搾取者から祖国と人民を解放するために献身的にたたかう精神で教育すると同時に、他民族の自由と平等を尊重し、他国の人民を抑圧し搾取する国際反動勢力に反対する闘争の中で、全世界の自由愛好人民との友好・団結を強める精神で教育しなければなりません。

 我々は、世界の自由を愛する人民、特にソ連をはじめ、民主陣営諸国の人民との友好と緊密な協力が、祖国の自由・独立と民主的発展をめざす朝鮮人民の闘争において勝利の重要な裏付けとなることを、青年に深く認識させなければなりません。

 第5に、こんにち同盟組織の重要な任務は、すべての青年に先進的な科学・技術を修得させることです。

 長期にわたる日本帝国主義の植民地支配から解放された朝鮮人民は、破壊された経済と立ち後れた文化と技術をもって新しい祖国の建設に着手しました。立ち後れた経済と文化を急速に発展させ、富強な新しい祖国を建設するためには、科学と技術を修得することが何よりも重要です。

 技術を所有せずには、工業を建設することも、経済を速やかに発展させることもできません。科学と技術をもたなければ、国家を管理することも、工場を運営することもできません。

 科学と技術を学ぶことは、こんにち朝鮮青年に課された最も重要かつ崇高な任務です。先進的な科学と技術で武装するためにすべての青年がたゆみなく学び、さらに学ばなければなりません。

 スターリン同志は、青年が科学を修得する必要性について次のように述べています。「建設するためには知らなければならず、科学を修得しなければならない。そして知るためには学ばなければならない。絶えず、忍耐強く学ばなければならない。(中略)我々の前に要塞がある。この要塞は多くの知識分野を包括する科学という要塞である。我々はどんなことがあってもこの要塞を占領しなければならない。青年が新しい生活の建設者になろうとするならば、青年が老近衛隊の真の後継者になろうとするならば、この要塞を占領しなければならない」

 朝鮮青年は、過去から引き継いだ無知をぬぐいさり、国の主人としてその任務を立派に果たし、繁栄する祖国を建設するために、必ず科学の要塞を占領しなければなりません。

 急速に発展する金属工業、電力工業、化学工業、鉱業、紡織工業、鉄道運輸などは、日を追ってより多くの技術幹部や技能工、先進的科学を身につけた専門家を必要としています。

 民青組織は、勤労青年の間で「技術を学ぼう!」「自分の機械に精通した熟練工になろう!」などのスローガンを掲げ、技術伝習を広く展開すべきです。青年の間で、あらゆる領域の技術と知識を修得し、科学の要塞を占領するための行軍をおこなわなければなりません。

 諸君!

 最後に、私は民青員が、経済、文化の建設にいかに参加すべきかについて簡単に述べようと思います。

 諸君も知っているように、朝鮮人民は、内外の敵との激しい闘争を繰り広げる一方、経済的にも、技術的にも、文化的にも立ち後れた祖国を富強な文明国に再建する困難な事業をなし遂げなければなりません。我々の前に横たわっているすべての困難にうちかって、共和国政府の政綱に示された祖国再建の任務を果たすためには、全人民の粘り強い努力が必要であり、特に、祖国建設の重要な力である青年の英雄的なたたかいが期待されます。

 来年から我々は、国の民主建設において大きな意義をもつ2カ年人民経済計画の実行にとりかかります。この計画を立派に遂行するためには、まず、1948年度の人民経済計画を完遂、または超過遂行しなければなりません。すべての同盟員は人民経済のどの分野で働くにしても、その部門で模範的な働き手となり、その任務を完遂しなければなりません。

 工場で働く青年は、自分が受け持った機械の熟練工となり、自分の仕事に精通し、物資を節約し、労働生産性を不断に高め、創意考案運動の先駆者とならなければなりません。炭鉱や鉱山で働く青年は、先進的な採炭法や採鉱法を修得し、採炭、採鉱で革新を起こし、祖国の隆盛のためにより多くの石炭と各種の鉱石を掘り出さなければなりません。

 交通運輸部門で働く青年は、鉄道運輸、海上運輸の先進技術を学び、有能な技師や技手、機関士、船長となって、運輸事業を発展させるたたかいの先頭に立たなければなりません。

 農村で働く青年は、農業知識を学び、農業に先進的農法を取り入れ、農村文化を発展させるため先頭に立ち、国家と人民に食糧と原料をより多く供給するために全力を尽くさなければなりません。民青員は農民に科学知識を広く普及し、民主宣伝室、クラブなどを通じて文化啓蒙活動を活発に繰り広げ、農村の文化的立ち後れを早急に克服するため献身的にたたかわなければなりません。

 同盟組織は、1950年から全般的初等義務教育制を実施する準備事業に積極的に参加すべきです。全般的初等義務教育制を実施するためには、1949年に北朝鮮全地域で学校を新築、拡張する事業を全人民の運動として繰り広げなければなりません。民青員は当然、この運動の先頭に立つべきです。

 このように、祖国の統一独立と民主建設をめざす闘争で、民青員には重大な任務が課されています。共和国政府と全人民は青年に大きな期待をかけています。私は、民青員が自己の光栄ある任務を深く自覚し、すべての分野で愛国的献身性と英雄主義を発揮し、困難と障害を勇敢に乗り越えて必ず輝かしい勝利を勝ち取り、国家と人民の大きな期待に立派にこたえるものと確信しています。
出典:サイト「わが民族同士」 参照:『金日成著作集』4巻 

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