金 日 成

人民政治委員会は真の人民の政権機関となるべきである
 ―平安南道人民政治委員会第1回拡大委員会でおこなった演説―
1946年1月23日 

 私は共産党を代表して、建国事業に献身している皆さんに深い謝意を表します。

 我々はきょう、民主的課題を成功裏に実践するためにこの拡大委員会を開くことになりました。

 各政党、大衆団体の代表が集まったこの会議の席上で、私は人民政治委員会の活動を検討してみたいと思います。

 朝鮮人民は、日本帝国主義の植民地支配のもとで何の権利もなく、政治に参与した経験もなかったため、当初、人民政治委員会は活動を円滑に進めることができませんでした。しかし、今は8.15直後の混乱した秩序を正し、行政機関、特に治安機関から日本帝国主義の残滓と親日分子を一掃していますが、これは称賛すべきことです。

 そして、破壊された産業を復旧し、すでに数十の工場を運営しており、農村では小作料の3・7制を実施しています。

 これらの成果は、人民政治委員会と各地で活動している皆さんの努力のたまものであると思います。

 人民政治委員会は、民主主義をめざす闘争の過程で、曹晩植一派のサボタージュ行為を粉砕し、民主勢力の勝利をもたらしました。曹晩植一派は、モスクワ3国外相会談の決定発表を契機に反動派に転じました。李周淵氏らがこの会談の決定に対し正しい態度をとるように勧告したにもかかわらず、彼らはあくまでそれに反対し、結局は反動派の側に寝返ってしまいました。

 現在、アメリカの反動層は、3国外相会談決定書のインクも乾かぬうちに、それに反対しています。

 国内の反動分子は、アメリカ侵略勢力に同調して民主国家と帝国主義侵略国家を同一視し、3国外相会談の決定に反対する犯罪行為を働いています。

 共産党を先頭とする全朝鮮人民は、3国外相会談の決定を積極的に支持しています。

 朝鮮民族が、みなこの決定を支持し、それを積極的に実行していることを示してこそ、5年間の後見期間を短縮し、自主独立国家の建設を促進することができるのです。

 この拡大委員会には、各階層の広範な代表が参加しています。

 したがって、この会議は事実上、平安南道人民代表者大会の性格を帯びていると言えます。

 我々が銘記すべきことは、この会議で、絶対に党派争いをしてはならないということです。意見の相違は、必ず討議にかけて公正に解決しなければなりません。こうしてこそ、この拡大委員会が、各政党、大衆団体を網羅した人民の代表者会議となることができるのです。

 共産党は、委員の席を独占しようという考えなど毛頭ありません。我々は、各民主政党、大衆団体の多くの幹部が委員になることを心から望んでいます。

 民主党の内部から、人民政治委員会に共産党出身の幹部が多すぎるという不満の声が出ましたが、我々はこのような自党本位の態度を捨てて一致団結し、人民のための共同の政治綱領を実現するために努力すべきです。

 かつて、人民政治委員会に腐敗した官僚主義者や反動分子が多く入り込んで、さまざまな悪巧みをしたため、人民政治委員会はその活動を円滑におこなうことができませんでした。

 人民政治委員会は、切実な人民の生活問題に関心を払わず、穀物拠出問題を解決することもできませんでした。

 人民政治委員会に潜入した反動分子は、保安機関や共産党、ソ連赤軍を非難し、ある個人を中傷することに熱を上げ、真の政治はおこないませんでした。

 人民政治委員会は、前財務委員による国庫金の横領、浪費を許したため財政の枯渇をきたし、献金運動までしなければならなくなりました。拠出運動の成績がかんばしくない責任も特定の人にあるというよりは、人民政治委員会にあると見るのが妥当でしょう。一部の人は、人民政治委員を高位顕職とみなす間違った考えをもっており、横領と浪費をほしいままにしています。

 人民政治委員会は、いっさいの腐敗した行為をなくし、真に人民の利益に奉仕する人民の政権機関とならなければなりません。

 最後に、私は各階層の民主勢力を結集した統一戦線を結成し、早急に民主的な朝鮮臨時政府を樹立するため積極的に努力するよう重ねて強調するものです。
 出典:サイト「わが民族同士」 参照:『金日成著作集』2巻

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