きょうの会議で南朝鮮のアメリカ軍政庁の反動的政策と関連した報告やみなさんの発言があったので、私は、朝鮮人民がアメリカにたいしてどのような態度をとるべきかについて簡単に述べたいと思います。

　朝鮮人民は、我が民族の利益を尊重し、朝鮮の民主主義的自主独立を支持する国にたいしては親善を維持することを主張しますが、朝鮮人民の利益をおかし、朝鮮の民主主義的自主独立を妨げ植民地化を企む国にたいしては排撃し、たたかわざるをえません。朝鮮人民がアメリカにどのようにたいするかは、我が国にたいするアメリカの態度にかかっています。アメリカは、我が国にたいして友好政策を実施するならば朝鮮人民の友好国となりえますが、朝鮮を植民地化する野心をいだいて反動政策をとっている現状では、朝鮮民族の敵であり、したがって朝鮮人民は、アメリカ帝国主義に反対する闘争をおこなわなければなりません。

　我々は、解放直後アメリカ軍が南朝鮮に上陸した当時から危惧の念をいだき、かれらになんの期待もかけませんでした。我々はかなり以前からアメリカの侵略的本性を知っていましたが、かれらが口先だけにしろ朝鮮の独立を支援すると言っている以上、最初からアメリカ軍政庁に公然と反対する必要はありませんでした。

　しかし、南朝鮮でアメリカ帝国主義の侵略的本性がむきだしになった現状では、そうすることはできません。

　現在、アメリカ軍は、南朝鮮で極めて反動的な政策を実施しています。アメリカ軍は、南朝鮮に上陸するや直ちに軍政をしき、人民の創意によって組織された人民委員会を解散させる挙に出て、愛国的人民の民主的運動を各方面から妨げました。アメリカ軍政庁は、祖国と民族を裏切った親日派、親米派、民族反逆者を糾合して忠実な手先にし、反動分子を野放しにして反人民的野蛮行為を強行させています。こんにち、アメリカ軍は、南朝鮮で言論、出版、集会、結社、信教の自由など人民の初歩的な民主的自由と権利まで無残に踏みにじり、愛国者と人民を手当たりしだいに検挙、投獄、虐殺しています。そのうえアメリカ帝国主義者は、朝鮮人民の所有とすべき工場、鉱山、炭鉱をはじめ、すべての産業機関を「敵産」という名目で手中におさめ、主人がましくふるまっています。

　これらの事実は、アメリカ帝国主義者が朝鮮を植民地にするために悪辣に策動していることを示しています。

　我々は、南朝鮮におけるアメリカ帝国主義者の野蛮行為を、これ以上、耐え忍ぶことができません。全朝鮮人民は、警戒心を高め、アメリカ帝国主義に反対して断固たたかうべきであります。

　周知のように国家の政策は、不変のものではありません。国家は、時期と環境に応じてそれに適した政策を実施しなければなりません。現情勢は我々に、アメリカ軍政に反対して積極的にたたかうことを求めています。我が国の植民地化を企むアメリカ帝国主義の策動が露骨になっている状況で、我々がアメリカ軍政に反対してたたかわないならば、完全自主独立国家を建設できないことは言うまでもなく、朝鮮人民は再び亡国の民の悲惨な状態に陥るでしょう。三千万朝鮮人民は、たとえ、たたかって死のうとも、アメリカ帝国主義者の奴隷になることはできません。

　アメリカ軍政に反対してたたかうのは朝鮮問題解決の妨げとはならず、それはむしろ有利な条件をもたらすでしょう。アメリカ軍政に反対する闘争を強力に展開すれば、人民大衆をめざめさせ民主勢力を強化し、祖国の民主的発展と完全自主独立国家の建設を促すことができます。

　アメリカ帝国主義の野蛮行為を暴露する活動を強化しなければなりません。全人民に、アメリカ帝国主義の侵略的本性とアメリカ軍政庁が南朝鮮で強行しているすべての犯罪行為を明確に知らせなければなりません。そして、アメリカ軍政庁の反動的策動を排撃する大衆集会を開き、全世界にアメリカ帝国主義者が南朝鮮でおこなっている野蛮行為を暴露すべきであります。こうして、全朝鮮ひいては全世界の世論を喚起すべきであります。我々は、アメリカ帝国主義の野蛮行為を暴露する活動を強化することによって、全人民をアメリカ帝国主義に反対する闘争に決起させ、世界の広範な進歩的人民が祖国の完全自主独立の達成をめざす朝鮮人民の正義のたたかいに積極的な支持を寄せるようにしなければなりません。

　アメリカ軍政当局に、アメリカ帝国主義の野蛮行為にたいする抗議文を送るべきであります。我々は、アメリカ軍政当局に政権を朝鮮人民に移管し愛国者を釈放し、南朝鮮で土地改革法令、労働法令、男女平等権法令を速やかに施行し、工場、鉱山、鉄道、逓信、銀行をはじめ、産業機関をすべて人民の所有に移管するよう重ねて強硬に要求すべきであります。アメリカ帝国主義がこの要求を受け入れないならば、我々は最後までたたかうでしょう。ソ米共同委員会が再開され、我々がそれに参加するようになれば、その会議でもアメリカ帝国主義に抗議し、今後もアメリカ帝国主義を糾弾しつづけるでありましょう。

　アメリカ帝国主義の反動的策動を阻止するためには、南朝鮮人民が積極的にたたかうようにすることがなによりも大切です。アメリカ帝国主義が南朝鮮で愛国者を虐殺し、朝鮮人民の血と汗の結晶である工場や土地を奪い、我々の民主主義自主独立国家建設を妨げているのに、腕をこまぬいていられるでしょうか。南朝鮮の労働者、農民をはじめ、全人民は、アメリカ軍政に反対してさらに勇敢にたたかうべきであります。

　アメリカ軍政に反対する闘争を強力に展開し、新しい民主朝鮮の建設をおこなうためには、民主勢力を強化すべきであります。いま敵は民主勢力を弱体化しようと悪辣に策動しています。我々は、革命的警戒心を高め、各階層の広範な人民大衆を獲得して、民主勢力を拡大するために全力を傾けるべきです。

　民主勢力の強化において重要なことは、民主的政党、大衆団体を強化し、民主主義民族統一戦線をさらに強めることです。民主的政党、大衆団体は、隊列に潜入した不純分子を一掃し、組織を強化して、すべての愛国的民主勢力を民主主義民族統一戦線にかたく結束する闘争を力強くくりひろげなければなりません。

　こうして、全人民の団結力で南朝鮮におけるアメリカ帝国主義の野蛮行為に反対する闘争を強化し、新しい民主朝鮮の建設を促進しなければなりません。

　北朝鮮に民主的根拠地を強固にきずくことは、建国の大業を成功裏に遂行する決定的な保障であります。民主的根拠地を強固にきずかなくては、アメリカ帝国主義とその手先のあらゆる陰謀を粉砕し、統一政府の樹立を早め、民主主義完全自主独立を達成することができません。政党、大衆団体は、新しい祖国の建設でおさめたこれまでの成果をいっそう強化し、北朝鮮に民主主義完全自主独立国家建設の土台をきずくために積極的にたたかうべきであります。