『金日成主席革命活動史』

第6節 幹部の党性、労働者階級性、人民性の発揚と
人民経済の管理運営の改善


 金日成主席は、新たな環境と新しい経済指導体系に即して幹部の思想観点と活動作風の刷新と人民経済の管理運営の改善に深い注意を払った。

 社会主義の全面的建設が推進され、テアンの事業体系と新しい農業指導体系が確立した状況のもとで、幹部の思想観点と活動態度、活動方法、活動作風を根本的に改善し、人民経済の指導・管理水準を決定的に高めることが重要な問題として提起された。

 しかし一部の幹部は、党と労働者階級と人民に献身しようとする思想観点と活動態度に欠け、古い活動方法と活動作風にとらわれ、人民経済の指導と管理を新しい事業体系にもとづいておこなわなかったため、社会主義建設の膨大な課題の遂行に支障をきたし、新しい経済指導管理体系の威力が十分に発揮されなかった。

 主席はこの問題を解決するため、1964年12月、党中央委員会第4期第10回総会を開き、『幹部の党性、階級性、人民性を高め、人民経済の管理運営を改善することについて』と題する結語で、一連の欠陥とその原因を分析し、幹部の思想観点と活動態度を改め、経済管理を改善する方向と方途を示した。

 結語ではまず、幹部の党性を鍛え、活動方法を改善するためには、かれらの党性、労働者階級性、人民性を高めるべきであると強調された。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「幹部が自己に課された任務を立派に遂行するか否かは、結局、その党性と階級性、人民性にかかっています」(『幹部の党性、階級性、人民性を高め、人民経済の管理運営を改善することについて』1964年12月19日)

 幹部は、高度の党性、労働者階級性、人民性を身につけるとき、党の路線と政策を無条件に貫き、労働者階級の立場に立って労働者階級と人民のためにすべてをささげてたたかい、大衆を革命と建設に呼び起こすことができる。特に、新たに確立した党と国家・経済機関の事業体系の威力を発揮させるためには、直接それを担当している幹部の党性、労働者階級性、人民性を高めることが重要であった。

 主席は、幹部の党性は、党の政策を実行し労働者、農民、勤労インテリのためにたたかう実際の活動の成果によって表現されなければならないとし、すべての幹部は、党員と人民の真の代表として党と労働者階級と人民に奉仕すべきであると強調した。そして、一部の幹部が、口先では立派なことを言いながらも党の路線と政策の貫徹に献身せず、労働者階級と人民が解決を求める問題からは目をそらし、国の繁栄と人民生活の向上のために努力しないのは、党性、労働者階級性、人民性が欠けているためであると指摘した。

 そして、こうした欠陥を是正するためには党生活、特に細胞生活に誠実に参加すべきであるとし、一部の幹部が党性、労働者階級性、人民性に欠けている主を原因は、自分を特別な存在とみなして党生活を軽視しているところにあり、幹部は地位のいかんにかかわらず細胞会議と細胞学習会に誠実に参加し、意識的に党の統制を受け、欠陥があれば相互批判を通じて是正すべきであると強調した。

 金日成主席は、幹部の活動方法の改善問題について次のように述べている。

 「大衆路線にもとづいた活動方法、すなわち政治活動を優先させ大衆を立ちあがらせる活動方法は、革命闘争でも経済建設でも、ひとしく必要なものです」(同上)

 活動方法と活動作風は、党性、労働者階級性、人民性の発現であって、それを確立しなくては指導の成果を期することはできない。特に、革命的大衆路線を具現した新しい経済管理体系は、すべての幹部が革命的活動方法と人民的活動作風を身につけてはじめて、その優位性を発揮することができる。

 主席は、経済部門の一部の幹部が政治活動は党幹部のみがするものと考え、実務本位にとらわれているのは、共産主義者の本来の活動方法にもとることであると強く批判し、すべての幹部が革命的活動方法を確立するため、テアンの事業体系とチョンサンリ方法にもとづいて、あらゆる活動に政治活動を優先させ大衆を動かして革命課題を遂行し、現地で下部の活動家を実質的に援助するよう強調した。

 主席は人民経済管理運営の改善をはかって、テアンの事業体系にもとづく計画化水準の向上、技術革命の推進、労働行政の改善、国の経済管理の合理化など原則的な問題を明らかにし、その課題と方途を具体的に示した。

 主席の結語は、新しい環境に応じて、幹部の思想観点と活動態度、活動方法、活動作風を刷新し、人民経済の全分野で一大革新を起こす指針となった。

 総会後主席は、幹部の党性、労働者階級性、人民性を高め、活動方法と活動作風を改善するために、みずから金属化学工業省の一細胞に属して幹部の思想観点と活動態度の刷新をはかり、各省、各局の党総会を指導して幹部の党性、労働者階級性、人民性を高める対策を講じた。そして、経済幹部が党生活を強化して官僚主義、形式主義、無責任な活動作風を克服し、思想観点と活動態度を刷新するよう導くとともに、党をあげての思想闘争をくりひろげて、党性、労働者階級性、人民性に欠けた偏向を批判し、克服していった。

 主席は幹部の思想観点の刷新を、活動方法および活動作風の改善と結びつけて進めた。1965年1月には黄海製鉄所をはじめ、各地の工場、企業所を現地指導し、みずからの手本によって下部指導の原則と指導方法を示した。すなわち、指導活動を当該党委員会の仕事とならせる原則と手順、指導をおこなう人と受ける人が協力して問題解決の方途を求める方法、大衆のなかに入って政治活動を進める方法、大衆に依拠して実態を把握する方法、大衆とともにゆきづまっている問題を解決し潜在力を引き出す方法など、生産者大衆の創意を高度に発揮させ、上部が下部を援助する指導方法がそれである。

 こうして、党性、労働者階級性、人民性を高め、革命的活動方法と人民的活動作風を確立するたたかいが全党的に展開され、幹部の思想観点と活動態度、活動方法と活動作風が一新されていった。

 主席は、人民経済の管理を改善するため、人民経済の計画化にかんする独創的な理論を示し、新たな計画化システムを確立した。そして1965年9月、国家計画委員会党総会で計画の一元化・細部化システムの優位性と、それを発展させる問題を全面的に解明した。

 計画化活動の改善は、社会主義経済管理体系を完成するうえで重要な問題の一つである。特にこれは、社会主義経済建設の進展につれて経済の規模が大きくなり、経済部門間のつながりが複雑になり、新しい経済指導体系が全面的に確立していくことと関連して早急な解決が待たれた。

 主席は、計画の一元化システムを確立し、その優位性を発揮させることに力を入れた。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「計画の一元化とは、全国にはりめぐらされている国家計画機関と計画細胞が一つの計画化システムを構成し、国家計画委員会の統一的な指導のもとに徹底して計画化の唯一性を保つことを意味します」(『人民経済計画の一元化、細部化の偉大な生命力を余すところなく発揮するために』1965年9月23日)

 計画の一元化システムでは、党の意図と国家の要求を理解している計画機関の活動家が、チョンサンリ精神とテアンの事業体系にもとづいて地方や企業所へ出向き計画化活動にあたるので、党政策と大衆路線がすべての計画化単位で貫かれることになる。そして、省、管理局、道の各機関の計画と工場、企業所の計画をすべて全国的な戦略計画に組み入れることによって、機関本位主義と地方本位主義を克服し動員的かつ積極的な計画を作成することが可能となり、また勤労者の意見と生産現場の実状に即して計画化活動をおこなうので、主観主義や官僚主義に陥らず計画の客観性と現実性を保障することができる。

 主席は、計画の一元化とあわせてその細部化をはかった。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「社会主義経済では、経済活動の細部にいたるまで、互いに厳密にかみあうように計画化しなければなりません。特に、資材供給についての細部計画が必ずなければなりません」(同上)

 国家計画機関が、経済全般の発展と各工場、企業所の経営活動を結びつけて、人民経済各部門と地方および企業所の実状に即して計画を具体化し、すべての指標を細部まで正確にかみ合わせるのが、計画の細部化である。これは、人民経済発展の不均衡と自然発生的要素をなくし、社会主義経済の計画的・均衡的発展の法則にそって経済の急速な発展を保障する。

 チョンサンリ精神とテアンの事業体系を計画化活動に具現したこの独創的な一元化・細部化システムは、国家の中央集権的指導と地方の創意を正しく結びつけ、党の政策と社会主義経済法則にそって経済の正しい均衡と高い発展速度を保つ科学的かつ革命的な社会主義的計画化システムである。

 主席は、計画の一元化・細部化方針を貫く措置を講じ、国家計画委員会から工場、企業所の計画部にいたるいっさいの計画機関と部署の事業体系と活動方法を全面的に改編した。そして、計画部門の幹部が下部の実状に通じ、社会主義経済法則と経済管理の知識を身につける一方、この新しい計画化システムを効果的に運営する方法論を立て、作成された計画は無条件に実行する強い規律が確立した。この結果、計画化活動で革新が起き、社会主義経済管理体系はさらに充実した。

 主席は、技術革命の推進と労働行政の改善に力を入れ、この問題を対人活動、政治活動によって解決するようにした。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「技術革命と労働行政がうまくいかない主な原因は、経済指導幹部が政治活動をおこなわなかったところにあります」(『幹部の党性、階級性、人民性を高め、人民経済の管理運営を改善することについて』1964年12月19日)

 技術革命は、たんなる実務的な課題でなく、勤労者を骨の折れる労働から解放する政治的な課題であり、労働行政は労働力を合理的に配置し、勤労者の能力を最大限に高める対人活動の一環である。したがって、対人活動、政治活動をおろそかにして実務的方法にのみとらわれるならば、技術革命も労働行政も成果を期することができない。

 主席は技術革命を促すため、集団的技術革新運動を起こし、あらゆる潜在力と可能性を利用して手工業的生産は半機械化し、半機械化されたものは機械化、機械化されたものは半自動化、半自動化されたものは自動化するというように、すべての部門で技術を発展させ、特に骨が折れ手間のかかる作業から機械化する対策をとった。そして、労働行政の改善をはかって技術革命をおし進める一方、非生産部門の労働力を減らして生産部門にまわし、多くの婦人を採用するようにした。

 主席は、経済の合理的な管理にも力を入れた。

 これは、社会主義的所有の強化と社会の物質的・文化的富の増大、人民の物質・文化生活の向上にとって重要な問題であった。特に、社会主義建設が進展し、経済の規模が拡大するにつれて、それはいよいよ重大な問題となった。

 主席は、党中央委員会第4期第11、第12回総会で、国の経済を合理的に管理する積極的な対策を講じ、その後も人々が経済管理に主人らしい態度でのぞむようにするための思想教育活動と、経済管理を無計画的におこなう傾向を克服する思想闘争を強化した。こうして、すべての党員と勤労者が、手持ちの労働力、設備、資材で増産と品質の改良に努め、共同経営を合理的に運営し、共同財産を愛護し、公私の生活を文化的に営むようになった。また、幹部のあいだで経済を科学的、合理的に管理し、労働力や物資、資金を効果的に利用する気風が確立していった。

 主席のゆきとどいた指導によって、幹部の党性、労働者階級性、人民性が高まり、人民経済が、科学的、合理的に管理運営された結果、経済活動でチョンサンリ精神、チョンサンリ方法が貫かれ、社会主義建設の全分野で新たな革命的高揚がもたらされた。





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