金 日 成

北朝鮮民主青年同盟の結成に際して
―北朝鮮民主青年団体代表者会議でおこなった演説― 
1946年1月17日 
 
 
 演説をおこなう金日成主席(1946.01.17)

 私は北朝鮮民主青年同盟の結成に際し、皆さんに熱烈な祝意を表します。

 私は、皆さんが今後遂行すべきいくつかの課題について述べようと思います。

 日本帝国主義の植民地支配から解放された朝鮮人民には、新しい民主朝鮮建設の歴史的な課題が提起されました。この課題は、こんにちに至るまで完遂されず、そのまま持ち越されています。日本帝国主義侵略者は敗退しましたが、日本帝国主義の残存勢力はまだ残っています。いま南朝鮮の李承晩などの反動分子は、愚かにもこんにちの朝鮮人民に昔の笠をかぶせ、再び帝国主義の鉄鎖につなぎとめようとしています。

 したがって、我々の当面する主な闘争課題は、日本帝国主義の残滓を一掃し、朝鮮の政治、経済、文化を民主的方向へ発展させることです。

 この課題を遂行するための先決条件は、強力な民族統一戦線を結成することです。

 朝鮮の青年は、いまだに自己の広範な組織体をもっていません。これは、大衆的地盤を踏まえて民族統一戦線を結成する条件が我々に備わっていないことを意味します。

 民族統一戦線を結成するためには、新しい民主朝鮮建設の主な担い手となるべき青年の広範な統一的民主団体を組織することが必要です。

 我々が共青を解散して民青を結成した以上、民青は共青の綱領をそのままかかげるのではなく、当然、自己の綱領をかかげなければなりません。少なからぬ青年がまだ民青に加盟していませんが、これは民青が青年大衆に自己の民主的綱領について十分に説明していないためです。民青が民主的綱領をかかげ、その説明を十分におこなっていたならば、青年はすべて民青に加盟しているはずです。

 民青はまず、自己の力を育て、全同盟員の思想的統一をなし遂げなければなりません。

 かつて、朝鮮の革命運動に内在していた主な欠陥は派閥争いでした。分派分子は、ひたすら個人の利益のために派閥争いをしてきました。昔も、封建支配層の派閥争いによって国が滅び、我々が反日民族解放闘争を展開していたときも、分派分子の派閥争いによって少なからぬ禍を被りました。分派分子は、日本帝国主義とはたたかわず、派閥争いに明け暮れました。この派閥争いは、青年にも極めて悪い影響を及ぼしました。

 青年は、その隊伍内にいかなる派閥的傾向も許してはならず、分派分子を暴露、粉砕するため力強くたたかわなければなりません。

 民主青年同盟には、鉄の規律がなければなりません。派閥争いも、厳格な規律のないところから生ずるのです。同盟の決定や指示を実行しない者をそのまま放任するならば、しまいには派閥が生まれるようになります。鉄のような規律のない軍隊は戦闘で勝利できないのと同様、規律のない青年団体は何の役割も果たせません。

 次に重要なのは、青年幹部を育成することです。現在我々には、幹部が非常に不足しています。幹部が少ないため、国家建設は大きな難関にぶつかっています。

 幹部が少ないのは、青年が日本帝国主義支配のもとで育ったということが主な原因ですが、解放後、民青が幹部養成事業を積極的におこなわなかったことにも起因します。

 教育機関でなければ幹部を養成できないかのように考えるのは誤りです。実際の活動を通じて幹部を育て、鍛えることが特に重要です。したがって、青年が働きながら学ぶ制度を確立しなければなりません。職務についている人たちに学習要綱を与えて独習させることもできるし、また、それらの人を何カ月かに一度呼び寄せて当該部門の活動に必要な内容で講習をおこなったのち、再び持ち場に帰して職務を遂行させることもできます。このような方法を繰り返して引き続き勉強させるならば、彼らの政治・実務水準を一段と高めることができます。工場や農村に派遣された人の活動を援助するためには、そのつど活動状況を調べ、欠陥に対しては批判しなければなりません。批判することは、とりもなおさず教育することです。批判なくしては発展もあり得ません。批判は、幹部を教育する重要な方法です。誤りを犯した人を軽々しく免職するのではなく、当人に誤りの原因をはっきりと理解させ、正しく教育して、ともに活動していくようにしなければなりません。

 民青は、必ず幹部養成機関をもたなければなりません。まず、短期幹部養成所を設け、将来性のある青年を選抜して講習に参加させるのがよいでしょう。そして、指導・検査制度を設け、地方民青組織の活動状況を絶えず調べなければなりません。道民青委員会は指導メンバーを各郡に派遣して、郡民青組織の活動家に活動方法を教えるようにすべきです。また、郡民青の幹部は、面に出向いて同じような方法で面民青の幹部を教育し、民青組織を強化しなければなりません。

 次に、統計をきちんととらなければなりません。民青に統計がないのが大きな欠点です。これから民青は、同盟員の登録とさまざまな催しの統計を正確にとり、それにもとづいて活動計画を具体的に立て、すべての活動を計画的に進めるべきです。

 そして、民青に潜入した親日分子を残らず放逐しなければなりません。これは、何人かの幹部に限られた仕事とみなすべきではなく、同盟あげての重要な課題としなければなりません。

 これとともに、民主党に潜入した不純分子を放逐することも援助しなければなりません。民主党内の進歩的な人たちに接近してよい影響を与え、彼ら自身が民主党内の不純分子を追い出し、民主党の発展をもたらすよう彼らを積極的に援助すべきです。

 最後に私は、青年が日本帝国主義の残存勢力を一掃し、新しい民主朝鮮を建設する闘争の先頭に立って積極的にたたかうべきであることを、いま一度強調するものです。
出典:サイト「わが民族同士」 参照:『金日成著作集』2巻 

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