金 日 成

児童団員を革命の後続部隊にしっかり育てよう 
汪清県小北溝での児童団各責任者への談話 
1933617

 私は児童団の責任者たちに会ったこの機会に、児童団の活動に関するいくつかの問題について述べようと思います。

 我々は、強盗・日本帝国主義を打倒して朝鮮の解放と独立を達成し、解放された祖国に搾取と抑圧がなく、誰もが幸せに暮らせる社会主義・共産主義社会を建設するために闘っています。この遠大な目的は一日や二日で達成できるものではなく、代を継いで革命闘争を続けてこそ実現されるものです。

 我々が代を継いで革命闘争を続けるうえで、革命の後続部隊を立派に準備することは極めて重要な意義をもちます。革命の後続部隊を準備することは、革命の明日の運命にかかわる重要な問題です。それゆえ、我々は、困難な状況のもとで革命闘争をおこなっていても、常に、革命の後続部隊を育てることに相応の関心を払わなければなりません。

 遊撃区には、敵のために父母と家を失った子どもが少なくありません。彼らは、我々とともに日本帝国主義と闘って倒れた革命同志の息子、娘たちです。彼らの父母は、革命に自身と子弟の運命をすべて託して革命闘争に参加し、革命の勝利のために命をささげて闘いました。多くの革命同志が、最期の瞬間に、子弟を立派に育ててほしいと頼んで世を去りました。

 我々は、革命の明日の運命のためばかりでなく、同志間の道義を守るためにも当然、犠牲になった同志たちの遺児であり革命の蕾である大事なこの子どもたちを責任をもって見守り、朝鮮革命の後続部隊にしっかり育てなければなりません。

 児童団員を革命の後続部隊にしっかり育てることは、いささかもおろそかにすることのできない問題であり、我々革命家の当然の本分です。

 革命の後続部隊をしっかり育てるうえで、児童団の活動を強化することは極めて重要な意義をもっています。

 ところが、一部の人のあいだには、児童団の活動に無関心であったり、この活動を軽視する傾向があるかと思うと、児童団の活動を負担に思う傾向も見られます。甚だしくは、極左的な傾向をもっている一部の偏狭な人のなかに、現状下では児童団の活動は無謀だと言う人まであらわれています。これは一身の安逸のみを追求し、革命の勝利が短期間内に達成されるかのように考える近視眼的な態度の表現です。活動家が、このような誤った観点と態度から抜け出していないため、児童団の指導体系や児童団員に対する教育対策一つまともに立てられていません。いま、児童団員の思想教育はおろか組織生活も満足になされておらず、彼らの衣服と履物、寝室の条件と衛生状態はひどいものです。

 もし、我々がこのような状態を一日も早く克服、是正しないなら、犠牲になった革命同志に対する道義に反するばかりか、児童団員を革命の頼もしい後続部隊に育てることができず、したがって、朝鮮革命の展望を保証することもできなくなるでしょう。

 我々は、児童団活動の意義と重要性を肝に銘じ、あらわれた欠点を一日も早く克服し、児童団の活動を盛り立てるため積極的に努力しなければなりません。

 児童団の活動を活発にするためには、児童団の活動に対する理解と観点を正さなければなりません。

 もちろん、困難な革命闘争の炎のなかで子どもまで引き受けて育てるというのは決して容易なことではありません。周知のとおり、革命闘争の厳しい状況のもとで、子どもまで引き受けて育てたということは、いまだかつてどの国の革命闘争の歴史にもありませんでした。しかし、革命の現在ばかりでなく、将来の展望まではっきり見通すことのできる真の革命家、愛国者なら当然、この活動に深い関心を払うべきです。

 児童団は、子どもを朝鮮革命に限りなく忠実な真の革命家に育てる、少年の反日的、共産主義的な政治組織です。

 我々は、日本帝国主義侵略者を打倒して朝鮮の解放と独立を達成し、解放された祖国にやがて社会主義・共産主義社会を建設し、ひいては全世界に共産主義を実現するという革命の目的から、児童団に「全世界のプロレタリアートの解放のために常に、準備しよう!」というスローガンを提示しました。このスローガンを高く掲げて児童団員を革命の頼もしい後続部隊に育てることが児童団組織の基本的使命です。

 すべての児童団組織は、この基本的使命に即して、児童団員を革命の後続部隊に育てる活動をさらに強化しなければなりません。

 では、児童団員を革命の頼もしい後続部隊にしっかり育てるために児童団組織が遂行すべき当面の課題は何でしょうか。

 何よりもまず、児童団員に対する思想教育を強化しなければなりません。

 児童団員に対する思想教育において重要なのは、日本帝国主義は滅亡し、朝鮮革命は必ず勝利するという信念を植えつけることです。

 革命事業は、困難かつ複雑を極めています。日本帝国主義を追い出して国の独立を達成するためには、多くの難関と試練を克服しなければなりません。難関に突きあたったとき、信念と勇気を失って悲観し、憂うつになる人は革命家になれません。遊撃隊員がいかなる難関や試練に直面しても悲観することなく勇敢に闘うのは、彼らが朝鮮革命は必ず勝利するということを固く信じているからです。我々は、児童団員にも日本帝国主義の滅亡の不可避性と朝鮮革命の勝利の必然性をわかりやすく正確に教える必要があります。

 これとともに、日本帝国主義侵略者と地主、資本家に対する憎悪心を児童団員に植えつけなければなりません。そのためには、日本帝国主義と地主、資本家の搾取的本性と悪辣さを明確に教えなければなりません。特に、日本帝国主義者と地主、資本家の搾取と抑圧のもとで朝鮮人民がなめている不幸と苦しみについて教え、児童団員の父母が住みなれた故郷の山河を離れ、なじみのない異国に来て亡国の民の悲惨な生活を強いられている原因と、朝鮮の子どもが学びの道を失って苦しんでいる現実を生々しい事実をもって十分に認識させるべきです。こうして、児童団員に日本帝国主義侵略者と地主、資本家を憎悪し、彼らと最後まで闘う覚悟をもたせるべきです。

 児童団員を幼いころから組織と集団を愛する精神で教育することが大切です。

 幼いころから組織と集団を愛し、友達を愛する人であってこそ、祖国と人民のためにすべてをささげて闘う立派な共産主義的革命家に育つことができるのです。児童団組織は、常に、友だちをいたわり、友だちの苦しみを自分の苦しみとし、組織と集団のためならみずからを犠牲にすることもできる精神で児童団員を教育すべきです。こうして、すべての児童団員が固く団結して助け導き合い、規律と秩序を自覚的に守るようにすべきです。

 児童団員に対する道徳教育に力を入れて、遊撃隊と人民を尊敬し、礼儀正しく行動するようにさせなければなりません。

 児童団組織は、児童団員に対する思想教育を強化すると同時に、朝鮮の言葉と文字、朝鮮の歴史と地理をはじめ、児童団学校で教える課目の内容を正確に把握するよう、学習指導を正しくおこない、所与の条件と可能性を最大限に利用して児童団員の情緒と体質に適したさまざまな体育活動をおこなうべきです。

 次に、児童団員を革命的実践を通じて鍛えなければなりません。

 児童団員を革命的実践活動に積極的に参加させてこそ、彼らに革命勝利の信念を抱かせ、不抜の革命性とすばらしい知恵を培うことができるのです。そして、幼いころから闘いのなかで鍛えられ、実際に革命活動に寄与しながら早く革命家に成長することができるのです。

 児童団員を実践のなかで鍛えるうえで重要なのは、遊撃隊を助ける活動を活発におこなわせることです。

 経験は、児童団員を発奮させれば多くの問題を解決できるということを示しています。

 先の小汪清遊撃区の防御戦闘のときにも、児童団員は高地で闘う遊撃隊員に熱いお湯を供給し、革命歌謡を歌って遊撃隊員の戦闘士気を高め、敵の「討伐隊」を先に発見して人民を無事に退避させました。いま、さまざまな方法で偽装して遊撃区に潜り込んでくる敵のスパイも、幼い児童団員によって少なからず摘発、暴露されています。

 これらの事実は、児童団員に遊撃隊を支援させることがいかに重要であるかをよく物語っています。

 児童団組織は、児童団員が遊撃隊を助けて遊撃区の村の警備や通信連絡、敵中での偵察やビラの配布、そして、敵のスパイや手先との闘争にも参加するようにさせなければなりません。

 児童団組織は、児童団員を動員して児童団学校や遊撃区の村を立派に整備させるべきです。

 遊撃区人民の農作業を助けることは、児童団員を実践のなかで鍛える立派な方法の一つです。児童団員に労働を愛せよと口で言うだけではだめです。実際に農作業をしながら労働に対する正しい認識をもち、働きがいを感じるようにすることが大切です。児童団組織は、農繁期に遊撃区人民の忙しい農作業を助ける労働支援活動を手配りして、児童団員に労働をじかに体験させるべきです。

 児童団員の演芸隊活動をさらに強化すべきです。演芸隊活動は、子どもの情緒を豊かにし、彼らを革命的に鍛え、人民を政治的に目覚めさせるうえで重要な働きをします。児童団組織は、児童団員を演芸隊に積極的に参加させ、彼らが歌を歌い、踊りをおどり、楽天的に生活するようにし、豊かな情緒をもって大衆を目覚めさせる活動に参加するようにさせるべきです。

 児童団演芸隊は、歌と踊り、演劇をはじめ、多彩な演目を準備して遊撃隊と遊撃区の人民の前で公演をおこない、人民に革命歌謡も普及しなければなりません。児童団演芸隊は、中国人反日部隊にもたびたび行って公演を活発におこない、中国人反日部隊の兵士に革命意識を植えつけ、反日統一戦線の実現に積極的に寄与すべきです。

 次に、児童団の組織生活を正しく指導しなければなりません。

 児童団の組織生活を強化することは、すべての児童団員を朝鮮革命に限りなく忠実な担い手にしっかり育てるための重要な要求です。児童団は、共青の後続部隊であり、共青は党の後続部隊です。児童団生活を立派にした人は共青生活も立派にすることができ、共青生活を立派にした人は党生活も立派にすることができます。このように、幼いころから組織生活を立派にしてこそ、児童団、共青、党の「三代同盟」が強化されるのです。「三代同盟」をしっかり固めることは、我々の革命力量を強化し、反日革命闘争を成功裏に展開していくうえで極めて重要な意義をもちます。

 児童団の組織生活の指導で最も重要なのは、児童団員が組織に対する正しい認識をもって組織生活に自発的に参加するようにさせることです。児童団組織は、児童団員に組織を愛し、児童団員の義務を確実に果たすように指導すべきです。

 児童団の組織生活の指導で重要なのはまた、児童団の会議を正しく運営することです。

 児童団の会議は、児童団員を革命的に教育する共産主義の学校だと言えます。児童団の会議は、定期的に開くべきであり、十分に準備したうえで児童団員の特性に合わせて実質的におこなうべきです。児童団の会議では、児童団組織と児童団員に提起された課題を遂行する対策、児童団員の義務の遂行状況、児童団組織の決定の実行状況などを基本として討議すべきです。

 児童団の会議では、討議される問題についてすべての児童団員が意見を出せるようにし、すべての児童団員に提起された問題を正しく理解させるようにしなければなりません。

 児童団組織は、児童団の会議で討議、決定された問題を確実に実行しなければなりません。会議で決定された問題は、ともに討議し全員が賛成して決定した集団の組織的意思であるから、誰もが確実に実行すべきであり、その結果については組織に対し責任を負うべきであるということを児童団員にしっかり認識させる必要があります。このようにして、児童団員が組織の決定を無条件に実行し、組織にしっかり足を据えて生活するようにさせるべきです。この過程を通じて、児童団員に組織生活の習性を植えつけ、児童団組織の戦闘力を絶えず強めていかなければなりません。

 次に、児童団の責任者の役割を高めなければなりません。

 児童団員を革命の後続部隊にしっかり育てるには、彼らの組織生活の指導を正しくおこなわなければならず、そのためには、児童団の責任者が活動と生活で模範となり、児童団員をよく見守らなければなりません。児童団の責任者は、この3月、共青活動家会議が示した戦闘的課題をはじめ、朝鮮革命の路線と方針を深く学習して、それをすべての活動と生活の指針とし、共青の組織生活にまじめに参加すべきです。特に、児童団活動に関する共青組織の指示を確実に実行し、活動状況を常時、共青組織に報告しなければなりません。

 児童団の責任者は、児童団員を実の兄弟の気持ちで温かく見守るべきです。児童団員が食事は欠かしていないか、睡眠は十分にとっているか、病気にかかってはいないか、といったことに至るまで具体的に気を配るべきです。児童団の責任者はいつも児童団員とともに生活しているのですから、彼らに1から10まで手をとるようにして教え、諭さなければなりません。だからといって、やたらに甘やかしてはいけません。原則的な問題については譲歩してはならず、要求の度合を強めなければなりません。こうして、児童団員が革命の嵐のなかを突き抜けていく過程を通じて、共産主義的革命家にしっかり成長していくように導くべきです。

 私は、児童団の責任者が、児童団員を真の共産主義的革命家、朝鮮革命の頼もしい後続部隊にしっかり育てることによって、革命に対して担っている栄えある任務を立派に遂行するものと信じます。

出典:『金日成全集』1巻


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