全般的12年制義務教育実施に関する法令
 −2012年9月25日−


 朝鮮中央通信によると、最高人民会議第12期第6回会議は25日、法令「全般的12年制義務教育を実施することについて」を発布した。

 法令の全文は次のとおり。


 教育事業は、国の興亡と民族の将来、運命を左右する根本問題の一つである。

 育ちゆく新しい世代をチュチェ型の革命人材にしっかりと育ててこそ、革命と建設を力強く前進させることができ、代を継いで革命を続けられる。

 朝鮮労働党と共和国政府は、革命と建設を進め、国と民族の強盛繁栄をなし遂げるうえで次代教育に優先的意義を付与して教育事業をすべての事業に先立たせる原則を確固と堅持し、国の事情が困難であっても次代教育に必要なものであれば何も惜しまなかった。

 共和国政府は、戦後の復旧建設と社会主義基礎建設の困難な条件でも、東方で初めて1956年に初等義務教育を実施したのに続き、1958年には中等義務教育を実施して育ちゆく新しい世代に学びの広い道を開いた。

 共和国政府は、我が国で社会主義工業化の課題が全面的に遂行されていた時期である1967年に中等一般教育と基礎技術教育、教育と生産労働を密接に結び付ける我々式の独創的な全般的9年制技術義務教育を実施して新しい世代を現実に役立つ生きた知識を備えた革命人材に育てられるようにし、社会の全般的技術水準を急速に高められる跳躍台をもたらした。

 20世紀の70年代は、国の教育発展で画期的な転換が起きた時期であった。

 共和国政府は、金日成主席と金正日総書記の賢明な指導のもとに、我が人民がチュチェの旗印、社会主義の旗印を高く掲げて創造と変革で国家社会生活のすべての分野で一大全盛期を開いていた1972年、世界で初めて全般的11年制義務教育を実施した。

 全般的11年制義務教育の実施は、時代と革命発展の要求に即して無料義務教育の水準を高めて教育内容を一新し、新しい世代を党と領袖、祖国と人民に限りなく忠実な革命人材、有能な社会主義建設者に育成できるようにする正当な措置であった。

 全般的11年制義務教育が成功裏に実施され、「社会主義教育に関するテーゼ」を貫徹するたたかいのなかで秀才養成拠点が立派に打ち立てられ、それをモデルに中等一般教育を改善、強化する事業が活発に推進されたことで、国の科学技術の発展に大きく寄与できる才能ある科学者、技術者の後進が数多く育った。

 こんにち、我が共和国が核抑止力を持った尊厳ある軍事強国、人工衛星の製作および打ち上げ国としての誇りをとどろかすようになり、人民経済の各部門に我々式のCNC技術とフレキシブル生産システム(FMS)が導入され、主体的で現代的な重工業および軽工業拠点と大記念碑的創造物が数多く建てられるようになったところには、全般的11年制義務教育を受けて成長した新しい世代の科学者と青年の偉勲と功績が宿っている。

 全般的11年制義務教育の実施と人材育成事業で収めたこれらすべての成果は、金日成主席と金正日総書記の崇高な次代教育思想と精力的な指導が生んだ輝かしい結実である。

 我が革命が全社会を金日成・金正日主義化するための新たな高い段階に入ったこんにち、教育に対する要求は比較にならないほど高まっている。

 我々には、最先端を突破することに関する時代と革命発展の要求に即して教育の質の水準をさらに高めて新しい世代をチュチェの革命偉業、先軍革命偉業を担っていく革命の柱にさらに立派に育てなければならない重大かつ栄誉ある課題が提起されている。

 朝鮮労働党と共和国政府は、社会主義強盛国家を全面的に建設していく現実の要求を反映して全般的12年制義務教育を実施することになる。

 全般的12年制義務教育の実施は、敬愛する金正恩同志の崇高な祖国観、次代観、未来観が集約された重大な措置であって、我が共和国が教育強国、発展した社会主義文明国として力強く進んでいくことを全世界に誇示する一大出来事となる。

 全般的12年制義務教育は、知識経済時代の教育発展の現実の要求と世界的推移に即して教育の質を決定卸こ高め、新しい世代を完成した中等一般知識と現代的な基礎技術知識、創造的能力を備えたチュチェ型の革命人材に育てる最も正当で優れた教育である。

 全般的12年制義務教育の実施は、全国家的、全人民的、全社会的な事業である。

 我々には、百戦百勝の朝鮮労働党の卓越にして洗練された指導があり、実践を通じてその正当性と優位性、生命力が実証された全般的11年制義務教育を実施してきた貴重な成果と自立的民族経済の強固な土台がある。

 最高人民会議は、全般的12年制義務教育の実施に関する問題を討議し、次のように決定する。

 1.朝鮮民主主義人民共和国のすべての地域で全般的12年制義務教育を実施する。

 1)全般的12年制義務教育は無料で実施する。
 2)全般的12年制義務教育を受ける対象は5歳から17歳までのすべての子供と青少年である。
 3)全般的12年制義務教育は、1年制就学前教育と5年制小学校、3年制初級中学校、3年制高級中学校教育とする。
 4)2013−14学年度から6年制中学校を3年制初級中学校と3年制高級中学校に分けて運営する。
 道(直轄市)市(区域)郡機関所在地をはじめ、校舎が整えられている地域では初級中学校と高級中学校に分けて運営し、校舎が整えられていなかったり、生徒の数が少ない地域の学校では初級中学班、高級中学班を併設して運営することができる。
 5)4年制小学校を5年制小学校に転換する事業は、必要な準備段階を経て2014−15学年度から始めて2〜3年のうちに終える。
 6)全般的12年制義務教育の総体的目標と各課程の到達目標を明確に定め、教授内容の範囲と水準を確定し、それに基づいて2013年の新学年度前まで各課程のカリキュラムと教育要綱を作成して各級学校に示達する。
 7)特殊な課程の学制と教育問題は別に定める。

 2.全般的12年制義務教育の実施に関連して不足する教員を補充し、教員の資質を高め、教育方法を改善するための対策を立てる。

 1)小学校の学制を4年制から5年制に転換するのに合わせて教員労力機構と教員養成部門の大学入学生の計画を増やす。
 2)市(区域)郡を単位に居住地を問わず学力が最も優れ、教員としての品格を備えられる中学校卒業生(第1中学校卒業生を含む)を厳選して師範大学、教員大学に推薦し、入学させ、師範大学、教員大学の卒業生を教員が不足する学校に無条件配置する厳格な規律を立てる。
 3)教員経歴者、適格者を探し出して不足する教員の隊列を補充する。
 4)2013年の新学年度前に師範大学、教員大学のカリキュラムを検討し、教員養成目的に合わせて正しく編成し、教員講習、再教育を強化して教員の資質を高める。
 5)授業と実験、実習を情報化し、教育行政管理をコンピューター化し、教育委員会と全国の教育機関の情報通信網を形成する事業を力強く推し進める。
 6)教育方法の研究を深めて中等一般教育部門で啓発式教授方法を全面的に具現する。

 3.教育事業に対する国家的投資を増やし、全般的12年制義務教育の実施に必要な条件と環境を整える。

 1)知識経済時代の教育発展の要求に即して教育事業に対する国家的投資を決定的に増やす。
 2)全般的12年制義務教育の実施に関連して不足する教室を早期に解決できるよう学校を新たに建設、増築する事業を2017年の新学年度前に終え、住宅地区の建設で学校の建設を優先させる原則を堅持する。
 3)通学距離の遠い農村および山間地域に分校と教員、生徒のための宿舎を設け、通学バスと通学列車、通学船の運営を正常化する。
 4)全般的12年制義務教育の実施に必要な教具、備品と学用品、教育実習用設備と実験器具、資材を随時生産、供給する。
 5)教育図書を印刷する工場の能力を決定的に増やし、紙をはじめとする資材を十分に確保して全般的12年制義務教育の実施に必要な校種別教科書、参考書を円滑に供給する。
 6)各道(直轄市)に2013年上半期まで慶上幼稚園(平壌)のようなモデルを1〜2設け、すべての幼稚園に一般化する。
 7)教員と教育科学研究部門の研究士が落ち着いて働けるよう生活条件を責任をもって保障する。

 4.全般的12年制義務教育を成功裏に実施するための行政指導と法的統制を強化する。

 1)全般的12年制義務教育を実施する事業を全国家的、全人民的、全社会的な事業として行う。
 2)市(区域)郡人民委員会は、全般的12年制義務教育を実施するための事業を模範教育郡(市、区域)称号獲得運動と密接に結び付けて行う。
 3)道(直轄市)市(区域)郡人民委員会は、学校後援団体を正しく確定し、その役割を高めるようにする。
 4)各級人民保安・検察機関は、教員、児童・生徒をカリキュラムに反映された国家的動員以外の他のことに無秩序に動員する現象をなくすための法的統制を強化する。
 5)各級人民保安・検察機関は、学校をはじめ教育機関、教育科学研究機関に社会的課題をむやみに与えて教育事業と科学研究活動に支障を来す現象に対して強い法的闘争を展開する。
 5.内閣と当該機関は、この法令を執行するための実務的対策を立てる。【朝鮮通信=東京】





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