金 日 成

3.1運動27周年に際して
 ―3.1運動27周年平安南道慶祝大会でおこなった演説―
1946年3月1日 

 親愛なる同胞の皆さん!

 きょう、わが3000万同胞は、自由と解放の喜びに包まれて、朝鮮民族の解放闘争史に永遠に輝く3.1運動27周年を記念しています。

 1919年3月1日は、わが民族が「日本人と日本軍は出て行け!」「朝鮮独立万歳!」のスローガンを高らかに叫び、強盗日本帝国主義に抗して全民族的闘争を繰り広げた日であり、わが民族が日本帝国主義者に甚大な打撃を与えた日です。この日は、わが民族が自由を勝ち取るために貴い血を流した日であります。そのため、我々はこの日を記念し、この精神に学んでわが民族の独立と自由と幸福のためにたたかう決意を新たにしているのです。

 我々は、27年前、わが民族の独立と自由をめざした全民族的な3.1蜂起のとき、強盗日本帝国主義に抗して勇敢にたたかった先達の貴い精神に学ぶべきです。当時、朝鮮の国内各地はもとより、海外に流浪していた同胞たちもすべて闘争に立ち上がりました。

 我々の先達は、日本帝国主義者の銃剣を恐れず血を流して勇敢にたたかいました。我々はわが民族のこの貴い精神を忘れず、その精神に見習って民主主義民族統一戦線の旗のもとに固く団結し、あらゆる困難を克服して新しい民主朝鮮の建設のために献身的にたたかわなければなりません。

 3.1運動を通して朝鮮人民は、朝鮮民族は生きているばかりでなく、国なき民の生活を望まず、自由と独立のためにたたかう決意に満ちていることを全世界に示しました。

 しかし、3.1運動は結局失敗に終わり、わが民族は勝利を勝ち取ることができませんでした。我々は、その失敗の原因を明確に認識し教訓をくみ取るべきです。

 3.1運動が失敗した最も重要な原因は、この運動を指導する革命的階級と革命的党がなかったことです。

 当時、労働者は積極的に闘争に参加し、頑強な戦闘力を遺憾なく発揮しましたが、朝鮮社会の全般的後進性のため階級として形成されず、運動を組織的に指導すべき革命的党をもっていませんでした。

 また、ブルジョア民族主義者の優柔不断な立場とその無抵抗主義、政治的投機行為は3.1運動の失敗を招いた主な原因でした。

 当時、有力な無産階級の政党、民主的政党が運動を組織的に指導していたならば、闘争はさらに力強く展開され、日本帝国主義にいっそう痛烈な打撃を与えたでしょう。

 この闘争には広範な大衆が参加しましたが、非組織的で分散的にたたかったため、結局失敗に終わりました。

 いかなる革命運動も、強力な指導的勢力がなくては、また革命の指導部が正しい政治綱領を示し、組織的、計画的に大衆を立ち上がらせなくては勝利することができません。組織もなく自然成長的に分散的におこなわれる闘争は決して勝利することができません。

 3.1運動は、指導的政党がなかったため闘争綱領や闘争計画もなしに進められました。当時の朝鮮革命の性格から見て、日本帝国主義に抗する民族解放闘争は反封建闘争と密接に結びつけられるべきでしたが、農民の切実な問題である土地問題を提起することができませんでした。その結果、農民の革命性を最大限に発揮させることができませんでした。

 また、わが民族が日本帝国主義と単独でたたかわざるを得なかったことも、3.1運動を失敗させた原因の一つです。当時、日本帝国主義は極めて強大であり、米英帝国主義列強の支持を受けていました。それに反してわが民族は、日本帝国主義に抗して勇敢に決起したものの、強大な敵にうちかつだけの国際的支援を受けることができませんでした。ロシアにおける10月社会主義大革命の勝利はわが民族の解放闘争に大きな影響を与えました。しかし当時、ソビエト・ロシアは、米、英、仏その他の武力干渉者や白衛軍との困難な闘争をおこなっていたため、我々のたたかいを支援することはできませんでした。

 3.1運動の失敗以後、朝鮮の地主、資本家は、日本帝国主義に投降して民族の利益を売り渡しました。しかし、国の内外は言うまでもなく、朝鮮の労働者、農民、革命的インテリは、引き続き日本帝国主義に抗して不屈の闘争を繰り広げました。

 皆さん!

 朝鮮民族は、日本帝国主義の植民地支配のくびきから解放されましたが、民族の独立を達成しようとするわが民族の宿願はまだ成就されていません。こんにち朝鮮人民には、内外のあらゆる有利な条件を利用して民族の力を強め、自由、独立の新しい民主朝鮮を建設すべき歴史的な課題が提起されています。

 この課題を遂行するためには第1に、親日分子とその他の反動分子を我々の隊伍から一掃し、民主主義民族統一戦線を結成して新しい民主朝鮮建設の基礎を築かなければなりません。

 すべての機関と団体は、上級から下級に至るまで、大衆的闘争によって親日派と反動分子を一掃しなければなりません。

 第2に、生産施設を速やかに操業させるため、金のある人は金を、労働力のある人は労働力を出して増産運動を展開し、失業をなくして人民の生活を安定させなければなりません。

 第3に、土地問題を解決しなければなりません。封建的小作制度を撤廃し、耕作する農民に土地を与える原則で土地改革を実施すべきです。

 第4に、教育制度を改革し民主的教育制度を確立して、人民の利益に奉仕する各部門の専門家と技術者を養成しなければなりません。日本帝国主義の奴隷教育を従前通り続けてわが国の前進を阻もうとする反動的な教員と学生を教育部門から追放し、教育機関での反動分子の策動を徹底的に粉砕しなければなりません。

 第5に、モスクワ3国外相会談の決定を積極的に支持し、それを広く宣伝しなければなりません。

 ソ連人民は、我々を物心両面から支援しています。我々は、この有利な条件を全面的に民主主義的自主独立国家の建設に生かすべきです。

 第6に、ソ連人民との友好関係を強化しなければなりません。

 ソ連人民は、朝鮮人民の最も信頼すべき友であります。したがって、ソ連人民との友好関係を強化するために全力を尽くすべきです。

 3.1運動27周年万歳!

 反日民族解放闘争で倒れた先達に栄光あれ!

 民主主義民族統一戦線万歳!

 新しい民主朝鮮万歳!

 北朝鮮臨時人民委員会万歳!
 出典:サイト「わが民族同士」 参照:『金日成著作集』2巻

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