金 日 成

党内情勢と当面の任務について
 北朝鮮共産党中央組織委員会第4回拡大執行委員会でおこなった報告
 −1946年2月15日−


  同志のみなさん!

 我々は、これまで党の強化のためにたたかってきました。特に、党中央組織委員会第3回拡大執行委員会以後、党活動を改善し、党を組織的、思想的に強化するたたかいを力強く展開してきました。

 私はここで、党中央組織委員会第三回拡大執行委員会以後、党活動での長所と欠点、そして、我が党の当面の任務について報告したいと思います。


 1 党内情勢について

 同志のみなさん!

 党中央組織委員会第3回拡大執行委員会の決定を実践するたたかいを通じて、党活動では少なからぬ成果が達成され、党内事情もかなり改善されました。

 その間、我が党は、党員と党員候補に党員証を交付するための審査と道党委員会にたいする点検をおこない、大きな成果をあげました。

 我々は党員の審査を通じて、これまで党内に潜入して党活動を妨害し、大衆のあいだで党の信望を失墜させようと策動した不純分子を除去しました。今回の審査過程で除名された者は、例外なく偶然に党に潜入した地主、資本家、親日分子、投機分子、出世主義者など、反労働者階級的で敵対的な不純分子でありました。このような不純分子を党から除去したのは、我が党の性格と任務から見て当然のことであり、切実に必要なことでありました。もし、不純分子を党内に放置しておけば、党の純潔を保つことができないのはもちろん、党を強化することもできません。我々は、敵対分子を除去する断固とした措置をとることによって、党の統一と団結を強化し、党の純潔を保つうえで初歩的な成果をおさめました。

 党の階級構成を改善するうえでも多くの成果をおさめました。我が党は、労働者階級のすぐれた分子と、都市と農村の勤労者のなかから最も先進的で自覚的な分子を党に吸収するという党中央組織委員会第3回拡大執行委員会の決定を実践するためにたゆみなく努力してきました。こうして、党員の構成で最も先進的な階級である労働者階級と、地主の搾取と抑圧を誰よりも多く受けた貧農、雇農の比率が著しく高まりました。これは、党勢拡大が正しく進められていることを示しています。

 幹部養成事業、党員にたいする活動など党内活動でも大きな進展がありました。

 我が党はまた、政権建設で大きな成果をおさめました。

 周知のように、この2月8日に北朝鮮臨時人民委員会が樹立されました。これは、我が党がかちとった大きな勝利であります。北朝鮮臨時人民委員会が樹立された結果、北朝鮮で民族統一戦線を強化し、これを基礎にし手本にして全朝鮮的な民族統一戦線の結成を促し、今後樹立される統一的な民主主義臨時政府の土台がきずかれました。

 北朝鮮臨時人民委員会の樹立は、各道人民委員会間の連係を強め、すべての行政上の問題と人民生活に関連した問題を統一的に、計画的に解決していけるようになりました。

 我々は、これまで党活動で多くの成果をおさめましたが、党内には早急に是正すべき欠陥も少なくありません。

 その最大の欠陥は、いまなおセクト主義が残っていることです。

 我々は、すでに党中央組織委員会第3回拡大執行委員会で、一部の地方党組織に分派分子がいることを暴露してその危険性について警告し、分派的傾向を一掃するよう鋭く指摘しました。しかし、分派分子は党の警告に耳をかさず、分派行動をつづけながら党の活動を妨害し、党組織を切り崩そうとしています。かれらは第3回拡大執行委員会の正しい決定を受け入れず、その実行を故意に怠っており、甚だしくは、この決定を下級党組織に伝達しないという反党的な行動をとっています。

 特に、咸鏡南道党委委員会の責任幹部の分派的行動には極めて危険なものがあります。頑固な地方割拠主義者であるかれらは、党中央組織委員会の創設に反対し、現在も組織委員会の路線と指導を拒否し、地方主義的な分派行動に走っています。

 党中央組織委員会の路線は、我が党の唯一的な中央の路線であります。我が党の路線は、朝鮮革命の性格と任務、階級的力関係、当面の内外情勢などにたいする科学的な分析にもとづいて立てられたものであり、その正しさは革命の発展過程で実証されました。

 我が党の唯一的な中央の路線に反対するのは、結局党を分裂破壊し革命の参謀部を抹殺しようとする重大な反党的行為であります。

 このたびの点検で明るみに出たように、分派分子は、党内に潜入した地主・資本家、親日分子などの異分子を庇護しており、自己の誤りを弁明しながらそれを是正しようとしていません。これは、分派分子の反階級的思想観点のあらわれです。分派分子は、党の利益・階級の利益を優先させず、分派の利益、自分一個人の栄達と権勢を先に考えるので、自分に追随する者であれば、地主であろうと親日分子であろうと、すべて庇護し、自分のまわりに結集しようとし、かれらに依拠して分派的目的を達成しようとします。

 我が党内にあらわれた主な欠陥の一つは、まだに党の規律が確立されておらず、散漫であり、民主集中制の原則が確立していないことであります。

 党中央組織委員会第3回拡大執行委員会では、党組織を強化し、党の路線を実行するうえで決定的裏付けとなる党規律の強化について強調しました。しかし、我が党内には依然として民主集中制の規律が確立されていません。

 いま、少なからぬ党組織は、党規律の確立にそれほど関心を払っておらず、党員のなかで自由主義的で無規律な現象があらわれても放置しています。そのため、多くの党員が党の細胞生活を正しくおこなっていません。一言でいって、少なからぬ党組織が、革命家の組織体となっていません。甚だしくは、一部の地方の党組織は、革命的組織ではなく、クラブや親睦会のようなものになっている有様です。

 このように、党組織が無気力で党の組織規律が確立されていないすさに乗じて、分派分子は思うままに分派行動をはたらき、また党内にひそむ異分子が策動しています。

 次に、党員のあいだで政治教育と組織生活教育が正しくおこなわれていません。

 党員が党生活をおこなった期間はごくわずかなものです。我が党は創立されて何か月にもならないばかりか、党員の多くが党中央組織委員会第3回拡大執行委員会以後に新たに入党した人たちです。そして、党員のほとんどが、過去に組織的訓練や系統的な政治教育を受けていません。

 このような実情から、党組織は党員の教育を強化するのが当然なのですが、それをおこなっていません。そのため、多くの党員の政治的識見は非常に低い有様です。

 党員の水準が低いのは、党の健全な発展に支障を与える最も大きな弱点の一つです。現在、党員のレベルが低いため、党内で異分子が党規律を乱し、党の路線と政策を非難する反党的行動をおこなっても、それを明確に識別できず、そのような現象にたいして適時に闘争していません。

 党活動で最も弱い点の一つは、広範な大衆のなかで宣伝活動を正しくおこなっていないことです。

 こんにち、党宣伝活動の中心的な課題は、我が党の路線と政策を大衆に広く宣伝し、大衆を教育して党のまわりに結集することであります。しかし、党組織はこの重要な課題を正しく遂行していません。

 特に、党中央組織委員会宣伝部がその任務を十分に遂行していません。党宣伝部は、党の路線と政策が示されれば、それにたいする宣伝活動を力強くくりひろげるべきなのですが、なんの組織的対策も講じていません。

 これは、全的に党宣伝部の責任幹部の無責任な活動態度と関連しています。宣伝部長は、大衆宣伝活動の具体的な計画もなしに、なりゆきまかせに活動しており、当然おこなうべき宣伝活動もおこなっていません。

 現在、党宣伝部が責任をもって発行している『正路(チョンロ)』にも多くの欠陥があります。『正路』は、内容が貧弱で、我が党の路線と政策の積極的な宣伝者となっていません。『正路』には、党の路線と政策を擁護し、それを正しく解説した文章が掲載されるべきですが、党政策に反する論説が公然と発表されています。また、『正路』は難しい記事を多く載せ、内容の通俗化、大衆化がなされていません。結局『正路』は大衆に親しまれる新聞となっていません。そのため『正路』は党内ばかりか、党外でも権威がありません。

 『正路』のこのような欠陥は、全的に党中央組織委員会宣伝部長の誤った思想観点と無責任な活動態度に関連しています。かれはセクト主義思想と官僚主義的活動作風のため、党の指示を実行せず、党機関紙にたいする指導を故意に怠りました。これを深刻に検討して批判しなければなりません。

 これらの欠陥は、党活動の発展を妨げる非常に重大な欠陥であります。すべての党組織と党員は、党内に生じた欠陥を一日も早く是正するために積極的にたたかうべきであります。


 2 党の当面の任務について

 同志のみなさん!

 こんにち、我々には民主主義自主独立国家の建設を促進すべき重要な課題が提起されています。この歴史的任務をなし遂げるには、なによりも革命の参謀部である我が党を強化し、その指導的役割をさらに高めなければなりません。

 私は、我が党に提起されているいくつかの当面の任務について述べようと思います。

 第1に、現在進めている党員審査を厳格におこない、党の階級構成を改善しなければなりません。

 我々は党中央組織委員会第三回拡大執行委員会以後、党内に潜入した異分子を除去するためにたたかってきましたが、かれらが残らず除去されたとみることはできません。党員のあいだで党の路線と政策を中傷し、党の規律をおかす行為があとをたたないのは、いまなお党内に異分子がひそんでいることを物語るものです。したがって、現在進行中の党員審査を厳格におこない、正体をかくして党内にひそみ、党活動を妨害している地主、資本家、親日分子などの敵対分子を残らず摘発し、党から除去しなければなりません。

 党員の審査には、道党委員会の責任者が直接参加しなければなりません。党員審査は党の純潔を保つ非常に重要な仕事であるため下部の活動家に任せきりにせず、道党委員会の責任者が掌握しておこない、短期間内に終えるよう全力を尽くさなければなりません。

 党員審査を厳格におこなって異分子を党から除去することによって、党の純潔を保ち、党の統一と団結を強化しなければなりません。

 同時に、党の階級構成をたえず改善すべきであります。

 これまで党の階級構成の改善でも一定の成果をおさめましたが、それは初歩的なものにすぎません。我が党を労働者階級の革命的党に発展させるためには、党の階級構成を改善する活動をひきつづき力強く進めなければなりません。

 新しい祖国建設のために献身的にたたかっている労働者、貧農、雇農を積極的に入党させるべきであります。いま一部の地方党組織では、セクト主義的思想から党の門戸を閉ざし、先進的な労働者、貧農、雇農を入党させるという党の決定を正しく実行していません。このような誤った現象とは強くたたかい、党勢の拡大を正しくおこなうことによって党を質的に強化しなければなりません。

 第2に、党員の党組織生活を強化すべきであります。

 党組織生活の強化は、党員を真の革命家に育て、党の戦闘力を高める重要な裏付けであります。党組織生活を強化しなければ、党員の党性鍛練も、党内に鉄の規律を確立することも、我が党を統一団結した革命的党に発展させることもできません。

 党組織生活を強化して、すべての党員が党組織の指導のもとで生活し活動するようにしなければなりません。党組織は、分派的、反党的行為を決して許してはならず、党員の非組織的行動といかなる党規律違反行為にたいしても強くたたかわなければなりません。同時に、党活動は厳格に民主集中制の原則のもとにおこなわなければなりません。こうして、鉄の党規律を確立し、すべての問題を必ず党組織を通じて組織的な手続きを踏んで提起し、解決するようにすべきであります。

 党員の党組織生活は、細胞生活を通じておこなわれます。すべての党員は、一定の党細胞に所属して党組織生活をおこなわなければなりません。党細胞生活では、党員に上下の差はありません。党員であれば誰でも党の組織規律を遵守し、細胞生活に誠実に参加しなければなりません。

 党員の党生活を強化するうえで重要なのは、細胞会議を正しく運営することです。細胞会議では、各党員の活動と生活を厳密に検討、総括し、特に党員の党生活に見られる欠陥にたいして強い批判を加えなければなりません。党組織は、党員のあいだで批判と自己批判が活発におこなわれるようにすべきです。

 このように、党員のあいだで党組織生活を強化すれば、党内における分派分子の活動を未然に防ぎ、異分子を摘発することができるし、党員を組織的に正しく教育、訓練することができます。

 党員の党組織生活を強化するためには、かれらに組織にたいする正しい観点をもたせる教育活動を立派におこなわなければなりません。すべての党員が、党組織にしっかり依拠して活動し生活する自覚的な党生活の気風を身につけ、個人の利益よりも党の利益のために積極的にたたかい、すべてを党にささげる党性の強い党員となるよう教育しなければなりません。

 第3に、党内で思想教育と思想闘争を強化しなければなりません。

 我が党員はまだ、マルクス・レーニン主義思想で武装しておらず、党の路線と政策の本質を深く把握できず、複雑な内外の情勢を正しく分析し評価する能力を持ち合わせていません。こうした党員の政治的、思想的な弱点が分派分子の分派活動に有利な条件を与えていることを明確に認識し、党員にたいする思想教育を力強く展開しなければなりません。こうして、すべての党員をマルクス・レーニン主義思想、我が党の路線と政策で武装させなければなりません。

 我々は党内で思想教育を正しくおこなうと同時に、思想闘争を強化すべきであります。

 我が党を強化するためには、党内でセクト主義、個人主義、自由主義、なわばり主義、官僚主義、命令主義など、あらゆる不健全な思想傾向に反対しなければなりません。特に、現在党内に甚だしくあらわれているセクト主義と容赦なくたたかわなければなりません。

 セクト主義は、党を分裂破壊する非常に危険な分派的思想であります。セクト主義を一掃しなければ、党の統一と団結を保つことも、労働者階級の革命的党を建設することもできません。したがって、セクト主義との思想闘争に力を集中し、これに全党を立ち上がらせなければなりません。

 セクト主義との思想闘争に全党を立ち上がらせるには、党員に分派分子のさまざまな分派的行動を具体的な実例をあげて暴露し、分派行動の反党的本質とその害悪を明確に認識させなければなりません。そうすれば、すべての党員がセクト主義の危険性を深く認識し、それに反対する闘争に積極的に参加することができます。

 党内で思想教育と思想闘争を強力に展開するためには、党中央組織委員会の宣伝部と道・市・郡党委員会の宣伝部の活動を改善し、その役割を高めなければなりません。

 党宣伝部の活動を改善し、その役割を高めるためには、まず党宣伝部の活動家の陣容をかためなければなりません。党中央組織委員会宣伝部と道・市・郡党委員会宣伝部の活動家を階級的立場がゆるぎなく、党に忠実で有能な人でかためなければなりません。こうして、党宣伝部にその任務を正しく遂行させ、特にこんにち重要な課題として提起されている党内の思想教育と思想闘争を正しく指導するようにしなければなりません。

 正路社の活動を改善しなければなりません。そのためには、今後、正路社を党中央組織委員会書記部に直属させるべきであります。正路社の活動を改善する十分な対策を立て、『正路』の政治的・思想的水準をいちだんと高めなければなりません。

 第4に、党の幹部政策を正しく実行し、党幹部の水準を高める活動を強化しなければなりません。

 党幹部は、党員と大衆のあいだで党の路線と政策の実行を組織する我が党の指揮メンバーであります。我々がいかに正しい路線と政策を提起しても、それを正しく実行する幹部がいなければ、それは無意味なものになります。したがって、我々は常に党の幹部事業に大きな関心を払わなければなりません。

 党の幹部政策で重要なのは、労働者、貧農、雇農のなかから党の幹部を選抜、配置することであります。我が党は、労働者階級をはじめ、広範な勤労大衆の利益のためにたたかう最も革命的な党であります。したがって、我が党は基本階級出身者で幹部陣容をかためるのが当然であります。我々は労働者、貧農、雇農のなかからすぐれた党員を選抜し、党の指導機関に登用することをためらうべきではありません。

 党の幹部事業は、現在進行中の党員審査と密接に結びつけておこなうべきです。党員審査を通じて党から不純分子を徹底的に除去する一方、すぐれた党員を探し出して党幹部に登用すべきです。

 これとともに、党幹部の水準を高める活動を正しくおこなうことが重要であります。

 現在、党活動家の水準は非常に低い状態にあります。党活動家のほとんどが政治理論水準が低く、党活動の経験もありません。それで、かれらは自分に課された任務を正しく遂行していません。このような実状にもとづいて党幹部の養成対策を確立しなければなりません。

 現在、各地方別に散漫に設けられている政治学校をなくし、党中央組織委員会と各道党委員会直属の政治学校を新設すべきであります。政治学校は、中央と道だけでなく、道党委員会の指導のもとに必要な郡にも設けるべきであります。政治学校では、党機関の現職幹部を教育する一方、すぐれた党員を入れ、党活動に必要な幹部を集中的に養成しなければなりません。

 第5に、大衆団体にたいする活動を強化すべきであります。

 我々は、すでに労働組合、農民組合、女性同盟、民主青年同盟、芸術連盟などの大衆的民主団体を組織し、そこに多数の大衆を結集しました。しかし、大衆団体にたいする党の指導が弱く、そこに結集した大衆の政治教育が不十分であったため、大衆を我が党のまわりに結束する仕事が順調にいかず、大衆団体が党の外郭団体としての本来の任務を正しく遂行していません。厳密にいって、こんにち大衆団体は、枠がつくられているだけで内容は充実していません。

 我々は、党に忠実な党員を動かして大衆団体にたいする指導を強化し、そこに結集した大衆の教育に力を傾けなければなりません。

 大衆団体の活動を改善するうえで重要なのは、その幹部陣容をしっかりかため、かれらにたいする教育を強化することであります。党組織は、大衆団体の幹部養成と幹部教育に大きな力を注がなければなりません。

 第6に、北朝鮮臨時人民委員会を強化するために全力を尽くすべきであります。

 北朝鮮臨時人民委員会にたいする指導を強化し、その機能と役割をさらに高めなければなりません。北朝鮮臨時人民委員会の活動家の隊列をかため、かれらが人民の忠僕となるよう正しく教育すべきであります。また、北朝鮮臨時人民委員会が人民の意思と要求にかなう民主政治を実施し、破壊された経済を早急に復興し、人民生活の安定と向上をはかり、民主的課題を正しく遂行するようにしなければなりません。

 人民大衆のあいだで人民政権の権威と信望を高める宣伝活動を強化しなければなりません。広範な大衆のなかで北朝鮮臨時人民委員会の性格と当面の課題、その人民的施策などについて積極的に宣伝し、かれらが人民政権にたいする正しい認識をもって、それを極力支持するようにしなければなりません。

 第7に、工場、鉱山、農村で労働英雄運動を展開しなければなりません。

 新しい民主朝鮮の建設は、労働者階級をはじめ、勤労者が高度の愛国的熱意をもち、あらゆる創意性と積極性を発揮して働くことを求めています。建国事業のために積極的にたたかうのは、勤労者の崇高な栄えある義務であります。

 工場、鉱山、農村で労働英雄運動を広範に組織し、労働者、農民を新しい朝鮮建設の革命的な競争に極力参加させるべきであります。こうして、労働英雄運動が国家経済の復興発展にとって大きな推進力となるようにしなければなりません。

 労働英雄運動を展開するためには、大衆宣伝活動を強化しなければなりません。党組織は労働者、農民をはじめ、勤労大衆を国の完全な独立と富強な新しい祖国建設のために献身的にたたかい、勤勉に働くよう励ます宣伝活動を活発に展開しなければなりません。

 第8に、食糧問題の解決のために積極的に努力しなければなりません。

 食糧問題は、こんにち解決を迫られている最も切実を課題の一つです。食糧問題を解決しないことには人民生活の安定が不可能であるばかりか、破壊された経済を早急に復興することも、建国事業を順調に進めることもできません。

 党組織は、現在最も深刻な問題となっている食糧問題の解決に積極的に取り組み、これを直接掌握し指導しなければなりません。党組織は、食糧の統計、拠出、輸送などに大きな関心を払い、党員がこの仕事に模範的に、献身的に参加するようにしなければなりません。

 特に、人民大衆のあいだで食糧節約運動を広く展開しなければなりません。人民大衆に国の食糧事情を十分に認識させ、かれらが食糧節約のために努力するようにしなければなりません。そして現在、食糧難に苦しむ咸鏡南北道の住民と都市の労働者を救済する運動を展開すべきです。

 第9に、土地改革実施の準備を正しく進めなければなりません。

 土地改革は、反帝反封建民主主義革命の最も重要な課題の一つであります。土地改革を実施して封建的土地所有制度をなくさなければ、全人口の8割をしめる農民を地主の搾取と抑圧から解放し、立ち後れた農業を速やかに発展させることも、国の民主的発展を促し、新しい民主朝鮮を成功裏に建設することもできません。したがって、土地改革を早急に実施するためにたたかわなければなりません。

 土地改革は、国の具体的実状に合うように実施しなければなりません。そのためには、最短期間に土地の面積と等級、農村の人口、労力数などについての具体的な統計をとり、農村のすべての実態を詳しく調査しなければなりません。同時に、土地問題にたいする農民大衆の意見を十分に聞かなければなりません。かつて、地主の搾取と抑圧を最も強く受けた雇農、貧農の意見を十分に聞き、その要求にそって土地問題を解決すべきです。

 すべての党組織と党員は、土地問題解決の重要性を明確に認識し、土地改革のための事業に積極的に参加しなければなりません。

 我々は、党中央組織委員会第3回拡大執行委員会の決定を実行し、党の当面課題の遂行に全力を尽くして、我が党をいっそう強化し、新しい祖国の建設を促進しなければなりません。
出典:『金日成著作集』2巻


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