金 日 成

祖国解放の日を成功裏に迎えるために
敦化県小哈爾巴嶺で開かれた朝鮮人民革命軍
軍事・政治幹部会議でおこなった報告
−1940年8月10日−


 みなさん!

 きょう我々は、急変する新しい情勢に対処して、朝鮮人民革命軍の今後の闘争方針と課題を討議するためここに集まりました。

 朝鮮共産主義者が反日人民遊撃隊を創建し、強盗日本帝国主義との武装闘争を開始してから、早くも10年近くになります。この10年間、朝鮮共産主義者は苦難にみちた闘争を展開して、日本帝国主義侵略者に甚大な軍事的・政治的打撃を与え、朝鮮革命全般を新たな高揚へ導く強固な土台をきずきあげました。

 すぐる10年間の苦難にみちた闘争の過程で、朝鮮革命の中核的勢力である朝鮮人民革命軍は、軍事的、政治的にいちだんと強化されました。朝鮮人民革命軍は、創建以来先進的な労働者、農民をはじめ、革命的青年をもって隊列をたえず拡大し、敵から武器を奪って武力装備を強化してきました。また、たえまない厳しい戦闘と軍事・政治訓練を通じて、朝鮮人民革命軍のすべての指揮幹部と兵士は軍事的にも政治的にも鋼鉄のように鍛えられ、豊富な軍事経験を蓄積しました。その結果、朝鮮人民革命軍は、強力な革命武力に成長しました。

 我々はまた、マルクス・レーニン主義党創立の強固な基礎をきずきあげました。我々、朝鮮共産主義者は、武装闘争の烈火のなかでマルクス・レーニン主義党創立の準備をねばりづよく進めてきました。我々は、労働者、農民をはじめ、広範な勤労者を革命化して共産主義者のまわりに結集させ、党創立の大衆的基盤をきずきました。我々はまた、抗日武装闘争と地下革命闘争の実践を通じて労働者、農民出身の共産主義者を数多く育てあげました。特に、厳しい試練と激しい闘争のなかで育った数多くの中核分子は、朝鮮革命の貴重な力であります。かれらは現在も朝鮮革命に大きく貢献しているばかりか、将来、創立される我が党の中核となることは疑う余地がありません。

 我々はまた、広範な反日愛国勢力の結集をめざす反日民族統一戦線運動でも大きな成果をおさめました。

 我々は、労働者、農民をはじめ、各階層の広範な反日大衆を結集しました。特に、1936年5月、反日民族統一戦線組織体としての祖国光復会が結成された結果、広範な反日愛国勢力を共産主義者のまわりに結集し、革命勢力をさらに拡大強化しうる新しい道が切り開かれました。祖国光復会が創立されたのち、労働者、農民、青年学生、知識人、中小企業家、中小商人、宗教家、民族主義者を問わず、祖国と民族を愛する広範な反日大衆が祖国解放の戦線に結集し、十大綱領に示された反日闘争の道にそって力強く戦うようになりました。

 これらすべては、革命同志の血でかちとった貴重な成果であります。我々は、既にきずきあげた成果を無駄にすることなくさらに発展させ、それにもとづいて最後の勝利をかちとるまで力強く戦いぬかなければなりません。

 みなさん!

 こんにちの急変する情勢は、新しい闘争方針を提起し、その貫徹をめざして勇敢にたたかうことを我々に切実に求めています。

 ファシスト・ドイツのポーランド侵略によって引き起こされた第2次世界大戦は、日とともに急激に拡大されつつあります。ファシスト・ドイツは、ポーランド侵略についでヨーロッパ諸国を占領し、最近にはフランスを完全に占領しました。

 東方では、日本帝国主義者が侵略戦争をアジア全域に拡大しようと狂奔しています。日本帝国主義は、これまでいく年間もつづけてきた中国侵略戦争に決着をつけないまま、東南アジア地域に戦火を拡大しようと策動しています。石油、鋼鉄、ゴムなど重要な戦略物資の大部分を外国に依存する日本帝国主義は、東南アジアへの進出に死活的意義をみいだし、久しい以前からこの地域の諸国を占領しようと狙っていました。

 こんにち、日本帝国主義者は、ファシスト・ドイツによるヨーロッパ占領と制圧のため、イギリス、フランス、オランダ帝国主義者が、東南アジア植民地諸国に関心を向けられなくなったすきに乗じ、この地域の国ぐにを掌中におさめようとしています。

 日本帝国主義者は、侵略戦争の拡大に狂奔する一方、「後方の安全」を確保するため、朝鮮人民革命軍にたいするかつてない気違いじみた「討伐」攻勢をおこなっています。

 この10年間、朝鮮人民革命軍の激しい軍事・政治活動によって、植民地支配と侵略戦争の遂行に甚大な打撃をこうむった日本帝国主義者は、いま朝鮮人民革命軍を「掃滅」しなくては「ソ中両方面における同時作戦も、またアジア制覇の野望も実現不可能であると考え、革命軍を「完全掃滅」しようとかつてない大規模な「討伐」攻勢を強行しています。日本帝国主義者は、昨年の秋から革命軍にたいする「討伐」作戦に日本軍精鋭部隊をはじめ、「満州国」軍、警察隊など実に20余万もの兵員を動員しており、航空機をはじめ、おびただしい近代的軍事技術機材まで投入しています。

 日本帝国主義者は軍事攻勢と会わせて、政治・思想攻勢もますます強めています。日本帝国主義者は、革命軍と人民大衆との組織的なつながりを断つため、集団部落の武力装備をさらに補強して人民の外出を禁止し、革命組織、革命家、愛国的人民を弾圧し虐殺するなど野獣のような蛮行をますます強化しています。日本帝国主義者の弾圧と虐殺行為は絶頂に達し、敵のこうした蛮行によって朝鮮の数多くの愛国者が無惨に虐殺されています。

 敵は、革命軍にたいする経済封鎖政策をさらに強化しています。日本帝国主義者は、特に食糧統制を強化しており、人民が塩やマッチなどを余分にもっているだけでも「通匪分子」という罪名をきせて過酷に処罰しています。

 しかし、革命軍にたいする前代未聞の大規模「討伐」攻勢は、かれらの強大さを示すものではなく、滅亡に瀕した者の最後のあがきにすぎません。日本帝国主義者のいかなる大がかりな「討伐」攻勢も、気違いじみた策動も、苦難にみちた闘争を通じて鋼鉄のように鍛えられた朝鮮人民革命軍の指揮幹部と兵士の不屈の闘志をくじくことはできず、抗日武装闘争の勝利への前進を阻むことはできません。

 日本帝国主義者は、侵略戦争の狂気じみた拡大によって、国際的にも国内的にもさらに孤立し、政治的、経済的、軍事的に底なしの泥沼に深く落ちこんでいます。

 日本帝国主義者はなによりもまず、戦線の拡大にともなう兵力や軍需物資の需要を充足させていません。日本帝国主義者は、既に中日戦争で最精鋭部隊の過半数を失ったにもかかわらず、その補充さえ不可能な有様です。このような状況のもとで、かれらがアジア全域に拡大する戦線の兵力需要を充足しえないのは火を見るよりも明らかです。

 軍需物資の補給面でも、日本帝国主義者は大きな困難に直面しています。日本帝国主義者は現代戦に大量に要する重要戦略物資の大部分を輸入に依存する致命的な弱点を、既に中日戦争の過程ではっきりと露呈しました。軍需物資補給面での日本帝国主義者の困難は、戦争が拡大し長期化するにつれてますます大きくなるでありましょう。

 日本帝国主義者の狂気じみた侵略戦争拡大策動は、朝鮮人民と中国人民をはじめ、広範なアジア人民の強力な抵抗に遭遇しています。

 こんにち朝鮮人民は、朝鮮人民革命軍の軍事・政治活動に励まされ、日本帝国主義者の強盗さながらの略奪と弾圧に抗して各種形態の反日闘争を積極的にくりひろげており、中国人民は抗日救国戦争を果敢に展開して日本帝国主義侵略者に強力な打撃を与えています。

 また偉大なソ連をはじめ、全世界の平和愛好人民は、日本帝国主義の侵略戦争策動を厳しく糾弾しています。

 日本帝国主義者は、国内でも人民の強い抵抗に直面しています。日本の労働者、農民をはじめ、広範な人民大衆のあいだでは、反動的軍閥にたいする不満と侵略戦争に反対する機運が日増しに高まりつつあります。

 日本帝国主義は侵略の戦火を全アジアに拡大したため、この地域に植民地と利権をもつ米英など帝国主義諸国との矛盾を激化させています。

 このように日本帝国主義者は、四方八方から強い抵抗と抗議と糾弾を受けており、急転直下、窮地に陥りつつあります。これらすべての事実は、日本帝国主義の滅亡は避けられず、それが時間の問題であることをはっきりと示しており、朝鮮人民が祖国解放の歴史的大業をかちとる日が近づいていることを確証しています。

 このような情勢は、我々に祖国解放の日を主動的に迎える準備を成功裏におし進めることを切実に求めています。

 我々はまず、10年近くの抗日武装闘争の過程できずきあげた貴重な業績と経験を踏まえて強盗日本帝国主義の最終的壊滅をめざす最後の決戦を迎える準備に万全を期さなければなりません。

 また、解放された祖国に労働者階級の党と人民政権と人民の軍隊を創建し、朝鮮革命をひきつづき力強くおし進める準備をととのえなければなりません。これなくしては、革命の獲得物を守ることも、革命を前進させることもできません。

 祖国解放の日を主動的に迎える準備をととのえるうえで最も重要なのは、朝鮮革命の中核勢力である朝鮮人民革命軍の力を蓄積しつつ、かれらを有能な政治・軍事幹部に育てあげることです。

 我々はこうすることによって、日本帝国主義者との最後の決戦で輝かしい勝利をかちとり、かれらを根幹にして解放された祖国に新しい朝鮮を建設することができるのです。
したがって、我々には無謀な戦闘による損失をさけ、主動的な行動によって革命勢力を蓄積する問題が革命の最も重要な戦略的課題となるのです。

 我々は、この戦略的課題を成功裏に実行するため、大部隊作戦から小部隊作戦に移行しなければなりません。

 こんにち、日本帝国主義者の「討伐」攻勢がかつてなく強化されている状況のもとで、もし、我々がひきつづき大部隊でまっこうから戦うならば、我々の兵力が損失をこうむることは避けられないでしょう。これはいかに大きな代価を払っても朝鮮人民革命軍の力を消滅、弱体化させようとする敵の企みに陥ることになり、朝鮮の反日民族解放闘争の前途に重大な禍をまねくことになるでありましょう。もともと、最後の抵抗を試みる敵に正面から立ち向かって革命勢力を消耗、弱体化させることは、遊撃隊の力を最大限に保持しつつ敵を多く消滅することを基本原則とする遊撃戦争の要求にもそぐわないことです。我々は、敵が最後のあがきを試みる状況にあって、小部隊作戦に移行して敵の企みを粉砕し、朝鮮人民革命軍の力を蓄積しなければなりません。

 さらにまた、朝鮮人民革命軍が大部隊活動から小部隊活動へ移行することは、朝鮮人民の革命勢力を蓄積するためにも切実な問題として提起されます。

 祖国解放の日を主動的に迎えるためには、朝鮮人民革命軍の力を蓄積するとともに、人民を政治的、思想的にしっかりと備えさせなければなりません。こうすれば将来、祖国解放の時期が到来したとき、朝鮮人民革命軍の大部隊作戦と合わせて、日本帝国主義にたいする全人民的抗争を成功裏に展開することができます。現在、敵は朝鮮人民の革命的進出を阻み、朝鮮人民の民族意識と階級的自覚を麻痺させるため、人民にたいするファッショ的弾圧と反動的思想攻勢をかつてなく強化しています。したがって、朝鮮革命の中核勢力である朝鮮人民革命軍のすべての指揮幹部と兵士には、いつにもまして大衆政治活動を積極的にくりひろげるべき緊急な課題が提起されています。

 我々が大衆政治活動を活発に展開するためには、より広範な反日大衆のなかに深く浸透できるよう、朝鮮人民革命軍の指揮幹部と兵士を無数の小部隊と政治工作グループに編成して地下闘争を強化すべきであります。こうすることによって、革命軍にたいする敵の「討伐」攻勢と人民にたいするファッショ的弾圧がかつてなく強化されている困難な状況のもとでも、広範な反日大衆を組織化し革命的にめざめさせる活動で成果をおさめることができます。

 現在、朝鮮人民革命軍が大部隊活動から小部隊活動へ移行するのは、朝鮮の反日民族解放闘争の要請であるばかりでなく、コミンテルンの勧告でもあります。

 世界制覇の野望を実現するため第2次世界大戦を引き起こしたファシスト諸国は、現在、米英帝国主義者のさしがねのもとに、社会主義国ソ連を侵攻する戦争準備に狂奔しています。ファシスト・ドイツは、ヨーロッパにおいて占領した多くの国ぐにの人的および物的資源を総動員して反ソ戦争の準備を急いでおり、東方では日本帝国主義者が従来から企んできた反ソ侵略戦争を挑発しようと策動しています。ファシスト・ドイツと日本帝国主義者は、互いにしめし合わせてソ連国境とその隣接地帯に数多くの精鋭師団を配置し、東方と西方からソ連を侵攻する有利な機会をねらっています。こうして、全世界の労働者階級と被抑圧民族の偉大な砦である社会主義国ソ連はこんにち、西方と東方の最も凶悪な2つのファシスト国家から挟撃を受ける危険にさらされています。

 ソ連がファシスト国家から挟撃を受ければ、ソ連の安全と社会主義建設が重大な危険にさらされることはもちろん、世界革命全般と世界の平和にも大きな脅威となるでありましょう。

 ファシスト・ドイツと帝国主義日本の反ソ侵攻の危険が増大している緊迫した情勢に対処して、ソ連は、いまファシスト諸国の侵攻を阻止し、特に2つのファシスト国家からの挟撃の危険を防ぎ、国防力をさらに強化する時間的余裕を得るため、東方で情勢緩和の政策を実施しています。

 これと関連して、コミンテルンでは、最近、我々に連絡員を派遣し、ソ満国境一帯で緊張を緩和し、日本帝国主義侵略者に対ソ侵略戦争挑発の口実を与えないため、満州一帯で活動する抗日遊撃部隊の大部隊作戦を当分中止するよう勧告してきました。

 我々は、日本帝国主義者が抗日遊撃部隊の闘争をソ連の「敵対行為」とみなし、これを対ソ侵略戦争挑発の口実にしようとしている状況のもとで、コミンテルンの勧告を考慮に入れないわけにはいきません。ファシスト諸国の反ソ侵攻の企図を阻止し破綻させ、社会主義国ソ連を擁護するのは、共産主義者の気高い国際主義的義務であります。我々がコミンテルンの勧告どおり、当分のあいだ大部隊作戦を中止するならば、それは日本帝国主義に反ソ侵攻の口実を与えず、またファシスト諸国の侵略策動に主動的に対処する準備を強化することができるばかりでなく、東方で情勢緩和政策を実施しているソ連を極力助けることになるでしょう。

 したがって我々は、情勢の要請に即応した能動的な戦術をもって、最後の勝利をかちとるために闘争すべきであります。

 みなさん!

 大部隊活動を中止して小部隊活動を展開するという新たな戦略的方針は、変化した情勢に対処して朝鮮革命の最終的勝利を早め、世界革命を発展させる最も正しい方針であります。すべての指揮幹部と兵士は、新しい戦略的方針の意義と正当性を正しく認識し、その実現をめざしてねばりづよくたたかわなければなりません。

 我々は、政治幹部と軍事幹部、古参隊員と新隊員を適切に組み合わせて小部隊と政治工作グループを編成し、一日も早く新しい戦略的方針の実現のための闘争を積極的に展開すべきであります。

 第1に、広範な反日大衆を結集するための、大衆政治活動を強力に展開しなければなりません。祖国解放の日を迎える準備にあたって、大衆政治活動は極めて重要な意義をもっています。特に朝鮮人民革命軍の大部隊活動が中止され、人民にたいする日本帝国主義のファッショ的弾圧がいつにもまして強められている状況のもとで、もし、我々が人民のなかで政治活動を積極的にくりひろげないならば、人民は革命勝利の確信を失うであろうし、そうなれば、既にかちとった革命的大衆を失う恐れがあります。

 広範な大衆を革命の側に獲得するためには、大衆団体にたいする組織・指導活動を力強くおこなわなければなりません。朝鮮人民革命軍の小部隊と政治工作グループは、朝鮮と満州の広範な反日大衆のなかに入り、敵に破壊された祖国光復会の組織をはじめ、革命組織を再建し、拡大する活動を積極的に展開すべきであります。こうして、より広範な反日大衆を革命組織に結集させなければなりません。広範な大衆を結集して日本帝国主義との決戦に備えさせるためには、すべての指揮幹部と兵士が大衆の組織者となると同時に、教育者としての役割をさらに高めるべきであります。我々は、広範な反日大衆に、日本帝国主義植民地支配の悪辣さと野蛮さ、祖国光復会の十大綱領と朝鮮革命の戦略・戦術、急変する内外の情勢と日本帝国主義滅亡の不可避性を教えなければなりません。

 こうすれば、広範な反日大衆を革命勝利の信念で武装させることができるし、きたるべき革命の決定的な時期に、朝鮮人民革命軍の最後の決戦に呼応して奮い立つよう、政治的、思想的にしっかりと備えさせることができます。

 我々は、敵のファッショ的弾圧が頂点に達している状況のもとで、大衆政治活動をおこなうことになります。したがって、いつにもまして地下活動の原則を厳守し、常にすべての活動を用意周到におこない、秘密は命をかけて守らなければなりません。

 第2に、朝鮮と満州の広大な地域で小部隊による軍事活動を巧みに展開しなければなりません。

 小部隊軍事活動は現在、日本帝国主義侵略者の最後の滅亡を促し、特に広範な大衆のあいだで政治活動を成功裏におし進め、その成果を強固にする重要な裏付けとなります。

 我々は革命全般の利益に損失を与える軍事的冒険を厳しく警戒するとともに、いたるところで奇襲戦をくりひろげ、日本帝国主義の軍隊、警察とその手先を処断し、軍事施設を破壊して敵の後方を攪乱し、広範な大衆のあいだでおこなう政治活動を軍事的に保障すべきであります。こうして、敵にはたえず恐怖を与え、朝鮮人民には革命勝利の信念を強めさせるべきであります。

 これとあわせて小部隊と政治工作グループは、日本帝国主義との最後の決戦を準備するうえで軍事偵察の重要性を正しく認識し、敵の兵力と軍事要塞と軍事施設の偵察を強化すべきであります。

 第3に、すべての兵士と指揮幹部は、自己の政治意識水準を高め、豊富な軍事知識を身につけるため、あらゆる面から努力すべきであります。

 祖国解放の日を目前にひかえ、我々には政治的、軍事的に鍛えられた多くのすぐれた幹部が必要であります。我々が来るべき祖国解放の日を成功裏に迎えうるか否かは、朝鮮革命の中核勢力である朝鮮人民革命軍のすべての指揮幹部と兵士が、みずからをどれほど政治的、軍事的に鍛えるかにかかっています。

 したがって、すべての指揮幹部と兵士は、政治的、思想的、軍事技術的にさらに準備をととのえるため、あらゆる条件と可能性を利用して学習を強化すべきであります。マルクス・レーニン主義理論の学習を強化し、特に朝鮮革命の路線と戦略・戦術を深く学習すべきです。こうしてすべてが、一階級うえの職務を受け持って遂行し、巧みに大衆を革命闘争に動員する有能な政治活動家にならなければなりません。これとともに、すべての指揮幹部と兵士は、遊撃戦術に精通し、現代戦に必要な先進的軍事知識と各兵種別の技術を積極的に学ぶべきであります。

 第4に、全世界の革命勢力との連帯を強めるために、積極的にたたかわなければなりません。

 国際革命勢力との連帯を強めることは、共産主義者の気高い義務であり、朝鮮革命の勝利を保障する重要な要因の一つであります。我々は、ひきつづきプロレタリア国際主義の旗を高くかかげて進まなければなりません。

 こんにち、ドイツ、日本などのファシスト諸国が、反ソ侵略戦争の挑発に狂奔している状況のもとで、なによりもファシスト諸国の反ソ侵攻策動を阻止、破綻させ、社会主義国ソ連を擁護して積極的にたたかい、ソ連人民との親善団結をいっそう強化すべきであります。

 兄弟の中国人民との団結を強化することは、我が国の革命勢力を強化するうえで、特に重要な意義をもっています。我々は、日本帝国主義に反対する共同闘争の過程で、既に結ばれた朝中両国人民間の兄弟的友誼と戦闘的団結をさらに強化すべきであります。

 同時に、全世界の労働者階級と被抑圧民族の解放運動と国際反ファッショ人民戦線運動との連帯を強化し、祖国解放の日を主動的に迎えることのできる、より有利な国際的環境をつくるべきであります。

 みなさん!

 すべての指揮幹部と兵士は、路線転換の真意を深く把握し、いつにもまして勇気百倍、日本帝国主義者の狂気じみた攻勢をしりぞけ、祖国解放の日を主動的に迎える準備を力強くおし進めるべきであります。

 最後の勝利は我々のものであり、滅亡する者は強盗日本帝国主義のみであります。

 ともに、祖国解放の日を早める闘争を勇敢に展開しましょう。

出典:「金日成著作集」1巻


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