朝鮮「憲法」「社会主義憲法」の沿革
 
朝鮮社会主義憲法の修正、補充-2019年8月29日 

 2019年8月29日、朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議第14期第2回会議で、朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法の修正、補充がおこなわれた。

 修正、補充は、社会主義憲法第6章「国家機構」で国家機関の権能に関連する項である。

 最高指導者金正恩党委員長の唯一的指導のもとで社会主義強国の建設をより力強く推し進められる強力かつ威力ある法的保証をもたらすための、修正・補充である。

 【国国務委員会委員長の法的地位と権能】朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長は、全朝鮮人民の総意によって最高人民会議で選挙し、最高人民会議代議員には選挙しないという内容を新しい条文で規制した。
 これにより、名実ともに全朝鮮人民の一様な意思と念願によって推戴されるわが党と国家、武力の最高指導者であることが法的に固着するようになった。

 【国務委員会委員長の任務と権限】朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長は、①最高人民会議の法令、国務委員会の重要政令と決定を公布する②他国に駐在する外交代表を任命、または召還するという内容を新たに補充した。

 また、最高人民会議常任委員会の任務と権限、最高人民会議の権限を規制した一部の内容を修正、補充、整理した。

 修正、補充された社会主義憲法は、国家の全般事業に対する金正恩委員長の唯一的指導を確固と保障し、我々の人民主権の強化と社会主義強国建設のための全人民的大進軍を法的に頼もしく保証することになる。さらに、朝鮮式の国家管理体系がより完備された。


 朝鮮民主主義人民共和国の憲法沿革

 金日成主席は、1949年1月1日、「1949年を迎えて全国の人民に送った新年の辞」で次のように述べている。

 「昨年、解放後3年間に北朝鮮でおさめた民主改革と民主建設の諸成果を法的に位置づけ、全人民に祖国の進路を示す朝鮮民主主義人民共和国憲法が制定されました」(『金日成著作集』5巻1ページ)

☆ 1948年9月8日 朝鮮民主主義人民共和国憲法を制定。
  -1948年4月28日 北朝鮮人民会議第5回会議、憲法草案を採択。
  -1948年7月9~10日 北朝鮮人民会議第6回会議、金日成主席「朝鮮民主主義人民共和国の憲法実施に関して」報告。
  -1948年9月9日 朝鮮民主主義人民共和国創建を発布。


 朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法(조선민주주의인민공화국 사회주의헌법)の沿革は、次のとおり。

 金日成主席は、朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議第5期第1回会議(1972年12月25日)でおこなった演説の第3体系「朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法の基本内容」で次のように述べている。

 「新しく作成された社会主義憲法は、我が国における社会主義革命と社会主義建設の諸成果を正しく反映しており、社会主義社会における政治・経済・文化分野の諸原則ならびに公民の基本的権利と義務を規定しており、また、国家機関の構成とその任務と活動原則を定めています。社会主義憲法は、共和国北半部に樹立された社会主義制度とプロレタリアート独裁を法的に擁護し、労働者階級の革命偉業の遂行に服務すべき使命を担っています」(『金日成著作集』27巻571ページ)


 ☆ 1972年12月27日 最高人民会議第5期第1回会議で採択、制定。
  -1972年12月22~25日 朝鮮労働党中央委員会第5期第6回総会、「朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法」について討議。
  -1972年12月25日 最高人民会議第5期第1回会議で金日成首相を国家主席に推挙。「朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法」を採択。28日、発布。
 ☆ 1992年4月9日 最高人民会議第9期第3回会議で修正補充。
 ☆ 1998年9月5日 最高人民会議第10期第1回会議で修正補充。
 ☆ 2009年4月9日 最高人民会議第12期第1回会議で修正補充。
 ☆ 2010年4月9日 最高人民会議第12期第2回会議で修正。
 ☆ 2012年4月13日 最高人民会議第12期第5回会議で修正補充。
 ☆ 2013年4月1日 最高人民会議第12期第7回会議で修正補充。
 ☆ 2016年6月29日 最高人民会議第13期第4回会議で修正補充。
 ☆ 2019年4月11日 最高人民会議第14期第1回会議で修正補充。
 ☆ 2019年8月29日 最高人民会議第14期第2回会議で修正補充。

<出典>-『金日成著作集』5巻 1981年 朝鮮・平壌 外国文出版社
 -『金日成著作集』27巻 1986年 朝鮮・平壌 外国文出版社
 -「조선민주주의인민공화국 법전 (중보판)」(법률출판사、2016.6.15)
 -朝鮮中央通信
 -『朝鮮史年表』第3版 1992年4月8日 雄山閣出版株式会社






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