みなさん！
第２次世界大戦で反ファッショ民主勢力が勝利した結果、日本帝国主義侵略軍は撃滅され、朝鮮人民は祖国解放の歴史的大業をなし遂げました。この偉大な勝利には、祖国の解放と人民の自由、幸福のために、搾取と抑圧のない社会主義・共産主義の楽園を建設するために、日本帝国主義侵略者との苦難にみちた闘争で英雄的に戦った朝鮮人民の数十万のすぐれた息子、娘たちの貴い血がにじんでいます。
朝鮮人民は、ほぼ半世紀にわたる日本帝国主義の植民地支配に終止符をうって、自由と解放を獲得し、朝鮮人民には、独立、繁栄の新しい朝鮮建設の輝かしい前途が開かれました。
祖国解放の歴史的大業がなし遂げられたいま、我々には新しい闘争課題が提起されています。我々は、勝利の成果にもとづいて朝鮮革命をひきつづき前進させ、朝鮮人民自身の手で豊かで強力な自主独立国家を建設しなければなりません。
我々は、この偉大な任務をなし遂げるために、なにをなすべきでしょうか。
なによりもまず、朝鮮革命をゆるぎなく勝利へと導くマルクス・レーニン主義党を創立しなければなりません。これと同時に人民政権をうち立て革命における基本問題である権力の問題を解決すべきであり、祖国と人民を防衛し、革命の獲得物を守る人民武力を建設しなければなりません。当面するこの三大課題は、解放された祖国で朝鮮革命を急速に発展させるために一日も遅らせることのできない緊急な革命任務として提起されています。
我々は抗日武装闘争の過程できずきあげた貴い革命業績と豊富な闘争経験にもとづいて、建党、建国、建軍の事業を力強くおし進めて、新しい朝鮮建設の歴史的任務を必ず輝かしく遂行しなければなりません。
１
現段階において朝鮮共産主義者に課されている最も重要な歴史的任務は、朝鮮革命の参謀部であり、労働者階級の前衛部隊である朝鮮共産党を創立することであります。
革命の参謀部である労働者階級の革命的な党なくしては、勤労階級をはじめ、各階層の広範な民主勢力を革命の側にしっかりと結集することができず、人民大衆を立ち上がらせて人民政権をうちたて、人民武力を建設する事業を遂行することもできません。
朝鮮で統一的なマルクス・レーニン主義党を創立しうる土台は、既にきずかれています。我々は、抗日武装闘争の烈火のなかで内外のあらゆる敵の陰謀策動と破壊行為を粉砕する困難な闘争を通じて、朝鮮共産主義運動の初期に見られた本質的弱点を克服し、党創立の確固とした組織的・思想的基礎をきずきあげました。
我々はなによりもまず、厳しい革命闘争の実践のなかで鍛えられた清新な共産主義的中核を育成して、こんにちの我が党創立の確固とした土台をきずきあげました。
朝鮮民族の運命が危機に瀕していた1930年代初期に、祖国の解放と民族の栄誉のため武器をとって立ち上がった朝鮮のすぐれた息子、娘たちは、15年間を一日のごとく戦い、この血みどろの闘争のなかで熱烈な革命家、すぐれた共産主義的中核に成長しました。
抗日武装闘争の烈火のなかで成長した我々共産主義者は、1920年代の朝鮮共産主義運動のガンとなっていたセクト主義を徹底的に克服したばかりでなく、マルクス・レーニン主義先進思想と理論でみずからを武装し、いかなる逆境のなかにあっても動揺することなく、朝鮮革命の正しい路線の貫徹のために、青春も生命も惜しむことなくささげて戦ってきた最も徹底した革命家であります。まさにそのために、我々は、人民大衆から絶対的に支持され愛されており、朝鮮人民の大きな期待を集めています。このように革命闘争の実践のなかで鍛練、育成され、人民大衆の絶大な支持を受けている共産主義的中核は、こんにち、解放された祖国でマルクス・レーニン主義党創立の確固たる土台となり組織的根幹とならなければなりません。
また、我々は、抗日武装闘争期に、日本帝国主義の陰謀策動に便乗して革命隊列を内部から切り崩すために狂奔した分派・事大主義者と偏狭な民族排外主義者の反革命的謀略とさまざまな破壊行為をそのつど克服しつつ、革命隊列を一つの思想、一つの意志でかたく統一団結させ、共産主義隊列のマルクス・レーニン主義的純潔を固守しました。
これは、新しく創立される我が党が、階級敵とあらゆる日和見主義者のいかなる分派行動や破壊・謀略策動をもそのつど暴露、粉砕し、マルクス・レーニン主義党の生命である党の思想、意志の統一と団結をゆるぎなく守ることのできる重要な裏付けであります。
我々はまた、抗日武装闘争期に、日本帝国主義の厳しい監視と野獣的な弾圧のもとでも屈することなく、労働者、農民をはじめ、広範を勤労大衆のあいだでたゆみなく政治活動を展開して、かれらを労働者階級の革命思想で武装させ、日本帝国主義に反対する大衆闘争の実践のなかで鍛えることによって、党創立の大衆的基盤をしっかりきずきあげました。
これは朝鮮人民の真の利益の擁護者であり、代表者である我が党が、勤労大衆のなかに深く根をおろし、人民大衆と血の通うつながりをもって健全に発展できる、ゆるぎない裏付けとなります。このようにこんにち、我が党は無からではなく、抗日武装闘争の長期にわたる困難な闘争過程できずきあげた党創立の組織的・思想的準備にもとづいて創立されるようになったのであります。
しかし、このような土台が準備されているからといって、我々は決して自己満足に陥ってはなりません。解放された祖国で党を創立し強化するための闘争には、かつての党創立の組織的・思想的準備活動におとらず困難で複雑な問題が提起されることを予想しなければなりません。
朝鮮の圧倒的多数の労働者は、これまで革命的前衛部隊による組織的訓練と思想的教育を受けられなかったため、指導的階級としての組織的・思想的準備を十分にととのえていません。また、半世紀近くにわたる日本帝国主義の植民地支配によって朝鮮の労働者、農民をはじめ、各階層の人民大衆の頭には、日本帝国主義によって植えつけられたあらゆる古い思想が少なからずしみこんでおり、そのうえ、朝鮮共産主義者にたいする日本帝国主義者とその手先の途方もない誹謗と中傷、悪宣伝のため、少なからぬ人びとが共産主義にたいして疑惑と偏見をいだくようになりました。これは、我が党が広範な勤労大衆のあいだに深く根をおろして、大衆の支持と信頼をかちとり、大衆と血の通うつながりをもって党を組織的、思想的に強化するうえで少なからぬ障害となるでしょう。
また、かつてヘゲモニー争奪に目がくらんで派閥争いに没頭し、朝鮮革命を破壊した分派分子と革命の裏切者が、再び革命家の仮面をかぶってあらわれ、純真な勤労大衆を欺瞞し、翻弄しようと企みかねないということも考慮にいれなければなりません。さらに、３８度線を境にして祖国の南半部にアメリカ帝国主義侵略軍が進駐するようになることを考慮するとき、今後、我々の活動は多くの難関に直面するようになるでしょう。
我々は、まさにこのような情勢のもとで党を建設し、人民政権を樹立し、反帝反封建民主主義革命をなし遂げて、富強な自主独立国家を建設しなければなりません。
では、朝鮮でマルクス・レーニン主義党をいかに建設すべきでしょうか。
我々はまず、苦難にみちた抗日武装闘争のなかで鍛えられ、育成された共産主義者を中核として、統一的な労働者階級の党である朝鮮共産党を一日も早く創立しなければなりません。いうまでもなく、国内で活動していた一部の共産主義者は必ずしも組織的に鍛練されているとは言えず、またセクト主義思想の余毒を一掃しているとは言えません。しかし、我々には長期の武装闘争で鍛えられた朝鮮革命の根幹部隊が準備されている以上、かれらを大胆に信じ、度量のある態度で活動するならば、かれらは正しい革命の道を進むようになるでしょう。こうしてのみ、我々は共産主義隊列の分裂を防ぎ、革命隊列の統一と団結を守り、労働者階級をはじめ、広範な革命勢力を党のまわりに鉄のようにかたく結集することができるのであります。
朝鮮共産党は、決して少数の共産主義者の組織となってはなりません。朝鮮共産党は、労働者、農民をはじめ、広範な勤労大衆のなかに深く根をおろした大衆的な政党とならなければならず、新しい朝鮮の建設を指導する、洗練された革命の参謀部とならなければなりません。それゆえ我々は、労働者、農民、進歩的な知識人のなかから、勤労大衆の利益のために犠牲的にたたかい、民主主義的自主独立国家の建設のために、最も模範的で前衛的な役割を果たすすぐれた人びとによって党の隊列を急速に拡大しなければなりません。
また、マルクス・レーニン主義党の組織原則に立脚して、分派のない全隊列の思想、意志および行動の統一を保障し、すべての党員をマルクス・レーニン主義の思想と理論で武装させ、鉄のような自覚的規律を確立し、民主集中制の原則を堅持しなければなりません。特に我々は、党組織の建設で政治的投機分子と分派分子の謀略策動と分派行動を、高度の革命的警戒心をもって注視し、それをいち早く摘発し粉砕しなければなりません。
我が党が朝鮮革命の参謀部としての使命と役割をまっとうするためには、党の基本的中核である党幹部を政治的・思想的にしっかり準備させなければなりません。党幹部は、将来の朝鮮革命の運命を決定づける最も重要な力量であります。すぐれた共産主義的な党政治幹部の陣容をかため、それをたえず拡大することなしには党の指導的役割を高めることも、内外のすべての敵をしりぞけて富強な自主独立国家を成功裏に建設することもできません。したがって、我々に提起された緊急課題は、党を創立する活動とともに、マルクス・レーニン主義思想と理論で武装し、党の路線と政策を擁護し、実践することのできる準備された党幹部を育成することであります。このために我々は、まず党幹部訓練班から組織しなければなりません。
我が党が広範な大衆を自己のまわりに結集し、人民大衆のなかで指導的地位を確立するためには、職業別、階層別の大衆団体結成を同時におし進めなければなりません。党は広範な人民大衆と血の通ったつながりを結ぶことなしには真の革命組織となることができず、大衆の擁護と支持を受けずには労働者階級の前衛部隊としての役割を果たすことができません。党と革命の側に多くの大衆を結集するか否かは、党の運命と革命の勝敗を左右する要の問題であります。したがって、革命組織の活動の第一歩は、常に大衆の組織・政治活動からはじめなければなりません。
我々は日本帝国主義植民地支配の最も暗たんとした時期にも、広範な人民大衆のなかに革命の種子をまき、あらゆる難関と障害を克服して、それを念入りに手入れし、実を結ばせ、大衆の力に依拠して革命を勝利へと導きました。すなわち、朝鮮共産主義者の指導的中核勢力も、組織された大衆のなかから生まれ、広範な大衆の積極的な支持と擁護のなかで成長しました。
したがって、党と大衆を結ぶベルトである大衆団体を組織することは、党を組織的、思想的に強化し、革命勢力をかため、党の指導的役割を高めるうえで重要な意義をもっています。
大衆団体を建設するにあたって、まず党の後続隊であり、革命の未来である青年を組織に結集しなければなりません。
新しい社会の主人公であり、富強な祖国建設の担い手となるべき青年大衆を党のまわりに結集することは、祖国の将来の運命にかかわる極めて重要な問題であります。それゆえ我々は、革命運動において青年の果たす使命と役割を正しく認識し、武装闘争の全期間にわたって青年運動に常に深い関心を払ってきました。党創立の組織的根幹を準備することも、抗日遊撃隊を創立し強化させることも共青活動からはじめたのであり、共青をはじめとする青年組織の活動を強化して多くの青年を熱烈な革命闘士に育成したのであります。
我々はこの経験をふまえてこんにち、青年労働者をはじめ、農村青年、青年学生など広範な青年大衆を民主的青年団体に結集して組織された政治的部隊を編成し、それを新しい祖国建設の先頭に立って英雄的にたたかう先鋒隊に、鉄のような組織規律をもつ不敗の革命隊列につくりあげなければなりません。
全人口の半数をしめる婦人を組織的に結束することは、革命勢力を拡大強化し、富強な新しい祖国の建設を促進するうえで重要な意義をもっています。
我々は抗日武装闘争期の婦人運動の経験を生かし、我が国の具体的な実情と当面の新しい情勢の要請に即応して勤労婦人を広範に結集する女性同盟を結成しなければなりません。
朝鮮の婦人は、日本帝国主義の中世的な植民地支配と封建的な束縛のなかで二重三重のさげすみと抑圧を受けてきたため、高度の革命意識をもっています。特に、抗日武装闘争期に朝鮮のすぐれた勤労婦人は、祖国の解放と民族の栄誉のために、婦人の社会的解放と自由のために、男子に劣らず立派に戦ってきました。共産主義的世界観が確立し、試練のなかで鍛えられた婦人革命家たちは、武器をとって、白雪の険しい山なみを乗り越えながら英雄的に戦い、銃剣が林立する敵陣の中でも、中世的な拷問や断頭台のうえでも、いささかもひるむことなく革命的節操をかたく守り、共産主義者としての栄誉を守りぬきました。
我々は、聡明で勇敢な朝鮮婦人のこうした輝かしい闘争の歴史を受け継ぎ、すべての婦人に新しい祖国の建設で重要な一翼を担わせなければなりません。
大衆団体の建設において、労働組合の結成も同時におし進めなければなりません。新しい朝鮮の建設で労働者階級の果たすべき役割は極めて重要であります。労働者階級は、内外のあらゆる敵の破壊・謀略策動から革命の獲得物を守り、富強で自主的な独立国家の建設で、常にその先頭に立ち、実践的な模範によって大衆を導いていかなければなりません。そのためには短時日のうちに、労働者を労働組合に結集して、組織的、思想的にいっそう鍛え、労働者階級が新しい民主朝鮮の建設で自己の歴史的任務を立派に果たすようにしなければなりません。
人口の80％以上をしめる農民を組織的に結集して、革命闘争に立ち上がらせることは、現段階において、我々共産主義者に課されている最も重要な任務の一つであります。
朝鮮農民は日本帝国主義の植民地的農村収奪政策と民族愚民政策によって、人間以下の生活状態におかれ、現代文明から疎外されてきました。
５千年の悠久な歴史とさん然たる文化をもつ英知ある朝鮮民族の固有の文化を取り戻し、政治、経済、文化のあらゆる分野にわたって一日も早く世界の先進国の隊列に加わるためには、なによりもまず人口の圧倒的多数をしめ、最も立ち後れた状態におかれている農民大衆を、日本帝国主義思想の残りかすと封建的な因習から完全に解放しなければなりません。農民大衆の階級的意識を高め、かれらを愛国主義思想と集団主義の精神で教育し、新しい祖国の建設で労働者階級とともに主力部隊としての役割を遂行させるためには、農民同盟を結成し、すべての農民をそれに結集しなければなりません。
２
人民が国家の主人となる富強な自主独立国家を建設しようとする我々の念願は、祖国解放の正義の大業が達成されることによって、ついにかなえられるようになりました。
それでは、我々は解放された祖国にいかなる政権を樹立すべきでしょうか。
朝鮮は、日本帝国主義の中世的な植民地支配によって資本主義の発展が抑制され、長いあいだ植民地半封建社会としてとり残されていました。そのため、こんにち朝鮮人民には、依然として反帝反封建民主主義革命を遂行すべき課題が提起されており、権力問題では現段階での朝鮮革命の性格と任務から、全朝鮮人民の利益を代表する民主主義人民共和国を樹立すべき課題が提起されています。
民主主義人民共和国は、必ず朝鮮人民自身によって建設されなければなりません。朝鮮人民は、みずから自己の政権をうち立てる力をもっており、我々には人民政権建設の豊かな経験があります。
我々は抗日武装闘争の初期に遊撃根拠地−解放地区で、分派・事大主義者の極左的な「ソビエト」政府路線を粉砕し、真の人民の政権である人民革命政府を建設した経験をもっており、祖国光復会綱領の第１条で人民政府樹立の課題を提起し、そのために長いあいだ戦ってきました。この経験にしっかり依拠して人民政府路線を堅持し貫徹するならば、解放された祖国に新しい型の人民政権を立派に樹立することができるでしょう。
民主主義人民共和国を建設するためにはまず、労働者階級の指導のもとに広範な農民大衆と知識人、良心的な民族資本家など各階層の民主勢力を結集する民主主義民族統一戦線を結成すべきであり、これにもとづいて人民政権を樹立しなければなりません。この統一戦線は民主主義人民共和国の建設をめざす統一戦線であるから、これには国の真の主人である労働者、農民をはじめ、勤労インテリ、都市小ブルジョア階級、良心的な民族資本家など民主的独立国家の建設をのぞむ各階層の愛国的民主勢力が含まれるべきであり、親日派、民族反逆者などいっさいの反動勢力がまぎれこめないようにしなければなりません。
そして、祖国と人民のため献身的にたたかうすぐれた愛国者たちを選抜し、かれらを中核として人民政権機関をかためなければなりません。
こうして人民政権が、労働者階級の党の指導のもとに労働者、農民をはじめ、民主主義民族統一戦線に結集したすべての愛国的民主勢力を自己のまわりに最大限に結集し、親日派、民族反逆者、反動的な地主、買弁資本家などいっさいの反革命勢力を孤立させ、それに反対する強力な階級闘争の武器となるようにしなければなりません。
政権の建設にあたって我々共産主義者は、絶対に受身の立場に陥ってはならず、消極的になってはなりません。民主主義民族統一戦線を結成する活動や人民政権を、うち立てる活動で、共産主義者は常に主動的で積極的かつ指導的な役割を遂行すべきであり、各階層の人民大衆を導く先駆者となり組織者とならなければなりません。もしも、我々が革命戦友の貴い血の代価として解放をかちえた祖国の地に政権を樹立する活動を少しでもゆるがせにするならば、それはまさに犠牲となった戦友の念願を裏切るものであり、朝鮮人民の民族的宿願に背くこととなります。それゆえ、最大限の努力を傾けて、ほぼ半世紀ものあいだ暗黒が支配していた三千里祖国の大地に、人民の自由と解放の旗印である人民政権を一日も早く樹立し、祖国の繁栄と子孫万代の幸福の前途を切り開かなければなりません。
政権樹立のための闘争は、誰が誰をという深刻な階級闘争であります。
我々は今後、解放された祖国に生じた複雑な情勢に乗じて、かつて共産主義者の仮面をかぶって革命を破壊した分派分子や日本帝国主義の手先に転落した民族主義者、甚だしくは、日本の手先までが愛国者をよそおって政権機関を奪取し破廉恥な政治的野望の実現のために狂奔するであろうことを忘れてはなりません。したがって我々は、最大の革命的警戒心をもって敵のあらゆる陰謀と破壊策動をことごとく摘発し粉砕しなければなりません。
それでは、現段階において人民政権が実施すべき行動綱領はなんでしょうか。
１．労働者、農民、進歩的知識人、良心的な民族資本家、良心的な宗教家など愛国的民主勢力をすべて結集して、民主主義民族統一戦線を結成し、それにもとづいて民主主義人民共和国を樹立すること。
２．言論、出版、集会、結社、信教の自由を保障し、18歳以上の男女公民には選挙権と被選挙権を保障すること。
３．日本帝国主義者、親日派朝鮮人および民族反逆者の所有していたすべての工場、企業所、鉄道、銀行、船舶、農場、水利機関といっさいの財産を没収し、国有化すること。
４．日本人と親日派朝鮮人反動地主の土地を没収し、土地をもたないか、あるいは少ししかもたない農民に無償で分与すること。
５．日本帝国主義の残存勢力と日本帝国主義が残したいっさいの残存要素を一掃すること。
６．８時間労働制と労働者の生活を保障する最低賃金制を実施し、失業労働者に職業を保障すること。
７．文化人と技術者を社会的に優遇し、かれらの生活条件を改善すること。
８．朝鮮人民の輝かしい悠久な民族文化を復興し、我が国の言葉と文字を発展させ、漸次、義務教育制を実施すること。
９．人民の収入と生活程度にもとづく累進所得税制を実施すること。
10．日本帝国主義の金融機関およびいっさいの高利貸金、債権を無効とすること。
11．政治、経済、文化の各分野にわたって男女平等権を実施し、同一労働にたいし同一賃金を支払うこと。
12．人権蹂躙といっさいの悪刑を禁止すること。
13．解放された朝鮮民族と独立した我が国に、平等に対する民族および国家と友好をはかること。
３
朝鮮が完全な自主独立国家となるためには、国家と民族を防衛し、革命の獲得物を守る自己の強力な民族軍隊を創建しなければなりません。
自国の民族軍隊をもたない国家は、完全な自主独立国家と言えません。朝鮮が日本帝国主義侵略者に占領された主な理由の一つは、強力な民族軍隊をもっていなかったことにありました。かつて、李朝封建統治者は、人民弾圧の道具として一定の軍隊をもっていましたが、それは無気力なきわめてとるにたりない兵力でした。そのような軍隊では、近代的な装備を備えた正規の日本帝国主義侵略軍を防ぐことはとうていできませんでした。
もし、我々が解放された祖国に人民政権を樹立すると同時に、強力な革命軍隊を創建しないならば、血をもってかちとった革命の獲得物を外国帝国主義者の武力侵攻から守ることはできず、再び亡国の民の悲惨な歴史を繰り返すことになるでしょう。
特に、いま祖国は、複雑な情勢におかれています。日本帝国主義者は敗退しましたが、祖国の38度線以南にはアメリカ帝国主義の軍隊が進駐すると言います。もちろん、アメリカ帝国主義は、今度の第２次世界大戦で形式上は連合軍の側に立って、日独伊ファシストと戦い、また対日戦に直接参加しました。
しかし我々は、アメリカという国がどのようにして生まれ、どのように膨張してきたかをよく知っています。アメリカ帝国主義は19世紀末から朝鮮に侵略の魔手をのばし、1905年には桂とタフトのあいだに秘密協定を締結して日本帝国主義の朝鮮占領をたすけました。
久しい以前から朝鮮を虎視眈々と狙ってきたアメリカ帝国主義侵略軍が祖国の南半部に駐屯するようになったこんにちの政治情勢は、我々に革命的警戒心をいっそう高めることを求めており、外国帝国主義侵略者から祖国と民族を防衛する強力な民族軍隊を創建することを遅らせることのできない緊急な課題として提起しています。
我々はいかに厳しい難関にであおうとも、必ず自分自身の力で正規の革命軍隊を建設しなければなりません。
我々には、正規の革命軍隊を建設できる確固とした土台があります。日本帝国主義植民地支配の最も暗たんたる時期に、朝鮮の共産主義者は先進的な労働者、農民、愛国的な青年で我が国最初の革命的人民武力である朝鮮人民革命軍を組織し、人民革命軍の隊員たちは、一致団結して祖国の解放と民族の栄誉のために勇敢に戦いました。民族的独立と社会的解放をめざす15年有余にわたる抗日武装闘争の烈火のなかで朝鮮人民革命軍は不敗の鋼鉄の隊列に、政治、軍事をかねそなえた幹部軍隊に育成されました。これは、こんにち、我々にとって正規の革命武力を適時に創建することのできる確固とした土台が、既にきずかれていることを意味するものであります。
我々は抗日武装闘争の試練のなかで鍛練、育成された革命闘士を根幹とし、労働者、農民をはじめ、勤労人民の子弟で革命軍隊を創建しなければなりません。革命武力の建設において、抗日武装闘争期に人民革命軍の隊員のあいだで発揮された祖国と人民にたいする熱烈な愛と、敵にたいする燃えたぎる憎しみ、いかなる艱難辛苦にもうちかち自力で立ちあがる革命精神、上下一致、軍民一致の伝統的気風、革命的同志愛と人民的活動作風、自覚的な軍規と革命的な生活秩序などを受け継ぎ、この精神で新しく創建される革命軍隊を教育し育成しなければなりません。
革命武力の建設は、国家と人民の生死存亡にかかわる極めて重要な問題であるだけに、指導的中核幹部がすべてこの活動に直接参加すべきであり、先頭に立たなければなりません。我々は全力を尽くして、解放された祖国にマルクス・レーニン主義思想で武装した不敗の人民武力、正規の革命軍隊を一日も早く創建しなければなりません。
＊ ＊ ＊
みなさん！
解放された祖国での党、国家および武力建設の三大課題を成功裏に遂行するか否かは、我々、つまり共産主義的指導中核の役割に大きくかかっています。
この課題をなし遂げるためには、なによりもまず労働者、農民をはじめ、各階層の広範を愛国勢力を教育して革命の側にしっかりと結集し、解放の喜びによって高揚した人民大衆の政治的熱意を建国事業に積極的に動員しなければなりません。このような活動にもとづき、広範を人民大衆の積極的な支持と参加を得てこそ、党、国家および武力建設の三大課題を成功裏になし遂げることができます。
いうまでもなくこの三大課題の遂行途上には、予測できない多くの難関と障害が横たわり、複雑な問題が数多く提起されることでしょう。しかし、我々、共産主義者は、難関を恐れず、いかなる逆境のなかにあっても最後の勝利を確信する革命的楽天主義者であり、いかに困難な課題であってもあくまで貫徹せずにはおかない革命家的気風の持主であります。もし、我々が、厳しい抗日武装闘争の日々に露を枕に野宿しながら、いかなる艱難辛苦も死も恐れず、ひたすら祖国の独立と民族の解放のために戦いぬいて勝利した不撓不屈の闘争精神で活動するならば、いかに困難な課題でも十分なし遂げることができるでしょう。我々、共産主義者は、地位や功名、出世を望み、栄耀栄華のために革命をおこなうのではなく、祖国の自主独立と人民の自由と幸福のために、社会主義・共産主義のためにたたうのであります。我々は、どこでどのような仕事をしようとも、その貴賎や大小軽量を問うことなく、課された職務を光栄に思って忠実に果たし、一意専心、ひたすら祖国と人民の利益のため、革命の利益のために、力と知恵のすべてをささげなければなりません。
我々は、いつどこにあっても人民大衆の力を信じ、それに依拠して活動しなければなりません。そのためには、人民大衆の中に深く入ってかれらを教え、かれらから学ぶために積極的に努力し、また、人民大衆の要求と希望をいち早く把握してそれを解決し、かれらと生死苦楽をともにし、人民大衆の支持と信頼を獲得しなければなりません。
我々がこれから党と政権と人民武力を建設しようとすれば、より多くのことを知らなければなりません。革命的熱意だけでは、この課題を成功裏になし遂げることができません。我々は、マルクス・レーニン主義の先進的思想と理論をたえず学習し、先進国ソ連の経験を深く研究し、またあ、実際の活動過程で経験を一つ一つ蓄積して、みずからを政治的、理論的に、実務的に立派に準備していかなければなりません。
もちろん我々は、革命活動をおこなってきた経験からすれば、決して幼いとは言えません。しかし、いかに革命活動の経験が多くても、みずからをたえず政治的に鍛えなければ、高慢になり、安逸に流れ、発展する現実から立ち後れて、革命幹部としての役割を果たせなくなるばかりでなく、革命の落伍者になりさがってしまうでしょう。それゆえ、革命活動の実践過程で欠陥をいち早く探しだして改め、同志的な批判と自己批判を強め、みずからをたえず検討することによってたゆみなく政治的に鍛えなければなりません。
我々は、自分自身を不断に鍛えるばかりでなく、党および国家活動の各分野で活動すべき新しい朝鮮の幹部の中から、高い地位をねらう栄達主義者や官僚主義者が生まれないように積極的にたたかわなければなりません。
これまでの経験は、栄達主義者は、つまるところ分派分子に転落することを示しています。
また、高慢、官僚主義、主観主義、自由主義などいっさいの否定的要素の発生を防止し、日本帝国主義のあらゆる残存要素と容赦なくたたかわなければなりません。
こうして、我々は一日も早く労働者階級の前衛部隊である共産党を創立し、それを強力なマルクス・レーニン主義党に発展させるべきであり、全力を尽くして人民政権をうち立て、正規の革命武力を建設する活動を力強くおし進めなければなりません。
出典：「金日成著作集」1巻
