金 日 成

女性同盟の活動に対する指導を強化することについて
―北朝鮮労働党中央委員会常務委員会での結語― 
1947年10月20日 

 女性同盟は、広範な女性を結集した大衆組織であり、わが党のベルトであります。女性同盟に対する指導を強化することは、党組織の重要な任務の一つです。そうすることによってのみ、女性大衆を固く結束して党の大衆的基盤をさらに強化し、彼女たちを富強な自主独立国家の建設に立ち上がらせることができます。したがって、各級党組織は、女性同盟の活動に対する指導を強化するために極力努力しなければなりません。

 女性同盟の活動に対する指導を強化するうえで重要な問題は、同盟の活動の中心を勤労女性との活動に置くようにすることです。

 わが国の女性の大多数は、労働者、農民をはじめとする勤労女性であり、女性同盟を組織した重要な目的も、勤労女性を一つに固く結束して強力な政治勢力にするところにあります。女性同盟組織が勤労女性に対する活動を中心に据えて活動してこそ、女性同盟を強力な大衆政治組織にすることができるのです。

 女性同盟組織が勤労女性との活動を中心に据えて活動することは、新しい祖国の建設を促進するためにも必要です。労働者、農民をはじめとする勤労女性は実際に建国事業に寄与しているのですから、彼女たちを正しく導けば、建国の偉業をより立派に遂行することができます。

 したがって、女性同盟の活動の中心を家庭の主婦ではなく、勤労女性に置かなければなりません。

 これについては以前にも強調しました。しかし、女性同盟の活動は、依然として都市と家庭の主婦を中心にしておこなわれています。党組織は、女性同盟組織が勤労女性との活動を立派におこない、すべての勤労女性を同盟組織に固く結束し、その組織・思想生活を強化するようにしなければなりません。

 女性同盟の活動の中心を勤労女性との活動に置くということは、決して家庭の主婦との活動をおろそかにしてもよいということではありません。党組織は、女性同盟組織が家庭の主婦との活動も活発におこなうよう指導しなければなりません。特に、家庭にいるインテリ女性との活動を正しくおこなうべきです。

 もちろんインテリ女性のなかには、過去に裕福な暮らしをした人もいます。日本帝国主義支配の時期には、裕福な家庭でなければ女子は学校に行くことができませんでした。平壌市のインテリ女性のなかには宗教信者がかなりいます。彼女たちは、勤労女性を見下げ、付き合うのを好みません。インテリ女性のこうした考え方は一朝一夕に変わるものではありません。しかし、我々は彼女たちを教育することができるし、また必ず教育しなければなりません。

 インテリ女性に欠陥があるとはいえ、そのほとんどは日本帝国主義の植民地支配下で民族的な蔑視と虐待を受けながら学んだので、愛国心と民族愛をもっています。女性同盟組織は、インテリ女性の特性に応じて教育を粘り強くおこなうべきです。そうすることによって、家庭の主婦やインテリ女性も新しい祖国の建設に大いに寄与するようにしなければなりません。

 女性同盟の活動を指導するうえで重要な問題の一つは、女性を職場に積極的に進出するようにさせることです。

 これは、女性の思想改造と富強な民主朝鮮の建設において大きな意義をもちます。

 女性が職場に進出すれば、実践を通じて教育され鍛えられ、家庭の収入も増えるはずです。それはまた、建国の偉業を成功裏になし遂げ、不足している労働力の問題を解決する一助にもなるでしょう。

 ところが今、少なからぬ女性が家庭に閉じこもって無為に日を送っています。平壌市にも多くの女性がいますが、実際に社会・経済活動に参加している女性はわずかにすぎません。現在、人民学校の教員が非常に不足していますが、女性は教育事業に積極的に参加していません。

 女性が社会・経済活動に積極的に参加しないのは、彼女たちの頭にまだ古い思想が残っており、また、女性が活動できる社会的条件が整っていないことに主な原因があります。朝鮮の女性は長い間男尊女卑の封建思想と因習に縛られ、ひどい虐待と蔑視を受けてきました。こうした歴史的条件による特性のため、朝鮮の女性は男女平等権を取得したこんにちに至っても、思い切って因習から抜け出し、社会・経済活動に積極的に参加することができないのです。

 女性を社会・経済活動に積極的に参加させるためには、古い思想の残滓と因習をなくすための教育を強化しなければなりません。結婚すれば遊んで暮らすのを当然のことのように考える古い思想と因習を一掃しない限り、女性は社会・経済活動に参加できません。

 女性同盟組織は、家庭で炊事や育児をしながら夫の収入で遊んで暮らすことは古い思想のあらわれであり、労働に参加することは自分自身と国の富強、発展のための公民の栄誉ある神聖な義務だということを明確に認識するよう、女性を教育しなければなりません。そして、女性が「働かざる者は食うべからず」というスローガンの真意をかみしめ、古い因習から抜け出して職場に積極的に進出するようにしなければなりません。

 女性が働くことのできる社会的な条件を整えることは、彼女たちを社会・経済活動に参加させる重要な方途です。

 教育するだけでは、女性の職場進出の問題を円滑に解決することはできません。女性が職場に進出しようとしても、社会的条件が整っていなければ不可能です。

 党組織は、職場に進出するようにと決まり文句を並べて強調するのではなく、実際に女性が職場に出て働ける条件を整えなければなりません。

 女性の体質と特性に応じて職場を斡旋し、託児所や幼稚園も設けなければなりません。もちろん、わが国の現状にあって、女性が社会に出て働ける条件を十分に整えるというのは容易なことではありません。しかし我々は、すべての可能性を利用してその条件を整えなければなりません。

 女性同盟の活動に対する党の指導を強化するうえで重要な問題の一つは、女性活動家を多く育成させることです。

 女性活動家を多く育成してこそ、女性同盟組織を強化し、党の路線と政策の貫徹へと広範な女性大衆を立ち上がらせることができます。

 女性活動家を育成するためには、党員や労働者、農民など勤労女性のなかからすぐれた人を活動家として掌握し、系統的に教育、鍛錬する活動を活発におこなわなければなりません。

 女性活動家の教育は、各人の準備程度と特性に応じて多様な形式と方法でおこなうべきです。日曜日に彼女たちを集めて、党の路線と決定、指示を解説、宣伝する講演会や座談会などを開くのもよいでしょう。

 女性活動家に任務を分担し、その遂行過程で鍛えることにも力を入れなければなりません。例えば、女性党員の活動家に家庭訪問の任務や、女性大衆のなかに入って立派な小説を読んで聞かせる任務を与えるべきです。任務を与えた後は、その遂行状況を随時報告させて点検、総括し、長所は伸ばし、欠陥はそのつど是正させなければなりません。そして、女性活動家が任務を立派に遂行し、大衆をよりしっかり教育するようにすべきです。

 こうして女性活動家を多く育成し、彼女たちが女性大衆を教育し、女性同盟組織を強化するうえで主動的な役割を果たすようにしなければなりません。

 次に、女性同盟の幹部陣容を固めなければなりません。

 女性同盟の幹部陣容は、労働者、農民など勤労女性のなかからすぐれた人を選んで整えるべきです。勤労女性は知識水準は低くても、思想が堅実で熱意があり、問題を正しくとらえるものです。したがって、労働者、農民をはじめ、勤労女性を思い切って幹部に登用して教育するならば、自分の任務を立派に遂行することでしょう。

 女性同盟組織の幹部の欠員は、所轄の党組織と女性同盟組織が責任をもって養成し、補充することです。

 女性同盟組織の幹部の欠員を早急に補充するためには、同盟の積極分子を集中的に教育、鍛錬して登用しなければなりません。党組織と女性同盟組織は、女性同盟の積極分子の講習会を開き、実際の活動に参加させて活動方法を教えるべきです。その過程で点検された堅実な人を同盟組織の幹部に抜擢して配置することです。

 幹部が不足している現状にあっては、このように女性同盟の積極分子を集中的に教育してまず幹部に登用し、仕事をさせながら鍛えることが幹部問題を解決する適切な方途の一つだと考えます。

 女性同盟組織の幹部陣容を固めるためには、養成機関を通じて系統的に幹部を育成することにも力を入れなければなりません。党学校や青年活動家講習所などに女性同盟の積極分子を入れて幹部に育て上げることです。

 党組織は、女性同盟幹部陣容の強化と合わせて、その政治・実務水準の向上にも深い関心を払わなければなりません。

 どんなにすぐれた女性を幹部に抜擢しても、その水準を高めなければ仕事を満足におこなうことができません。

 党組織は、女性幹部が熱心に学ぶ気風を確立し、党の路線と決定、指示の学習と女性同盟活動の実務学習を絶えずおこなうようにしなければなりません。そして、近いうちに女性同盟の幹部の政治・実務水準を一段と高めるべきです。

 次に、人民大衆に党の政策や人民政権の施策を解説、宣伝する活動に女性同盟組織を大いに参加させなければなりません。

 社会団体は、大衆にわが党の路線と政策、人民政権の施策を解説、宣伝し、大衆をその貫徹へと立ち上がらせるうえで重要な役割を果たすべきです。女性同盟組織は、人民大衆に党の決定、指示を解説、宣伝する活動で重要な役割を果たさなければなりません。

 党の活動家は、女性同盟組織を軽視する間違った観点を改め、党の政策と人民政権の施策を解説、宣伝する活動に女性同盟の活動家を大いに参加させ、彼女たちが宣伝活動を立派におこなえるよう指導し支援しなければなりません。

 女性同盟組織は、女性に人民政権の施策を深く認識させるための宣伝活動を立派におこなわなければなりません。特に、この11月3日におこなわれる人民委員会委員の活動総括報告大会に多数の女性を参加させ、彼女たちが真の民主選挙の意義を深く認識し、人民政権に対する信頼感をさらに深めるようにしなければなりません。

 各級党組織は、女性同盟の活動に対する指導を決定的に強化して、女性同盟組織の活動に新たな転換がもたらされるようにしなければなりません。
出典:サイト「わが民族同士」 参照:『金日成著作集』3巻 

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