金 日 成

祖国光復会規約
1936年5月5日 

  第1章 本会の名称


 第1条 本会は、朝鮮および満州各地在住の朝鮮人のうち、反日独立思想を有する者で組織し、名称は祖国光復会とする。


  第2章 本会の趣旨


 第2条 本会は、反日独立思想を有する同胞の団結を図り、強盗・日本帝国主義とその走狗「満州国」を転覆し、朝鮮の完全な独立と在中朝鮮人の真の民族自治を獲得することを趣旨とする。
 本趣旨を貫徹するため、本会の10大綱領を基本的行動綱領とし、さまざまな形式をもって綱領を実現するための闘争を展開する。


  第3章 本会の会員と入会方法


 第3条 本会の趣旨と10大綱領に賛同し、その趣旨と綱領の実現のために奮闘せんとする者は、老若男女、職業、居住地域、宗教、貧富、党派などの区別なく本会の会員になり得る。


 第4条 本会への入会手続き方法
1 本会への入会を望む者は、本会に個別または共同で加入することができる。
2 工場、企業、農場、兵営、学校、商店、その他集団生活を営むところでは、その集団の全体もしくは一部が本会への加入を望む場合、共同で加入でき、希望すれば分会を組織することもできる。
3 ある大衆団体が本会への加入を望む場合は、全員が入会することができる。
  団体の入会は、本会の当該上級機関の審議と承認を得なければならない。
4 本会の趣旨と政治的主張に賛同する者は、なんぴとも本会に加入できるのみならず、本会の下部組織を設けることもできる。


  第4章 本会の組織方法とその部署および組織体系


 第5条 本会の下部組織
1 工場、企業、農場、兵営、学校、商店、集団部落など、3人以上の会員のいるところでは分会を組織し、分会を本会の末端基本組織とする。分会はまた貧民、失業者、さまざまな小商人、その他の大衆が散在する市街地、農村など一定の地域を単位として組織する。
2 会員3人以上14人までの分会では分会長を1人選出し、15人以上30人以下の分会では委員3人を選出して分会委員会を組織し、そのなかから分会長を選出する。
 30人以上の分会は、人数の多少によって5人または7人あるいは9人の委員を置き、そのなかから一人を選出して分会長に任ずる。
3 人数の多い分会は、分会の下に班会を組織することができる。工場の各部門、学校の各学年および寄宿舎、軍隊の分隊、世帯ごとに、すなわち生活上の便宜と工作上の必要に応じて班会を組織することができる。
4 本会の下部組織の名称は、地域と住民構成上の特性に応じてさまざまな形式を取ることができる。


 第6条 本会の組織体系と最高指導機関
1 分会の上に支会を置き、支会が3つ以上あるところには区会を組織する。
2 区会が3つ以上あるところには、市・県(郡)会を組織する。
3 3つ以上の市・県(郡)会があるところには、省(道)会を組織する。
4 本会の最高指導機関は代表者会議であり、そこで選出された委員で執行委員会を組織し、本会の活動全般を常時指導する。


 第7条 本会各級委員会の組織方法
1 各級委員会の組織は必ず民主的方式を取る。分会委員会は各班代表の会議または分会員総会にて、支会委員会は各分会代表の会議、区会委員会は各支会代表の会議、市・県(郡)会委員会は各区会代表の会議にて選挙により組織する。
2 各級委員会の人数は実際の状況に応じて決定する。
3 本会は、指導機関を各級委員会とし、委員会の責任者を会長とする。


 第8条 本会各級委員会の部署
・組織部
・宣伝部
・総務部
・武装部
・経済部
・裁判部
・青年部
・婦女部
 各級委員会の部署はその実情に即して置くことができる


  第5章 会員の義務と権利


 第9条 会員の義務
1 本会の会員は毎月、本会の定期会議とその他各種の会議に参加し、組織が与える任務を進んで受け、本会のすべての決議と指示を実行する。
2 本会の会員は毎月、本会の活動費に当てる会費を自発的に納付する。
3 本会の会員は、本会の趣旨、10大綱領、規約などすべての政治的主張を日常的に宣伝し、本会への加入を望む者を紹介、推薦する義務を有する。


 第10条 会員の権利
1 すべての会員は選挙権と被選挙権を有する。
2 すべての会員は本会の活動について建議、批判することができ、政治工作と大衆教育、各種の闘争について有益な指導を求める権利を有する。
3 すべての会員は分会を組織する権利を有する。


  第6章 本会の秘密


 第11条 本会は、日本帝国主義とその走狗機関の奴隷支配を一掃するため、組織と会員を極力保護しなければならない。
 本会の会員は、組織の一切の活動上の秘密を厳守し、敵の破壊行為から組織を保護しなければならない。
 第12条 本会は、本会の政治的主張を広範に宣伝して同胞に浸透させつつも、組織の秘密が漏洩せぬようにしなければならない。


  第7章 本会の規律と処罰


 第13条 本会の会員は、課された工作任務をあくまでも自力で自覚的に遂行すべきであり、決して命令または強制的方法でおこなってはならない。
 会員に対する統制は、反日独立運動に関する政治的態度の問題を基本としておこない、会員の私生活に干渉してはならない。


 第14条 日本帝国主義およびその手先と内通して本会の組織を害する者については、その所属分会の会員総会で取り上げ、上級組織の検討を経て本会から放逐し、その事実を会員と大衆に報告しなければならない。


  付則 特殊会員


 第1条 日本帝国主義およびその走狗機関に勤務しながら、日本帝国主義の民族的差別と抑圧による亡国の民の境涯を呪いつつ、本会の趣旨と規約に賛同し、本会の活動に参与することを望む者は、市・県(郡)または区会委員会の承認を経て特殊会員になり得る。


 第2条 特殊会員の組織方法
1 特殊会員が3人以上いるところでは、分会に属さない独立した特殊分会を組織する。
2 特殊会員が環境上の関係により自己の地位を離脱しえない場合には、本会が暫定的にその地位を保障する。


 第3条 特殊会員の任務
1 特殊会員は、敵が本会を害せんと策動する情報をはじめ、敵情を日常的に内偵し、組織に報告しなければならない。
2 特殊会員は、あらゆる方法と手段を尽くして、逮捕された本会の会員および幹部を救出しなければならない。
3 特殊会員は、本会の活動を阻害するために下達される敵の命令、指示が実行されぬようあらゆる方策を講じなければならない。
4 特殊会員は、定期的に特別会費を本会に納付しなければならない。


 本会の各級組織は、本規約を義務的に実行しなければならない。万一、本規約に欠点が認められる場合は、分会を通じて本会に建議し、本会の代表者大会で改正する。



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