金 日 成

新年を迎えて全国の人民に告ぐ
1946年1月1日 

 同胞の皆さん!

 私は、解放後、初めての新年を迎えて建国事業に献身している同胞に熱烈な挨拶を送ります。

 1945年は、世界史に永遠に記録されるべき偉大な年でした。世界的領域で見れば、平和と自由を愛する諸人民の不倶戴天の敵ファシズム・ドイツと軍国主義日本が撃滅され、第2次世界大戦はソ連をはじめとする民主陣営の勝利をもって終結しました。

 わが民族は、36年間にわたる日本帝国主義の植民地奴隷生活から解放されて自由で幸福な新生活を営み始め、民主的な人民政権を樹立する道を歩み出しました。したがって、1945年は、朝鮮民族の歴史にも永遠に記録されるべき偉大な年であったと言えます。

 しかし、1945年を送りつつ、8・15解放後からの約5カ月間になし遂げたことを振り返ってみるとき、1945年に提起された歴史的な任務はいまなお完遂されていないと言わざるを得ません。我々は、多くの未解決の問題をかかえています。いまだに、統一戦線の完全な結成を実現しておらず、朝鮮人民の意思を代表する統一的な民主政府を樹立していません。また、人民の生活を改善と産業の復興を強力に推進することもできませんでした。そして、38度境界線の問題も未解決のままになっています。

 こんにち、北朝鮮の人民は、真の自由を勝ち取っています。北朝鮮では、すべての権力が人民の手中にあります。しかし、南朝鮮では、いまなお米軍が朝鮮人民に政権を譲り渡していません。南朝鮮では民族反逆者と日本帝国主義の残存勢力が横行し、ファシストの活動が台頭しており、民族統一戦線が結成されていません。

 それでは、1946年を迎えて、我々は何をなすべきでしょうか。

 我々は朝鮮の独立のために、解放後約5カ月間の活動から得た経験と教訓を十分に知るべきです。我々は、下部から上部に至るまで強固な民族統一戦線を結成し、一日も早く民主的臨時政府を樹立し、わが国が国際民主陣営の一員として反ファッショ・反侵略運動で大きな役割を果たすために努力しなければなりません。また、日本帝国主義の残存要素を一掃し、民主的施策を実施して、人民大衆に真の自由を保障し、人民の生活の実質的に改善を図るべきであります。

 もちろん、この他にも解決すべき多くの問題がありますが、現段階では上に指摘した任務を完遂すれば、他のすべての問題も順調に解決することができます。したがって、すべての愛国的朝鮮人民は、誰でも、この崇高な任務を遂行するためにこぞって奮起しなければなりません。特に、朝鮮の共産主義者は、この任務を遂行するたたかいで前衛的役割を果たすべきであります。

 最近、モスクワで開かれたソ・米・英3国外相会談は、朝鮮問題に関する決定を採択しました。それによれば、38度境界線を撤廃し、朝鮮に民主主義的自主独立国家を樹立するためソ・米・英・中の4カ国が朝鮮に対して5年間の後見制を実施することになっています。しかし、問題は、我々が強固な民主主義民族統一戦線を結成して団結するかどうかにかかっており、日本帝国主義の残滓を一掃して真の民主国家を建設し、世界民主陣営の一員となるためいかに努力するかにかかっています。結局、すべての問題は、我々朝鮮人民自身の力によって解決されるでしょう。

 したがって、全朝鮮人民は、わが国で最も先進的な政党であり、人民の利益のため、徹頭徹尾、民主主義的政綱を実践している共産党のまわりにいっそう固く団結すべきであり、また、共産党は民主政党との強力な統一戦線を結成し、わが国の完全な独立と速やかな統一をめざして奮闘しなければなりません。
                                                
出典:『金日成著作集』2巻


ページのトップ


inserted by FC2 system