朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法
朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議第5期第1回会議で採択(1972年12月27日)
第9期第3回会議で修正、補足(1992年4月9日)
第10期第1回会議で修正、補足(1998年9月5日)
−1998年9月5日−



朝鮮民主主義人民共和国国歌
「愛国歌」

作詞:パク・セヨン 作曲:キム・ウォンギュン

朝は輝け 大地
黄金(こがね)のめぐみ あふれ
三千里うるわし祖国
五千年の歴史と
きらめく文化 育てし
人民のこの栄光
すべて捧げ この地とわに守らん

白頭(ペクトウ)の精気を継つげる
勤労の聖なる気性
真理で 固めしこころ
世界に さきがけん
力 怒涛とわきて
人民の樹(た)てし国ぞ
富あふれるこの地 とわに栄えよ


目 次
序 文
第1章  政 治
第2章  経 済
第3章  文 化
第4章  国 防
第5章  公民の基本的権利と義務
第6章  国家機構
 第1節 最高人民会議
 第2節 国防委員会
 第3節 最高人民会議常任委員会
 第4節 内 閣
 第5節 地方人民会議
 第6節 地方人民委員会
 第7節 検察所と裁判所

第7章  国章、国旗、国歌、首都

 
序 文

 朝鮮民主主義人民共和国は、偉大な領袖金日成(キムイルソン)同志の思想と指導を具現したチュチェの社会主義祖国である。

 偉大な領袖金日成同志は朝鮮民主主義人民共和国の創建者であり、社会主義朝鮮の始祖である。

 金日成同志は不滅のチュチェ思想を創始し、その旗のもとに抗日革命闘争を組織、指導して栄えある革命伝統を築き、祖国解放の歴史的偉業をなし遂げ、政治、経済、文化、軍事の各分野で自主独立国家建設の強固な基礎を築き、それにもとづいて朝鮮民主主義人民共和国を創建した。

 金日成同志は主体的な革命路線を提示し、各段階の社会革命と建設事業を賢明に導き、共和国を人民大衆中心の社会主義国、自主、自立、自衛の社会主義国に強化、発展させた。

 金日成同志は国家建設と国家活動の根本原則を示し、最もすぐれた国家・社会制度と政治方式、社会の管理体系と管理方法を確立し、社会主義祖国の富強、繁栄とチュチェの革命偉業の継承、完成の確固たる土台を築き上げた。

 金日成同志は「以民為天」を座右の銘とし、常に人民のなかにあって人民のために一生涯をささげ、気高い仁徳政治をもって人民を見守り、導き、全社会を一心団結の大家庭に変えた。

 偉大な領袖金日成同志は民族の太陽であり、祖国統一の救いの星である。金日成同志は国の統一を民族至上の課題とし、その実現のために労苦を尽くし、心血を注いだ。金日成同志は共和国を祖国統一の強力な砦にうちかためる一方、祖国統一の根本原則と方途を示し、祖国統一運動を全民族的運動に発展させて、全民族の団結した力で祖国統一偉業を成就する道を開いた。

 偉大な領袖金日成同志は、朝鮮民主主義人民共和国の対外政策の基本理念を示し、それにもとづいて国の対外関係を拡大、発展させ、共和国の国際的権威を顕揚した。金日成同志は世界政治の元老として自主の新時代を切り開き、社会主義運動と非同盟運動の強化、発展のために、世界の平和と諸人民間の友好のために精力的に活動し、人類の自主偉業に不滅の貢献をなした。

 金日成同志は、思想・理論と指導芸術の天才であり、百戦百勝の鋼鉄の総帥であり、偉大な革命家、政治家であり、偉大な人間であった。

 金日成同志の偉大な思想と指導業績は朝鮮革命の万年の財宝であり、朝鮮民主主義人民共和国の隆盛、繁栄の基本的保証である。

 朝鮮民主主義人民共和国と朝鮮人民は朝鮮労働党の指導のもとに、偉大な領袖金日成同志を共和国の永遠なる主席として仰ぎ、その思想と業績を擁護、固守し、継承、発展させて、チュチェの革命偉業をあくまで完成していくであろう。

 朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法は、偉大な領袖金日成同志の主体的な国家建設思想と国家建設業績を法文化した金日成憲法である。


第1章 政 治

 第1条 朝鮮民主主義人民共和国は、全朝鮮人民の利益を代表する自主的な社会主義国家である。

 第2条 朝鮮民主主義人民共和国は、帝国主義侵略者に抗し、祖国の解放と人民の自由と幸福をめざす栄えある革命闘争の過程で築かれた輝かしい伝統を継承した、革命的な国家である。

 第3条 朝鮮民主主義人民共和国は、人間中心の世界観であり人民大衆の自主性の実現をめざす革命思想である、チュチェ思想をその活動の指導指針とする。

 第4条 朝鮮民主主義人民共和国の主権は、労働者、農民、勤労インテリおよびすべての勤労人民にある。
 勤労人民は、その代表機関である最高人民会議と地方の各級人民会議を通じて主権を行使する。

 第5条  朝鮮民主主義人民共和国においてすべての国家機関は、民主主義中央集権制の原則によって組織され、運営される。

 第6条 郡人民会議から最高人民会議にいたるまでの各級主権機関は、一般、平等、直接の原則にもとづき、秘密投票によって選挙する。

 第7条  各級主権機関の代議員は、選挙人と密接な連係を保ち、その活動について選挙人にたいし責任を負う。
 選挙人は、選挙された代議員が信任を失った場合は、いつでも召還することができる。

 第8条 朝鮮民主主義人民共和国の社会制度は、勤労人民大衆があらゆるものの主人であり、社会のあらゆるものが勤労人民大衆に奉仕する人間中心の社会制度である。
 国家は、搾取と抑圧から解放されて国家と社会の主人となった労働者、農民、勤労インテリと、すべての勤労人民の利益を擁護し、保護する。

 第9条 朝鮮民主主義人民共和国は、北半部において人民政権を強化し、思想、技術、文化の3大革命を力強く展開して社会主義の完全な勝利を達成し、自主、平和統一、民族大団結の原則にもとづいて祖国の統一を実現するためにたたかう。

 第10条 朝鮮民主主義人民共和国は、労働者階級が指導する労農同盟にもとづく全人民の政治的・思想的統一に依拠する。
 国家は、思想革命を強化して社会の全構成員を革命化、労働者階級化し、全社会を同志的に結合した一つの集団につくりあげる。

 第11条 朝鮮民主主義人民共和国は、すべての活動を朝鮮労働党の指導のもとにおこなう。

 第12条 国家は、階級路線を堅持し、人民民主主義独裁を強化して、内外の敵対分子の破壊策動から人民主権と社会主義制度をかたく守る。

 第13条 国家は、大衆路線を具現し、すべての活動において上部が下部を助け、大衆のなかに入って問題解決の方途を見いだし、政治活動、対人活動を優先させて大衆の自覚的熱意を呼び起こすチョンサンリ(青山里)精神、チョンサンリ方法を貫徹する。

 第14条 国家は、3大革命赤旗獲得運動をはじめ大衆運動を力強く展開して、社会主義建設を最大限に促進する。

 第15条 朝鮮民主主義人民共和国は、海外に在住する朝鮮同胞の民主主義的民族権利と、国際法によって公認された合法的権利と利益を擁護する。

 第16条 朝鮮民主主義人民共和国は、その領域内に在住する外国人の合法的権利と利益を保障する。

 第17条 自主、平和、親善は朝鮮民主主義人民共和国の対外政策の基本理念であり、対外活動の原則である。
 国家は、わが国に友好的なすべての国と完全な平等と自主性、相互尊重と内政不干渉、互恵の原則にもとづいて、国家的または政治的・経済的・文化的関係を結ぶ。
 国家は、自主性を擁護する世界の人民と団結し、あらゆる形の侵略と内政干渉に反対し、国の自主権と民族的・階級的解放を実現するための諸国人民の闘争を積極的に支持声援する。

 第18条 朝鮮民主主義人民共和国の法は、勤労人民の意志と利益の反映であり、国家管理の基本的武器である。
 法にたいする尊重と厳格な遵守、執行は、すべての機関、企業所、団体と公民にとって義務的である。
 国家は、社会主義法律制度を完備し、社会主義遵法生活を強化する。


第2章 経 済

 第19条 朝鮮民主主義人民共和国は、社会主義的生産関係と自立的民族経済の土台に依拠する。

 第20条 朝鮮民主主義人民共和国において、生産手段は国家と社会・協同団体が所有する。

 第21条 国家的所有は全人民の所有である。
 国家的所有権の対象には制限がない。
 国のすべての天然資源、鉄道、航空運輸、逓信機関と、重要な工場、企業所、港湾、銀行は国家のみが所有する。
 国家は、国の経済発展において主導的な役割を果たす国家的所有を優先的に保護し、成長させる。

 第22条 社会・協同団体の所有は、その団体に加わっている勤労者の集団的所有である。
 土地、農業機械、船舶、中小工場、企業所などは、社会・協同団体が所有しうる。
 国家は、社会・協同団体の所有を保護する。

 第23条 国家は、農民の思想・意識と技術・文化水準を高め、協同的所有にたいする全人民的所有の指導的役割を高める方向で二つの所有を有機的に結合し、協同経営にたいする指導と管理を改善して、社会主義的協同経営制度を強化、発展させ、協同団体に加わっている全構成員の自発的な意思に従って、協同団体の所有を漸次全人民的所有へと転換させる。

 第24条 個人的所有は、公民の個人的で消費的な目的のための所有である。
 個人的所有は、労働による社会主義的分配と、国家および社会の追加的恩恵からなる。
 自留地経営をはじめ、個人副業経営による生産物と、その他合法的な経営による収入も個人的所有に属する。
 国家は、個人的所有を保護し、その相続権を法的に保障する。

 第25条 朝鮮民主主義人民共和国は、人民の物質・文化生活の不断の向上をその活動の最高原則とする。
 税金の廃止されたわが国において増大する社会の物質的富は、全的に勤労者の福祉増進にあてられる。
 国家は、すべての勤労者に食・衣・住のいっさいの条件を保障する。

 第26条 朝鮮民主主義人民共和国に築かれた自立的民族経済は、人民の幸せな社会主義生活と祖国の隆盛、繁栄のための強固な資財である。
 国家は、社会主義の自立的民族経済建設路線を堅持し、人民経済の主体化、現代化、科学化を促進して、人民経済を高度に発達した主体的な経済にし、完全な社会主義社会にふさわしい物質的・技術的土台を築くために努力する。

 第27条 技術革命は、社会主義経済を発展させる鍵である。
 国家は、常に技術発展問題を第一としてすべての経済活動をおこない、科学技術の発展と人民経済の技術改造を促進し、大衆的技術革新運動を強力に展開して、勤労者を骨のおれる労働から解放し、肉体労働と精神労働の差を縮める。

 第28条 国家は、都市と農村の差、労働者階級と農民の階級的差をなくすために農村技術革命を促進して農業を工業化、現代化し、郡の役割を高め、農村にたいする指導と援助を強化する。
 国家は、協同農場の生産施設と農村の文化住宅を国家負担で建設する。

 第29条 社会主義・共産主義は、勤労者大衆の創造的労働によって建設される。
 朝鮮民主主義人民共和国において労働は、搾取と抑圧から解放された勤労者の自主的で創造的な労働である。
 国家は、失業のないわが国の勤労者の労働をより楽しいものに、社会と集団と自分自身のために自発的熱意と創意を発揮して働く誇りあるものにする。

 第30条 勤労者の1日の労働時間は8時間である。
 国家は、労働の強度と特殊な条件によって、1日の労働時間をこれよりも短縮して定める。
 国家は、労働の組織を正しくおこない、労働規律を強化して、労働時間を完全に利用できるようにする。

 第31条 朝鮮民主主義人民共和国において公民の労働年齢は、16歳からである。
 国家は、労働年齢に達しない少年の労働を禁止する。

 第32条 国家は、社会主義経済にたいする指導と管理において、政治的指導と経済的・技術的指導、国家の統一的指導と各単位の創意性、唯一的指揮と民主主義、政治的・道徳的刺激と物質的刺激を正しく結びつける原則を堅持する。

 第33条 国家は、生産者大衆の集団的な力に依拠して経済を科学的、合理的に管理、運営する社会主義経済管理形態であるテアン(大安)の事業体系と、農業を企業的方法で指導する農業指導体系によって経済を指導し、管理する。
 国家は、経済管理においてテアンの事業体系の要求に即して独立採算制を実施し、原価、価格、収益性などの経済的テコを効果的に利用するようにする。

 第34条 朝鮮民主主義人民共和国の人民経済は計画経済である。
 国家は、社会主義経済発展法則に従って蓄積と消費の均衡を正しく保ち、経済建設を促進し、人民生活をたえず向上させ、国防力を強化しうるよう、人民経済発展計画を作成して実行する。
 国家は、計画の一元化、細部化を実現して、生産成長の速いテンポと人民経済の均衡的発展を保障する。

 第35条 朝鮮民主主義人民共和国は、人民経済発展計画にともなう国家予算を編成して執行する。
 国家は、すべての部門で増産と節約運動を強化し、財政統制を厳格に実施して、国家蓄積を系統的に増やし、社会主義的所有を拡大、発展させる。

 第36条 朝鮮民主主義人民共和国において対外貿易は、国家または社会・協同団体がおこなう。
 国家は、完全な平等と互恵の原則にもとづいて対外貿易を発展させる。

 第37条 国家は、わが国の機関、企業所、団体と外国の法人または個人との企業合弁と合作、特殊経済地帯における各種企業の創設、運営を奨励する。

 第38条 国家は、自立的民族経済を保護するため、関税政策を実施する。


第3章 文 化

 第39条 朝鮮民主主義人民共和国で開花、発展している社会主義的文化は、勤労者の創造的能力を高め、健全な文化的・情操的需要をみたすのに寄与する。

 第40条 朝鮮民主主義人民共和国は、文化革命を徹底的に遂行して、すべての人を自然と社会にたいする深い知識と高い文化・技術水準を有した社会主義・共産主義建設者にし、全社会をインテリ化する。

 第41条 朝鮮民主主義人民共和国は、社会主義勤労者に奉仕する真に人民的で、革命的な文化を建設する。
 国家は、社会主義的民族文化の建設において、帝国主義の文化的浸透と復古主義的傾向を排撃し、民族文化遺産を保護し、社会主義の現実に即して継承、発展させる。

 第42条 国家は、あらゆる分野で旧社会の生活様式を一掃し、新しい社会主義的生活様式を全面的に確立する。

 第43条 国家は、社会主義教育学の原理を具現し、次代を社会と人民のためにたたかう不屈の革命家に、知・徳・体をかねそなえた共産主義的な新しい人間に育成する。

 第44条 国家は、人民教育事業と民族幹部養成事業を他のすべての事業に優先させ、一般教育と技術教育、教育と生産労働を密接に結合させる。

 第45条 国家は、1 年間の就学前義務教育を含む全般的11年制義務教育を、現代科学技術発展の趨勢と社会主義建設の現実的要求に即して高い水準で発展させる。

 第46条 国家は、学業を専門とする教育体系と働きながら学ぶ各種形態の教育体系を発展させ、技術教育と社会科学・基礎科学教育の科学理論水準を高めて、有能な技術者、専門家を育成する。

 第47条 国家は、すべての学生・生徒を無料で学ばせ、大学と専門学校の学生には奨学金を支給する。

 第48条 国家は、社会教育を強化し、すべての勤労者が学習できるあらゆる条件を保障する。

 第49条 国家は、学齢前児童を託児所と幼稚園で国家と社会の負担で保育する。

 第50条 国家は、科学研究活動において主体性を確立し、先進科学技術を積極的に導入し、新しい科学技術分野を開拓して、国の科学技術を世界的水準に向上させる。

 第51条 国家は、科学技術発展計画を正しく作成して徹底的に遂行する規律を確立し、科学者、技術者と生産者の創造的協力を強化するようにする。

 第52条 国家は、民族的形式に社会主義的内容をもりこんだ主体的で革命的な文学・芸術を発展させる。
 国家は、創作家、芸術家が思想性・芸術性の高い作品を大いに創作し、広範な大衆が文芸活動に広く参加できるようにする。

 第53条  国家は、精神的に、肉体的にたえず発展しようとする人々の要求に即して近代的な文化施設を十分にととのえ、すべての勤労者が社会主義的文化・情操生活を思う存分享受できるようにする。

 第54条 国家は、朝鮮語をあらゆる形の民族語抹殺政策から守り、それを現代の要求に即して発展させる。

 第55条 国家は、スポーツを大衆化、日常化して全人民を労働と国防にしっかりと備えさせ、わが国の実情と現代スポーツ技術の発展趨勢に即してスポーツ技術を発展させる。

 第56条 国家は、全般的無料治療制を強化、発展させ、医師区域担当制と予防医療制度を強化して人命を保護し、勤労者の健康増進をはかる。

 第57条 国家は、生産に先立って環境保護対策を立て、自然環境を保全、造成し、環境汚染を防止して、人民に文化的・衛生的な生活環境と労働条件を保障する。


第4章 国 防

 第58条 朝鮮民主主義人民共和国は、全人民的・全国家的防衛体制に依拠する。

 第59条 朝鮮民主主義人民共和国の武装力の使命は、勤労人民の利益を擁護し、他国の侵略から社会主義制度と革命の獲得物を防衛し、祖国の自由と独立と平和を守ることにある。

 第60条 国家は、軍隊と人民を政治的、思想的に武装させ、それにもとづいて全軍幹部化、全軍現代化、全民武装化、全国要塞化を基本的内容とする自衛的軍事路線を貫徹する。

 第61条 国家は、軍隊内で軍事規律と対民衆規律を強化し、将兵一致、軍民一致の気高い伝統的美風を高く発揚させる。


第5章 公民の基本的権利と義務

 第62条 朝鮮民主主義人民共和国の公民となる条件は、国籍に関する法によって規定する。
 公民は居住地にかかわりなく、朝鮮民主主義人民共和国の保護を受ける。

 第63条 朝鮮民主主義人民共和国において公民の権利と義務は、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という集団主義の原則にもとづく。

 第64条 国家は、すべての公民に真の民主主義的権利と自由、幸福な物質・文化生活を実質的に保障する。
 朝鮮民主主義人民共和国において公民の権利と自由は、社会主義制度の強化、発展とともにさらに拡大される。

 第65条 公民は、国家・社会生活のすべての分野で誰もが同等の権利を有する。

 第66条 17歳以上のすべての公民は性別、民族別、職業、居住期間、財産と知識水準、政党別、政見、信教にかかわりなく、選挙権と被選挙権を有する。
 軍隊に服務する公民も選挙権と被選挙権を有する。
 裁判所の判決により選挙権を失った者、精神障害者は選挙権と被選挙権を有することができない。

 第67条  公民は、言論、出版、集会、示威と結社の自由を有する。
 国家は、民主的政党、大衆団体の自由な活動条件を保障する。

 第68条 公民は、信教の自由を有する。この権利は、宗教建築物の建造や宗教儀式などの許容によって保障される。
 宗教を、外部勢力を引き入れたり、国家・社会秩序を乱すのに利用してはならない。

 第69条 公民は、苦情申し立てと請願をおこなうことができる。
 国家は、苦情申し立てと請願を法の定めるところに従って公正に審議し、処理するようにする。

 第70条 公民は、労働の権利を有する。
 労働能力を有するすべての公民は、希望と才能に応じて職業を選択し、安定した職場と労働条件を保障される。
 公民は、能力に応じて働き、労働の量と質によって分配を受ける。

 第71条 公民は、休息の権利を有する。この権利は労働時間制、公休日制、有給休暇制、国家費用による静養・休養制、たえず拡充される各種の文化施設などによって保障される。

 第72条 公民は、無料で治療を受ける権利を有し、高齢や疾病、または身体障害により労働能力を失った者、身寄りのない高齢者や子供は物質的援助を受ける権利を有する。この権利は無料治療制、たえず拡充される病院、療養所をはじめ医療施設、国家の社会保険と社会保障制によって保障される。

 第73条 公民は、教育を受ける権利を有する。この権利は、先進的な教育制度と国家の人民的な教育施策によって保障される。

 第74条 公民は、科学および文学・芸術活動の自由を有する。
 国家は、発明家と創意考案者に配慮を払う。
 著作権と発明権、特許権は法的に保護する。

 第75条 公民は、居住、旅行の自由を有する。

 第76条 革命闘士、革命烈士遺族、愛国烈士遺族、人民軍留守家族、戦傷栄誉軍人は、国家と社会の特別な保護を受ける。

 第77条 女子は、男子と同等の社会的地位と権利を有する。
 国家は、産前・産後休暇の保障、多くの子供を持つ母親のための労働時間の短縮、産院、託児所および幼稚園網の拡張、その他の施策を通して母親と子供を特別に保護する。
 国家は、女性が社会に進出できるあらゆる条件を保障する。

 第78条 結婚および家庭は、国家の保護を受ける。
 国家は、社会の基層生活単位である家庭を強固にすることに深い関心を向ける。

 第79条 公民は、人身と住宅の不可侵、信書の秘密を保障される。法的根拠なしに公民を拘束もしくは逮捕したり、家宅捜索をすることはできない。

 第80条 朝鮮民主主義人民共和国は、平和と民主主義、民族独立と社会主義のために、科学・文化活動の自由のためにたたかって亡命してきた外国人を保護する。

 第81条 公民は、人民の政治的・思想的統一と団結を断固として守らなければならない。
 公民は、組織と集団を重んじ、社会と人民のために献身的に働く気風を高く発揮しなければならない。

 第82条 公民は、国家の法律と社会主義的生活規範を守り、朝鮮民主主義人民共和国の公民としての栄誉と尊厳を固守しなければならない。

 第83条 労働は、公民の神聖な義務であり、栄誉である。
 公民は、労働に自覚的かつ誠実に参加し、労働規律と労働時間を厳守しなければならない。

 第84条 公民は、国家財産と社会・協同団体の財産を愛護し、あらゆる横領・浪費行為とたたかい、国の経済を主人らしく誠実に管理しなければならない。
 国家と社会・協同団体の財産は、神聖不可侵である。

 第85条 公民は、常に革命的警戒心を高め、国家の安全のために献身的にたたかわなければならない。

 第86条 祖国防衛は、公民の最大の義務であり、栄誉である。
 公民は、祖国を防衛しなければならず、法の定めるところに従って軍隊に服務しなければならない。


第6章 国家機構

第1節 最高人民会議

 第87条 最高人民会議は、朝鮮民主主義人民共和国の最高主権機関である。

 第88条 最高人民会議は立法権を行使する。
 最高人民会議の休会中は、最高人民会議常任委員会も立法権を行使することができる。

 第89条 最高人民会議は、一般、平等、直接の選挙原則により、秘密投票で選出された代議員で構成する。

 第90条 最高人民会議の任期は5年とする。
 最高人民会議の次期の選挙は、最高人民会議の任期が終了する前に最高人民会議常任委員会の決定に従っておこなう。やむをえない事情で選挙が実施できない場合は、選挙を実施するときまでその任期を延長する。

 第91条 最高人民会議は、次のような権限を有する。
 1 憲法を修正、補足する。
 2 部門法を制定、または修正、補足する。
 3 最高人民会議の休会中に最高人民会議常任委員会が採択した重要な部門法を承認する。
 4 国家の対内対外政策の基本原則を樹立する。
 5 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長を選挙、または召還する。
 6 最高人民会議常任委員会委員長を選挙、または召還する。
 7 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長の提議により、国防委員会第1副委員長、副委員長、委員を選挙、または召還する。
 8 最高人民会議常任委員会の副委員長、名誉副委員長、書記長、委員を選挙、または召還する。
 9 内閣総理を選挙、または召還する。
 10 内閣総理の提議により、内閣副総理、委員長、相、その他の内閣構成員を任命する。
 11 中央検察所所長を任命、または解任する。
 12 中央裁判所所長を選挙、または召還する。
 13 最高人民会議の各部門委員会の委員長、副委員長、委員を選挙、または召還する。
 14 国家の人民経済発展計画と、その実行状況に関する報告を審議し、承認する。
 15 国家予算とその執行状況に関する報告を審議し、承認する。
 16 必要に応じて、内閣と中央機関の活動状況の報告を受け、対策を立てる。
 17 最高人民会議に提出される条約の批准、廃棄を決定する。

 第92条 最高人民会議は、定期会議と臨時会議を持つ。
 定期会議は、1年に1ないし2回、最高人民会議常任委員会が召集する。
 臨時会議は、最高人民会議常任委員会が必要と認めるとき、または全代議員の3分の1以上の要請があるときに召集する。

 第93条 最高人民会議は、全代議員の3分の2以上の参加により成立する。

 第94条 最高人民会議は、議長と副議長を選挙する。
 議長は会議を司会する。

 第95条 最高人民会議で討議する議案は、最高人民会議常任委員会、内閣と最高人民会議の各部門委員会が提出する。
 代議員も議案を提出することができる。

 第96条 最高人民会議第1回会議は毎期、代議員資格審査委員会を選挙し、同委員会が提出した報告にもとづいて、代議員資格を確認する決定を採択する。

 第97条 最高人民会議は、法令と決定をくだす。
 最高人民会議がくだす法令、決定は、挙手採決の方法で、その会議に参加した代議員の過半数の賛成を得て採択される。
 憲法は、最高人民会議の全代議員の3分の2以上の賛成を得て修正、補足される。

 第98条 最高人民会議は、法制委員会、予算委員会などの部門委員会を設ける。
 最高人民会議の各部門委員会は、委員長、副委員長、委員で構成する。
 最高人民会議の各部門委員会は、最高人民会議の活動を助け、国家の政策案と法案を作成、または審議し、その執行対策を立てる。
 最高人民会議の各部門委員会は、最高人民会議の休会中に最高人民会議常任委員会の指導のもとに活動する。

 第99条 最高人民会議代議員は、不可侵権を保障される。
 最高人民会議代議員は、現行犯である場合を除いては、最高人民会議、その休会中は最高人民会議常任委員会の承認なしに逮捕、もしくは刑事処罰することはできない。


第2節 国防委員会

 第100条 国防委員会は、国家主権の最高軍事指導機関であり、全般的な国防管理機関である。

 第101条 国防委員会は、委員長、第1副委員長、副委員長、委員で構成する。
 国防委員会の任期は、最高人民会議の任期と同一である。

 第102条 朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長は、いっさいの武力を指揮、統率し、国防事業全般を指導する。

 第103条 国防委員会は、次のような任務と権限を有する。
 1 国家の全般的武力と国防建設事業を指導する。
 2 国防部門の中央機関を設置、または廃止する。
 3 重要な軍事幹部を任命、または解任する。
 4 階級章を制定し、将官以上の階級章を授与する。
 5 国の戦時状態と動員令を宣布する。

 第104条 国防委員会は、決定と命令をくだす。

 第105条 国防委員会は、自己の活動について最高人民会議にたいし責任を負う。


第3節 最高人民会議常任委員会
 
 第106条 最高人民会議常任委員会は、最高人民会議の休会中の最高主権機関である。

 第107条 最高人民会議常任委員会は、委員長、副委員長、書記長、委員で構成する。

 第108条 最高人民会議常任委員会は、若干名の名誉副委員長を置くことができる。
 最高人民会議常任委員会の名誉副委員長は、最高人民会議代議員のうち、長期間、国家建設事業に参加して特出の貢献をなした者がなりうる。

 第109条 最高人民会議常任委員会の任期は、最高人民会議の任期と同一である。
 最高人民会議常任委員会は、最高人民会議の任期終了後も、次期の常任委員会が選挙されるまで自己の任務をひきつづき遂行する。

 第110条 最高人民会議常任委員会は、次のような任務と権限を有する。
 1 最高人民会議を召集する。
 2 最高人民会議の休会中に提出された新たな部門法案と規定案、現行の部門法と規定の修正・補足案を審議、採択し、採択、実施する重要部門法を次回の最高人民会議の承認を受ける。
 3 やむをえない事情で最高人民会議の休会中に提出された国家の人民経済発展計画、国家予算とその調整案を審議し、承認する。
 4 憲法と現行の部門法、規定を解釈する。
 5 国家機関の法の遵守、執行を監督し、対策を立てる。
 6 憲法、最高人民会議の法令、決定、国防委員会の決定、命令、最高人民会議常任委員会の政令、決定、指示に反する国家機関の決定、指示を廃止し、地方人民会議の誤った決定の実行を停止させる。
 7 最高人民会議代議員選挙のための活動をおこない、地方人民会議代議員選挙を組織する。
 8 最高人民会議代議員との活動をおこなう。
 9 最高人民会議の各部門委員会との活動をおこなう。
 10 内閣の委員会、省を設置、または廃止する。
 11 最高人民会議の休会中に内閣総理の提議により、副総理、委員長、相、その他の内閣構成員を任命、または解任する。
 12 最高人民会議常任委員会の各部門委員会の構成員を任命、または解任する。
 13 中央裁判所の判事、人民参審員を選挙、または召還する。
 14 外国と結んだ条約を批准、または廃棄する。
 15 外国に駐在する外交代表の任命、または召還を決定し、発表する。
 16 勲章とメダル、名誉称号、外交職級を制定し、勲章とメダル、名誉称号を授与する。
 17 大赦権と特赦権を行使する。
 18 行政単位と行政区域を新設、または改定する。

 第111条 最高人民会議常任委員会委員長は、常任委員会の活動を組織し、指導する。
 最高人民会議常任委員会委員長は、国家を代表し、外国の使臣の信任状、召還状を接受する。

 第112条 最高人民会議常任委員会は、全員会議と常務会議を持つ。
 全員会議は委員全員で構成し、常務会議は委員長、副委員長、書記長で構成する。

 第113条 最高人民会議常任委員会の全員会議は、常任委員会の任務と権限を実現するうえで提起される重要な問題を討議、決定する。
 常務会議は、全員会議が委任した問題を討議、決定する。

 第114条 最高人民会議常任委員会は、政令と決定、指示を発する。

 第115条 最高人民会議常任委員会は、自己の活動を助ける部門委員会を設けることができる。

 第116条 最高人民会議常任委員会は、自己の活動について最高人民会議にたいし責任を負う。


第4節 内 閣

 第117条 内閣は、最高主権の行政的執行機関であり、全般的国家管理機関である。

 第118条 内閣は、総理、副総理、委員長、相とその他必要な構成員で構成する。
 内閣の任期は、最高人民会議の任期と同一である。

 第119条 内閣は、次のような任務と権限を有する。
 1 国家の政策を実行する対策を立てる。
 2 憲法と部門法にもとづいて、国家管理と関連した規定を制定、または修正、補足する。
 3 内閣の委員会、省、内閣直属機関、地方人民委員会の活動を指導する。
 4 内閣直属機関、重要な行政・経済機関、企業所を設置、または廃止し、国家管理機構を改善する対策を立てる。
 5 国家の人民経済発展計画を作成し、その実行対策を立てる。
 6 国家予算を編成し、その執行対策を立てる。
 7 工業、農業、建設、運輸、逓信、商業、貿易、国土管理、都市経営、教育、科学、文化、保健医療、スポーツ、労働行政、環境保全、観光、その他各部門の活動を組織、実行する。
 8 貨幣および銀行制度を強固にする対策を立てる。
 9 国家管理秩序を確立するための検査・統制活動をおこなう。
 10 社会秩序の維持、国家および社会・協同団体の所有と利益の保護、公民の権利保障のための対策を立てる。
 11 外国と条約を結び、対外活動をおこなう。
 12 内閣の決定、指示に反する行政・経済機関の決定、指示を廃止する。

 第120条 内閣総理は、内閣の活動を組織、指導する。
 内閣総理は、朝鮮民主主義人民共和国政府を代表する。

 第121条 内閣は、全員会議と常務会議を持つ。
 内閣全員会議は、内閣の全構成員で構成し、常務会議は総理、副総理とその他総理が任命する内閣構成員で構成する。

 第122条 内閣全員会議は、行政・経済活動で提起される新たな重要な問題を討議、決定する。
 常務会議は、内閣全員会議が委任した問題を討議、決定する。

 第123条 内閣は、決定と指示を発する。

 第124条 内閣は、自己の活動を助ける非常設部門委員会を設けることができる。

 第125条 内閣は、自己の活動について最高人民会議と、その休会中は最高人民会議常任委員会にたいし責任を負う。

 第126条 新たに選挙された内閣総理は、内閣の構成員を代表して、最高人民会議で宣誓をおこなう。

 第127条 内閣の委員会、省は、内閣の部門別執行機関であり、中央の部門別管理機関である。

 第128条 内閣の委員会、省は、内閣の指導のもとに当該部門の活動を統一的に掌握し、指導、管理する。

 第129条 内閣の委員会、省は、委員会会議と幹部会議を運営する。
 委員会、省の委員会会議と幹部会議では、内閣の決定、指示の実行対策とその他の重要な問題を討議、決定する。

 第130条 内閣の委員会、省は指示を発する。


第5節 地方人民会議

 第131条 道(直轄市)・市(区域)・郡人民会議は、地方主権機関である。

 第132条 地方人民会議は、一般、平等、直接の選挙原則により、秘密投票で選出された代議員で構成する。

 第133条 道(直轄市)・市(区域)・郡人民会議の任期は、4年とする。
 地方人民会議の次期の選挙は、地方人民会議の任期が終了する前に当該地方人民委員会の決定に従っておこなう。やむをえない事情で選挙が実施できない場合は、選挙を実施するときまでその任期を延長する。

 第134条 地方人民会議は、次のような任務と権限を有する。
 1 地方の人民経済発展計画とその実行状況に関する報告を審議し、承認する。
 2 地方予算とその執行状況に関する報告を審議し、承認する。
 3 当該地域で国家の法を執行する対策を立てる。
 4 当該人民委員会の委員長、副委員長、事務長、委員を選挙、または召還する。
 5 当該裁判所の判事、人民参審員を選挙、または召還する。
 6 当該人民委員会と下級人民会議、人民委員会の誤った決定、指示を廃止する。

 第135条 地方人民会議は、定期会議と臨時会議を持つ。
 定期会議は、1年に1ないし2回、当該人民委員会が召集する。
 臨時会議は、当該人民委員会が必要と認めるとき、または全代議員の3分の1以上の要請があるときに召集する。

 第136条 地方人民会議は、全代議員の3分の2以上の参加により成立する。

 第137条 地方人民会議は、議長を選挙する。
 議長は、会議を司会する。

 第138条 地方人民会議は、決定を発する。


第6節 地方人民委員会

 第139条 道(直轄市)・市(区域)・郡人民委員会は当該人民会議休会中の地方主権機関であり、当該地方主権の行政的執行機関である。

 第140条 地方人民委員会は、委員長、副委員長、事務長、委員で構成する。
 地方人民委員会の任期は、当該人民会議の任期と同一である。

 第141条 地方人民委員会は、次のような任務と権限を有する。
 1 人民会議を召集する。
 2 人民会議代議員選挙のための活動をおこなう。
 3 人民会議代議員との活動をおこなう。
 4 当該人民会議と上級の人民会議、人民委員会、内閣と内閣の委員会、省の法令、政令、決定、指示を実行する。
 5 当該地方のすべての行政活動を組織し、実行する。
 6 地方の人民経済発展計画を作成し、その実行対策を立てる。
 7 地方予算を編成し、その執行対策を立てる。
 8 当該地方の社会秩序の維持、国家および社会・協同団体の所有と利益の保護、公民の権利保障のための対策を立てる。
 9 当該地方で国家管理秩序を確立するための検査・統制活動をおこなう。
 10 下級人民委員会の活動を指導する。
 11 下級人民委員会の誤った決定、指示を廃止し、下級人民会議の誤った決定の実行を停止させる。

 第142条 地方人民委員会は、全員会議と常務会議を持つ。
 地方人民委員会全員会議は全委員で構成し、常務会議は委員長、副委員長、事務長で構成する。

 第143条 地方人民委員会全員会議は、自己の任務と権限を実現するうえで提起される重要な問題を討議、決定する。
 常務会議は、全員会議が委任した問題を討議、決定する。

 第144条 地方人民委員会は、決定と指示を発する。

 第145条 地方人民委員会は、自己の活動を助ける非常設部門委員会を設けることができる。

 第146条 地方人民委員会は、自己の活動について当該人民会議にたいし責任を負う。
 地方人民委員会は、上級人民委員会と内閣に服従する。


第7節 検察所と裁判所

 第147条  検察活動は、中央検察所、道(直轄市)・市(区域)・郡検察所および特別検察所がおこなう。

 第148条 中央検察所所長の任期は、最高人民会議の任期と同一である。

 第149条 検事は中央検察所が任命、または解任する。

 第150条 検察所は、次のような任務を遂行する。
 1 機関、企業所、団体および公民が国家の法律を正しく守っているかどうかを監察する。
 2 国家機関の決定、指示が、憲法、最高人民会議の法令、決定、国防委員会の決定、命令、最高人民会議常任委員会の政令、決定、指示、内閣の決定、指示に反していないかどうかを監察する。
 3 犯罪者をはじめ違法者を摘発し、法的責任を追及することによって、朝鮮民主主義人民共和国の主権と社会主義制度、国家と社会・協同団体の財産、人民の憲法上の権利と生命、財産を保護する。

 第151条 検察活動は中央検察所が統一的に指導し、すべての検察所は上級検察所と中央検察所に服従する。

 第152条 中央検察所は、自己の活動について最高人民会議と、その休会中は最高人民会議常任委員会にたいし責任を負う。

 第153条 裁判は、中央裁判所、道(直轄市)裁判所、人民裁判所および特別裁判所がおこなう。
 判決は、朝鮮民主主義人民共和国の名において宣告する。

 第154条 中央裁判所所長の任期は、最高人民会議の任期と同一である。
 中央裁判所、道(直轄市)裁判所、人民裁判所の判事、人民参審員の任期は、当該人民会議の任期と同一である。

 第155条 特別裁判所の所長と判事は、中央裁判所が任命、または解任する。
 特別裁判所の人民参審員は、当該軍務者会議、または従業員会議で選挙する。

 第156条 裁判所は、次のような任務を遂行する。
 1 裁判活動を通じて朝鮮民主主義人民共和国の主権と社会主義制度、国家と社会・協同団体の財産、人民の憲法上の権利と生命、財産を保護する。
 2 すべての機関、企業所、団体と公民が国家の法律を正しく守り、階級の敵や、すべての違法者と積極的にたたかうようにする。
 3 財産にたいする判決、判定を執行し、公証をおこなう。

 第157条 裁判は、判事1名と人民参審員2名で構成された裁判所がおこなう。特別な場合は、判事3名で構成しておこなうことができる。

 第158条 裁判は公開とし、被告人の弁護権を保障する。
 法の定めるところにしたがって裁判を公開しないこともある。

 第159条 裁判は朝鮮語でおこなう。
 外国人は、裁判で自国語を使用することができる。

 第160条 裁判所は、裁判において独自的であり、法律に依拠して裁判活動を遂行する。

 第161条 中央裁判所は、朝鮮民主主義人民共和国の最高裁判機関である。
 中央裁判所は、すべての裁判所の裁判活動を監督する。

 第162条 中央裁判所は、自己の活動について最高人民会議と、その休会中は最高人民会議常任委員会にたいし責任を負う。


第7章 国章、国旗、国歌、首都

 第163条 朝鮮民主主義人民共和国国章は、「朝鮮民主主義人民共和国」と記した赤い帯をまいた稲穂の楕円形の枠の中に壮大な水力発電所を配し、その上に革命の聖山−白頭(ペクトウ)山と、燦然と輝く赤い5角星がある。

 第164条 朝鮮民主主義人民共和国国旗は、旗の中央に幅の広い赤地があり、その上下に細い白地があり、その次に青地があり、赤地の旗竿寄りの白い円の中に赤い5角星がある。
 旗の縦横の比は1対2である。

 第165条 朝鮮民主主義人民共和国の国歌は、「愛国歌」である。

 第166条 朝鮮民主主義人民共和国の首都は、平壌(ピョンヤン)である。
出典:朝鮮・平壌 外国文出版社 チュチェ87(1998)




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