『金日成主席革命活動史』

第3節 党の政治路線の擁護と組織指導体系確立のたたかい


 金日成主席は共産党の創立につづいて、党の政治路線と組織路線を貫くたたかいを展開した。

 まず、党の政治路線の貫徹に大きな力が入れられた。

 解放直後、党内にもぐりこんだ分派分子と地方割拠主義者は、分派的目的のため党の政治路線をねじまけ、その実行を妨害した。右翼日和見主義者は、アメリカ帝国主義にたいする幻想をふりまき、親米的なブルジョア共和国を樹立しようと奔走し、極左日和見主義者は直ちにプロレタリア独裁政権を立て社会主義革命を遂行すべきだと主張して、民主主義人民共和国の樹立に反対した。

 こうした反革命的策動を粉砕せずには党の政治路線の貫徹は望めないと認め、かれらとの闘争に乗り出した主席は、1945年11月、北朝鮮共産党中央組織委員会第2回拡大執行委員会で、『人民の政府を樹立するために』と題する歴史的な演説をおこない、政治路線を貫くための革命的な措置を講じた。

 主席はまず、政権樹立にかんする左右の日和見主義者の反革命的策動を厳しく批判し、右翼降伏主義者の主張する「人民共和国」は、親日派、親米派、民族反逆者とえせ革命家である分派分子のための反人民的なブルジョア政権である、これに賛成するのは朝鮮人民の願望を裏切り、帝国主義者の植民地従属化政策を助けることになると指摘した。また、直ちにプロレタリア独裁政権を樹立すべきだとする極左日和見主義者の主張は、朝鮮の社会発展の客観的要請と人民大衆の水準を見ようとしない極左的な行動であり、党を大衆から浮きあがらせ、民族の団結を破壊する極めて危険な行動であると暴露した。

 主席は、政権問題で堅持すべき原則的立場と具体的な課題をかさねて明らかにした。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「共産党は、政権樹立問題にあらわれている誤った左右の見解と態度に徹底的に反対し、党の政治路線にもとづいて政権問題を正しく解決するための闘争を展開しなければなりません。我が党は、既に朝鮮の具体的現実と人民大衆の要求に合致する民主主義人民共和国を樹立する方針を提示しています。我々は、真の人民の政権である民主主義人民共和国を樹立するために全力を尽くすべきであります」(『人民の政府を樹立するために』1945年11月15日)

 主席は、民主主義人民共和国を樹立するためには、まず大衆を結集して大衆的基盤を強化し、そのうえで共産党の指導のもとに民主的諸政党、大衆団体を網羅した民族統一戦線協議会を招集し、中央政権機関を組織する問題を討議すべきであると指摘した。

 党第2回拡大執行委員会における主席の演説と、そこでとられた措置は、左右の日和見主義者の策動を粉砕し、党の政治路線を貫くための綱領的指針となり、このたたかいにおける画期となった。

 主席は、党の組織路線を貫徹し組織指導体系を確立するたたかいも強力におし進めた。

 党第2回拡大執行委員会後、分派分子と地方割拠主義者は党の政治路線に真っ向から反対できなくなったが、党の組織路線の貫徹を執拗に妨害し、党の組織指導体系を乱し、党活動の前進を阻んだ。

 党組織の責任的地位にいた分派分子と地方割拠主義者は厳しい批判を受けたにもかかわらず、セクト主義、地方主義、自由主義の悪習を捨てなかった。黄海道、平安北道、咸鏡南道など一部の地方党組織の責任的地位にいた分派分子と地方割拠主義者は、いろいろのグループをつくって党の統一を弱め、党中央の指示を実行しなかった。特に幹部の登用や党勢の拡大を党の原則にもとづいて進めるのでなく、親戚、友人、同郷、同窓、師弟などの関係によって無原則に処理した結果、幹部や党の隊列に敵対分子や異分子の潜入を許し、党を瓦解させ、党から大衆を切り離す害毒行為をはびこらせた。

 主席は、党の組織路線の貫徹を妨げるいっさいの策動を粉砕し、党活動を根本的に転換させるため1945年12月、北朝鮮共産党中央組織委員会第3回拡大執行委員会を招集し、『北朝鮮共産党各級党組織の活動について』と題する歴史的な報告をおこなった。

 報告では、各級党組織の活動の成果と欠陥、特に党組織活動における欠陥が全面的に分析され、その改善対策が提起された。

 主席はまず、党の階級構成を改善すべきであると指摘した。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「我々は、主として労働者と都市や農村の先進的な勤労者が入党できるように、党勢拡大の方向を改めなければなりません」(『北朝鮮共産党各級党組織の活動について』1945年12月17日)

 主席は、党の階級構成における重要な欠陥は、革命の指導階級である労働者の比率が極めて低いことである、党勢拡大における誤りを正すためには、党活動家が労働者のなかに入って活動し、先進的な労働者を党に多く受け入れ、工場、企業所に党細胞を広く組織すべきであると強調した。

 主席は次に、党の統一と規律を強化すべきであると指摘した。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「我々が強力で権威のある共産党をもつことを望むならば、必ず全力を尽くして党内の規律を強め、党の統一を保つためにたたかわなければなりません」(同上)

 主席は、分派分子と地方割拠主義者が一部の地方党組織にもぐりこんで党の民主集中制の原則に違反し、党の規律を乱していることを厳しく批判し、党内の分派行為を一掃し、党の思想・意志の統一を強化すべきであると指摘した。そして、党の規律は、党組織を強化し党の路線を実行する決定的な保障の一つである、それゆえすべての党員は党生活の規範を遵守し、党の決定や指示を義務的に実行する革命的気風を確立すべきであると強調した。

 主席はまた、大衆との結びつきを強化すべきであると指摘した。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「党が常に広範な勤労大衆に接近し、かれらとの密接な結びつきを保つならば、その党は百戦百勝するでしょう。反対に、もし党が大衆から遊離し、官僚主義のとりこになるならば、その党は力を失い、没落してしまうでしょう」(同上)

 主席は、大衆との結びつきを強めるためには、活動家が大衆のなかに入って教え、かつ学ぶ、革命的な活動方法と人民的な活動作風を身につけるべきであると指摘した。

 報告では、大衆団体にたいする党の指導、幹部養成と党勢配置、唯一党員証の交付事業と党員統計、統一戦線活動などについても強調された。

 党第3回拡大執行委員会における主席の報告は、党の組織路線の貫徹で提起される原則的な問題を全面的に解明した綱領的指針であり、党活動を大きく転換させた歴史的な文書であった。

 党第3回拡大執行委員会は、党の強化発展にとって、特に大きな意義があった。

 金日成主席は、次のように述べている。

 「第3回拡大執行委員会は、我が党創立以来はじめて、党活動と党生活に一大革新を起こし、このときから初めて我が党は、真に健全で強力な党として発展するようになりました」(『北朝鮮労働党第2回大会でおこなった中央委員会の活動報告』1948年3月28日)

 党第3回拡大執行委員会を機に党活動において主席の唯一的な指導が全般的に確立し、唯一思想にもとづく党の統一と団結が全面的に強化され、党建設と党活動では転換が起きた。

 主席は、党第3回拡大執行委員会後、党の組織路線の貫徹を指導した。

 まず、党の唯一的な組織指導体系の確立に大きな力が注がれた。各道党委員会には党検閲グループが、各地方には党組織特派員が派遣されて、地方党組織の指導・検閲がおこなわれた。そして、1946年初めには、各道・市・郡・面党代表者会議が開かれ、党活動の改善と党の組織路線の貫徹対策が立てられた。

 主席は、平安南道、黄海道、咸鏡南北道の党組織を現地指導し、党第3回拡大執行委員会の決定貫徹で提起される諸問題を明らかにした。主席の正しい指導によって分派分子と地方割拠主義者の策動は粉砕され、党内に厳格な規律と唯一的な組織指導体系が確立していった。

 主席は、党隊列の整備と党勢の拡大にも力を注いだ。まず、全党的な党員審査と唯一党員証交付を高度の政治的水準で進めることによって党内の異分子を一掃し、党隊列の純潔性を確保した。また、都市と農村の先進分子、特に労働者のなかで党勢を拡大し、工場と農村に広く党細胞を組織して、党の階級構成の改善をはかった。

 主席は1946年2月、党第4回拡大執行委員会を招集して、第3回拡大執行委員会の決定実行状況を総括し、新たな課題を示すとともに、党の規律に従わない分派分子を厳しく批判し、適切な措置をとった。

 このように主席の指導のもとに、党中央から細胞にいたるまで唯一的な組織指導体系が確立し、党中央指導機関と各級党組織が優秀な幹部でかためられ、党の統一と団結がいちだんと強められた。こうして、党活動が正常な軌道に乗り、共産党は新しい祖国建設に広範な人民大衆を動員できる強力な戦闘的党に成長した。





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