『金日成主席革命活動史』

第7節 科学技術研究活動と教育事業に
新たな転換をもたらすために
 

 金日成主席は、全社会のチュチェ思想化の要求にあわせて科学技術の発展に新たな転換をもたらすようにした。

 主席は、1982年2月中旬の科学技術部門従事者協議会での演説『科学技術研究活動を我が国の実情に即して進めるために』と、1983年3月下旬の科学院の科学者たちにおこなった演説『科学研究活動に新たな転換をもたらすために』など一連の著作で、科学技術研究活動を抜本的に改善するための方向と方法を明らかにした。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「(略)科学者、技術者は、科学研究活動をいっそう力強く推し進め、国の科学技術水準を一段と高め、人民経済の速やかな発展に積極的に寄与しなければなりません」(『科学研究活動に新たな転換をもたらすために』1983年3月23日)

 主席は、主体的な立場に立って人民経済の主体化、近代化、科学化を推進し、社会主義経済建設の展望目標を達成し、人民の生活を向上させるうえで提起される科学技術上の問題を解決することを研究の基本的な方向として提示し、科学技術研究活動に対する党の指導を強化して、この活動を党の求める方向で進め、科学技術行政活動を改善し、科学者、技術者の水準と責任感を高めなければならないと指摘した。

 主席は、科学技術研究活動を推進するための積極的な措置を講じた。

 主席は、科学者、技術者の陣容をしっかりとかため、彼らの水準を速やかに高めることができるよういろいろな研究条件を十分にととのえさせるとともに、党組織が科学研究機関に対する指導を強化し、科学者、技術者の研究課題が必ず遂行されるよう後押しするようにした。また、科学技術研究活動に対する国家の投資を系統的に増やし、科学研究機関と大学に近代的な実験設備と手段を十分に提供し、必要な中間試験工場を適時に建設できるよう建設陣を補強した。そして、世界各国と科学技術交流を活発におこない、科学技術情報活動を強化して最新科学技術の成果を広く取り入れるようにした。

 主席は、社会主義経済建設において解決を要する科学技術上の問題に基本をおいて科学技術研究活動をおこなうよう導いた。

 主席は1983年4月の政務院責任幹部協議会で、金属工業を発展させるため国内の原料による製鉄・製鋼法を完成させる課題を示し、1986年11月の経済部門責任幹部への談話では、科学者、技術者は、主体的な立場に立ち、国内の原料・資源を利用して軽金属工業を発展させるうえで提起される科学技術上の問題を解決するための研究をおこなうよう強調した。

 主席は1982年9月中旬と1987年8月末、農業科学院の試験場と試作畑を見て回り、農業科学研究活動をさらに強化し、農業の工業化、近代化を推し進めて生産を新たな高い段階へと引き上げなければならないと強調した。

 主席は、1988年3月に開かれた朝鮮労働党中央委員会第6期第13回総会で、科学技術発展3か年(1988〜1990)計画を採択するようにし、電子工学と生物学、熱工学を発展させるための研究に力をそそぐべく課題を示した。そして、翌年の6月に開かれた朝鮮労働党中央委員会第6期第16回総会で、国内の燃料を活用して熱動力の問題を解決するよう強調するとともに、国内の資材でも十分製造が可能で、埋蔵量が豊富な低カロリー炭を燃料とするボイラーを数多く製造するための措置を講じた。

 科学者と技術者は、主席の教えに従って農作物の各種の新品種と生物農薬の生産方法を開発し、国内の原料にもとづく化学工業と軽工業を発展させ、浅海養殖における科学技術上の問題を立派に解決した。同時に、新型のボイラーを研究し、大型ボイラーに低カロリー炭を利用する技術が開発され、熱動力を節約し効果的に利用するうえで提起される科学技術上の問題は少なからず解決された。そして、採掘工業、金属工業、鉄道運輸など人民経済の先行部門で提起される各種価値のある科学技術上の問題も効果的に解決された。

 主席は、教育事業に新たな転換をもたらすためのたたかいを指導した。

 教育事業に新たな転換をもたらすことは、社会の全般的な技術・文化水準を高め、科学技術を速やかに発展させ、全社会のインテリ化を力強く推し進めるための重要な要求であった。

 主席は、発展する現実の要請を深く洞察し、朝鮮労働党第6回大会での報告と1988年3月の朝鮮労働党中央委員会第6期第13回総会での結語『科学・教育事業と人民保健医療事業に新たな転換をもたらすために』など一連の著作で、社会主義教育テーゼを貫徹し、教育事業に転換をもたらすための課題と方法を示した。

 主席は教育事業に新たな転換をもたらすためには、何よりもまず、教育の質を一段と高めなければならないと指摘した。

 そして、学生の間でチュチェの革命的世界観を確立し、科学技術の発展趨勢に即してその教育水準を高め、最新科学技術分野の教育を強化しなければならないと強調した。また、教員陣容をしっかりとかため、彼らの資質を高め、教育事業に対する投資を系統的に増やして教育条件を十分にととのえることについて具体的に述べた。

 主席は、全般的11年制義務教育の質を高めることに第一義的な関心を払った。

 主席は、小学校と中学校の児童・生徒の年齢と知的水準に応じて教育の内容を合理的に編成して、彼らが近代科学と技術を体得できる基礎をきずき、豊富な一般知識を身につけるようにした。また、授業を通俗的にわかりやすくし、授業内容を直観化し、さまざまの近代的な教育手段を広く利用して視聴覚教育、実物教育を強化し、実験・実習に力を入れて、学んだ内容に対する原理的な認識と応用能力を備えさせるようにした。そして、秀でた素質と才能のある児童・生徒を探し出し、系統的に育成することで、彼らが最先端科学技術を開拓していく国の頼もしい科学技術の中核に育つようにした。同時に、師範教育を強化して水準の高い教員を数多く養成し、通信教育と教員再教育・講習制度を確立して教員の科学・理論的、教育実務的水準を高めるようにした。

 主席は、第一中学校を設け、それを一般化させる過程を通じて教育事業全般に転換がもたらされるようにした。

 1985年2月下旬、平壌第1高等中学校を訪れた主席は、教育の質を高めるうえで提起される課題を示し、このような学校を増設し、これをモデルにして全般的11年制義務教育の質を高めていくべきであると強調した。

 主席は、高等教育の質を高め、有能な技術者、専門家をより多く育成するよう導いた。

 主席は、近代科学技術の発展趨勢と人民経済発展の要請に即して大学の学課指標と教育内容を改定し、教育手段をさらに近代化して教育の科学・理論水準を速やかに高めるようにした。また、有能な科学者、技術者をより立派に育成できるよう大学の養成規模を拡大し、各種の専門学校を新たに設けるようにした。

 その結果、最新技術工学を専攻する技術者、専門家の養成基地はさらに拡充され、有能な科学者、技術者がより多く養成され、20代、30代の博士が科学技術の中核として活躍するようになった。

 主席は、教育事業の急速な発展にもとづいて全社会のインテリ化を強力に推進させるよう導いた。

 主席は、実践を通してその生命力が実証された、働きながら学ぶ高等教育システムをいっそう発展させることに大きな意義を付与し、既存の工場大学をより立派に運営させる一方、工場大学を増設するようにし、これらの大学に有能な教員を配置し、大学の教育条件をととのえるためのさまざまな党および国家的措置を講じるようにした。同時に、青山農業大学、新浦水産大学など農場大学と漁場大学、テレビ放送大学などを新設し、その教育水準を高めるようにした。そして、工場大学や農場大学で勉学にいそしむ龍陽(リョンヤン)鉱山金山(クムサン)坑の労働者と安州郡祥瑞(サンソ)協同農場の青年分組員の模範を大いに広めて、勤労者の知識水準を大学修了程度にまで引き上げる活動を力強く推し進めるようにした。

 主席は、全社会のインテリ化の重要な拠点であり通信総合大学でもある人民大学習堂と全国各地の図書館を着実に運営して社会教育を強化するようにし、「全党、全人民、全軍が学習しよう!」というスローガンのもとに、全社会に革命的な学習気風を確立させて、すべての勤労者が、学習を生活化、習性化し、技術・文化水準を高めていくよう精力的に導いた。

 教育の質を一段と高め、全社会をインテリ化する活動が強力に推進されたことで、社会の全構成員の科学技術知識と文化知識水準は、全般的に高まり、技術者、専門家の養成事業も改善され、将来の高等義務教育実施に向けた準備活動は大きく進展するようになった。





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