朝鮮民主主義人民共和国 社会主義憲法
朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議第14期第1回会議で修正・補充
−2019年4月11日−
 

  序  文

 朝鮮民主主義人民共和国は、偉大な領袖金日成同志と偉大な指導者金正日同志の国家建設の思想と業績が具現されているチュチェの社会主義国家である。

 偉大な領袖金日成同志は、朝鮮民主主義人民共和国の創建者であり、社会主義朝鮮の始祖である。

 偉大な領袖金日成同志は、不滅のチュチェ思想を創始し、その旗のもとに抗日革命闘争を組織、指導して栄えある革命の伝統をきずき、祖国解放の歴史的偉業をなし遂げ、政治、経済、文化、軍事の各分野において自主独立国家建設の強固な基礎をきずき、それにもとづいて朝鮮民主主義人民共和国を創建した。

 偉大な領袖金日成同志は、主体的な革命路線を提示し、各段階における社会革命と建設事業を賢明に導き、共和国を人民大衆中心の社会主義国、自主、自立、自衛の社会主義国家に強化、発展させた。

 偉大な領袖金日成同志は、国家建設と国家活動の根本原則を示し、最も優れた国家・社会制度と政治方式、社会の管理体系と管理方法を確立し、社会主義祖国の富強、繁栄とチュチェの革命偉業の継承、達成のための確固たる土台をきずき上げた。

 偉大な指導者金正日同志は、偉大な領袖金日成同志の思想と偉業を奉じて、わが共和国を金日成同志の国家として強化、発展させ、民族の尊厳と国力を最高の境地に引き上げた不世出の愛国者、社会主義朝鮮の守護者である。

 偉大な指導者金正日同志は、偉大な領袖金日成同志が創始した不滅のチュチェ思想を全面的に深化発展させ、全社会の金日成主義化の旗を高く掲げて社会主義建設のあらゆる分野において奇跡と変革の新しい歴史を創造し、史上初めて領袖永生の大業を切り開き、チュチェの革命伝統を純粋に継承し発展させて朝鮮革命の命脈を確実につないだ。

 偉大な指導者金正日同志は、社会主義世界体制の崩壊と帝国主義連合勢力の悪辣な反共和国圧殺攻勢のもとで、先軍政治によって偉大な領袖金日成同志の貴い遺産である社会主義の獲得物を誇り高く守りぬき、わが祖国を不敗の政治・思想強国、核保有国、無敵の軍事強国にし、社会主義強国建設の輝かしい大路を切り開いた。

 偉大な領袖金日成同志と偉大な指導者金正日同志は、「以民為天」を座右の銘とし、常に、人民のなかにあって人民のために生涯をささげ、気高い仁徳政治をもって人民を見守り、導き、全社会を一心団結の大家庭に変えた。

 偉大な領袖金日成同志と偉大な指導者金正日同志をいただくことによって、わが共和国は富強で自主的な国家建設の根本的かつ中核的な課題を立派に解決した、世界にまたとない国家実体として光を放つようになった。

 偉大な領袖金日成同志と偉大な指導者金正日同志は、祖国統一偉業の実現に不滅の業績を積みあげた民族万代の恩人である。金日成同志と金正日同志は、国の統一を民族至上の課題とし、その実現のために労苦を尽くし、心血を注いだ。金日成同志と金正日同志は、共和国を祖国統一の強力な砦として打ちかためる一方、祖国統一の根本原則と方途を示し、祖国統一運動を全民族の運動に発展させて、全民族の団結した力で祖国統一の偉業を成就する道を開いた。

 偉大な領袖金日成同志と偉大な指導者金正日同志は、朝鮮民主主義人民共和国の対外政策の基本理念を示し、それにもとづいて国の対外関係を拡大、発展させ、共和国の国際的権威を顕揚した。金日成同志と金正日同志は、世界政治の元老として自主の新時代を切り開き、社会主義運動と非同盟運動の強化、発展のために、世界の平和と諸人民間の友好のために精力的に活動し、人類の自主偉業に不滅の貢献をなした。

 偉大な領袖金日成同志と偉大な指導者金正日同志は、思想・理論と指導芸術の天才であり、百戦百勝の鋼鉄の総帥であり、偉大な革命家、政治家であり、偉大な人間であった。

 偉大な領袖金日成同志と偉大な指導者金正日同志の偉大な思想と指導の業績は、朝鮮革命の万年の財宝であり、朝鮮民主主義人民共和国の隆盛、繁栄の基本的保証であり、金日成同志と金正日同志が生前の姿そのまま安置されている錦繍山太陽宮殿は、領袖永生の大記念碑であり、全朝鮮民族の尊厳の象徴、永遠なる聖地である。

 朝鮮民主主義人民共和国と朝鮮人民は、偉大な領袖金日成同志と偉大な指導者金正日同志をチュチェ朝鮮の永遠なる領袖として仰ぎ、朝鮮労働党の指導のもとに金日成同志と金正日同志の思想と業績を擁護、固守し、継承、発展させて、チュチェの革命偉業をあくまで達成していくであろう。

 朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法は、偉大な領袖金日成同志と偉大な指導者金正日同志の主体的な国家建設の思想と業績を法文化した金日成・金正日憲法である。


  第 1 章 政 治
 
 第1条 朝鮮民主主義人民共和国は、全朝鮮人民の利益を代表する自主的な社会主義国家である。

 第2条 朝鮮民主主義人民共和国は、帝国主義侵略者に抗し、祖国の解放と人民の自由と幸福をめざす栄えある革命闘争の過程できずかれた輝かしい伝統を継承した、革命的な国家である。

 第3条 朝鮮民主主義人民共和国は、偉大な金日成・金正日主義を国家の建設と活動の唯一の指導的指針とする。

 第4条 朝鮮民主主義人民共和国の主権は、労働者、農民、軍人、インテリをはじめ、勤労人民にある。
 勤労人民は、その代表機関である最高人民会議と地方の各人民会議を通じて主権を行使する。

 第5条 朝鮮民主主義人民共和国におけるすべての国家機関は、民主主義中央集権制の原則によって組織され、運営される。

 第6条 郡人民会議から最高人民会議に至るまでの各主権機関は、一般、平等、直接の原則にもとづき、秘密投票によって選挙する。

 第7条 各主権機関の代議員は、選挙人と密接な連係を保ち、その活動について選挙人に対し責任を負う。
 選挙人は、選出された代議員が信任を失った場合は、いつでも召還することができる。

 第8条 朝鮮民主主義人民共和国の社会制度は、勤労人民大衆があらゆるものの主人であり、社会のあらゆるものが勤労人民大衆に奉仕する人間中心の社会制度である。
 国家は、搾取と抑圧から解放されて国家と社会の主人となった労働者、農民、軍人、インテリをはじめ、勤労人民の利益を擁護し、人権を尊重し保護する。

 第9条 朝鮮民主主義人民共和国は、北半部において人民政権を強化し、思想、技術、文化の3大革命を力強く展開して社会主義の完全なる勝利をおさめ、自主、平和統一、民族大団結の原則にもとづいて祖国の統一を実現するためにたたかう。

 第10条 朝鮮民主主義人民共和国は、労働者階級が指導する労農同盟にもとづく全人民の政治的・思想的統一に依拠する。
 国家は、思想革命を強化して社会の全構構成員を革命化、労働者階級化し、全社会を同志として結ばれた一つの集団につくり上げる。

 第11条 朝鮮民主主義人民共和国は、すべての活動を朝鮮労働党の指導のもとでおこなう。

 第12条 国家は、階級路線を堅持し、人民民主主義独裁を強化して、内外の敵対分子の破壊策動から人民主権と社会主義制度を強固に守る。

 第13条 国家は、大衆路線を具現し、大衆のなかに入って問題解決の方途を見いだし、政治活動、対人活動を優先させて大衆の精神力と創意性を高く発揮させる革命的活動方法を堅持する。

 第14条 国家は、3大革命赤旗獲得運動をはじめ、大衆運動を力強く展開して、社会主義建設を最大限に促進する。

 第15条 朝鮮民主主義人民共和国は、海外に在住する朝鮮同胞の民主主義的民族権利と、国際法によって公認された合法的権利と利益を擁護する。

 第16条 朝鮮民主主義人民共和国は、その領域に在住する外国人の合法的権利と利益を保障する。

 第17条 自主、平和、親善は、朝鮮民主主義人民共和国の対外政策の基本理念であり、対外活動の原則である。
 国家は、わが国に友好的なすべての国と完全なる平等と自主性、相互尊重と内政不干渉、互恵の原則にもとづいて、国家的または政治的・経済的・文化的関係を結ぶ。
 国家は、自主性を擁護する世界の人民と団結し、あらゆる形の侵略と内政干渉に反対し、国の自主権と民族的・階級的解放を実現するための諸国人民の闘争を積極的に支持、声援する。

 第18条 朝鮮民主主義人民共和国の法律は、勤労人民の意思と利益を反映しており、国家管理の基本的武器である。
 法律に対する尊重と厳格な遵守、執行は、すべての機関、企業、団体と公民の義務である。
 国家は、社会主義法律制度を完備し、社会主義順法生活を強化する。


  第 2 章 経 済
 
 第19条 朝鮮民主主義人民共和国は、社会主義的生産関係と自立的民族経済の土台に依拠する。

 第20条 朝鮮民主主義人民共和国において、生産手段は国家と社会・協同団体が所有する。

 第21条 国家所有は全人民の所有である。
 国家所有権の対象には制限がない。
 国のすべての天然資源、鉄道、航空運輸、逓信機関と、重要な工場、企業、港湾、銀行は国家のみが所有する。
 国家は、国の経済発展において主導的な役割を果たす国家所有を優先的に保護し、拡大させる。

 第22条 社会・協同団体の所有は、その団体に加入している勤労者の集団所有である。
 土地、農業機械、船舶、中小の工場、企業などは、社会・協同団体が所有できる。
 国家は、社会・協同団体の所有を保護する。

 第23条 国家は、農民の思想・意識と技術・文化水準を高め、協同所有に対する全人民所有の指導的役割を高める方向で2つの所有を有機的に結合し、協同経営に対する指導と管理を改善して、社会主義的協同経営制度を強化、発展させ、協同団体に加入している全構構成員の自発的な意思に従って、協同団体の所有を全人民所有へと漸次転換させる。

 第24条 個人所有は、公民の個人的かつ消費的な目的のための所有である。
 個人所有は、労働による社会主義的分配と、国家および社会の追加的恩恵からなる。
 自留地経営をはじめ、個人の副業経営による生産物と、その他の合法的な経営による収入も個人所有に属する。
 国家は、個人所有を保護し、その相続権を法的に保障する。

 第25条 朝鮮民主主義人民共和国は、人民の物質・文化生活を絶えず向上させることをその活動の最高原則とする。
 税金の廃止されたわが国において増大する社会の物質的富は、すべて勤労者の福祉増進に充てられる。
 国家は、全勤労者に食・衣・住のすべての条件を保障する。

 第26条 朝鮮民主主義人民共和国にきずかれた自立的民族経済は、人民の幸せな社会主義生活と祖国の隆盛、繁栄のための強固な資財である。
 国家は、社会主義の自立的民族経済建設路線を堅持し、人民経済の主体化、現代化、情報化、科学化を促進して、人民経済を高度に発達した主体的な経済にし、完全なる社会主義社会にふさわしい物質的・技術的土台をきずくために努力する。

 第27条 技術革命は社会主義経済を発展させる鍵であり、科学技術力は国家の最も重要な戦略的資源である。
 国家は、すべての経済活動において科学技術の主導的役割を強め、科学技術と生産を一体化し、大衆的技術革新運動を強力に展開して経済建設を推し進める。

 第28条 国家は、都市と農村の格差、労働者階級と農民の階級的格差を解消するために農村技術革命を促進して農業を工業化、現代化し、郡の役割を高め、農村に対する指導と支援を強化する。
 国家は、協同農場の生産施設と農村の文化住宅を国家負担で建設する。

 第29条 社会主義は勤労大衆の創造的労働によって建設される。
 朝鮮民主主義人民共和国において労働は、搾取と抑圧から解放された勤労者の自主的かつ創造的な労働である。
 国家は、失業のないわが国の勤労者の労働をより楽しいものに、社会と集団と自分自身のために自発的熱意と創意を発揮して働く誇りあるものにする。

 第30条 勤労者の1日の労働時間は8時間である。
 国家は、労働の度合と特殊な条件に応じて、1日の労働時間を短縮して設定する。
 国家は、労働を正しく組織し、労働規律を強化して、定めた労働時間を完全に利用できるようにする。

 第31条 朝鮮民主主義人民共和国において公民の労働年齢は、16歳からである。
 国家は、労働年齢に達しない少年の労働を禁止する。

 第32条 国家は、社会主義経済に対する指導と管理において、政治的指導と経済的・技術的指導、国家の統一的指導と各単位の創意性、唯一的指揮と民主主義、政治的・道徳的刺激と物質的刺激を正しく結合させ、実利を保障する原則を堅持する。

 第33条 国家は、生産者大衆の集団的な知恵と力に依拠して経済を科学的、合理的に管理、運営し、内閣の役割を決定的に強める。
 国家は、経済管理において社会主義企業責任管理制を実施し、原価、価格、収益性などの経済的テコを効果的に利用するようにする。

 第34条 朝鮮民主主義人民共和国の人民経済は計画経済である。
 国家は、社会主義経済発展法則に従って蓄積と消費の均衡を正しく保持し、経済建設を促進し、人民生活を絶えず向上させ、国防力を強化できるよう、人民経済発展計画を作成して実行する。
 国家は、計画を一元化、細部化することで、生産成長の速い速度と人民経済の均衡のとれた発展を保障する。

 第35条 朝鮮民主主義人民共和国は、人民経済発展計画に伴う国家予算を編成して執行する。
 国家は、すべての部門で増産と節約運動を強化し、財政統制を厳格に実施して、国家の蓄積を系統的に増大させ、社会主義的所有を拡大、発展させる。

 第36条 朝鮮民主主義人民共和国において対外貿易は、国家機関・企業、また社会・協同団体がおこなう。
 国家は、対外貿易において信用を守り、貿易構造を改善するとともに、平等と互恵の原則にもとづいて対外経済関係を拡大、発展させる。

 第37条 国家は、わが国の機関、企業、団体と外国の法人または個人との合弁や合作、特別経済地区における各種企業の創設、運営を奨励する。

 第38条 国家は、自立的民族経済を保護するため、関税政策を実施する。


  第 3 章 文 化
 
 第39条 朝鮮民主主義人民共和国で開花、発展している社会主義的文化は、勤労者の創造力を高め、健全な文化的・情操的要望を満たすのに寄与する。

 第40条 朝鮮民主主義人民共和国は、文化革命を徹底的に遂行して、すべての人を自然と社会に対して深い知識と高い文化・技術水準を有する社会主義建設者とし、全人民科学技術人材化を推し進める。

 第41条 朝鮮民主主義人民共和国は、社会主義勤労者に奉仕する、真に人民的かつ革命的な文化を建設する。
 国家は、社会主義的民族文化の建設において、帝国主義の文化的浸透を排撃し、主体性の原則と歴史主義の原則、科学性の原則にもとづいて民族の文化遺産を保護し、社会主義の現実に即して継承、発展させる。

 第42条 国家は、あらゆる分野において旧社会の生活様式を一掃し、新しい社会主義的生活様式を全面的に確立する。

 第43条 国家は、社会主義教育学の原理を具現し、次世代を社会と集団、祖国と人民のためにたたかう真の愛国者に、知・徳・体を兼ね備えた社会主義建設の働き手に育成する。

 第44条 国家は、人民教育事業と民族幹部養成事業を他のすべての事業に優先させ、一般教育と技術教育、教育と生産労働を緊密に結合させる。

 第45条 国家は、1年間の就学前義務教育を含む全般的12年制義務教育を、現代科学技術の発展趨勢と社会主義建設の現実的要請に即して高い水準で発展させる。

 第46条 国家は、学業を専門とする教育体系と働きながら学ぶ各種形態の教育体系を発展させ、教育の内容と方法、教育の条件と環境を絶えず改善して、有能な科学技術人材を育成する。

 第47条 国家は、すべての学生・生徒・児童を無料で学ばせ、大学生には奨学金を支給する。

 第48条 国家は、社会教育を強化し、すべての勤労者が学習できるあらゆる条件を保障する。

 第49条 国家は、学齢前児童を託児所と幼稚園で国家と社会の負担で保育する。

 第50条 国家は、科学研究活動において主体性を確立し、先進科学技術を積極的に導入し、科学研究部門に対する国家の投資を増やし、新しい科学技術分野を開拓して、国の科学技術を世界的水準に引き上げる。

 第51条 国家は、科学技術発展計画を綿密に作成して徹底的に遂行する規律を確立し、科学者、技術者と生産者の創造的な協力を強化するようにする。

 第52条 国家は、民族的形式に社会主義的内容を盛り込んだ主体的で革命的な文学・芸術を発展させる。
 国家は、創作家、芸術家が思想性・芸術性の高い作品を大いに創作し、広範な大衆が文芸活動に広く参加できるようにする。

 第53条 国家は、精神的、肉体的に絶えず成長しようとする人々の要望に即して近代的な文化施設を十分に整え、すべての勤労者が社会主義的な文化・情操生活を思う存分享受できるようにする。

 第54条 国家は、朝鮮語をあらゆる形の民族語抹殺政策から守り、それを現代の要請に即して発展させる。

 第55条 国家は、スポーツを大衆化、日常化して全人民を労働と国防に対応できるようにさせ、わが国の実情と現代スポーツ技術の発展趨勢に即してスポーツ技術を発展させる。

 第56条 国家は、全般的無料治療制を強化、発展させ、医師区域担当制と予防医療制を強化するとともに、保健・医療部門に対する物質的保障活動を改善して、人命を保護し、勤労者の健康増進を図る。

 第57条 国家は、生産に先立って環境保護対策を立て、自然環境を保全、整備し、環境汚染を防止して、人民に文化的、衛生的な生活環境と労働条件を保障する。


  第 4 章 国 防
 
 第58条 朝鮮民主主義人民共和国は、全人民的・全国家的防衛体制に依拠する。

 第59条 朝鮮民主主義人民共和国の武装力の使命は、偉大な金正恩同志を首班とする党中央委員会を決死擁護し、勤労人民の利益を擁護し、他国の侵略から社会主義制度と革命の獲得物を防衛し、祖国の自由と独立と平和を守ることにある。

 第60条 国家は、人民と人民軍将兵を政治的、思想的に武装させ、それにもとづいて全軍の幹部化と現代化、全人民の武装化、全国土の要塞化を基本的内容とする自衛的軍事路線を貫徹する。

 第61条 国家は、軍隊内に革命的な軍指揮系統と軍紀を確立し、軍事規律と対民衆規律を強化し、将兵一致、軍政結合、軍民一致の気高い伝統的美風を高く発揚させる。


  第 5 章 公民の基本的権利と義務

 第62条 朝鮮民主主義人民共和国の公民となる条件は、国籍法によって規定する。
 公民は居住地にかかわりなく、朝鮮民主主義人民共和国の保護を受ける。

 第63条 朝鮮民主主義人民共和国において公民の権利と義務は、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という集団主義の原則にもとづく。

 第64条 国家は、すべての公民に真の民主主義的権利と自由、幸福な物質・文化生活を実質的に保障する。
 朝鮮民主主義人民共和国において公民の権利と自由は、社会主義制度の強化、発展とともにさらに拡大される。

 第65条 公民は、国家・社会生活のすべての分野において誰もが同等の権利を有する。

 第66条 17歳以上のすべての公民は、性別、民族、職業、居住期間、財産と知識水準、政党、政見、信教にかかわりなく、選挙権と被選挙権を有する。
 軍隊に服務する公民も選挙権と被選挙権を有する。
 裁判所の判決により選挙権を失った者、精神障害者は選挙権と被選挙権を有することはできない。

 第67条 公民は、言論、出版、集会、示威と結社の自由を有する。
 国家は、民主的政党、社会団体の自由な活動条件を保障する。

 第68条 公民は、信教の自由を有する。この権利は、宗教施設の建設や宗教儀式などの許容によって保障される。
 宗教を、外部勢力を引き入れたり、国家・社会秩序を乱すために利用してはならない。

 第69条 公民は、苦情申し立てと請願をおこなうことができる。
 国家は、苦情申し立てと請願を法の定めるところに従って公正に審理し、処理するようにする。

 第70条 公民は、労働の権利を有する。
 労働能力を有するすべての公民は、希望と才能に応じて職業を選択し、安定した職場と労働条件を保障される。
 公民は、能力に応じて働き、労働の量と質によって分配を受ける。

 第71条 公民は、休息の権利を有する。この権利は労働時間制、公休日制、有給休暇制、国家費用による静養・休養制、絶えず拡充される各種の文化施設などによって保障される。

 第72条 公民は、無料で治療を受ける権利を有し、高齢や疾病、または身体障害により労働能力を失った者、身寄りのない高齢者や子どもは物質的援助を受ける権利を有する。この権利は無料治療制、絶えず拡充される病院、療養所をはじめ、医療施設、国家の社会保険と社会保障制度によって保障される。

 第73条 公民は、教育を受ける権利を有する。この権利は、先進的な教育制度と国家の人民的な教育施策によって保障される。

 第74条 公民は、科学および文学・芸術活動の自由を有する。
 国家は、発明家と創意考案者に配慮する。
 著作権と発明権、特許権は法的に保護する。

 第75条 公民は、居住、旅行の自由を有する。

 第76条 革命闘士、革命烈士遺族、愛国烈士遺族、人民軍留守家族、戦傷栄誉軍人は、国家と社会の特別な保護を受ける。

 第77条 女子は、男子と同等の社会的地位と権利を有する。
 国家は、産前・産後休暇の保障、多くの子どもを持つ母親のための労働時間の短縮、産院、託児所および幼稚園網の拡充、その他の施策を通して母親と子どもを特別に保護する。
 国家は、女性が社会に進出できるあらゆる条件を保障する。

 第78条 結婚および家庭は、国家の保護を受ける。
 国家は、社会の基層生活単位である家庭を強固にすることに深い関心を払う。

 第79条 公民は、人身と住宅の不可侵、信書の秘密を保障される。
 法的根拠なしに公民を拘束もしくは逮捕したり、家宅捜索したりすることはできない。

 第80条 朝鮮民主主義人民共和国は、平和と民主主義、民族独立と社会主義のために、科学・文化活動の自由のためにたたかって亡命してきた外国人を保護する。

 第81条 公民は、人民の政治的・思想的統一と団結を断固として守らなければならない。
 公民は、組織と集団を重んじ、社会と人民のために献身的に働く気風を高く発揮しなければならない。

 第82条 公民は、国家の法律と社会主義的生活規範を守り、朝鮮民主主義人民共和国の公民としての栄誉と尊厳を固守しなければならない。

 第83条 労働は、公民の神聖な義務であり、栄誉である。
 公民は、労働に自発的かつ誠実に参加し、労働規律と労働時間を厳守しなければならない。

 第84条 公民は、国家財産と社会・協同団体の財産を大切にし、あらゆる横領・浪費行為に反対し、国の経済を主人として誠実に管理しなければならない。
 国家と社会・協同団体の財産は、神聖不可侵である。

 第85条 公民は、常に革命的警戒心を高め、国家の安全のために献身的にたたかわなければならない。

 第86条 祖国防衛は、公民の最大の義務であり、栄誉である。
 公民は、祖国を防衛しなければならず、法の定めるところに従って軍隊に服務しなければならない。


  第 6 章 国家機構

 第 1 節 最高人民会議

 第87条 最高人民会議は、朝鮮民主主義人民共和国の最高主権機関である。

 第88条 最高人民会議は立法権を行使する。
 最高人民会議の休会中は、最高人民会議常任委員会も立法権を行使することができる。

 第89条 最高人民会議は、一般、平等、直接の選挙原則により、秘密投票で選出された代議員で構成する。

 第90条 最高人民会議の任期は5年とする。
 最高人民会議の次期選挙は、最高人民会議の任期が終了する前に、最高人民会議常任委員会の決定にもとづいておこなう。
 やむを得ない事情で選挙が実施できない場合は、選挙が実施されるまで任期を延長する。

 第91条 最高人民会議は、次のような権限を有する。
 1.憲法を修正、補充する。
 2.部門法を制定、または修正、補充する。
 3.最高人民会議の休会中に最高人民会議常任委員会が採択した重要部門法を承認する。
 4.国家の対内外政策の基本原則を制定する。
 5.朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長を選出、または召還する。
 6.最高人民会議常任委員会委員長を選出、または召還する。
 7.朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長の提議により、国務委員会第1副委員長、副委員長、委員を選出、または召還する。
 8.最高人民会議常任委員会の副委員長、書記長、委員を選出、または召還する。
 9.内閣総理を選出、または召還する。
 10.内閣総理の提議により、内閣副総理、委員長、相、その他の内閣構成員を任命する。
 11.中央検察所所長を任命、または解任する。
 12.中央裁判所所長を選出、または召還する。
 13.最高人民会議の各部門委員会の委員長、副委員長、委員を選出、または召還する。
 14.国家の人民経済発展計画と、その実行状況に関する報告を審議し、承認する。
 15.国家予算とその執行状況に関する報告を審議し、承認する。
 16.必要に応じて、内閣と中央機関の活動状況の報告を受け、対策を講じる。
 17.最高人民会議に提出された条約の批准、廃棄を決定する。

 第92条 最高人民会議は、定期会議と臨時会議がある。
 定期会議は、1年に1〜2回、最高人民会議常任委員会が召集する。
 臨時会議は、最高人民会議常任委員会が必要と認めた場合、または全代議員の3分の1以上の要請がある場合に召集する。

 第93条 最高人民会議は、全代議員の3分の2以上の参加により成立する。

 第94条 最高人民会議は、議長と副議長を選出する。
 議長は会議を主宰する。

 第95条 最高人民会議で審議する議案は、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長、国務委員会、最高人民会議常任委員会、内閣と最高人民会議の各部門委員会が提出する。
 代議員も議案を提出することができる。

 第96条 最高人民会議毎期第1回会議は、代議員資格審査委員会を選挙し、同委員会が提出した報告にもとづいて、代議員資格を確認する決定を採択する。

 第97条 最高人民会議は、法令と決定をくだす。
 最高人民会議がくだす法令、決定は、挙手採決の方法により、会議に参加した代議員の過半数の賛成を得て採択される。
 憲法の修正、補充は、最高人民会議の全代議員の3分の2以上の賛成が必要である。

 第98条 最高人民会議は、法制委員会、予算委員会、外交委員会などの部門委員会を設置する。
 最高人民会議の各部門委員会は、委員長、副委員長、委員で構成する。
 最高人民会議の各部門委員会は、最高人民会議の活動を支援し、国家の政策案と法案を作成、または審議し、執行のための対策を講じる。
 最高人民会議の各部門委員会は、最高人民会議の休会中に最高人民会議常任委員会の指導のもとで活動する。

 第99条 最高人民会議代議員は、不可侵権を保障される。
 最高人民会議代議員は、現行犯である場合を除き、最高人民会議、その休会中は最高人民会議常任委員会の承認なしに逮捕、もしくは刑事処罰することはできない。

 第 2 節 朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長

 第100条 朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長は、国家を代表する朝鮮民主主義人民共和国の最高指導者である。

 第101条 朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長は、全朝鮮人民の総意により最高人民会議で選出する。
 朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長は、最高人民会議代議員としては選出しない。

 第102条 朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長の任期は最高人民会議の任期と同一である。

 第103条 朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長は、朝鮮民主主義人民共和国武力総司令官となり、国家のいっさいの武力を指揮、統率する。

 第104条 朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長は、次のような任務と権限を有する。
 1.国家の事業全般を指導する。
 2.国務委員会の活動を直接指導する。
 3.最高人民会議の法令、国務委員会の重要政令と決定を公布する。
 4.国家の重要な幹部を任命、または解任する。
 5.外国に駐在する外交代表を任命、または召還する。
 6.外国と締結した重要な条約を批准、または廃棄する。
 7.特赦権を行使する。
 8.国の非常事態と戦時状態、動員令を公布する。
 9.戦時に国家防衛委員会を組織、指導する。

 第105条 朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長は、命令をくだす。

 第106条 朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長は、みずからの活動について最高人民会議に対し責任を負う。
 
 第 3 節 国務委員会

 第107条 国務委員会は、国家主権の最高政策的指導機関である。

 第108条 国務委員会は、委員長、第1副委員長、副委員長、委員で構成する。

 第109条 国務委員会の任期は、最高人民会議の任期と同一である。

 第110条 国務委員会は、次のような任務と権限を有する。
 1.国家の重要な政策を討議、決定する。
 2.朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長の命令、国務委員会の政令、決定、指示の実行状況を監督し、対策を講じる。
 3.朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長の命令、国務委員会の政令、決定、指示に反する国家機関の決定、指示を廃止する。
 4.最高人民会議の休会中に内閣総理の提議により、副総理、委員長、相、その他の内閣構成員を任命、または解任する。

 第111条 国務委員会は、政令と決定、指示をくだす。

 第112条 国務委員会は、みずからの活動について最高人民会議に対し責任を負う。
 
 第 4 節 最高人民会議常任委員会

 第113条 最高人民会議常任委員会は、最高人民会議の休会中の最高主権機関である。

 第114条 最高人民会議常任委員会は、委員長、副委員長、書記長、委員で構成する。

 第115条 最高人民会議常任委員会の任期は、最高人民会議の任期と同一である。
 最高人民会議常任委員会は、最高人民会議の任期終了後も、次期常任委員会が選挙されるまでみずからの任務を引き続き遂行する。

 第116条 最高人民会議常任委員会は、次のような任務と権限を有する。
 1.最高人民会議を召集する。
 2.最高人民会議の休会中に提出された新たな部門法案と規定案、現行の部門法と規定の修正・補充案を審議、採択し、採択、実施した重要部門法を次回の最高人民会議の承認を受ける。
 3.やむを得ない事情で最高人民会議の休会中に提出された国家の人民経済発展計画、国家予算とその調整案を審議し、承認する。
 4.憲法と現行の部門法、規定について解釈する。
 5.国家機関の法の遵守、執行を監督し、対策を講じる。
 6.朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長の命令、最高人民会議の法令、決定、国務委員会の政令、決定、指示、最高人民会議常任委員会の政令、決定、指示に反する国家機関の決定、指示を廃止し、地方人民会議の誤った決定の執行を停止させる。
 7.最高人民会議代議員選挙のための活動を行い、地方人民会議代議員選挙を組織する。
 8.最高人民会議代議員との活動をおこなう。
 9.最高人民会議の各部門委員会との活動をおこなう。
 10.内閣の委員会、省を設置、または廃止する。
 11.最高人民会議常任委員会の各部門委員会の構構成員を任命、または解任する。
 12.中央裁判所の判事、人民参審員を選出、または召還する。
 13.外国と締結した条約を批准、または廃棄する。
 14.勲章と賞牌、名誉称号を設け、外交職級を制定し、勲章、賞牌、名誉称号を授与する。
 15.大赦権を行使する。
 16.行政単位と行政区域を新設、または改定する。
 17.外国の国会、国際議会機構との活動をはじめ対外活動をおこなう。

 第117条 最高人民会議常任委員会委員長は、常任委員会の活動を組織し、指導する。
 最高人民会議常任委員会委員長は、国家を代表して外国の使臣の信任状、召還状を接受する。

 第118条 最高人民会議常任委員会は、全員会議と常務会議がある。
 全員会議は、委員全員で構成し、常務会議は委員長、副委員長、書記長で構成する。

 第119条 最高人民会議常任委員会の全員会議は、常任委員会の任務と権限を実現するうえで提起される重要な問題を審議、決定する。
 常務会議は、全員会議が委任した問題を審議、決定する。

 第120条 最高人民会議常任委員会は、政令と決定、指示をくだす。

 第121条 最高人民会議常任委員会は、みずからの活動を支援する部門委員会を設置することができる。

 第122条 最高人民会議常任委員会は、みずからの活動について最高人民会議に対し責任を負う。
 
 第 5 節 内 閣

 第123条 内閣は、国家主権の行政執行機関であり、国家全般の管理機関である。

 第124条 内閣は、総理、副総理、委員長、相とその他必要な構構成員で構成する。
 内閣の任期は、最高人民会議の任期と同一である。

 第125条 内閣は、次のような任務と権限を有する。
 1.国家の政策を実行する対策を講じる。
 2.憲法と部門法にもとづいて、国家管理と関連する規定を制定、または修正、補充する。
 3.内閣の委員会、省、内閣直属機関、地方人民委員会の活動を指導する。
 4.内閣直属機関、重要な行政・経済機関、企業を設置、または廃止し、国家管理機構を改善する対策を講じる。
 5.国家の人民経済発展計画を作成し、実行のための対策を講じる。
 6.国家予算を編成し、執行のための対策を講じる。
 7.工業、農業、建設、運輸、逓信、商業、貿易、国土管理、都市運営、教育、科学、文化、保健・医療、スポーツ、労働行政、環境保全、観光、その他各部門の活動を組織、実行する。
 8.通貨および銀行制度を強固にするための対策を講じる。
 9.国家管理秩序を確立するための検査・統制活動をおこなう。
 10.社会秩序の維持、国家および社会・協同団体の所有と利益の保護、公民の権利保障のための対策を講じる。
 11.外国と条約を締結し、対外活動をおこなう。
 12.内閣の決定、指示に反する行政・経済機関の決定、指示を廃止する。

 第126条 内閣総理は、内閣の活動を組織、指導する。
 内閣総理は、朝鮮民主主義人民共和国政府を代表する。

 第127条 内閣は、全員会議と常務会議がある。
 内閣全員会議は内閣の全構構成員で構成し、常務会議は総理、副総理とその他総理が任命する内閣構成員で構成する。

 第128条 内閣全員会議は、行政・経済活動で提起される新たな重要な問題を審議、決定する。
 常務会議は、内閣全員会議が委託した問題を審議、決定する。
 
 第129条 内閣は、決定と指示をくだす。

 第130条 内閣は、みずからの活動を支援する非常設部門委員会を設置することができる。

 第131条 内閣は、みずからの活動について最高人民会議と、その休会中は最高人民会議常任委員会に対し責任を負う。

 第132条 新たに選出された内閣総理は、内閣の構成員を代表して、最高人民会議で宣誓する。

 第133条 内閣の委員会、省は、内閣の部門別執行機関であり、中央の部門別管理機関である。

 第134条 内閣の委員会、省は、内閣の指導のもとで当該部門の活動を統一的に把握し、指導、管理する。

 第135条 内閣の委員会、省は、委員会会議と幹部会議を運営する。
 委員会、省の委員会会議と幹部会議は、内閣の決定、指示を実行するための対策とその他の重要な問題を審議、決定する。

 第136条 内閣の委員会、省は指示をくだす。

 第 6 節 地方人民会議

 第137条 道(直轄市)・市(区域)・郡人民会議は、地方の主権機関である。

 第138条 地方人民会議は、一般、平等、直接の選挙原則により、秘密投票によって選出された代議員で構成する。

 第139条 道(直轄市)・市(区域)・郡人民会議の任期は、4年とする。 地方人民会議の次期選挙は、地方人民会議の任期が終了する前に、当該地方人民委員会の決定にもとづいておこなう。
 やむを得ない事情で選挙が実施できない場合は、選挙が実施されるまで任期を延長する。

 第140条 地方人民会議は、次のような任務と権限を有する。
 1.地方の人民経済発展計画とその実行状況に関する報告を審議し、承認する。
 2.地方予算とその執行状況に関する報告を審議し、承認する。
 3.当該地域で国家の法を執行する対策を講じる。
 4.当該人民委員会の委員長、副委員長、事務長、委員を選出、または召還する。
 5.当該裁判所の判事、人民参審員を選出、または召還する。
 6.当該人民委員会と下級人民会議、人民委員会の誤った決定、指示を廃止する。

 第141条 地方人民会議は、定期会議と臨時会議がある。
 定期会議は、1年に1〜2回、当該人民委員会が召集する。
 臨時会議は、当該人民委員会が必要と認めた場合、または全代議員の3分の1以上の要請がある場合に召集する。

 第142条 地方人民会議は、全代議員の3分の2以上の参加により成立する。

 第143条 地方人民会議は、議長を選出する。
 議長は、会議を主宰する。

 第144条 地方人民会議は、決定をくだす。

 第 7 節 地方人民委員会

 第145条 道(直轄市)・市(区域)・郡人民委員会は、当該人民会議休会中の地方主権機関であり、当該地方主権の行政的執行機関である。

 第146条 地方人民委員会は、委員長、副委員長、事務長、委員で構成する。
 地方人民委員会の任期は、当該人民会議の任期と同一である。

 第147条 地方人民委員会は、次のような任務と権限を有する。
 1.人民会議を召集する。
 2.人民会議代議員選挙のための活動をおこなう。
 3.人民会議代議員との活動をおこなう。
 4.朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長の命令、最高人民会議の法令、決定、国務委員会の政令、決定、指示、最高人民会議常任委員会の政令、決定、指示、内閣と内閣の委員会、省の決定、指示、当該地方人民会議、上級人民委員会の決定、指示を実行する。
 5.当該地方のすべての行政活動を組織し、実行する。
 6.地方の人民経済発展計画を作成し、実行のための対策を講じる。
 7.地方予算を編成し、執行のための対策を講じる。
 8.当該地方の社会秩序の維持、国家および社会・協同団体の所有と利益の保護、公民の権利保障のための対策を講じる。
 9.当該地方で国家管理秩序を確立するための検査・統制活動をおこなう。
 10.下級人民委員会の活動を指導する。
 11.下級人民委員会の誤った決定、指示を廃止し、下級人民会議の誤った決定の実行を停止させる。

 第148条 地方人民委員会は、全員会議と常務会議がある。
 地方人民委員会全員会議は全委員で構成し、常務会議は委員長、副委員長、事務長で構成する。

 第149条 地方人民委員会全員会議は、みずからの任務と権限を実現するうえで提起される重要な問題を審議、決定する。
 常務会議は、全員会議が委託した問題を審議、決定する。

 第150条 地方人民委員会は、決定と指示をくだす。

 第151条 地方人民委員会は、みずからの活動を支援する非常設部門委員会を設置することができる。

 第152条 地方人民委員会は、みずからの活動について当該人民会議に対し責任を負う。
 地方人民委員会は、上級人民委員会と内閣、最高人民会議常任委員会に服する。
 
 第 8 節 検察所と裁判所

 第153条 検察活動は、中央検察所、道(直轄市)・市(区域)・郡検察所および特別検察所がおこなう。

 第154条 中央検察所所長の任期は、最高人民会議の任期と同一である。

 第155条 検事は中央検察所が任命、または解任する。

 第156条 検察所は、次のような任務を遂行する。
 1.機関、企業、団体および公民が国家の法律を遵守しているかどうかを監察する。
 2.国家機関の決定、指示が、憲法、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長の命令、最高人民会議の法令、決定、国務委員会の政令、決定、指示、最高人民会議常任委員会の政令、決定、指示、内閣の決定、指示に反していないかどうかを監察する。
 3.犯罪者をはじめ法の違反者を摘発し、法的責任を追及することによって、朝鮮民主主義人民共和国の主権と社会主義制度、国家と社会・協同団体の財産、人民の憲法上の権利と生命、財産を保護する。

 第157条 検察活動は中央検察所が統一的に指導し、すべての検察所は上級検察所と中央検察所に服する。

 第158条 中央検察所は、みずからの活動について最高人民会議と、その休会中は最高人民会議常任委員会に対し責任を負う。

 第159条 裁判は、中央裁判所、道(直轄市)裁判所、市(区域)・郡人民裁判所および特別裁判所がおこなう。
 判決は、朝鮮民主主義人民共和国の名において言い渡す。

 第160条 中央裁判所所長の任期は、最高人民会議の任期と同一である。 中央裁判所、道(直轄市)裁判所、市(区域)・郡人民裁判所の判事、人民参審員の任期は、当該人民会議の任期と同一である。

 第161条 特別裁判所の所長と判事は、中央裁判所が任命、または解任する。
 特別裁判所の人民参審員は、当該軍務者会議、または従業員会議で選出する。

 第162条 裁判所は、次のような任務を遂行する。
 1.裁判活動を通じて朝鮮民主主義人民共和国の主権と社会主義制度、国家と社会・協同団体の財産、人民の憲法上の権利と生命、財産を保護する。
 2.すべての機関、企業、団体と公民が国家の法律を遵守し、階級の敵や、すべての法の違反者と積極的にたたかうようにする。
 3.財産に関する判決、判定を行い、公証活動をおこなう。

 第163条 裁判は、判事1名と人民参審員2名で構成された法廷でおこなう。特別な場合は、判事3名でおこなうことができる。

 第164条 裁判は公開とし、被告人の弁護権を保障する。
 法の定めるところにより裁判を公開しないこともある。

 第165条 裁判は、朝鮮語でおこなう。
 外国人は、裁判で自国語を使用することができる。

 第166条 裁判所は、裁判において独立しており、法律に依拠して裁判をおこなう。

 第167条 中央裁判所は、朝鮮民主主義人民共和国の最高裁判機関である。
 中央裁判所は、すべての裁判所の裁判活動を監督する。

 第168条 中央裁判所は、みずからの活動について最高人民会議と、その休会中は最高人民会議常任委員会に対し責任を負う。


  第 7 章 国章、国旗、国歌、首都

 第169条 朝鮮民主主義人民共和国国章は、「朝鮮民主主義人民共和国」と記した赤い帯をまいた稲穂の楕円形の枠の中に壮大な水力発電所を配し、その上に革命の聖山――白頭山と、燦然と輝く赤い五角の星を配している。

 第170条 朝鮮民主主義人民共和国国旗は、旗の中央に幅の広い赤地があり、その上下に細い白地、さらに青地があり、赤地の旗竿寄りの白い円の中に赤い五角の星がある。 旗の縦横の比は1対2である。

 第171条 朝鮮民主主義人民共和国の国歌は、「愛国歌」である。

 第172条 朝鮮民主主義人民共和国の首都は、平壌である。

出典:朝鮮民主主義人民共和国のサイト「ネナラ」





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