金 日 成

反日民族解放闘争を強化発展させるための共産主義者の任務
南湖頭で開かれた朝鮮人民革命軍軍事・政治幹部会議でおこなった報告
−1936年2月27日−


 みなさん!

 こんにち内外の情勢は、強盗日本帝国主義を打倒し、祖国の解放と独立のために戦う朝鮮人民に有利に発展しています。

 国際舞台では、現在ファッショ勢力と反ファッショ勢力間にするどい闘争がくりひろげられており、この戦いのなかで国際ファシズムは世界の人民からしだいに孤立し、ソ連を先頭とする反ファッショ民主勢力が日増しに強化されています。

 特に、昨年モスクワで開かれたコミンテルン第7回大会以後、世界の多くの国ぐにで反ファッショ人民戦線運動が強力に展開された結果、ファシストはさらに大きな打撃を受けています。

 日本帝国主義者も、アジアおよび世界の人民からますます孤立しつつあります。

 現在、日本帝国主義は、全アジアを制覇する野望をいだいて中国関内に侵略の魔手をのばしています。これは、アジアおよび全世界の自由を愛する人民の抗議と糾弾の声を高めさせています。

 特に、日本帝国主義は大陸侵略戦争を準備しつつ、朝中人民にたいするファッショ的暴圧と略奪をかつてなく強化しています。そのために、日本帝国主義侵略者にたいする各階層の朝中人民の憎しみは極度に激化し、それにともない朝中人民の反日抗戦は広い範囲で力強く戦われています。これによって、日本帝国主義は、ますます窮地に追い込まれています。

 こうした有利な情勢のもとで、朝鮮共産主義者に提起される重要な課題は、朝鮮人民の革命勢力を強化し、すべての力を動員して反日民族解放闘争をさらに発展させることであります。

 朝鮮革命の主人は、ほかならぬ朝鮮共産主義者であります。こんにち朝鮮人民の反日民族解放闘争を強化できるかどうかは、全的に我々にかかっています。

 我々は、朝鮮革命にたいする自己の責任を深く認識し、朝鮮革命に専心努力して反日民族解放闘争をいっそう高い段階へと発展させなければなりません。


 1 朝鮮人民革命軍主力部隊を国境地帯に進出させ、闘争舞台を漸次国内に拡大することについて

 現段階において、我が国の反日民族解放闘争をいちだんと高揚させるためには、朝鮮人民革命軍主力部隊を国境地帯に進出させ、その闘争舞台を漸次国内に拡大していくべきであります。

 我々は闘争舞台を国境地帯と国内に移すことによって、日本帝国主義の悪逆な植民地支配のもとで呻吟する朝鮮人民に祖国解放の希望と革命勝利の信念を与え、国内の人民のさまざまな大衆的反日闘争にたいする指導をいっそう能動的におこなうことができます。

 こんにち、我々が国境地帯と国内に進出するのは、朝鮮革命にたいする自己の任務を立派に遂行することにその目的があります。

 各国の共産主義者はまず第1に、自国の革命を遂行しなければなりません。自国の革命に忠実でない者は、世界革命に忠実でありえず、真の国際主義者になることもできません。

 かつて、朝鮮共産主義者は、真の愛国者として祖国解放のために武器をとり、血みどろの戦いをくりひろげ同時にプロレタリア国際主義者として世界革命のために積極的に戦ってきました。これからも朝鮮共産主義者は、朝鮮革命に力を注ぎ朝鮮革命を最後まで責任をもって遂行しなければならず、これを通じて中国革命を支援し、世界革命に寄与すべきであります。

 これは、我々の一貫した原則であります。

 我々は抗日武装闘争の初期から、国内人民との緊密な連係のもとに反日民族解放闘争を発展させるために積極的に努力し、朝鮮人民の革命勢力をみずからの手でたゆみなく成長させてきました。我々はまた、朝鮮共産主義者に与えられたこの当然の権利を蹂躙しようとする、排外主義者および分派分子との妥協のない闘争を展開しました。

 かつて排外主義者と分派分子は、反「民生団」闘争を極左的に展開し、共産主義者と敵の謀略分子を混同して多くの愛国者を迫害することによって朝鮮革命の発展に甚大な損失をもたらし、反日大衆を少なからず革命から離脱させ、朝中人民間の団結を大きくそこないました。

 我々は大荒崴会議と腰営口会議において、朝鮮革命の旗を高くかかげ、排外主義者と分派分子の非マルクス主義的、極左冒険主義的な立場と見解に反対してあくまでたたかうことによって、朝鮮革命を危機から救うことができました。

 このたびコミンテルンにおいても、反「民生団」闘争の極左的・排外主義的誤謬を批判して、我々の立場と主張を全面的に支持しました。またコミンテルンでは、我々が提起した一連の路線上の問題、すなわち朝鮮人はまず第一に朝鮮革命のためにたたかうべきであること、朝鮮人民革命軍は鴨緑(アムノク)江、豆満(トゥマン)江沿岸に進出すべきであることなどの問題についても全面的な賛同を示しました。

 私は、こんにち、この機会を通じてみなさんに朝鮮共産主義者が朝鮮革命に専心努力するのは、我々に与えられた当然の権利であり、崇高な義務であることを繰り返し強調するものであります。

 こんにち我々には、国境地帯と国内に進出して軍事・政治活動を積極的に展開できる力があります。我々には過去数年間の困難な闘争で鍛えられた政治的、思想的にかたく結束した共産主義隊列があり、勇敢無比の革命武力があります。

 いま国内の人民は、強盗日本帝国主義の前代未聞の野蛮な弾圧と迫害のもとで、我々を希望の燈台としてあおぎ、闘争の道に導くことを我々に期待しています。

 したがって、我々はできるだけ早い時期に国境地帯と国内に進出して武装闘争を積極的に展開することにより、敵に軍事的、政治的に打撃を与え、同時に広範な人民大衆のあいだで政治活動を積極的に展開し、かれらを反日闘争へと立ち上がらせなければなりません。

 我々が今後、国境地帯と国内に進出して反日闘争を展開するためには、国境沿岸に根拠地がなければなりません。そのため我々は、白頭(ペクトウ)山を中心とする国境一帯に新たな遊撃根拠地を創設する計画であります。すなわち、白頭山の大森林地帯に朝鮮人民革命が依拠して活動することのできる密営地の網をはりめぐらし、その周辺地域の人民を組織化して半遊撃区形態の遊撃根拠地をきずきあげようというのです。このような遊撃根拠地は、敵の目につかない弾力性のある革命の堡塁となるでありましよう。

 白頭山を中心とする国境一帯は、新たな遊撃根拠地を創設するうえで有利な条件を備えています。

 この地帯は、日本帝国主義の植民地支配の略奪政策のために故郷を後に生きる道を求めて流れてきた貧しい朝鮮の農民や亡命してきた愛国者、かつて独立運動に加わった人びとなどが多く住んでおり、住民の反日感情が極めて強い地域です。

 この地帯の自然地理的条件もまた、遊撃根拠地の創設にとって有利であります。白頭山を中心として、その周辺に広がる太古の大原始林地帯は、文字どおり天然の要塞をなしているのです。そればかりでなく、この地帯は白茂(ペンム)高原、蓋馬(ケマ)高原、狼林(ランリム)山脈へとつらなっているため、今後根拠地を拡大して武装闘争を国内に拡大するうえでも極めて有利でしょう。

 我々は一日も早く鴨緑江、豆満江国境沿岸に新たな遊撃根拠地を創設するために、積極的に戦わなければなりません。

 我々が国境一帯と国内に進出して朝鮮革命を発展させるためには、なによりもまず武装闘争を積極的に展開すべきであります。

 抗日武装闘争は朝鮮の反日民族解放闘争の主流をなしているだけに、武装闘争を活発に展開すれば、その影響のもとにさまざまな大衆的な反日闘争を成功裏に発展させ、全般的な朝鮮革命の高揚をもたらすことができます。現在、日本帝国主義の植民地虐政下で祖国解放の希望さえ失って生きる国内の人民に、革命勝利の信念と勇気を与えるためには、武装闘争を積極的に展開して朝鮮人民革命軍の威容を示すことが極めて重要であります。

 将来、国内に進出して武装闘争を展開するために、現在、我々に提起されている当面の重要課題の一つは、武装隊列を拡大することであります。

 我々には、抗日武装隊列を拡大することのできる条件がととのっています。我々は、困難な武装闘争の烈火のなかで育成された有能な軍事指揮幹部と政治活動家、豊富な戦闘経験をつんだ老練な戦士を数多く擁しています。かれらはそのすべてが小隊もしくは中隊、連隊ないしは師団を独自に指揮し統率することのできる洗練された中核分子たちです。

 我々にはまた、武装隊列の多くの後続部隊があります。こんにち、国内の多くの労働者、農民、青年と進歩的な学生たちが、抗日武装闘争の影響によって民族的、階級的にめざめつつあり、日本帝国主義に反対して武器をとることを望んでいます。

 こうした条件のもとで、我々が内外の進歩的青年学生にたいする活動を積極的に展開するならば、抗日武装隊列を急速に拡大していくことができるでありましょう。

 抗日武装隊列を拡大するうえで、我々に提起される第一の課題は、朝鮮人民革命軍の主力部隊を強化することであります。

 主力部隊を強化することによって、これまでと同様に、この部隊で優秀な軍事・政治幹部をひきつづき多く育成して、他の部隊に派遣し、抗日武装隊列を全般的に強化することができます。

 我々はできるだけ早い時期に、満州東南部一帯の朝鮮青年と国内のすぐれた青年たちを入隊させて新しい師団を編制し、その政治的・軍事的威力を強化するために積極的に努力すべきであります。

 朝鮮人民革命軍の各部隊、特に新たに編制される各部隊は、隊員をマルクス・レーニン主義と朝鮮革命の路線および戦略・戦術で武装させる集中的軍事・政治学習と、さまざまな形態の政治・思想教育活動を強化しなければなりません。そのためには、各部隊内の政治活動体系をさらに完備し、新たに編成される各部隊に有能な政治幹部を配置すべきであります。また部隊内で革命的な学習気風をうちたてて、指揮幹部と兵士たち自身が政治理論水準を高めるためにたゆまず努力するようにすべきであります。

 我々は、朝鮮人民革命軍部隊が国境地帯に進出するからといって、中国人民の抗日武装部隊との共同闘争を弱めてはなりません。

 これまで朝鮮共産主義者は、中国共産主義者と力を合わせて反日武装闘争を共同で展開してきました。しかし、このたびコミンテルンでは、満州で活動する朝中抗日武装部隊を、朝鮮人部隊と中国人部隊に分けて編成し、活動することが望ましいという意見を提起してきました。

 もちろん、今後情勢が成熟するに従って、朝鮮人民革命軍は別個に活動しなければならないでしょう。しかし、現在の状況ではそうすることはできません。

 周知のとおり、現在、満州一帯で活動している朝中抗日武装部隊内において主力をなすのは、朝鮮人民革命軍の諸部隊です。そればかりでなく、中国人部隊内においても、少なからぬ朝鮮共産主義者が政治・軍事幹部として中核的役割を果たしています。こうした状況のもとで、朝中抗日武装部隊を朝鮮人部隊と中国人部隊に分けて編成するならば、兄弟的中国人民の抗日武装勢力を弱めることになり、結局は朝中人民の抗日武装闘争の発展に損失をもたらすことになるでしょう。

 我々は偏狭な民族本位の立場を捨て、共産主義者の広い度量をもって、この問題を解決すべきであります。我々は、朝鮮革命のみならず世界革命のためにたたかうプロレタリア国際主義者です。朝鮮革命に主力を注ぐからといって兄弟的中国人民の武装勢力を弱めるべきではありません。

 さらに、我々の闘争の環境と条件からみても、いますぐ部隊を分離することはできません。我々が今後、国内で武装闘争を展開できる強固な基盤をきずくまでは、ひきつづき満州東南部の大山林地帯の有利な地形を利用して、軍事・政治活動を展開すべきであります。このような条件のもとでは、朝鮮人部隊と中国人部隊を別に編制して、それぞれ独自に活動すべきではなく、抗日連合軍という名で反日武装闘争を共同で展開すべきであります。そうすれば広範な朝中人民の支援を受けることができます。

 我々は抗日連合軍の名で、抗日武装闘争を中国共産主義者と共同で展開することによって、朝中人民の反日革命闘争を積極的に発展させていかなければなりません。

 我々は、朝鮮人民革命軍部隊を強化して国境地帯に進出させると同時に、新たに編制される抗日連合軍内の中国人各部隊にすぐれた政治・軍事幹部を派遣して、中国人部隊の戦闘力を高めるよう積極的に援助すべきであります。こうして、朝鮮人民革命軍が国境地帯と国内に進出した以後も、満州東南部一帯において武装闘争をひきつづき高揚させるようにすべきであります。


 2 反日民族統一戦線運動をさらに発展させることについて

 朝鮮人民の反目民族解放闘争の新たな高揚のために、我々は反日民族統一戦線運動をさらに発展させなければなりません。

 反日民族統一戦線運動を発展させることによって、各階層の反日愛国勢力を抗日の旗のもとに幅広く結集して、朝鮮人民の革命勢力をさらに強化することができるのです。したがって、この運動を全国的範囲で強力におし進め、朝鮮人自身の力で祖国の解放と独立を達成すべきであります。

 現在我が国における反日民族統一戦線運動を強化することは、国際情勢の要請に照らしてみても正当なものであります。

 こんにち、世界的に最も大きな危険となっているのは、ファシズムの台頭であります。ファシストは流血的独裁と侵略戦争をもって、自国の人民のみならず全人類を奴隷化し、全世界をファッショ化しようとしています。

 こうした情勢に対処して、昨年モスクワで開かれたコミンテルン第7回大会は、ディミトロフの報告にもとづいて、世界各国の勤労人民と広範な民主勢力が団結して国際ファシズムに反撃を加えることが切実に必要であると認め、各国の共産党に反ファッショ人民戦線を結成することを呼びかけました。こうして、こんにち、資本主義諸国の共産党には反ファッショ人民戦線運動を展開すべき課題が提起され、植民地および半植民地国の共産党と共産主義者には反帝民族統一戦線運動を展開すべき課題が提起されています。

 中国共産党は、北上抗日と中国人民の反日統一戦線を呼びかけています。このような情勢は、我が国の革命運動においても統一戦線の幅をさらに広げることを求めています。

 こんにち我が国では、反日民族統一戦線運動を発展させることのできる条件がいつにもまして十分にととのっています。

 日本帝国主義のかつてないファッショ的暴圧と植民地的略奪のために、現在、朝鮮の労働者、農民をはじめ、各階層の人民大衆の状態はさらに困難となり、反日感情が極限に達しています。

 労働者、農民は、日本帝国主義者とその手先である地主、資本家によって二重、三重に抑圧、搾取されており、蔑視と虐待、無権利と貧窮のなかで奴隷生活を強いられています。良心的な知識人、文化人も日本帝国主義の民族的蔑視と差別待遇を受けており、かれらの民族文化抹殺政策と同化政策のために職場さえ失っています。民族資本家と中小商工業者は、日本独占資本と買弁資本のために破産、没落しており、特に都市小市民は過酷な雑税をはじめ、過重な負担と植民地的収奪のために、生計の維持さえ困難になっています。こうしてこんにち、朝鮮の労働者、農民はもちろん、良心的なすべての人びとが国を奪われた民族の境遇を痛嘆し、祖国の解放と独立を心から願っています。

 このことは、朝鮮における反日民族統一戦線運動のいっそうの発展を可能にする諸条件が成熟していることを示しています。

 我々は過去数年間、反日民族統一戦線運動を展開する過程で貴重な経験をつみかさね、今後この運動をさらに発展させることのできる指導的中核も育成されました。

 我々はこれらすべての条件と可能性を正しく生かして、現情勢の要請に即して反日民族統一戦線運動をいっそう発展させるべきであります。

 反日民族統一戦線運動を新たな段階へと発展させるためには、常設的な統一戦線組織体をつくらなければなりません。

 我々は、現在まで各階層の反日大衆を階級別、階層別に、大衆団体と反帝同盟のような統一戦線的大衆組織に参加させて活動を進めてきました。その結果、反日民族統一戦線運動においては分散的傾向を克服することができませんでした。階級別、階層別の大衆団体と各階層の反日愛国人士をすべて結集することのできる、包括的で全一的な反日民族統一戦線組織体をつくることによってのみ、この運動の統一的な発展を保障することができます。

 特に、我が国にまだマルクス・レーニン主義党が存在しないという条件のもとでは、整然とした組織体系をもつ反日民族統一戦線組織がなければ、統一戦線活動にたいする共産主義者の指導を円滑に保障することができません。

 新たに組織すべき反日民族紘一戦線組織体は、親日派地主、買弁資本家、民族反逆者など、ごく少数の反動分子を除外して、全民族を祖国解放の戦線に動員する大衆的な革命組織とならなければなりません。

 したがって、反日民族統一戦線組織体の名称は、各階層人民の共通の念願を反映した「祖国光復会」あるいは「民族解放同盟」といったものにすべきであります。そうすれば、かつて独立運動に加わった民族主義者、愛国的宗教家、良心的な民族資本家をはじめ、各階層の広範な愛国人士も、統一戦線組織の趣旨を正しく理解し、広く組織に参加するようになるでしょう。

 我々は統一戦線組織の綱領を正しくつくらなければなりません。この綱領には、日本帝国主義の植民地支配をくつがえして真の人民政府を樹立する問題、土地革命の問題、各階層の人民に民主的諸権利と自由を保障する問題など、反帝反封建民主主義革命の段階において解決すべき基本的課題が必ず含まれるべきです。

 反日民族統一戦線運動を成功裏に発展させるためには、この事業を抗日武装闘争との緊密な連係のもとに展開しなければなりません。そうすることによって、武装闘争の影響下に組織を急速に拡大し、統一戦線運動を強固な土台のうえで発展させることができるのです。

 反日民族統一戦線運動を発展させるうえで、こんにち我々に提起されているいま一つの重要な課題は、情勢の要請に即応して、共青をより大衆的な青年組織に改組することであります。

 各階層のすべての青年を反日祖国解放の戦線に総動員することを求めている現情勢に照らしてみるとき、共産主義を信奉する前衛的青年のみを加盟させる共青は、一定の制約をまぬがれることができません。したがって我々は、このたび共青を発展的に解散し、広範な各階層の愛国青年を結集する、青年の大衆的革命組織としての朝鮮反日青年同盟を組織するつもりです。

 我々は各階層の青年の要求と希望を正しく反映した行動綱領を提示し、この綱領の旗のもとに労働青年、農村青年、青年学生、青年知識人、青年宗教家など、政見と信仰、貧富の差に関係なく祖国と民族を愛するすべての青年を結集すべきであります。


 3 マルクス・レーニン主義党創立の準備活動を積極的に進めることについて

 こんにち朝鮮共産主義者に提起されている重要な課題の一つは、マルクス・レーニン主義党創立の準備活動を積極的に進めることであります。

 我が国においてマルクス・レーニン主義党創立の準備活動は以前から進められており、この活動で一定の成果を達成しました。しかし、党創立の組織的・思想的準備はまだ不十分であり、特に、これまでの活動は国内で活発におこなわれませんでした。我々は党創立の準備活動を全国的な範囲で力強く進め、情勢が熟せばいつでも党を創立できるように、党創立の組織的・思想的基盤をきずきあげなければなりません。

 党創立の準備活動を積極的に進めることは、当面、朝鮮人民の革命勢力を広く結集して、我が国の反日民族解放闘争を新たに高揚させるためにも切実に必要であります。党創立の準備活動を積極的に進め、朝鮮革命の指導的中核である共産主義隊列を組織的、思想的にしっかりときずきあげれば、各階層の反日愛国勢力を祖国解放の旗のもとに結集することができます。

 党創立の準備活動で重要なのは、党組織をたえず拡大し、党組織にたいする指導体系を確立することです。我々は朝鮮人民革命軍部隊と各地の朝鮮人居住地で、党組織の建設活動を積極的に推進すべきであります。特に国内では、分散している共産主義者を結集すると同時に、闘争のなかで鍛えられた先進分子を積極的に入党させて、党組織をたえず拡大しなければなりません。

 現在、党組織の建設活動では、下から上へと組織する方針をひきつづき貫かなければなりません。そうすれば、闘争のなかで鍛えられたすぐれた労働者、農民出身の先進分子をもって党組織をかため、大衆的基盤の強固な革命的で戦闘的な党を創立することができるのです。

 党組織の拡大とあわせて、党組織の指導体系を整備しなければなりません。今後、朝鮮人民革命軍の党委員会から地方の党組織にいたるまで、統一的な組織体系をうちたて、すべての党組織が同一の歩調で活動するようにすべきであります。

 党創立の準備活動における重要な問題の一つは、党創立の組織的根幹をしっかりとととのえることです。

 1925年に創立された朝鮮共産党の重大な弱点の一つは、党が主として小ブルジョア・インテリで構成され、党の組織的根幹がつくられていなかったことです。当時、共産主義運動家は党の基礎組織もなく、大衆の中に根をおろしていない上層部のみを形成し、いくつもの中央組織をつくりました。そのために、党内に発生したセクト主義とさまざまな日和見主義をそのつど克服することができず、結局、党が分派分子の玩弄物になってしまったのでした。

 我々は、このような苦い教訓を生かして、労働者、貧農、雇農のあいだで党勢拡大を積極的に進め、党創立の組織的根幹を階級的にしっかりときずきあげ、各地方の革命組織内にまず党の基礎組織をつくらなければなりません。

 朝鮮人民革命軍内では、多年の共青生活を通じて組織的に鍛練された共青員をすべて入党させるべきです。これと同時に、青年団体をはじめ、各地方の反日大衆団体のメンバーの中から、階級的立場が強固で政治的に鍛練きれた労働者と貧農、雇農、進歩的青年学生、知識人を積極的に党組織に吸収すべきであります。

 党創立の準備活動で重要なのは、革命隊列の思想的純潔を徹底的に保障することです。

 こんにち我々の隊列内では、セクト主義、左右の日和見主義が基本的に一掃されました。しかし、我々は、決してこれに満足することはできません。まだ我々共産主義者のなかには、革命的世界観が確立しておらず、革命闘争において困難を克服することのできない軟弱な人がいます。一方、敵は革命隊列を内部から切り崩そうとさまざまな謀略・破壊策動をつづけています。このような条件のもとで、各自は政治的・思想的水準を高めるためにたゆみなく努力すべきであります。

 我々はすべての共産主義者と革命組織の構成員たちを、マルクス・レーニン主義と朝鮮革命の路線および戦略・戦術で武装させ、革命隊列の思想および行動の統一を保障しなければなりません。

 これと同時に共産主義隊列内において、いかなるセクト主義のあらわれも、些細な派閥行為をも許さない、鉄の組織規律を確立しなければなりません。

 我々はまた、党創立の大衆的基盤をきずくたたかいをいっそう強力に展開すべきであります。党創立の大衆的基盤をきずくためには、なによりもまず各階層の人民大衆を反日の旗のもとに広く結集しなければなりません。したがって我々は、この活動を反日民族統一戦線運動との不可分の関連のなかで積極的に進めるべきであります。

 みなさん!

 強盗日本帝国主義を打倒し、祖国の解放と独立を達成するこの正当な課題を遂行できるか否かは、全的に我々共産主義者にかかっています。

 朝鮮共産主義者が自国人民の力を信じ、かれらにしっかりと依拠して、全朝鮮人民を反日祖国解放の戦線に動員するならば、日本帝国主義侵略者を祖国の領土から駆逐し、革命の最後の勝利を達成することができるでありましょう。

 朝鮮革命は依然として困難にみちています。朝鮮革命の前途には、数多くの難関と障害が立ちはだかるでありましょう。

 しかし、朝鮮の共産主義者はこれまでと同様、いかなる逆境にあっても革命の勝利を確信し、動揺することなく不屈のたたかいをくりひろげ、歴史と人民の前に担った祖国解放の正義の課題を輝かしく達成するでありましょう。

 朝鮮革命は必勝不敗です。

 祖国は必ず解放されるでありましょう。

出典:「金日成著作集」1巻


ページのトップ


inserted by FC2 system