金 日 成

土地改革法令の発布は民族の利益に基づいたものである
―新聞『正路』に発表した談話― 
1946年3月9日 

 このたび実施される土地改革は、朝鮮に数千年間続いた封建的土地所有制度を一掃し、真の民主主義共和国を建設するための民主的課題を遂行する第一歩である。

 土地改革は偉大な、最も正当な事業である。これは、朝鮮人民の民族的独立と自由、平等をめざし、人民の生活と福祉の向上をはかる民主的改革である。

 我々の実施する歴史的な土地改革は、大きな政治的・経済的意義をもっている。

 第1に、土地改革は、農民を地主の封建的搾取から解放することにその重要な意義がある。

 朝鮮人民は日本帝国主義の植民地支配から解放されたが、封建的土地所有制度からは解放されなかった。したがって、人民政権は、わが国の人口の圧倒的多数を占める農民を地主の封建的搾取から解放するために、土地改革法令を発布した。民族を愛する真の愛国者と人民の利益を尊重する真の民主主義者は、この法令を極力支持し、その実現のために努力するであろう。

 第2に、土地改革は、朝鮮における民主主義的統一政府の樹立を妨げ、民族統一戦線の破壊をもくろむ親日派、民族反逆者など反動分子の基盤となっている地主階級を根本的に一掃することにその重要な意義がある。

 第3に、日本帝国主義と親日派、民族反逆者、地主の所有していた土地を耕作する農民に分与するこの改革は、農業を発展させ、さらには産業発展の推進力となり、人民経済全般を高度に発展させるであろう。ここにも土地改革の重要な意義がある。

 第4に、土地改革は、数千年間暗たんたる奴隷状態にあったわが国の人口の8割を占める農民の生活水準を向上させ、彼らに豊かな生活を享受させる重要な保証である。それはまた、農民がその子弟を学ばせ、彼ら自身にも暗黒の生活から脱却して文化的な生活を営ませる基本的保証である。

 第5に、土地改革は、民主建国運動の主力部隊の一翼である農民大衆を民主建設に積極的に参加させてその政治的熱意を高め、労働者階級と農民の同盟を強める基本的保証の一つである。したがって、北朝鮮臨時人民委員会は、自己の基本的課題である民主建設のためにこのたび土地改革法令を制定し、発布したのである。

 北朝鮮の全人民と民主的政党、大衆団体は、この法令をあくまで実践するために全力を尽くすべきである。

 同胞愛と愛国思想に欠けた者は、土地改革法令に反対するであろう。この法令に反対する者は、すべて民主主義に反対する者であり、進歩の道を歩む朝鮮を古い封建社会に引き戻そうとする反動分子であり、全民族の利益を売る民族反逆者である。朝鮮に進歩的民主社会が建設されてはじめて、完全な自主独立を達成することができる。したがって、私は、全人民がさらに固く団結して、国と民族を愛さない反動一味を一掃し、朝鮮民族の圧倒的多数を占める農民の利益を擁護し、その生活を向上させ、人民経済全般を発展させ、国の民主的発展を促す土地改革法令の実施に立ち上がり、土地改革の完全な勝利を勝ち取ることを期待するものである。
 出典:サイト「わが民族同士」 参照:出典:『金日成著作集』2巻

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