『金日成主席革命活動史』

第4節 北朝鮮労働党第2回大会


 1948年に入って、朝鮮では革命と建設の全領域で新たな変化が生じた。

 北朝鮮では、主席の指導によるプロレタリアート独裁政権の強化、人民経済計画のめざましい遂行、正規化された革命武力の建設によって、国の政治的・経済的威力とともに防衛力が強化された。党活動でも急激な党勢拡大、党の指導性の向上など、大きな前進が遂げられた。

 アメリカ帝国主義の植民地従属化政策に反対する南朝鮮人民のたたかいも強まり、全人民が救国闘争にふるいたった。

 しかし、朝鮮革命の前途には、依然として多くの障害が横たわっていた。

 新しい社会建設の経験に欠け、有能な幹部が不足していたため、国家管理と経済建設にはさまざまな欠陥が生じ、党建設でも少なからぬ偏向を露呈していた。また、アメリカ帝国主義者は、南朝鮮に反動的なかいらい政権をつくって民族を分裂させようと公然と策動し、党内の分派分子はそれに乗じて、陰に陽に反党的・反革命的策動をはたらいた。

 北半部の革命的民主基地を強化し、アメリカ帝国主義の民族分裂策動を粉砕する決定的な救国対策を講じ、革命の参謀部である党を強化することがさし迫った問題となった。

 こうした情勢と革命の要請を見きわめた主席は、1948年3月27日から30日にかけて、北朝鮮労働党第2回大会を招集した。

 主席は党中央委員会の活動報告で、内外の情勢と朝鮮革命の展望を分析し、新たな闘争課題を示した。

 まず、祖国の自主的統一方針とその実現をはかる当面の課題が提起された。

 主席は、アメリカ帝国主義者の単独選挙ならびにかいらい政府樹立の策動を糾弾し、党の祖国統一方針を示した。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「我が党は、一般、平等、直接の選挙原則と秘密投票の方法によって、全朝鮮にわたる最高立法機関の選挙を主張します。このようにして選挙された人民の最高立法機関は、民主的な憲法を制定し、朝鮮人民を民族的繁栄と幸福へ導く真の民主主義的人民政府を組織すべきであります。朝鮮人民みずからが、このような方法によって統一政府を樹立することは、外国軍隊が撤退した条件のもとでのみ可能であります」(『北朝鮮労働党第2回大会でおこなった中央委員会の活動報告』1948年3月28日)

 この祖国統一方針は、自主的立場に立って民主的原則にもとづき平和的方法で統一を達成しようという最も正しい方針であり、祖国の自主的平和統一を願う人なら誰でも受け入れることのできる公明正大な方針であった。

 主席は、祖国の自主的平和統一を達成するためには、南北朝鮮の愛国的な民主勢力と、祖国の自由と独立を望む良心的なすべての人々との団結を強め、アメリカ帝国主義の陰険な植民地奴隷化政策に反対してあくまでたたかうべきであるが、さしあたっては、南北朝鮮の民主的諸政党・大衆団体代表の連席会議を開き、統一国家の樹立を促す具体的な計画と方策を採択すべきであると指摘した。

 主席はつづけて、北半部の革命的民主基地を強化する課題を示し、そのためには経済建設をおし進めるべきであるとし、経済建設にたいする各級党組織の指導的役割を高めることを強調した。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「いま我が国の情勢は、我が党が大衆を組織し、政治的に指導しうる党となるばかりでなく、経済を建設し、企業を管理運営することができ、経済知識と技術を身につけた建設者の党となることを求めています」(同上)

 ここでは、経済建設を指導するうえで、経済知識と企業管理法および経験の習得、経営における秩序と規律の確立、人民経済での国営部門の指導的役割の向上などをはかる党の政策を貫くことが強調された。

 主席は、革命的民主基地を強化するためにはまた、人民政権を強める必要性を指摘したのち、党活動家が国家管理と政権運営にかんする方法と知識を所有し、各級政権機関の職能を規定し、民主的秩序と国家的規律を確立すべきことを強調した。

 ついで主席は党を強める課題を示し、まず党細胞を強化すべきであると強調した。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「(略)党細胞は、日常的に党員を教育し訓練して党隊列の思想的一致と組織的統一を保ち、党の路線と政策を実生活に具現する基本組織であります。細胞の強化は、全党を強化するうえで基本となります」(同上)

 主席は党細胞を強化するためには、中核の育成に努め、細胞の活動水準を高めてすべての細胞を生気にみちた戦闘的な党組織につくることが重要であると指摘した。この方針は、北朝鮮労働党を短時日で不敗の革命的党に発展させ、革命と建設にたいする党の指導的役割を高める転機をもたらした革命的かつ積極的な方針であった。

 党を強化するうえではまた、下級党組織にたいする指導と活動作風の改善、大衆組織にたいする指導の強化、幹部の適正な養成と選抜、配置などが強調された。

 主席は、さらに党思想活動の課題を示した。ここで重要な問題は、党員と人民が革命的世界観を確立し、党の立場にしっかり立ち、党政策で武装し、朝鮮の過去と現在、社会・階級関係を正しく理解して階級意識を高めることであり、そのためには思想教育活動とあわせて思想闘争を強めることが求められた。

 主席は、党大会の報告、特に結語で、分派主義に反対する闘争を強く展開して党の統一と団結を強化すべきであると力説した。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「(略)党内の鉄のような規律と朝鮮共産主義運動の統一を保つために断固とたたかい、分派分子が勝手な悪巧みができないように、その手足をしばりつけておかなければなりません」(『すべての力を民主基地の強化と祖国の統一独立のために』1948年3月29日)

 党が大衆的党として急速な発展を遂げた事情と国内の複雑な政治情勢および今後なすべき膨大な革命任務から、当時、党の統一と団結の決定的な強化が緊切な課題として提起されていたが、そのためには分派分子を一掃しなければならなかった。かれらは、公然とは党に反対できず、面従腹背し、無原則的に人々を引き寄せ派閥を形成して党の統一と団結をそこない、革命と建設に多くの弊害を及ぼしていた。

 主席は、分派分子の思想的根源と手口、その悪弊を明らかにし、すべての党組織と党員がセクト主義にたいしては、それがどんなに小さなものであっても仮借なくたたかい、党内からその影響を一掃すべきであると強調した。

 主席の大会における中央委員会の活動報告は、社会主義への過渡期初期に革命と建設で提起される理論的・実践的問題を全面的に解明した綱領的文書であり、党と人民を社会主義革命と全民族的な反米救国闘争へと呼び起こす不滅の戦闘的旗印であった。それはまた、党細胞を強化し党の中核を育成して、主席を中心とする党の統一と団結をかためるうえで画期的な意義がある不朽の文書であった。

 北朝鮮労働党第2回大会を契機にして革命と建設で飛躍的な発展が遂げられ、党の指導性と戦闘的機能がさらに高まり、朝鮮人民の祖国統一のたたかいに新たな局面が開かれた。     





inserted by FC2 system